ねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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賭博師ボブ(1955年製作の映画)

3.6

肝心なところで賭博師の性が…
その界隈では顔だとしても、根は生まれながらの博打うち
皮肉なラストが何とも可笑しい
キャスティングも含め派手さはまったく無いが、イヴォンヌとボブ、警視とボブの関係に古き良
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海外特派員(1940年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

傘、傘、傘…がとても印象に残る
飛行機からの脱出シーンも、時代を考えればなかなかの迫力ではないだろうか
きな臭いご時世に清く正しく理想を唱える娘の単純さはどうかと思ったが、開戦だなんだと世間が騒いでい
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ヒトラーを欺いた黄色い星(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

やむを得ない事情があったにせよ、あの頃のドイツでユダヤ人がカフェに入ったりバスに乗ったりしていたことに驚いた
何が起きていたかを知ったのは戦後数年経ってからだと当事者の一人が語っていたように、渦中の多
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アウトフィット(2022年製作の映画)

3.8

ひと針ひと針確かな技術でこつこつと信頼を得ていく仕立て屋と、信頼も命もたった一発で吹っ飛ばすギャングの駆け引き
毎度のことながら、肝の据わった裁断師を演じるマーク・ライランスの表情がとてもいい

こじ
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大恋愛(1969年製作の映画)

3.6

噂話にどんどん尾鰭が付いていく様が面白い
鈍感でないと欲望を達するのは難しそうだ
下世話な話でも品を損なわないエテックスの不思議

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

2.0

アダム・ドライバーが出ている
それ以外の魅力がひとつも見つからん
地球人じゃないよ別の惑星の人だよ…いや、無理
120分でなかったことには感謝する

これでいいのか?タイトル

野性の葦【HDリマスター版】(1994年製作の映画)

4.0

微熱時代の若い人たち
傷を隠し持ち、潔癖で極端で繊細で、常に答えを探している人たち
彼らの痛みを終始浴び続けて、心の奥で消えかけていたものがほんの少し爆ぜた
そして、あの時の畏れをぶつけられる相手がい
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アメリカの影(1959年製作の映画)

3.4

三兄妹の周囲に漂う空気感をリアルに感じ取るのは不可能だが、あの気まずさには覚えがある
その瞬間に遭遇するのが嫌だから、避ける技術だけが上達していると感じることが今でもある
自分で作る壁も社会がこさえた
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追龍(2017年製作の映画)

3.4

これぞ香港映画!というシーンがいくつもあるのは楽しいのだが、そこに集中させてもらえないドニーのヅラ問題
もうちょいどうにかならんかったかなぁ…
「普通の人」ということでアクションシーンも特に印象に残ら
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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.8

どっちを向いても「人間」だらけ
事実はひとつのはずなのに、人間を通すとそれが幾重にも歪んでいく
他人の心はどうにもできないのだから、結局のところ自分の生き方、在り方次第
もちろん、それで100%無傷で
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破局(1961年製作の映画)

3.8

予期せぬラスト
彼女が知ったら…
人は主観で判断するものだから…

ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.7

映画の中に映画を観て、嬉しい愉しい心躍る

結ばれそうで結ばれないふたりに、大人になった少年と象の後ろ姿に、自分の中の間色の感情が反応する
それらにはっきりとした名前を見つけるのは難しいのだが、たぶん
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Away(2019年製作の映画)

3.4

生と死か、あるいは人生そのものか
何を思い何になぞらえるかは鑑賞者の感性に委ねられるのだろう
未知へと踏み出す勇気や諦めない心は誰の中にもきっとあるはずだが、取り出すタイミングが難しい
後悔の数を数え
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

3.8

次から次にクスクスがやってくる
大袈裟なことをしなくても笑いは生まれるというお手本のような作品
もちろんそこに風刺も存在しているのだが、品の良い可笑しさで包まれているせいか、わざわざそれを取り出して難
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セイント・モード/狂信(2019年製作の映画)

3.4

神と悪魔は同じなのか
求めれば求めるほど離れていくことにも気付かず、ひたすら一点に集中していく主人公の姿は不気味なのにどこか気の毒で、世の決まり事から逃してあげたいような気持ちになった

突き抜けたラ
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殺人者はライフルを持っている!(1968年製作の映画)

3.5

もはや恐怖はフィルムではなく現実に在るということだろうか
普通の息子が、夫が、知らぬ間に理解を超えていたことに気付く間もなく人生が終わる
ぽつねんとしているようにも超越した存在を示しているようにも見え
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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.5

2時間半観てこの徒労感なのだから、主人公たちのそれはいかばかりか
“わからない”に狂わされる人生
囚われてしまった悲劇
折り合いの付け方が難しそうだ

The Right Combination(2015年製作の映画)

3.2

安易すぎる展開だが、これが素直に受け入れられる世の中ならいいなとも思う

白鳥(2023年製作の映画)

3.2

一方的に襲いかかって来る止むことのない暴力に立ち向かう術はあるのか
世界中に蔓延る理不尽

恋愛の抜けたロマンス(2021年製作の映画)

3.3

予想外のことは何も起こらない安定作品
どの時点で恋愛感情が発生するかは問題じゃない
もしもそれが存在しなくても、それはそれで構わない
お互いが良ければどんな形でもいいと思う

でもまぁ、結局こうなるわ
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故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.3

同じことが繰り返されるだけなのに、勝手に物語を描いてしまう人間の想像力の凄さ
具体的な映像は存在しなくても感情は揺れる
どちらかの立場にいる人や、その経験がある人には沁みるのかもしれない

一晩中(1982年製作の映画)

3.3

夜の間中、世間ではこんなことが起きているのか
闇から現れ闇に消えていく男たち女たちが、愛や愛みたいなものを持ち寄ったり剥がしたりしながら蠢いていた

或る女が呟く“すてきな夜ね”という言葉が、ずっと心
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.7

信じられるものがいくつあっただろう…と振り返ってみたのだが、一つも思い浮かばなかった
理解することも受け入れることも出来ない人たちと関わるにはどうすればいいのか
ますます答えがわからなくなっただけだっ
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あしたの少女(2022年製作の映画)

3.7

最後に会った彼は、どれだけ自分を責め続けるだろう
親友の彼女は、これから幾度後悔するだろう
子供と大人というよりは、人間と非人間
大事なものはとうに見失っている荒んだ世界

一人娘が一生徒になり一社員
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.7

英国紳士らしさが戻って来たのは嬉しいが、史実に絡めてきたところが少々興醒めだった

清く勇ましい世間知らずの若者に、想像すら出来ない地獄がこの世にはあるということを理解させるのは難しい
あまりにも勿体
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コマンドーニンジャ(2018年製作の映画)

2.9

コマンドー…かもしれんが忍者…ではない
既視感ありまくるシーンが次々に登場するが、そのショボさが徹底していて実に馬鹿馬鹿しい
1時間ちょいという短さも丁度良い
これ以上続くと笑うのが面倒くさくなってく
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カプリコン・1(1977年製作の映画)

3.8

こんな茶番を思いついたのが普通の人だったならバカだなぁで済んだのだが、権力者が大真面目に徹底的にやろうとするものだから笑ってなどいられない
デタラメを真実にしてしまえる力も、歪んだ正義で言いくるめる不
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七人樂隊(2021年製作の映画)

3.7

あの人もあの人もあの人もいる
漢字表記の名前を見るだけで嬉しくなってしまう人だらけ
そんな香港映画ファンの心をくすぐりつつも、うまくはぐらかす作品だった
ただ、香港映画に特段の思い入れのない人にはそれ
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REDリターンズ(2013年製作の映画)

3.6

ブルース・ウィリスが見られる、それだけで良い

それぞれがしっかりキャラ立ちしているが、新顔イ・ビョンホンのチャーミングさが特に気に入った

三姉妹(2020年製作の映画)

4.0

どうして自分はいつもこうなのだろう
なぜ普通のことができないのだろう
その理由も解決法もわからぬまま、ただ、生きる

三姉妹の歪さのわけがわかったとき、あぁ…という思いでいっぱいになった
こうして三人
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戦争の犬たち(1980年製作の映画)

3.5

女に未来を語っている時も作戦の準備をしている時も、(結末はわかっている)とウォーケンの瞳は言っていた
あんな風にしか生きられないと知っていても、愛を求め平凡を夢見るのが人間
シャノンの中に堆積していく
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ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)

3.0

わざと盛り上がりを避けているのでは?と思ってしまうほど強弱の薄い作品だった
親子の苦難や師弟関係、ゲームのハラハラ感など材料はいくつもあったはずだが、実話ということで難しかったのだろうか

仕方がない
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ぼくのデコ 23歳のヴァンパイア兄貴(2021年製作の映画)

3.0

赤い液体を大量放出してりゃいいんだろ的なところや今どきあのクオリティ⁇と首を傾げたくなる空飛びシーンなど、どこを見てもB級感しかないが、兄のキャラのお陰で案外楽しめる
主人公のくせに表情に乏しい弟をは
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ゴールデン・ジョブ(2018年製作の映画)

3.5

2018年でもこんなに香港っぽい!
絆で泣かす物語もここぞで流れる妙な曲も、懐かしすぎて全部許せる
イーキン、小春、大人になったなぁ
倉田さんもありがとう
そして、出ているだけで大満足のエリック・ツァ
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ハーバーマン 誇り高き男(2010年製作の映画)

3.4

悪の限りをし尽くしたナチス
それと同じことをする普通の人々
ということはつまり、悪魔の正体は人間であると

この敗北感を今も感じ続けなければならない世界が情けない

リミットレス(2011年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

この魅力に抗うのは難しそう
薬による可能性は無限かもしれないが、同じく人間の欲望も底無しだから

上着を人に持たせるってアホ過ぎる