特濃ミルクさんの映画レビュー・感想・評価

特濃ミルク

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ヤコペッティの大残酷(1974年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 バカみてぇな映画だ。でもそのバカの一皮を剥けばある種の厳粛さ、真理なんかが仄見える。[※なんか勘違いしているレビューが散見されるから一応言っておくと、原作を含め、この作品は決して「最善説」が完全に正>>続きを読む

ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

3.3

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 1962年、当時すでにベテラン映画監督だったヒッチコックに、新鋭の映画監督トリュフォーがその創作論、作品論についてインタビューをする。その内容はのちに映画業界のバイブル「映画術」として結晶し、後続の>>続きを読む

ラジオ・デイズ(1987年製作の映画)

3.8

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 ウディアレンの自伝的映画。ラジオに夢中になった少年時代のウディアレン、どういう仕事をしているのかいまいち分からない父、いつもロクでもない男と恋に落ちる叔母、そんなウディアレン一家に家の電話を盗聴され>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

 おバカな女性2人が標高約600mの高い塔のてっぺんに登ったはいいものの、梯子がぶっ壊れちゃって降りられなくなる話。
 高所恐怖症の人なら見るだけで手汗が止まらなくなって大変だろうが、逆にそういう人こ
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ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 自らが釈放されるための取引として銀行強盗を実行するも、些細なミスから色んな奴に追いかけられるようになった主人公、とそのパートナーとの逃避行。登場人物たちの原動力が基本的にマネー、セックス、バイオレン>>続きを読む

ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979年製作の映画)

2.4

このレビューはネタバレを含みます

 怪しげな精神科医とそのクリニックを利用する家族に起こる怪事件。
 なんかこの手の映画にしては風呂敷を広げるのが遅すぎるかな。実は精神科医は悪い奴じゃ無く、事件を起こした凶暴な子どもの正体は母親の怒り
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ロリータ(1962年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

 有名すぎて言うまでもないが、ロリコンという言葉の元ネタとなったナボコフの小説をキューブリックが映画化したやつ。…個人的にもっとキューブリックらしさ…と言うと、圧倒的なビジュアルのインパクトで特殊な異>>続きを読む

ブギーナイツ(1997年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 大きなイチモツ一本を武器に、ポルノ業界での成り上がりを目指す青年、その青年をスカウトしたポルノ映画監督、とその仲間たちやらの栄光と没落を描く群像劇。
 ストーリーに関しては、少し冗長かなと感じだが、
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危険な遊び(1993年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

 母親は突然病気で亡くなり、父親は仕事で出張する事になったので、親戚の家に預けられる主人公。その家の長男をよく見ると、なんとあの「ホームアローン」で有名なマコーレーカルキンではないか。…しかし、ちょっ>>続きを読む

ぼくは怖くない(2003年製作の映画)

3.9

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 終わってみれば、少年が色んな恐怖に立ち向かい成長を果たす青春映画なんだけど、それまでは終始不穏な空気が漂う変なホラー映画という感じだった。特に序盤の穴を除くシーンやその穴に入って得体の知れない「何か>>続きを読む

バンビ(1942年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 ただの子ども向けメルヘンなのかと思いきや、いきなり厳しい現実を突きつけてくるという、ほぼリアル鹿ドキュメンタリー。
 そこには出会いと別れがあり、鹿同士の争いがあり、人間による狩猟や土地の開発などで
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ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

2.7

 作り話が大好きな父親と、そんな父親の「本当の」話を聞いて真剣に話し合いたい息子との物語。
 ティムバートンに関しては、幻想的な世界観や演出、そして少々センチメンタルな要素を許せるかどうかで評価が分か
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続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

 スピルバーグの劇場デビュー作。タイトルからすると「激突!」の続編という事で、いつ運転手の顔を隠した大型トレーラーが参戦してくるのかなと思ってたけれど結局現れず。どうやらこれはタイトル(邦題)詐欺で、>>続きを読む

狼は天使の匂い(1972年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

 序盤のシーンから組織のアジトに辿り着くまでは良かったけど…どうしてもそこからの中弛みが我慢ならなかった。こんなにダラダラ喋ったり(話の内容も特に面白くない)メロドラマみたいな展開があるとは。
 もち
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 タイトルがかっこいい…けど内容は、パーティーに集まったブルジョワたちがどういうわけか一つの部屋から出られなくなるというだけの話。タイトルから連想されるほどの殺伐とした展開や演出があるわけではなかった>>続きを読む

MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

 これは…色々とすごかった。実験的な手法と古典的なストーリーの融合…、まるで「パプリカ」と「クレヨンしんちゃん」を足して2で割らなかったものをデイヴィッドリンチに食べさせて、そのままLSDをぶち込んだ>>続きを読む

ザ・ファン(1996年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ロバートデニーロ扮する頭のおかしい野球ファン(しかもナイフマスター)と、そいつに応援されている不調気味のメジャーリーガーの運命が衝突する。
 なんか割と平均スコアは低いけど、個人的には野球を知ってい
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 会話のテンポやシュールな間の使い方、世界観がやたらと面白いソ連のSF映画。序盤の掴みとか完璧だろ。
 「なんか自分の事を異星人だと言う変なおじさんがいるんですけど」「俺に言わないで通報しろよ」「いや
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チェンジリング(1979年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 交通事故で妻と娘を失った作曲家が、心機一転、前を向いて生きていくために郊外の古びた館に引っ越すのだが、そこは怪奇現象が頻発する幽霊屋敷で…。
 自分なら有無を言わずに速攻で引っ越すだろうが、メンタル
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ワイルドシングス(1998年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

 学校中で大人気のイケメン教師が、ある女子生徒を自宅でレイプしたかどで告訴される。その事件の真相をめぐって事態は二転三転していくのだが…。
 芸能人やらのスキャンダルが相次ぐ中見ると、なかなかタイムリ
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軽蔑(1963年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 あんまり見た事ない、ナレーションでのキャスト、スタッフ紹介の後、いきなり真っ赤なケツ見せ。そこから脚本家とその妻との間にちょっとしたきっかけで起こった夫婦喧嘩が90分近く続く…。ほとんどの時間が理由>>続きを読む

甘い生活(1959年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 巨大で異質な舞台装置、豊満な身体の女性たち、乱痴気騒ぎのカーニバル、そして祭りの後の寂しさ、虚しさ…フェリーニらしさ全開の映画という感じだった。
 享楽的で刹那的な現実逃避の生活はいずれ限界が来るし
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 色彩豊かな風景描写で静謐な雰囲気を作り出すとともに、イマジネーションが頭の中から直接飛び出たような、幻想的でフェリーニ的な映像表現が加わっていて素晴らしかった。宮崎駿監督の永遠のモティーフである、「>>続きを読む

耳をすませば(1995年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 いやぁ…直球火の玉ストレートな青春映画で、年甲斐もなくキュンキュンしてしまったんですが…、なんでしょう、自分自身の無味乾燥な青春と比べた途端に胸いっぱいに広がるこの寂しさ、虚しさ、そこはかとない嫉妬>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 幻想的な世界観に、オデュッセイアのような古典的ストーリー展開…そこに女性への抑圧や貧困、暴力による支配など、現代社会における問題や「悪」をふんだんに盛り込んだ作品。想像していたよりも主義主張は分かり>>続きを読む

ウイラード(1971年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

 色々と要領が悪く、職場でも舐められているようなダメ男が主人公。ある日、孤独な自分への慰めとして飼育していたネズミたちに対して特別な訓練を施し、恨みのある社長のホームパーティーを襲撃するのだが…。
 
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彼女について私が知っている二、三の事柄(1966年製作の映画)

3.9

 とある娼婦の生活にドキュメンタリータッチで密着し、それと同時に消費社会やベトナム戦争への批判を多分に含ませるという、ゴダールのエッセイ風映画。やっぱり色彩感覚と演出のユニークさが飛び抜けてんなぁとい>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

 「エクソシスト」と並ぶ、ホラー映画の金字塔的存在。悪魔の数字として有名な、「666」が重なる時刻に犬から生まれたダミアン君が、たまたま同じタイミングで死産してしまった子どもの代わりに養子として引き取>>続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 ウディアレン監督のロマンチックなファンタジー映画。パッとしない脚本家兼小説家の主人公が、真夜中の街を走る謎の車に乗って、1920年代の芸術最盛期、所謂「黄金時代」のパリへとタイムスリップする。そこに>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 やっと見た。作画もストーリーも安定のクオリティ。やっぱり新海誠作品の空と水の描写はずば抜けてんなぁという感じ。あと一瞬しか映らないシーンだけど、おじさんがカラオケでマイク持つ時に小指を立ててるのも細>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

3.3

 やっと見た、という感慨しかない。色んなグッズになったり、メディアのパロディによって擦られまくっていて、もはや文化的なミームになっているために特に驚くような展開もなく…。いっそかまいたちのネタみたいに>>続きを読む

ハロウィン(1978年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

 ホラー映画の名作ということで鑑賞してみた。6歳にして自身の姉を包丁で惨殺し、施設に入れられてしまった男の子が、15年越しに脱出して大暴れする。とりあえず個人的にはあんまし刺さらなかった。
 なんか全
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 たまたまTVをつけたら金曜ロードショーで放送されていたのと、markしていなかったこともあって視聴することに。前回の視聴からかなり間が空いた気もするが、ほとんどのシーンの流れは覚えていた。やはり銭婆>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

3.6

 桑畑三十郎こと一人の浪人者が、宿場町を根城にしたならずもの集団二つをぶつけ合って共倒れにしようという話。ストーリーも画面の構図やらも諸々含めて後続の作品、特にあの西部劇にパクられまくっている偉大な古>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.8

 「恋はデジャヴ」「パッピーデスデイ」……数あるタイムーループものを踏まえた上でのタイムループもの。ループものはだいたい全部そうなんだけど、賽の河原やタルタロスなどの「永遠に続く刑罰」につながる普遍的>>続きを読む

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 モラルが極端に低い底辺校のいじめられっ子を主人公に据え、人間の悪意とか弱さをむき出しにしたようなモンスターホラー映画。結局は力がないと正義も貫けんよなぁ。
 何気にあの先生が一番むかつくキャラだった
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