ねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.5

2時間半観てこの徒労感なのだから、主人公たちのそれはいかばかりか
“わからない”に狂わされる人生
囚われてしまった悲劇
折り合いの付け方が難しそうだ

The Right Combination(2015年製作の映画)

3.2

安易すぎる展開だが、これが素直に受け入れられる世の中ならいいなとも思う

白鳥(2023年製作の映画)

3.2

一方的に襲いかかって来る止むことのない暴力に立ち向かう術はあるのか
世界中に蔓延る理不尽

恋愛の抜けたロマンス(2021年製作の映画)

3.3

予想外のことは何も起こらない安定作品
どの時点で恋愛感情が発生するかは問題じゃない
もしもそれが存在しなくても、それはそれで構わない
お互いが良ければどんな形でもいいと思う

でもまぁ、結局こうなるわ
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故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.3

同じことが繰り返されるだけなのに、勝手に物語を描いてしまう人間の想像力の凄さ
具体的な映像は存在しなくても感情は揺れる
どちらかの立場にいる人や、その経験がある人には沁みるのかもしれない

一晩中(1982年製作の映画)

3.3

夜の間中、世間ではこんなことが起きているのか
闇から現れ闇に消えていく男たち女たちが、愛や愛みたいなものを持ち寄ったり剥がしたりしながら蠢いていた

或る女が呟く“すてきな夜ね”という言葉が、ずっと心
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.7

信じられるものがいくつあっただろう…と振り返ってみたのだが、一つも思い浮かばなかった
理解することも受け入れることも出来ない人たちと関わるにはどうすればいいのか
ますます答えがわからなくなっただけだっ
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あしたの少女(2022年製作の映画)

3.7

最後に会った彼は、どれだけ自分を責め続けるだろう
親友の彼女は、これから幾度後悔するだろう
子供と大人というよりは、人間と非人間
大事なものはとうに見失っている荒んだ世界

一人娘が一生徒になり一社員
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.7

英国紳士らしさが戻って来たのは嬉しいが、史実に絡めてきたところが少々興醒めだった

清く勇ましい世間知らずの若者に、想像すら出来ない地獄がこの世にはあるということを理解させるのは難しい
あまりにも勿体
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コマンドーニンジャ(2018年製作の映画)

2.9

コマンドー…かもしれんが忍者…ではない
既視感ありまくるシーンが次々に登場するが、そのショボさが徹底していて実に馬鹿馬鹿しい
1時間ちょいという短さも丁度良い
これ以上続くと笑うのが面倒くさくなってく
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カプリコン・1(1977年製作の映画)

3.8

こんな茶番を思いついたのが普通の人だったならバカだなぁで済んだのだが、権力者が大真面目に徹底的にやろうとするものだから笑ってなどいられない
デタラメを真実にしてしまえる力も、歪んだ正義で言いくるめる不
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七人樂隊(2021年製作の映画)

3.7

あの人もあの人もあの人もいる
漢字表記の名前を見るだけで嬉しくなってしまう人だらけ
そんな香港映画ファンの心をくすぐりつつも、うまくはぐらかす作品だった
ただ、香港映画に特段の思い入れのない人にはそれ
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REDリターンズ(2013年製作の映画)

3.6

ブルース・ウィリスが見られる、それだけで良い

それぞれがしっかりキャラ立ちしているが、新顔イ・ビョンホンのチャーミングさが特に気に入った

三姉妹(2020年製作の映画)

4.0

どうして自分はいつもこうなのだろう
なぜ普通のことができないのだろう
その理由も解決法もわからぬまま、ただ、生きる

三姉妹の歪さのわけがわかったとき、あぁ…という思いでいっぱいになった
こうして三人
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戦争の犬たち(1980年製作の映画)

3.5

女に未来を語っている時も作戦の準備をしている時も、(結末はわかっている)とウォーケンの瞳は言っていた
あんな風にしか生きられないと知っていても、愛を求め平凡を夢見るのが人間
シャノンの中に堆積していく
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ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)

3.0

わざと盛り上がりを避けているのでは?と思ってしまうほど強弱の薄い作品だった
親子の苦難や師弟関係、ゲームのハラハラ感など材料はいくつもあったはずだが、実話ということで難しかったのだろうか

仕方がない
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ぼくのデコ 23歳のヴァンパイア兄貴(2021年製作の映画)

3.0

赤い液体を大量放出してりゃいいんだろ的なところや今どきあのクオリティ⁇と首を傾げたくなる空飛びシーンなど、どこを見てもB級感しかないが、兄のキャラのお陰で案外楽しめる
主人公のくせに表情に乏しい弟をは
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ゴールデン・ジョブ(2018年製作の映画)

3.5

2018年でもこんなに香港っぽい!
絆で泣かす物語もここぞで流れる妙な曲も、懐かしすぎて全部許せる
イーキン、小春、大人になったなぁ
倉田さんもありがとう
そして、出ているだけで大満足のエリック・ツァ
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ハーバーマン 誇り高き男(2010年製作の映画)

3.4

悪の限りをし尽くしたナチス
それと同じことをする普通の人々
ということはつまり、悪魔の正体は人間であると

この敗北感を今も感じ続けなければならない世界が情けない

リミットレス(2011年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

この魅力に抗うのは難しそう
薬による可能性は無限かもしれないが、同じく人間の欲望も底無しだから

上着を人に持たせるってアホ過ぎる

夜間飛行(2014年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

つらい悲しい苦しい
それしか存在しない

大人でも子供でもない剥き出しの二人が、ギリギリを超えて泣いていた
重ねた手だけを信じて生きるには世界はあまりにも邪悪な気がして、どんな暴力も寄せ付けない堅牢な
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マジェスティック(1974年製作の映画)

3.8

スイカを収穫したいだけなんだよ

スイカとブロンソン、女とブロンソン、アホとブロンソン、警部補とブロンソン、悪党とブロンソン、トラック爆走ブロンソン、飛び乗るブロンソン、転がるブロンソン…
ぜんぶぜん
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カラビニエ(1963年製作の映画)

3.3

笑いを通り越して気持ち悪い
馬鹿とか無知とか世間知らずとか、思えば思うほど自分に返って来る気がして

この世界には、いったい何人の王様がいるのだろう

四川のうた(2008年製作の映画)

3.2

時代に翻弄され右往左往するしかない庶民の人生のいくつか
それらは廃墟となった工場に未だ染み付いたまま、時を超え続けているのかもしれない

大釜に入れられた大量の豆の中からひと粒、またひと粒と取り出して
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ランユー 4Kリマスター版(2001年製作の映画)

3.7

同性愛の苦悩ではなく、ただ、ひとつの恋物語として描かれていたのがいい
生まれながらの富裕層である都会の経営者と田舎育ちの貧乏学生という対比から、持つ者は真価に気付かず持たざる者はそれが本物であることを
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デリシュ!(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

風景の美しさと絵画のようなシーンに思わず見惚れてしまったが、内容は想像したものと違った
特に終盤のエピソード、あんなことができるだろうか
彼らがパリの情勢を事細かに知っていたとは思えない
そんな状況で
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

2.5

言いたいことがよくわからない
チョコレート好きには不快感が残る

YARN 人生を彩る糸(2016年製作の映画)

3.4

編むことで自己表現する人たち
一本の針と糸が紡ぐ世界は街を飾り、海へ漕ぎ出し、子供たちを楽しませる

あの遊び場は編み物から始まった!
そう気付く幼いニッターが世界のどこかにいるかもしれない
その瞬間
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パトニー・スウォープ(1969年製作の映画)

3.0

社長選出までは面白く観たのだが、そこから始まるユーモアの数々にはあまり乗れなかった
面白くないのではなく、単に好みに合わなかったということ
ただ、この時代にこれを作る凄さはわかる

二つの光(2017年製作の映画)

3.7

若い二人はただ居るだけで美しく、共に映ればさらに輝きを増して見えた
ぎこちなく初々しい始まりの瞬間と、それを祝福する下世話な天使たち
この微笑ましさがいつまでも続くことを願って

技術の進歩を切に願う
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ミラージュ(2007年製作の映画)

3.4

純粋すぎるぞミラージュマン
世界はこんなにも汚れているのだ

内容はかなり雑だが、アクションも筋肉も本気だし昔の香港映画のような雰囲気もあって、なかなか楽しめた
主人公がミラージュマンになる動機がせつ
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タンジェリン(2015年製作の映画)

3.6

いっときも落ち着かないエネルギーのぶつかり合い
その騒々しさを笑っていいのか少し躊躇してしまうのだが、それもかえって失礼なことなのかもしれない
現実は厳しく悲劇だらけなのに、漂うのは可笑しみとあたたか
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若者のすべて(1960年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

家族という名の宗教

たまに礼拝に訪れる長男
都合のいい時にだけ神頼みする次男
信心深い三男
冷静に見つめる四男
事あるごとに息子たちの信仰心を確かめる母
三男は一見、模範的な信者のようだが、彼の妄信
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摩天楼(1949年製作の映画)

3.7

誰かが創造したものに勝手に足したり引いたりした挙句、「それくらいいいだろう?」と当たり前のように言うヤツの頭をかち割りたい
建築でも絵画でも音楽でも、人がゼロから生み出したものにはまず敬意を持つべきだ
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シンデレラマン(2005年製作の映画)

3.8

暗く沈んだ時代に現れた希望
遠く眩しい光ではなく、数歩先を照らすような灯
神が選んだ男は、間違いなくその役割を果たした

ジムの清さ誠実さは品格とも呼べるもので、立派ななりで捨てるようにチャリ銭を施す
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レンフィールド(2023年製作の映画)

3.6

楽しそうだなニコラス・ケイジ

ちょっと詰め込み過ぎな印象
恋愛や極悪組織よりレンフィールドの過去をもう少し知りたかった
こういう支配関係の沼にハマってどんどん自分を失くしていく人がいるのかと思うと、
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