イトウモさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

イトウモ

イトウモ

映画(1914)
ドラマ(5)
アニメ(0)

エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

3.8

話は面白いけれど、実話なので途中実話らしき細かい手順がだらだらとドキュメンタリー的に並ぶのがくどい

600人分の原告を集めるのと、裁判ではなく調停にもちこむためのくだりが結構かったるい。

色味のち
>>続きを読む

旅愁(1950年製作の映画)

3.5

二人の逃避行生活が始まって、建物の中をカメラが優雅に前後左右移動する。複数方向移動のカメラがとにかく豪華。

女優のCUの入りがちょっとくどい

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.0

冒頭の大戸島のシーンを、回想として敷島が典子にもう一度話す。なぜそんな野暮をまたするのかと思うが、語りをどう言う視点で、どう言う優先順位で効率化していくかという思想がないからこういうことが起きるのだろ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

2.0

1シークエンス1ショットに近い長回しでひたすら演技を撮ると言うのがいかにも俳優出身の監督らしい映画で、

それが確かに、編集された情報ではなく人となり全体を見てほしいという例の「パワハラ」シーンのサス
>>続きを読む

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

3.9

面白いけど、
それ以上にこれがパルムドールなのに感慨を覚えた。めっちゃ映画製作の映画だ。いまやパルムドールなんて社会性しか見てないような作品ばかりなのに

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.5

末端労働者、資本主義の網目を縫って雇い主に会いに行く

仕事をミスった殺し屋が、ミスの報復に恋人を痛めつけられその報復という名目で、本来会ってはならないはずの、現場の運転手、斡旋の管理職、尻拭いの同業
>>続きを読む

ミュージック(2023年製作の映画)

2.0

結構期待していたのでかなりがっかり。
冒頭20ショットくらいは面白かったが、普通に人物が出てきてドラマが展開してくるとかなりダメ。

『オイディプス王』をモチーフに、
とか言っているけれど、筋らしきも
>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.5

ほとんど肌を露出しないヒロインがインスリンの注射を打つために晒す横腹の官能性と、毒を打ち込まれるたびに注射の後で黒煮えていく肌の物悲しさにこの映画の肉体の魅力が宿る。

そういえばアーネスト(ディカプ
>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

4.0

十分面白かったけれど、最後の最後、クライマックスの物足りなさが気になる。

ベッドの下から芳賀が出てきた後、亡くなった妻とユミコのどちらを選ぶのかという局面で、結局見ていて面白いのは筋書き上大事なサス
>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.0

「ミークス・カットオフ」という地名があることを初めて知った。
西部開拓時代に、ミークという道案内の男について引っ越しをする移民一家の話だが、徐々にミークが道がわかっていないとわかりはじめる。

擬似古
>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

2.0

ぎょっ、とするようなファーストショット。
クロスワードパズルの答えを推測する悩ましげな皺くちゃの老婆のクロースアップから、カットを割らずに手元の机に推移すると、小さな子どもの手が枠に答えを書き始める。
>>続きを読む

静かなふたり(2017年製作の映画)

3.0

エリーズ・ジラール。新作がカンヌで話題の監督だったのと、撮影がレナート・ベルタだったので見た。
薄味のホン・サンス。
ロケーションは凝っているが、気を衒わないということも含めて上品な実験途中の監督とい
>>続きを読む

ことの次第(1981年製作の映画)

5.0

2023
まず全編ばっちり構図がキマッていることに驚く。それで「構図が綺麗な映画」というのでないのがすごい

フィルムが切れてリスボンの海辺で待ちぼうけをくらう撮影隊の暇つぶし以外にプロットがない。そ
>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.5

ダールの原作を照らし合わせていないから厳密にはわからないけれど、おそらくダールの言葉をそのまま読むこと(聴覚)とウェス自身の映像(視覚)がポリフォニーになるように設計されたであろう画面、眩暈がして気絶>>続きを読む

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

4.2

田舎の村の村民たちの金をかき集めてテヘランの大学に行った青年はデモに加わって退学になり、やっと出て行ったはずの村に連れ戻されるし、村の娘と駆け落ちしようとして失敗する。
これはイランに限った話ではなく
>>続きを読む

ミニー&モスコウィッツ(1971年製作の映画)

4.0

かなり既視感があるけれど多分初見。
すっごい面白いけれど、カサヴェテスとしては異常さは中くらい。

『フェイシズ』が一番顕著だけれど、いろいろ好き放題やって最初の結論に戻ってくるというふうに、カサヴェ
>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

2.8

アクションはまあまあ

サメ映画だから人が死ぬのだが、誰が死んで誰が残るとドラマが動くのか。
家族劇としてちょこちょこ凝っているのが印象に残った。
別れたカップル(ステイサムとビンビン)、母と娘(ヒロ
>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

5.0

新作「骨」同様、
「人間でないものが人間に見えたり、人間が人間でないものに見えたりする」サスペンスである。

チリに移住し、ピノチェト政権下で虐待と拷問を繰り返すカルトコミュニティ「コロニア・ディグニ
>>続きを読む

(2021年製作の映画)

5.0

大変素晴らしい。感激した。

発掘された世界最初のストップモーションアニメという設定。
女の子が、掘り出した人骨で人形遊びを始め、だんだんと骨を人間そっくりに装飾して最後はその骨人形と結婚までした後、
>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

1.0

座って喋ってるだけでなんの驚きもない。
監督のやりたいことを厳選して表現を純化させているつもりかもしれないが、こんなことがやりたいのであればなぜ映画を撮りたいのかもわからない。ウディ・アレンのほうが百
>>続きを読む

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

2.0

予告編の後期フェリーニっぽいビジュアルに期待したがぜんぜん駄目

これじゃあ映画ではなくて野外演劇かパフォーマンスアートの記録映像では?

いいのは役者のルックスと舞台装置だけ。記録映像的な固定カメラ
>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.8

誰がこんなこと、思いつくだろうか
謎の腫瘍ができる特異体質の男とその男(モーテンセン)を出し物にして、演出家のごとく腫瘍摘出の「外科手術ショウ」を企む女外科医(セドゥ)

美貌のストリップショウのごと
>>続きを読む

ドクトル・マブゼ(1922年製作の映画)

3.9

面白かったがサイレントで俳優の演技をこんな延々見たいとは思わなかったな。
冒頭の機密契約書の列車ー自動車リレー。ああいうのをずっと見ていたい。

「犯罪地獄編」は暴動と狙撃パートがよかった