菜南子さんの映画レビュー・感想・評価

菜南子

菜南子

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

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トランスジェンダーの女性、凪沙のもとに育児放棄の母親を持つ親戚の中学生、一果がやってくる。凪沙は一果を少しの間預かることになる。一果は感情の表現が苦手で、すぐ物で人に当たってしまう。転校先の学校でもう>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

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雪山に墜落した飛行機からの生還物語。72日間の記録。

ほとんど食料がない中で、彼らはカニバリズムを選択して生き延びる。その選択をできなかった者は容赦なく死ぬ。ともすれば生き延びてよかった、と美談にさ
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お葬式(1984年製作の映画)

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初めて自分でお葬式を出す。笑って泣いての数日間の記録。

澄ました顔でいても、人間腹の中にいろいろ抱えている。とか、葬式の最中だってお腹は空くし、異性にはモテたい。とか、なかなか心は複雑でしょう。
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

少し風変わりな少女あみ子とその周りの人の物語。平和に穏やかに暮らしていたあみ子とその家族だったが、母が流産し、周囲があみ子に裂ける心の余裕を失った頃からがたがたとアルゴリズムは崩れていってしまう。>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

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第96回米アカデミー賞国際長編映画賞アイスランド代表作品で、ショートリストにも選出された作品。
前作、短編の”Nest”も見たが、時間を存分に使った定点カメラと360度全景を映したアングルが今作でも変
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普通の人びと:彼らを駆り立てる狂気(2023年製作の映画)

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“Ordinary Men”の著者が語る第101警察予備隊のドキュメンタリー。
なぜ、ナチスを信奉していない普通の人達で組まれた銃殺部隊が記録に残る大量殺人を起こしてしまったのかの原因となる集団心理に
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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20年前のビデオテープに残る、ソフィと父の数日間のバカンス。当時彼女は11歳だった。ふたりきりで過ごした夏休みを、当時の父と同じ年齢になった彼女が振り返る。2022年カンヌ国際映画祭で上映。A24が北>>続きを読む

少年の君(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

進学校に通う高校生のチェンと、不良少年のシャオベイ。チェンは味方がいない世界を背水の陣で生きている。ある日、シャオベイが集団に殴りかかられているところを、チェンがキスして救ったところから2人は知り合い>>続きを読む

朝が来る(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

家計に何ら困らないある共働きの夫婦。彼らは子供を作る決意をするが、そこで夫の無精子病が発覚する。一度は手術を決意するも、それに踏み出せなかった彼らがたどり着いた先は養子縁組だった。行き場のない子供達を>>続きを読む

金剛経(2012年製作の映画)

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The breeze would release the soul of men if they were buried here.

静かに、ゆっくりと流れる時間。否定されない存在。自然に生きるとい
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福田村事件(2023年製作の映画)

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100年前、関東大震災後の混乱の中で起こったいたたましい事件の記録。

ドキュメンタリー史では必ずと言っていいほど登場する森達也監督。彼の初めての長編劇映画ということで映画館に足を運びました。

劇映
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その日、カレーライスができるまで(2021年製作の映画)

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ある男が、1年に一回の妻の誕生日に妻と息子にカレーライスを作る話。

誰しも大人になるにつれて抱える悲しみは増える。泣く夜も、どうしようもないこともたくさんある。

リリーフランキーの皺が、等身大の人
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

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バイト先の人に勧められて。

映画とは言い難いけど、”これは映画ではない”という通りアーティスティックな世界観に昇華しているのが良かった。
映画みたいに解決する問題ばかりじゃないから、生きていると。何
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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

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ナチスに収監されたあるレジスタンスの脱出物語。

周りの人はほとんど映らないし、映ってもカットバックばかり。まるで孤独のようだが、彼が望みを失う瞬間も、彼が孤独の闇に苛まれる瞬間もまるでないように見え
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