ねこさんの映画レビュー・感想・評価

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クロース(2019年製作の映画)

3.6

この時期、家族で鑑賞するのにピッタリな作品
昔からそう決まっている、という言葉はなかなか厄介
子供に笑顔のない場所は、何かが間違っているのだ
断言しないクロースの最後が、今に続いているのかぁ

閉ざされた森(2003年製作の映画)

3.5

名前と顔が覚えられないし人となりもわからないしで、誰の何の話なのか瞬時に理解できないままの展開
ラストはわかった
だからまぁいいか、と思う

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

訳のわからぬ出来事たちが、すべて曖昧なまま終わる
現代社会と病めるアメリカを風刺している割にお行儀が良いのは、舞台が都市部ではないことも大いに関係しているだろう
誰も信じないのと誰かを信じるのと、どち
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π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

3.7

“世界の本質を解き明かしたい”とは数学者としての純粋な思いか、はたまた不遜な人間の思い上がりか
“まだ法則を見つけていないだけ”なのかもしれないが、知らなくていいこともきっとあるはず
マックスの野望を
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歩道の終わる所(1950年製作の映画)

3.7

強硬な態度の裏にある父親の血に対する恐れ、恨み、怯え
話が進むにつれ苦しみと緊張の増すダナ・アンドリュースの表情がいい
現実的に考えればずいぶん甘いエンディングだが、ギリギリで父の呪いを断ち切れたこと
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.4

あのまま同じ国で同じ時間を重ねていれば、素敵なカップルになっていたのかもしれない
自由の女神の後ろはただの後ろだが、人の背後には他人には見えないそれまでの歴史が重なっていて、それが故に今のその人がある
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.6

あっけらかんとしたイザベル・ユペールの登場で、若手女優と弁護士も躍動し始める
最終的に、女性たちが共謀して野望を遂げる様子が小気味良かった
脇役も面白い

弁護士のたまの視線がせつない
エンドロールの
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午前2時の勇気(1945年製作の映画)

3.5

深刻さはあまりなく、時代の長閑さを感じる
気の良い女性タクシードライバーと記憶喪失の割に深刻さを感じない男のコンビも、軽妙で愉快
男の本名がわかった時の“はじめまして”にドライバーの人柄が表れていて素
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UNFRAMED/アンフレームド(2021年製作の映画)

3.7

①どんなに酷い世界にも本物を見分ける目は存在すると信じたい
②「なんとなくわかる」のありがたさ、心強さを、日常の中に繊細に描く
③本当に、お母さんと楽しげに食事する娘にしか見えないエンドロール
④“俺
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視線(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

予想を超えはしなかったが、主人公を異邦人にしたことで孤独感や不安感がより強く感じられたと思う
美しいブカレストの街もひんやりとしてよそよそしく、ジュリアが疎外感を募らせるのにぴったりな場所だった
彼女
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The Soul: 繋がれる魂(2021年製作の映画)

3.6

チャン・チェンがとてもリアルで、つい良かったねと言いそうになるが、全然良くない
こんなことが可能になれば世の中大混乱
愛の諦め時が永遠にわからない
テクノロジーの進化で、人には秘密が増えていく
愛とエ
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マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.7

犯罪予備軍が一人減り父親の代わりが見つかったということで、社会とディアナにとっては満足できる結末となったようだ
フリアンの葛藤がわかってからというもの、それに悪魔的なおぞましさを感じつつも、では彼はい
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キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(2021年製作の映画)

4.2

凄絶な暴力や困窮が描かれずとも、伝わってくるものはある
美しい人々と彼らを蹂躙する醜悪な獣とが、人間と呼ばれる同じ種類の生き物であることの無念さ
ウクライナが無関心でいられる場所ではなくなってしまった
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

4.0

日本生まれ日本育ちの人間に、村民の気持ちを本当に理解することはできないだろう
恥や良識という言葉の存在しない本音丸出しの集会は世界の縮図だろうが、その中にあって唯一冷めた態度でいたマティアスの無関心、
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グリード(1924年製作の映画)

3.7

100年前の常識や慣習がどうだったかは知らないが、この物語のどこかに愛はあったのだろうか
あったとすれば、息子を見送りながら母が流した涙くらいではないか
金さえあれば…というのは今の時代も同じだけれど
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サイン(2002年製作の映画)

2.5

アレが弱点のくせに、よりによってなぜ地球を選んだ?ということと、他人には「祈りなさい」とか「神が与えた試練」とか言える牧師も、我が身になると信仰を捨てるんだなというところが面白かった
誰も大騒ぎしない
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ある女の愛(1953年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

単に条件が合わなかっただけ、そう割り切って考えられればどれだけ楽だろう
言葉とは裏腹に、最後の最後まで想いを捨てきれずにいた互いを知ることなく、二人は遠く離れていった…と、そこで終わればメロドラマだっ
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母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

3.6

死に物狂いの母には大変申し訳ないが、ここでは娘すらも信用できないという思いを最後まで消すことができなかった

諦めないということは、自らも暴力に染まるということ
誰も信用できず、孤独を極めるということ
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.3

ベネチアが美しい
それだけで過去2作より好感が持てる
毎回、人は色々な思いを胸に秘めて生きているものだと思わされるが、今回それを最も感じたのが少年であったことに胸が痛んだ
彼もまたこの先、“なんとか生
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.2

作り込まれたエジプトは大変美しいが、魅力は感じない
ガル・ガドットが大人すぎて、親友だの同級生だのと言われても違和感がある
主人公であるケネス・ブラナーのポワロが未だに好きになれない
そんなことばかり
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フライト・ゲーム(2014年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

もしも現実にこんな事態に遭遇したら、マークスのことは絶対に犯罪者だと思ってしまうな
強引だし威圧的だし暴力振るうし銃持ってるし、逃げ場のない空間で絶対に関わりたくない人物だ
個人情報晒されたところだけ
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二つの世界の男(1953年製作の映画)

3.6

素直で常識的なスザンヌが幼稚な世間知らずに見えてしまうのは、当時のドイツが特殊な世界だったからだ
“君みたいな人がいることを戦争のせいで忘れていたよ”というイーヴォの台詞に、誰も信じられない社会で生き
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冷戦(2001年製作の映画)

3.5

考えてみればヘレンは可哀想な女なのだった
彼女の時間はあの日で止まったまま
若く愚かなままなのだ
もしも、その一途さは誰も幸せにしないと気付けるくらい大人になれていたら、新しい関係が築けていたのかも
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武道実務官(2024年製作の映画)

3.5

アクション、年の差バディ、主人公の成長、愉快な仲間
面白い要素は色々あったが、いかんせん事件が胸糞過ぎて爽快感はまったく無し
韓国が“軽い”なら日本は野放しじゃないか、という憤りだけが残った

ゲームの規則(1939年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

軽く滑るように流れていく時間
規則を破った男が同じく規則破りの男に消されても、上流社会の皆々様にはかすり傷ひとつ残らず、新たな定義とやらでお開きとなる
常識人には悲劇でも、ゲームプレイヤーにとっては喜
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

3.6

女王様のお望み通り、アツアツの本気ゲーム
奇数で作る関係があってもいいじゃないか
そういう意味でのタイトルと理解した

ラリーのボールがちょっと嘘くさい

小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.8

ゼロ地点で生きてきた男と女が出会い、笑い合い、思い合い、時に怒りをぶつけたりする
なんと人間らしい様子だろう
人がみなゼロ地点でのみ生きるなら、世界は穏やかに過ぎるのかもしれない
けれども人は幸福を希
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痴人の愛(1934年製作の映画)

3.4

ミルドレッドは悪女ではなさそう
悪女にしては頭が悪い
悪女にしては正直すぎる
ただただ感情のままに生き、身を滅ぼした愚かな女、とでも言った方が良さそうだ
それでもフィリップよりは好感が持てる
だからこ
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.7

人生において何が幸いするかわからないと、こういう作品を観るたびに思う
交差するだけの人、交わることで影響し合える人
人のどのセンサーが反応するか否かでそれが決まるのだろう?
数多行き交う人間の、縁とい
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THE KILLER/暗殺者(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

慌てず騒がず躊躇わずのチャン・ヒョクは文句なしにカッコいいが、女子高生の周辺については描写不足に感じた
この長さでこれだけの死人、確かにスッキリはしたけども

冒頭の妻の言葉…そういうことだったのか

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

3.6

あれこれとエピソードが多くて本筋を邪魔をしている気がするが、そうは言ってもさすがはチェ・ミンシク、喜怒哀楽の絶妙な表情には唸るしかない
特に演奏会が始まる直前の、未体験への期待と緊張を宿した顔は見事だ
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狙撃者(1952年製作の映画)

3.6

異常性犯罪者への初期対応や法整備の重要性を盛り込むなど踏み込んだ部分はあったが、犯人にとってトラウマとなった具体的な出来事は描かれておらず曖昧なままだったのが物足りなかった
短い出番ながらインパクトの
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ミヌとりえ(2022年製作の映画)

3.6

過去と現在と未来とが、同じ感情で結ばれなければならない理由はない
歴史的事実を踏まえた上でも築けるものがある
そう感じさせてくれる穏やかさがあった

反撥(1964年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも悲しい
キャロルは今壊れたんじゃない
とうの昔にズタズタにされていたのだ
それをかろうじて繋ぎ合わせていた糸が綻びて、瞬く間に心が崩れ落ちてしまったのだ
そう気付かせたラストショット
少女の
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別離(1939年製作の映画)

3.3

バーグマンの若さと美しさ
それだけで満足

いつかきっと後悔すると思う
夢があった、才能もあった、努力も惜しまなかった、何より自分の未来があった
なのに、どうして私は今こんなところにいるのか
あの頃に
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復讐の記憶(2022年製作の映画)

3.5

ツッコミどころは多々あるが、イ・ソンミンの存在がそれらを薄めているようだ
(さすがに80代には見えないが)
あの時代を生きた人の中には、フレディの心にある炎と同種類の火種を持ち続けている人が大勢いるこ
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