ねこさんの映画レビュー・感想・評価

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カラビニエ(1963年製作の映画)

3.3

笑いを通り越して気持ち悪い
馬鹿とか無知とか世間知らずとか、思えば思うほど自分に返って来る気がして

この世界には、いったい何人の王様がいるのだろう

四川のうた(2008年製作の映画)

3.2

時代に翻弄され右往左往するしかない庶民の人生のいくつか
それらは廃墟となった工場に未だ染み付いたまま、時を超え続けているのかもしれない

大釜に入れられた大量の豆の中からひと粒、またひと粒と取り出して
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ランユー 4Kリマスター版(2001年製作の映画)

3.7

同性愛の苦悩ではなく、ただ、ひとつの恋物語として描かれていたのがいい
生まれながらの富裕層である都会の経営者と田舎育ちの貧乏学生という対比から、持つ者は真価に気付かず持たざる者はそれが本物であることを
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デリシュ!(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

風景の美しさと絵画のようなシーンに思わず見惚れてしまったが、内容は想像したものと違った
特に終盤のエピソード、あんなことができるだろうか
彼らがパリの情勢を事細かに知っていたとは思えない
そんな状況で
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

2.5

言いたいことがよくわからない
チョコレート好きには不快感が残る

YARN 人生を彩る糸(2016年製作の映画)

3.4

編むことで自己表現する人たち
一本の針と糸が紡ぐ世界は街を飾り、海へ漕ぎ出し、子供たちを楽しませる

あの遊び場は編み物から始まった!
そう気付く幼いニッターが世界のどこかにいるかもしれない
その瞬間
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パトニー・スウォープ(1969年製作の映画)

3.0

社長選出までは面白く観たのだが、そこから始まるユーモアの数々にはあまり乗れなかった
面白くないのではなく、単に好みに合わなかったということ
ただ、この時代にこれを作る凄さはわかる

二つの光(2017年製作の映画)

3.7

若い二人はただ居るだけで美しく、共に映ればさらに輝きを増して見えた
ぎこちなく初々しい始まりの瞬間と、それを祝福する下世話な天使たち
この微笑ましさがいつまでも続くことを願って

技術の進歩を切に願う
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ミラージュ(2007年製作の映画)

3.4

純粋すぎるぞミラージュマン
世界はこんなにも汚れているのだ

内容はかなり雑だが、アクションも筋肉も本気だし昔の香港映画のような雰囲気もあって、なかなか楽しめた
主人公がミラージュマンになる動機がせつ
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タンジェリン(2015年製作の映画)

3.6

いっときも落ち着かないエネルギーのぶつかり合い
その騒々しさを笑っていいのか少し躊躇してしまうのだが、それもかえって失礼なことなのかもしれない
現実は厳しく悲劇だらけなのに、漂うのは可笑しみとあたたか
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若者のすべて(1960年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

家族という名の宗教

たまに礼拝に訪れる長男
都合のいい時にだけ神頼みする次男
信心深い三男
冷静に見つめる四男
事あるごとに息子たちの信仰心を確かめる母
三男は一見、模範的な信者のようだが、彼の妄信
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摩天楼(1949年製作の映画)

3.7

誰かが創造したものに勝手に足したり引いたりした挙句、「それくらいいいだろう?」と当たり前のように言うヤツの頭をかち割りたい
建築でも絵画でも音楽でも、人がゼロから生み出したものにはまず敬意を持つべきだ
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シンデレラマン(2005年製作の映画)

3.8

暗く沈んだ時代に現れた希望
遠く眩しい光ではなく、数歩先を照らすような灯
神が選んだ男は、間違いなくその役割を果たした

ジムの清さ誠実さは品格とも呼べるもので、立派ななりで捨てるようにチャリ銭を恵む
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レンフィールド(2023年製作の映画)

3.6

楽しそうだなニコラス・ケイジ

ちょっと詰め込み過ぎな印象
恋愛や極悪組織よりレンフィールドの過去をもう少し知りたかった
こういう支配関係の沼にハマってどんどん自分を失くしていく人がいるのかと思うと、
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ゴッド・タウン 神なきレクイエム/ゴッド・タウン 裁かれる街(2014年製作の映画)

2.5

一人二人ではなく町中がクズという理解し難い世界
遺体の扱いには驚愕した

笑うよりも呆れる方が先に来るが、フィリップ・シーモア・ホフマンがいるから良しとする

テキサスの五人の仲間(1965年製作の映画)

3.9

これぞ心理戦
富豪たちは何かを見つけたり思い出したりで、良かったような可笑しいような
結局一番得をしたのは幻の花婿か
ジョアン・ウッドワードの存在が効いている

バージニア・ウルフなんかこわくない(1966年製作の映画)

3.7

絶え間なく続く罵り合いを見ながら、どうして別れないのかと思った
だが、朝陽の差す窓辺で静かに語る夫婦の姿に、これからも二人でなければならないのだと感じた
彼らは共に壊れているのかもしれないが、それはあ
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渇きと偽り(2020年製作の映画)

3.0

いいネタは揃っているのに決め手に欠ける展開で、物足りなさを感じる作品だった
特に主人公に関してはエリック・バナに誤魔化された感が強い
いわくつきの過去を抱える彼にあって然るべき後悔や恐れ、嫌悪といった
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毒戦 BELIEVER 2(2023年製作の映画)

1.0

観なければよかった
前作の余韻が台無しになった
オ・スンフンには何の恨みもないが、ラクはリュ・ジュンヨルでなければならなかった
たとえヤン・イクチュンとハン・ヒョジュが見られたとしても、本作が必要な理
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ロスト・エモーション(2015年製作の映画)

3.2

感情を持たない人々のはずなのに、どの人にも感情があるように見える
それは製作側の作りが甘いのか、それとも観ている自分に感情があるからなのか、そこがよくわからない
ロボットではない
人間でありながらただ
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ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

3.2

どんな気持ちで観ればいいのかわからんというか、どんな気持ちにもならんというか

誰のこともよくわからず、ここは笑うところなのだろう泣くところなのだろうと思うだけでそうはならず、出来事のほとんどに不自然
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.2

なぜだか涙が溢れてくる
どれかに自分を重ねたり誰かに激しく感情移入したりした訳でもないのに、観れば観るほど涙がこぼれる
偶然とか必然とか奇跡とか、そんなことは問題じゃない
ただ人が生きていく
それだけ
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時の支配者(1982年製作の映画)

3.2

前作ほどの不気味さは無いが、低温でちょっととぼけた雰囲気は変わらず
ただ内容としては、わかったのかわからないのか、面白いのかそうでもないのか、何とも判別し難い感じで終わってしまった

テレパシー妖精ほ
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悪魔の世代(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

死体の様子や女性に対する敬意が1ミリもないところなど、あの国特有の闇が終始作品を覆っていて実に胸くそ悪い
知られたくない過去を持ちながらも捨てられない富と名誉と自己顕示欲
彼らには「目立たぬよう大人し
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深夜カフェのピエール【HDリマスター版】(1991年製作の映画)

3.6

自由を使いこなすには、ピエールはあまりに世間知らずだった
もう一度、不自由の中の自由からやり直すつもりか
それとも、制限だらけの世界で安堵したかったのか
若さの特権はまだしばらく使えそうだが、そこを通
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

母娘に笑顔が戻ったことは喜ばしいが、観ているこちらはまったく気持ちが晴れなかった
常に付きまとう不安
どこにいても100%の安全が保障されない暮らし
もしかして…と怯え続けなければならない日々
実際に
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ママはレスリング・クイーン(2013年製作の映画)

3.2

何やってんすか、ナタリー・バイさま

プロレスを始めるきっかけが息子との関係修復のはずなのにそこは時折挿入されるだけで、ほとんどがプロレス関係か主人公以外のエピソードという盛り上がりに欠ける内容
出演
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.6

“世界はいつだって住みにくいの”というブリジットの母の言葉に大きく頷く
だからといって縮こまって生きてちゃ、それこそ“世の中が仕掛けた罠”にまんまとかかったようで悔しいじゃないか
外の棘を避けるより自
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君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

3.3

この物語にSNSは必要だったのか
スマートフォンが現れるたび積み上げた感情が崩れていくような感覚になり、熱も冷めていく
ティモシー・スポールが熱演していただけに残念だった

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)

3.4

オリヴァーを演じるユアン・マクレガーの繊細さが好ましい
それほど親しんできたわけではないのに、なぜあそこまで父親に優しくなれるのだろう
父も母も多くを呑み込みながら迷いの中で生きてきたのだろうが、それ
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君だけが知らない(2021年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

どうしてそんなことしちゃったかなぁ
そのままでよかったのになぁ
そっち側になりたかったんだろうなぁ
でもやっぱりどう考えてもおかしなことになるに決まってるよなぁ
という、出発点の不自然さが受け入れ難し

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.0

デスノートより手っ取り早い

母親のクセが強すぎて他のことに興味が持てない
顔つき、話し方、服のセンスなどなど絶妙な品の無さがとにかく面白かった

あのドールハウスのような家、誰が掃除しているのだろう
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.8

エンターテインメント作品という顔をしながら現代社会の気持ち悪さを鋭く突いてくる巧さ
辻褄が合わなかったり曖昧だったりする部分はいくつもあるが、2大スターの存在がそれごと作品を引っ張っていく
よくわから
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

地下の賭場やら市場を牛耳る首領やらで冷たくなる要素は揃っているのに、終わってみれば何故かほんのりあたたかい
なんとも不思議な味わいの作品
威圧的な説教を喰らった人気シェフは気の毒だったけども

至高の
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眠れぬ夜のカルテ(2014年製作の映画)

3.0

最初から最後まで安っぽい印象が拭えなかった
シュー・ジェン演じるやり手の精神科医もカレン・モク演じる謎の患者もコントを見ているようでまったくシリアスな気持ちになれないし、そうなってしまった理由にも同情
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遠地/本当に遠い所(2020年製作の映画)

3.7

本当に遠い所に行きたい人などいないと思う
今いる場所で自由に生きられるのなら、そんなものを探す必要などないはずだから

すべての人間があの農場主のような心を持てないものだろうか
受け入れられないとして
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