ゴダールの『ウイークエンド』のようにジリジリと続く横スクロールでアケルマンが映し出すのは、ソ連崩壊後の旧共産主義国の都市と人々。
無言で語られるドキュメンタリー。
アケルマンの作品は、どれも知性を>>続きを読む
4時間の長尺。その中でも多くの時間を費やしている静かで濃密な描画シーン。
カリカリと描画する手は、実際の画家ベルナール・デュフールのもの。
本作には彼の絵画作品も使われています。
長い時間をともに>>続きを読む
アケルマンの撮る〝夜〟のなんと美しいことか…
名カメラマン, カロリーヌ・シャンプティエによる撮影も素晴らしい。
決定的なシーンは(最後以外は)観せずに日常を淡々と写した『ジャンヌ・ディエルマン』>>続きを読む
キリスト教で行われる十字架を取り合う女人禁制の儀式に偶然出会した女性ペルトルーニャがその十字架を手にしたことで、その後事件となってしまう。
その事件を通じてマケドニア地方に残る古い文化や考え方と、現>>続きを読む
70年代NYの景色とアケルマン自身が朗読する故郷の母からの手紙。
『家からの手紙』というタイトルも良い。
アケルマンの映し出す街並みは、ホセ・ルイス・ゲリンを彷彿とするような美しさもありましたが、>>続きを読む
アケルマンが初めて手掛けた短編映画。
当初はいきなり長編映画を撮るつもりで身の回りのものを売り払ったけど予算が到底足りなかったので短編に切り替えたが、それでも資金がショートしたので別の仕事について資>>続きを読む
女性同士の会話劇。
他愛のない会話の中に、本音と建前が交錯する。
ホン・サンスの文間の読ませ方は堅っ苦しいものではないから、さらっと気軽に観れるのも良いところです。
ドイツで出会った男女の不倫メロドラマ。
ベッタベタのメロドラマなのにこれほど引き込まれるのは、ダグラス・サークの才能に他なりません。
この内容にしてこのタイトルを付けているところもシャレています。>>続きを読む
ヴィム・ヴェンダースの『pina』も観ましたが、同じピナ・バウシュ(舞踏団)を撮ってもアケルマンが撮るとその視点が全く違ってて、とても面白かったです。
ピナ・バウシュが亡くなる前に、一度生で観てみた>>続きを読む
ロベール・ブレッソンの名作『バルタザールどこへ行く』へのオマージュとなる本作。
現代版『バルタザール』という感じでしたが、極限まで削ぎ落とした構成でじっとりと湿ったような人間模様を描き出す本家ブレッ>>続きを読む
マイケル・ムーア作品のような痛快で素晴らしいドキュメンタリー作でした。
報道機関の仕事は、権力と馴れ合うことではなく厳しくチェックすること。
地方のローカル局にできることが、なぜキー局ではできない>>続きを読む
中国版『SHOAH』的な8時間越えの渾身のドキュメンタリー映画。
50年代後半から始まった中国共産党による徹底的な右派弾圧によって収容所送りにされた55万人もの人々のうち、生存率僅か10%と言われる>>続きを読む
ピエール・エテックス本人立ち会いのもと再編成された4本の短編集から成る本作。
この人はことあるごとにボケを入れないと気が済まないのでしょうか。
でも、エテックスのギャグはシュールで気品があります。>>続きを読む
絶好調!
このフレーズは、ピエール・エテックスとバッファロー吾郎Aの為にあると言っても過言ではない。
いじめと過酷な受験戦争を題材にした中国映画。
ちょっとテレビドラマ仕立てな演出のキライはありましたが、主演の二人がとても良かったです。
日本でも、いじめに対する政策をもっと重く打ち出すべきだと思い>>続きを読む
イザベル・ユペールは今作でも素晴らしかった。
夫婦円満で仕事も順調、子供達も巣立って、これから悠々自適な生活を迎えようとする頃に突如夫から告げられた離婚話。そして、母との別れ。
人生の半ばを迎えた>>続きを読む
ナイツの漫才よりも手数が多いんじゃないかと思うほどにギャグを入れてきます。
それらはとてもシュールで、8~9割のギャグは眉ひとつ動かさなかったのですが(僕は映画館ではクールであることに徹しているので>>続きを読む
デヴィッド・ボウイ然り、晩年に最高傑作を完成させられる人は、生き方や考え方も優れている。
これぞ境地。
プーチンの対抗馬として頭角を現したアレクセイ・ナワリヌイ氏の暗殺未遂事件におけるドキュメンタリー映画。
ロシアの恐さがまざまざとわかる作品でした。
自身にとって不都合な人物には容赦なく暗殺を実行さ>>続きを読む
個人的にミュージカルはスーパー苦手分野ですが、アケルマンの監督作品とあって歯を食い縛って観に行きました。(もっと観たい上映作品はいくつかあったのですが、自分の予定と合ったのがこちらでした)
大好きな>>続きを読む
スイスのローザンヌ市創設500年を記念して、市から依頼された短編映画。
フレディ・ビュアシュとは、ローザンヌのシネマテークの館長で、世界のシネマテークで最も信頼され親しまれた人物らしいです。
ロー>>続きを読む
国民には毎年のように上がっていく重税を求める一方で、自らは権力の中にどっぷり浸かって貴族のような生活をし続けるという今の政治に不満を持っているような人は、本作を観て日本の政治のヤバさをもっと理解してほ>>続きを読む
ハリウッドザコシショウの誇張されたモノマネのアイデアの源泉がここにあるとは思いませんでした。(知らんけど。きっと違う気がするけど)
そのウィンブルドンの観客のモノマネがジャケットになっているBlu->>続きを読む
近年発表されている急激な出生数減少も相まって、この先未曾有の超超高齢化社会へと突入していく我が国日本。
今後の少子化対策に社会保険の値上げを財源にする案が発表された途端に多くの国民からは可処分所得の>>続きを読む
絶滅収容所へのユダヤ人強制送還の始まりとなったヴァンゼー会議の様子を、アイヒマンの議事録に基づいて映画化した作品。
ユダヤ人をまるで害虫かのように短時間で効率よく駆除する方法を話し合っている。
ナ>>続きを読む
こんなオジサンには絶対になりたくない…
ほぼ自業自得、猪突猛進で行き着く袋小路。
そして流れるバッヘルベルのカノン。
美しい……訳ない!
ノエの『カルネ』の続編を観る前に、先にこっちの続編を観てしまいました。
名前だけは最高にカッコイイ。
愛すべきレニングラード・カウボーイズ!
政権にとって不利な報道をさせないように報道機関に介入する政府と、報道する者として信念を持ってそれに立ち向かった人達のドキュメンタリー。
日本だけじゃなくて、他国でも報道機関を掌握しようとする国がある>>続きを読む
あま〜〜〜い!
脚本は全然甘いものじゃないけど、甘美な3時間でした。
ラストの畳み掛けるような映像美も圧巻。
鬼才ギャスパー・ノエのデビュー作。
奥さんの出産にも立ち会ったことがない自分が、こんな形で出産シーンを見ることになるなんて。。
近年のアシッドでヴィヴィッドな作風よりも、本作のような質感の方が個人>>続きを読む
カウリスマキが〝ゴー アメリカ〟するとジャームッシュ風になるんですね。
カウリスマキのシュールなユーモアセンスが全編を通じて炸裂しています。
お客様の仕上げのセットを、何の許可も取らずに勝手にとん>>続きを読む
素晴らしいドキュメンタリー映画。
水俣病についてあまり詳しく知らなかったので大変勉強になりました。
水俣病患者に対する国や自治体の対応は、本当に酷いものでした。
福島の原発汚染水の海洋放出が近々>>続きを読む
さすがジャン・コクトー。
『アンダルシアの犬』よりも詩的で芸術的なシュールレアリスム作品でした。
クレール・ドゥニは、ジャック・リヴェットやヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュなどの元で助監督としてキャリアを積みました。
ジャック・リヴェットの創り出す世界観も非常に独特で美しいものですが>>続きを読む
ジャコメッティ展で流れてて内容が良かったので、即DVD購入しました。
ジャコメッティが実際に作品を作ってる様子も見れて、とても貴重な作品だと思います。
関西在住の方は、今なら心斎橋のエスパス・ルイ>>続きを読む