ごまだんごさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

(1963年製作の映画)

4.3

作品の雰囲気が怖すぎる。最後まで結局何が何だったのか分からない。底知れぬ恐怖の漂う作品。
人間の理解が及ばない“鳥”という生き物が集団で襲ってくる。冷静に考えたらガチで怖すぎる。空を飛ぶし、平気で体当
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タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

4.8

映画館で「タイタニック」を見れた事に心からの感謝を。
改めて本作を見て感じたのは、身分違いの恋愛を描いた傑作であると同時に、死を目前にした人々の行動に焦点を当てた歴史的な映画でもあるということ。自分の
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ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

2.5

「明け方の若者たち」を補完するスピンオフ作品。
本編のヒロインを掘り下げる物語だったが、これを見ても彼女の事を魅力的だとは思えなかった。
彼女の行動はどうしても正解だとは思えない。自分を正当化する言い
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.5

雰囲気やテーマは好きだった。けれど、登場人物達の魅力が薄いように感じた。
特に、主人公の恋人となる“彼女”。映画が終わる頃には、彼女の事を全く好意的に見れなくなっていた。主人公も結局何がしたかったのか
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.4

親友同士の二人の男の関係が崩れていく様を美しい景色と音楽で描く。
コミュニケーションの難しさ。どう他者と関わっていくのか。この世には全く同じ考えの人間は存在しないのだから、お互いに折り合いをつけて生き
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

2.6

この作品に関しては本当に意味が分からなかった。想像力を掻き立てられる断片的で奇怪なイメージを並べただけの映画なのだが、展開にあまりにも脈絡が無すぎて困惑する。
眼球のシーンの魅せ方が好き。

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

映像が凄すぎてひたすらに驚いた。まさに、漫画の絵がそのまま動きだしたようだった。
試合のシーンは全てが素晴らしかった。本物の試合を見ていると錯覚した。騒然と静寂を使い分ける音響も上手い。
本作はある登
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.0

ハムレットの基となった伝説を当時の世界観そのままに映画化した作品。
物語は「ライオン・キング」や「マクベス」に近い。というより、本作で扱っている伝説がこれら作品の元祖となっているので当然なのだが。
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.6

”イレイザーヘッド”を撮ったリンチ監督とは思えない程に、理性的で感動的な映画だった。素敵なことも残酷なことも、全てがありのままに映されており、心が何度も搔き乱された。
私は差別をテーマにした作品を見る
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めまい(1958年製作の映画)

4.5

この作品からは上品さと恐ろしさを感じる。淡い夢のような美しい映像や小道具の数々。緊迫感のあるミステリーと高所恐怖症の斬新な表現。ラストの完璧で最悪な展開と、これを彩る芸術的な映像。
映画に求めることが
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裏窓(1954年製作の映画)

3.7

主人公が自室から一切移動しないという非常に珍しいシチュエーションで繰り広げられるミステリー。
人が思い込みを根拠に行動する事の愚かさと恐ろしさを痛感。
物語に謎を残すエンディングが好き。鑑賞後、誰かと
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.3

赤で彩られた世界で、人間の欲を炙り出す傑作。
美術的センスが飛び抜けており、どのシーンを切り取っても美しい。画面を覆いつくす赤色に、純白のドレスが映える。
登場人物の“顔”が印象的。感情が顕になるシー
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.4

似ているタイプの映画である「鬼滅の刃 無限列車編」と比較して、誰が見ても楽しめるよう丁寧に作られている点は良かった。
ただ、物語は正直普通。展開は駆け足気味だったし、ラストの戦闘も呆気なく終わってしま
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.2

期待してなかったけど、かなり良かった。孤独に悩む若者へ寄り添う、優しさに溢れた物語だった。
近年は“ぼっち”をテーマにした作品が多いと感じる。そんな作品の中でも今作は核心にド直球で迫った作品だったと思
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アダムス・ファミリー2(1993年製作の映画)

4.2

1作目より断然良かった。
2つの物語が並行して進む構成。様々なキャラクターの魅力を引き出せていたと思う。恋するフェスターおじさんやチョビ髭赤ちゃんピューバートなど、どのキャラも素晴らしかったが、中でも
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ナイト ミュージアム/カームンラーの大脱走(2022年製作の映画)

3.0

アニメでもちゃんとナイトミュージアムしてて安心した。
おなじみのキャラクターが登場したり、懐かしくなる展開が満載なので実写版が好きな人は楽しめると思う。 でもやっぱり今シリーズは実写で見たいな。

偽りなき者(2012年製作の映画)

4.7

理不尽の極み。最強の鬱映画。
女児のささいな“嘘”から始まる、無実で誠実な幼稚園教員(マッツ・ミケルセン)の転落劇。
リアリティ溢れる世界観だからこそ、マッツに感情移入して物語を体験してしまう。途中で
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LOVE【3D】(2015年製作の映画)

3.4

挑戦的な作品。唯一無二の方法でリアルな“恋愛”を描いている。
プロットだけでいえば、ありきたりなラブストーリー。愛に未練を抱いた男。純愛の話。「アレックス」のようにバラバラな時系列で語られるカップル
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.8

噂には聞いていた“永遠のトラウマ“になるという衝撃のラスト。個人的には「こんなもんか」と思ってしまった。
なんだろう、大変態王国日本なら既にどこかでやってそうな描写というか…。確かに気持ち悪すぎるけど
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.3

正直な感想としては、確かに映像は凄かったが、前作ほどの感動や興奮は無かったというのが正直なところ。期待値が高かっただけに、少し残念。
今作は海という舞台も含め、とにかく画面に青が多い。登場する人間も前
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タイタニック(1997年製作の映画)

4.7

完璧なパニック映画であり、ラブロマンス映画。
大衆受けする夢のような恋物語。これに本物にしか見えない舞台装置と役者の演技が合わさっており、完璧なバランスだと思った。
長い映画なのに、起承転結が分かりや
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アレックス(2002年製作の映画)

4.6

ギャスパー・ノエ監督は僕らの心だけでなく視力と平衡感覚までを直接破壊してくる。悪魔のようだ。
光に過敏な人、酔いやすい人は鑑賞注意。あと、体調が優れない人は鑑賞禁止。
独創的な物語展開で魅せる、残酷
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カノン(1998年製作の映画)

4.4

れっきとした同監督作「カルネ」の続編であり、更なる問題作。今作には

“映画館を出るならあと30秒以内で”

という文字と共にカウントダウンが始まる恐怖演出が。実際に流れる映像は悲惨そのもの。しかし、
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カルネ(1994年製作の映画)

4.0

自分を客観視できていない気持ち悪い馬肉屋の男が、人間が持つ様々な欲に翻弄されていく。暴力的に娘を愛する男。しかし、その愛情は本当に親子間の愛なのか。
伝えたいメッセージをどデカい文字で画面全体に映す
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.9

過酷なシベリア強制収容所に抑留された日本捕虜を描いた物語。戦時中の兵士を描いた作品はいくつもあるが、本作のように戦後の捕虜を描いているのは珍しい。
ストーリーの大半は「ショーシャンクの空に」のようで、
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.4

誰を信じれば良いのか分からない恐怖。人工知能発展により迫り来るシンギュラリティ。これを、美しくも恐ろしい映像で表現したSF映画。ホラーとはまた違う恐ろしさと心の芯に来る嫌悪感。アレックス・ガーランド監>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.3

あの頃の青春を思い出させてくれる、暖かい作品。
人間って楽しそうに見えても、それぞれが何か違うものを抱えていて、心の奥底で戦っている。そんな当たり前だけれど中々気づけない事を旅を通じて理解していく子供
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E.T. 20周年アニバーサリー特別版(2002年製作の映画)

4.2

この手の物語では珍しく、主人公の兄が本当に良い人でほっこりした。主人公よりも感情表現が豊富で、見ていて可愛い。
さすが名作と呼ばれるだけあり、ストーリーが綺麗に纏まっている。纏まりすぎているからか、展
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魔法にかけられて2(2022年製作の映画)

2.8

前作の良い点が皆無。残念な続編。物語がちぐはぐしていて、感情が揺さぶられない。想像通りの展開しか起きず驚きがない。そこに、深い感動や高揚感は無かった。
前作では、アンダレーシア(魔法の世界)と現実世界
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ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界(2022年製作の映画)

3.7

異世界冒険をテーマにしたディズニー最新作。どこかパッとしなく地味な作品だけれど、無難に面白い。ディズニーの長い歴史の中で、こういう映画もあって良いなと思えた。
物語の核は、親と子の物語。人生において大
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

4.5

44分という尺で、感情を何度も揺さぶってくるジェームズ・ガン監督はやはり天才だ。
またガーディアンズの仲間たちに会えた。それだけで本当に嬉しい。オープニングからいつものノリが続く。最高の音楽に、キャラ
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト(2022年製作の映画)

3.6

一見変わっているように見えるが、中身はとてもシンプルな物語。想像した展開がその通りに続いていく。いわゆる、この手の映画では“お決まり”な展開もあり、いっそ清々しさすら感じる。作風はホラー、というよりは>>続きを読む

禅 グローグーとマックロクロスケ(2022年製作の映画)

3.2

ルーカスフィルム×ジブリという奇跡。歴史の転換点になり得る作品だろう。
内容は水彩画風に描かれたグローグーとまっくろくろすけが出会うという大変シンプルなもの。手書きアニメの柔らかな温かみに溢れた作品だ
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ノベンバー(2017年製作の映画)

4.5

繊細な映像美。奇妙で愛すべきキャラクター達。エストニアの薄暗い寒村を舞台にオカルトな世界が広がる。タル・ベーラ作品にティム・バートンのキャラクターが存在しているような作品だった。
難解な映画に見えるが
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.7

ティ・チャラ王を演じるチャドウィック・ボーズマンの訃報。現代の技術ならディープフェイクを活用したり、代役を立てることで彼の物語を続ける事が出来たかもしれないが、MCUは作品内でも同じ道を選んだ。オープ>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.6

Filmarks主催の試写会にてお先に鑑賞。
王の甥でありながら、怠惰で小心者な男ガウェインのファンタスティックな珍道中。
キービジュアルや予告編を見て、勇敢な男の感動的な冒険譚が繰り広げられそうな映
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