lordanthonyさんの映画レビュー・感想・評価

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彼女たちの舞台(1988年製作の映画)

3.9

なかなか理解が難しいと思っていたリヴェット作品だけど、この作品はすごく集中して観られた。よく理解できたとは言えないけど。舞台の上で演技をしている彼女たちがとても魅力的に見えたし、4人の振る舞いがかっこ>>続きを読む

(1954年製作の映画)

4.0

かなり久しぶりに鑑賞。少し舞台っぽい演技に見えるのは、ジェルソミーナの喜怒哀楽がわかりやすく表現されていたからなのかな、と思った。小石の話のところはすごく良かった。

近くにいる人を大切にしようという
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M(1931年製作の映画)

4.0

初フリッツ・ラング。ずっと観たかった作品。冒頭の歌の不気味さたるや。ストーリーもひきこまれるものがあるのだけど、迫力のあるカットが多かった。画面に映される人の数が多いのも特徴的。93年も前の映画と考え>>続きを読む

東京画 2K レストア版(1985年製作の映画)

4.0

冒頭、小津映画の良さが語られるシーンがある。日本的な映画に見えて世界で受け入れられるのはなぜなのか、「普遍性がある」という一言では良くわからないところもあるが、一貫して家族を描いているところが海外の人>>続きを読む

スケアクロウ(1973年製作の映画)

3.9

ファーストシーンがめちゃくちゃ良かった。物語が始まる感、ほんとにワクワクする感じ。あの景色もアメリカらしいというか。アメリカンニューシネマは良いな。

前半はわりと淡々としていたように自分には思えたけ
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

3.9

「すべての夜を思いだす」って、どういう意味なんだろう?と思いながら観てたけど、観終わったら意味がなんとなくわかった。いない人の輪郭を感じながら、その人がかつて存在していたことを思いだすことは大事なこと>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

-

正直、結構観ていてしんどかった。ただ、いろんなつらさや厳しさを正面から描いているのは伝わってきた。井浦新が演じたお父さんのつらさについて考えていた。

誰かがつらい思いをしているとして、そうなったのは
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キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク(2023年製作の映画)

4.3

リアルタイムでは聴いてないのだけど、大学生のとき、洋楽の名盤を聴き漁っていたなかで、衝撃を受けたのが「Tapestry」だった。I feel the earth moveのイントロから心奪われて、1年>>続きを読む

父ありき(1942年製作の映画)

3.9

父親と息子の関係について、息子が父親を思う気持ちが強いのが印象的だった。自分は父親と仲が悪いわけではないけど、離れてから一緒に住みたいと思うことがなかったので。この作品を観て、一緒に暮らすことが幸せ、>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.0

とにかく演奏する側がとても楽しそうなのが印象的だった。デヴィッド・バーンのダンスも可愛くて、楽しい気持ちになれた。

MCとかほぼ無く、曲をしっかり聴きたい人にはとてもあった作品だと思う。じっと座って
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

作品のなかで、社員が2人に「無理なく」と声をかえていたのが印象に残った。正直、仕事って、辛いことが多いし、無理しないといけない場面も多くて、「無理なく」って、きれいごとでは?と思ったりした。でも、病気>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.8

主人公が歩いてるときに流れている音楽がとても良かった。聴いていて心地よかった。彼女に関する情報は最低限で、移民であるというのが大きい要素なのだけど、そこまでそれを深掘りするわけでもなく、あくまで一晩歩>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

4.1

父と娘の物語。そもそも、父親は自分のことをそれほど娘に話すことはないだろうけど、アグスティンは孤独だったのではないかな、と想像する。家族としては微妙な連帯感だったのかもしれないが、アグスティンはエスト>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

エリセの映画愛が詰められた作品だと思う。フィルムの保管室で話すシーンは、個人的にすごく好きだった。デジタルもいいし便利なのは間違いないけど、フィルムの持つ質感は特別なものがあるし、物理的にあれだけの大>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

とにかく映像が美しく、奇跡的と言っても良いのでは
ないかと思う。部屋のショットの光と影とか、芸術的だなと思いながら観ていた。冷えきった空気の家の中の雰囲気もよく伝わってきた。外の風景のロングショットと
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長屋紳士録(1947年製作の映画)

4.0

幸平の押しつけあいをしていたシーンは、全然紳士ではなかったけど、おたねが彼に愛情が芽生えるシーンはとても良かった。子ども嫌いな人もいるとは思うが、一緒に過ごすと愛情がわくと思う。

笠智衆が歌うシーン
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

原題にも入っている「沈黙」について考えさせられた。ショーンとコットの夜の会話のシーンがとても良くて、ずっと忘れないと思う。他のシーンでも、ショーンのさりげない優しさがたまらなく良かった。考えを押しつけ>>続きを読む

ハム・オン・ライ(2019年製作の映画)

-

ハル・ハートリーお気に入り作品という理由で鑑賞。正直、ストーリーはあまりよく理解できなかった。前半は明るくて、後半は暗い、一言で言うとそんな感じ。街を出ていった人と残った人の対比なのだろうけど、常にな>>続きを読む

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)

4.0

ずっと観たいと思っていた作品。観ていて楽しかった。役者の演技がうまいかどうかはなんとも言えないが、躍動感がすごくあった。
長回しが多いので、どこか舞台を観ているような雰囲気もあった。雨宮の部屋の小物と
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

3.9

後半の食事のシーンももちろん良いのだけど、自分としては、バベット、フィリパ、マーチーネが一緒に暮らしていたときの空気とか、バベットと食材屋とのやり取りとかが好きだった。癒されるというよりは、観ていて気>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.8

役者の方々、本当に素晴らしい演技だった。杉咲花の名前は知ってたけど、演技を観たのは初めて。役柄もあるとは思うが魅力のとてもある女優だと感じた。インディペンデント映画でよく見かける役者もいて嬉しかった。>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.9

ワインスタインに限らず、大物芸能人とか、会社経営者がセクハラや性的強要で告発されるケースは結構多い。お金や地位、名声があるから、女性をなんとかできると思っているのだろう。彼らの卑劣さは変わらないとする>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.0

初カール・ドライヤー。顔のアップが大半の作品。ジャンヌと一緒に97分間を生きたような気持ち。かなりつらい話だが、ファルコネッティの表情は強烈な印象で、忘れることは無いと思う。

サンザシの樹の下で(2010年製作の映画)

3.7

想像していたより純愛映画だった。映画館で観たほうが入り込めるような気がする。文化大革命についてもう少し描写があると良かったかな。時代背景もあるが、家族との関係の難しさが印象に残った。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

観る人によっていろんな捉え方ができそうな作品。木々や木漏れ日の美しさに気を向けるひとは、普段はそれほど多くないだろうし、自分もそうだけど、今度ゆっくり見てみたいと思った。人工的なものの美しさも良いけど>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

序盤少しウトウトしてしまったが、キング・ルーの登場以降は、集中して観られた。ストーリーはシンプルなのだけど、2人の心のうつろいをゆっくりと丁寧に描いている。個人的にはもう少しだけ激しさが欲しかったが、>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.6

観るのを数ヵ月まえから待ちわびていた作品。期待以上に心にしみわたる作品だった。

アンサの笑顔は少ししか観られないが、そのわずかがどれも印象が強かった。食事のシーンが本当に良くて、向かい合ってご飯を食
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いまを生きる(1989年製作の映画)

4.2

高校生の時に観て、「自分の思うとおりに生きよう」と思った記憶がある。ニールの人生はニールのものであって、誰のものでもない。親の立場で考えると、子供の人生は子供のものだと改めて認識した。やりたいことが明>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.1

若い時は、その時点で冴えてなくても、自分は他人とは違うと思ったり、すごいことを成し遂げられるかもしれないという根拠のない自信がある人も多いと思う。自分も昔は少しそう思っていた。イーニドは、仕事はうまく>>続きを読む

天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

4.0

色がとても印象に残る作品。光や口紅のような人工的なものは原色が強めな感じ。自然の色は特に強いという感じではないのだけど、人工的な色との対比で違った印象で記憶に残る。ファーストカットの音楽もカメラワーク>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

4.2

今の年齢になって観るとまた違った味わいがあると感じた。小津作品は、観ていてなぜか気持ちが落ちつく。外で紀子の両親が並んで座って話すシーンがとても良かった。娘の人生の大事な時期を案じて話すのだけど、彼ら>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.8

男としていろいろ考えてしまった。女性にとって大人の男というのは、どこか怖い存在なのだろうと思う。腕力では叶わなくて、性暴力を受ける可能性もあって。もちろんそんな男ばかりではないと思うが、警戒心があるの>>続きを読む

くるりのえいが(2023年製作の映画)

4.0

くるりのファン度が高ければ高いほど楽しめそうな作品。昔の3人の関係性とか知っていたら、とか。In your lifeの制作過程が結構な割合を占めるのだけど、曲を生み出す大変さが感じられる。楽しそうでも>>続きを読む

ローマの休日 4K レストア版(1953年製作の映画)

4.2

映画館で観る機会を待っていたのだけど、やっと観られた。ローマの景色の美しさ、ヘプバーンの美しさがモノクロでも輝いて見えた。とても映画的なストーリーではあるけど、そんなことはどうでもよいと思えるくらい、>>続きを読む

わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.7

藤原季節が本当に嫌な奴の役だった。演劇「サークル」と呼ばれることを嫌っていて、「カンパニー」って言い直しているところとか。仲間の脚本を真面目に読まないとことか。映画や演劇を作る人は凄いとは思うけど、大>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

4.2

かなり久しぶりに鑑賞。話の内容とは関係ないけど、小津映画に出てくる女性の話し方は、上品で素敵だといつも感じる。ただ、結構きついことも言ってたりしてそれもまた面白い。

結婚することが当たり前だった時代
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