ねこさんの映画レビュー・感想・評価

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アネット(2021年製作の映画)

3.0

監督の、娘への懺悔なのかと思ったり

他者を愛するとはどういうことなのか
もしかしたら誰かを利用して自分を愛しているだけなのか
愛させて欲しいと言わずとも、勝手に愛せばいい
もちろん見返りは求めずに
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テレフォン(1977年製作の映画)

3.7

たとえKGBでもブロンソンはブロンソン
激渋具合に異常なし

おおごとなのにどこかのんびりとした空気が漂うのは時代のせいか
洗脳だの催眠術だの荒唐無稽とも思える作戦だが、その反面、彼の国ならばさもあり
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陽は昇る(1939年製作の映画)

3.3

生い立ちから考えるに、愛を知らないが故の若い二人の行いと思えなくもないが、たとえそうだったとしても共感しづらかった

アルレッティの貫禄
天に召されるような神々しささえ感じるラストシーンが良い

デッドロック4〜絶対王者ボイカ〜(2016年製作の映画)

3.8

寝ていてもわかるストーリーと寝てなんかいられないアドキンスの超絶美技!!
鍛え上げられた肉体は惚れ惚れするほど美しく、そこから繰り出される回転技はどんなに目を見開いて見ても凄過ぎてわけわからん
こっそ
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ふたりの5つの分かれ路(2004年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

はっきりと示されない部分を想像で補うことになるため、観た後の感想はそれぞれ微妙に違っていそう

幾度か目にする妻の涙の意味さえ曖昧にしか捉えらないが、そのくせ何故かわかる気がすると思うのが不思議だった
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カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

(もしかすると妄想なのかもしれぬが)
たったひと言がハリーの人生をロックしてしまった
今という時代に生きる我々は、皮肉なその言葉に乱心する彼の姿を笑っていられるのか
明日は我が身となっても不思議ではな
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コンクリート・ジャングル(1960年製作の映画)

3.4

わからんこと多し
けれど勢いはある
それに押されて最後まで観てしまったが、大筋はわかるけど詳細は…?というくらいの理解しかできなかった

突然神にすがり出す主人公が可笑しい
顔面力は立派だが、色々と迂
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.7

ゲーム知らんしファンタジーも苦手
そんな人間でも楽しめる丁度良さ
2時間超ではあるけれど地味な笑いで飽きさせないし、あちこちの風景がとても綺麗
そしてヒュー様、さすがでございます

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.6

流されない傷付けない傷付かない
そんな人生などあるものか
未来は見えないし自分のこともよくわからない
いつだって迷い悩むに決まっている
ただ、子供を「持つ持たない」と考える男性のそれと、子供を「産む産
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ロードゲーム(1981年製作の映画)

3.0

想像力豊かというか思い込みが激しいというか
暇なわけではないのに、やたらと首を突っ込みまくるトラック運転手
細かいことを気にし始めるとキリがないから、割り切って観ればいいのだろう
とにかく最初から最後
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ある女優の不在(2018年製作の映画)

3.3

「現在」「過去」「未来」、三人の女たち
「過去」の語る言葉を聞いてみたかったが、そこは諸般の事情があるのだろう

この国における女性の人権無視は言わずもがなではあるけれど、尋常ならざる激昂ぶりを見せる
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夜の来訪者(1954年製作の映画)

3.7

“善良な市民と犯罪者は似たり寄ったり
見極めるのは難しい”
まさにその通り
誰もがエヴァになりうるし、誰の心の中にもバーリング一家はいる
それでも、変わり始めた息子と娘
これは作者が託した希望なのか
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ふたりの女、ひとつの宿命(1980年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

利用され搾取され、運命からも見放された貧者の話、としか思えない
スィルヴィアがあれほど強く子を求めたのは、ひとえに愛する父のため家のため
夫への愛情、ましてや小娘の人生など彼女にしてみれば取るに足りな
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友情(1974年製作の映画)

3.8

最後のシーンに思わず唸った
そして涙がこぼれるのを止められなかった
それまでの2時間は、この瞬間のための長い長いフリだったのか

哀愁のイヴ・モンタンと、故郷を忘れた人のような顔をしたミシェル・ピコリ
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ホームドラマ(1998年製作の映画)

3.7

他の三人の中にはちゃんと家族がいたのに、父親にはそれが無かった
無いどころか自ら抹殺していた
妻も子供たちもそのことに気が付いていたのだろう
だからコトが終わった後、あれほど晴れやかな顔になったのだ
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ぼくは君たちを憎まないことにした(2022年製作の映画)

3.7

ただ映画を観ているだけの人間がこれほど泣くのだから、家族はいったいどれだけの涙を流したことだろう

理性と感情とが日々せめぎ合い、その時々で勝敗が決まるのが人の日々だと思っているのだが、そこに知性と想
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魂のまなざし(2020年製作の映画)

3.5

ヘレンとエイナルの性が逆であったなら、きっとありふれた話だっただろう
想いを告げられたわけでも約束したわけでもないのだから、エイナルがどんな選択をしようと自由ではないか
ヘレンは確かに孤独かもしれない
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エドワールとキャロリーヌ(1951年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

愛しているのに離婚しようとしている若い夫婦と、愛もないのに結婚を続けているサロンの人々という対比が非常に現実的
夫婦がサロンを後にすることで明るい未来は約束されたかのように見えるが、まだ安心はできない
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.8

ゲームもモータースポーツも知らないが、わかりやすいストーリーで助かった
事実か否かはさておき、恋も夢も親子愛も詰まった熱いドラマとしてしっかり楽しめる
中でも、ちょいちょい現実をぶっ刺してくるダニーが
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.8

ちょっと長い気もしたが、笑いあり涙ありでエズラ・ミラーを堪能することはできた
しかし何といっても一番の胸熱ポイントはクリストファー・リーヴだろう
あの超越感!
ほんとに地球外生命体かっ!?と思うような
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

3.3

目隠しのシーンからずっと心がざわざわする
「どこにいても必ず見つける」という娘の愛は母の中で「どこに逃げても必ず見つかる」と変換されたようだった
常に心ここにあらずの母と、そんな母を求め続ける娘
母の
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カンフースタントマン 龍虎武師(2021年製作の映画)

4.0

文字通り、無名のヒーローたち

ほんとに当たってるよね⁉︎ほんとに落ちてるよね⁉︎と、何度もテープを巻き戻して観ていた日々を思い出す
あの頃の香港映画はとんでもなく熱かった
スタントマンのみなさんの燃
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マリとユリ(1977年製作の映画)

3.8

“人生はこんなに単純”で“幸せは必ずそばにあるはず”だから

自分の人生の主導権は自分にある
そんな当たり前のことにすら気付かず、じわじわと蝕まれながら老いていく
女にとって最も有害なものは男の存在な
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コンフェッション ある振付師の過ち(2014年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

終わってみれば、ひとりの女性の言葉に翻弄された男たちの喜劇
どんなに近しい人にも知らない顔はあるものなのだ

晴々とした表情のリサと彼女を見つめるマイク
空港へ向かう車内は穏やかな空気に包まれていた
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シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

3.8

こんな世界とは縁遠い暮らしをしているのに何故か似た匂いを嗅いだことがあるような気がするのは、日本でのバブル期を知っているからだろうか
特に注目したのは、欲望まみれの世界に身を置く3人の女たちの生き方だ
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冷血(1967年製作の映画)

3.6

何が、誰が、“冷血”なのか

動機無き殺人は今も昔も人々を震撼させるが、実際はこの程度の軽さ緩さの延長に起きていることなのかもしれない
他所の家族は破滅させ、自分の家族の心配はする
そこの乖離が理解で
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VHSテープを巻き戻せ!(2013年製作の映画)

3.5

引っ越す度にどれだけのVHSテープを処分してきたことか
収集癖の皆さんを見て、ちょっと後悔しなくもない
存在する映画を1本残らず観てから死ぬ予定の人間としては、どうにか生き延びて欲しいVHS
だがしか
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ローラ(1981年製作の映画)

3.7

ファスビンダー版『嘆きの天使』
女はあっけらかんと強かになり、男は卵をぶつけられることもない
より不道徳に、より曖昧になった世界で人は、世間も自分も誤魔化しながら生きるのだ
無秩序という秩序の一員にな
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.3

時代背景、キャスティング、メッセージなどなど考えようと思えばいくらでもできそうだが、それらすべてを面倒臭く感じてしまったためいつもほど面白がれなかった
ただ何となく、映画という虚構に一喜一憂しながら暮
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画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)

3.7

老境にさしかかったとき、その手に残るものは有るか
大切なものをしっかりと握っているのか
指の隙間からこぼれ落ちているのか
空っぽなのか
それは、どれだけ誠実に他者と向き合ってきたかで決まるのかもしれな
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.9

顔で語るオスカー・アイザック

自分を罰するように生きても罪は消えず、差し出した手は届かず、自爆する道を選ぶテル
そんな彼も、いつかゴードと同じ目に遭うかもしれない

加害者であり被害者でもある立場の
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ティル(2022年製作の映画)

3.6

結果、多くの人の人生が変わってしまった

人種差別が悪だというのは大前提として…
この時代の北部に暮らす黒人は、南部との違いをどれくらい認識していたのだろう
そしてそれを子育てにどう反映させていたのだ
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ロッキーVI(1986年製作の映画)

3.6

マッティ・ペロンパーの胡散臭さ全開
思いやりのかけらも無いのがいい

どうみてもロッキーより連れの女の方が強そうだけど

トータル・バラライカ・ショー(1994年製作の映画)

3.6

異色のコラボレーションで異様な盛り上がり
大真面目な面々と真面目に不真面目なロック野郎の楽しげな様子が不思議と面白い
ただ、今という時代に観ると、ちょっとした不気味さも感じたりするのだが

白い花びら(1998年製作の映画)

3.5

カティ・オウティネンが幸せそうな顔をしている…
もう悪い予感しかしないじゃないか!

失くして初めて気付く幸せ
失くしてみなければ気付かないのが幸せ
宝物を盗られてがむしゃらに暴れる子供のようなユハの
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暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

快活で笑顔の素敵な女性だったジョーンが、たった一人の男のために聖母と狂女とを行ったり来たりする様子を見て、二人にとってこれ以外の道はないのだと悟った
汚れているのは前科者かそれとも世間か、という問いか
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