晴れない空の降らない雨さんの映画レビュー・感想・評価

晴れない空の降らない雨

晴れない空の降らない雨

鑑賞直後の余韻でつい高めにつけた点数を、シラフになってから下方修正するクセをいい加減やめにしたい。

映画(339)
ドラマ(0)

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

3.0

 何となく金ローで全部観ちゃったけど、さほど大きくもないテレビでは迫力も大したことなく、おそらくIMAX3Dで観ないとほぼ無価値の映画なんだろう。逆にいうと、3D設備のある名画座とか、あるいはシネコン>>続きを読む

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

3.4

 「全体的にウェルメイドどまり」という感触で、格別なにかコメントするべきことも浮かばずというか、最近の西欧映画にありがちな作風を大きく超え出るものを感じずというか。
 もちろん、多くの人が言及している
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映画 中二病でも恋がしたい Take On Me(2017年製作の映画)

3.6

 完全にファンムービーなので、テレビシリーズへの思い入れが強くないとキツいと思う。
 『ハルヒ』『クラナド』『たまこま』などほかの京アニ作品ゆかりの地を主人公たちが旅行するので、その意味でもファン向け
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駅馬車(1939年製作の映画)

4.4

 一人ひとりの個性をしっかりと立たせながら90分程度に収める手腕も見事ながら、じつに豊穣な作品であって、やはり語り継がれる名作は違うなと。
 
■文明と自然、そして牧場
 ラストの“Well, the
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ニノチカ(1939年製作の映画)

3.8

 コメディは最も風化に弱いジャンルと一般的にいえそうだが、本作は、ルビッチで(多分)いちばん有名な作品だけあって、まぁまぁ面白かった。意外とチョロいグレタ・ガルポは魅力全開だし、テンポは軽快だし、会話>>続きを読む

ナショナル・シアター・ライヴ 2019 リア王(2018年製作の映画)

-

 ケント伯を女性が演じているのはともかくとして、末娘だけ黒人が演じていたり、服装がスーツだったり兵士が迷彩服にライフルだったり、カラーコーンが出てきたりと、『ハムレット』同様奇抜な演出が多い。
 嵐の
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イメージの本(2018年製作の映画)

-

 色やコントラストを加工されまくった映像の断片たちが、もともとの文脈を失いある種のオブジェとして強度をもって音とともに殴りかかってくる。ゴダールの言っていることも断片的にはわかるが、全体としてはやはり>>続きを読む

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~(2019年製作の映画)

4.2

 テレビシリーズの総集編をテレビシリーズ無しでつくりました、という感じ。新入生以外はよく知ったキャラだし、イベント自体はテレビシリーズですでに観てきたものの反復だから、説明を端折ってもそこまで駆け足と>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

3.4

 あまり意識していなかったけど、トヨタが多かった気がする。気のせいでなかったら、それは意図的なものだろう。調べてみたら、本作の脚本家は『グラン・トリノ』の人だった。
 運び屋仕事の反復を主軸に、家族と
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.6

 家族まわりの描写が弱い、キャラが渋滞、ラスボスが絵的にしょぼい、等々の難点があるものの、それを誤魔化して余りあるハイテンポのギャグとアクション、そして何と言っても斬新な映像表現に目がくらむ。デチュー>>続きを読む

ロング・ウェイ・ノース(2015年製作の映画)

3.4

 2016年に東京のアニメアワードでグランプリを獲ったヨーロピアン2Dアニメ。劇場公開されないことへの嘆きをちらほら見聞きしたので気になっていたところに、先週1日だけ上映したのを鑑賞したが、フタを開け>>続きを読む

僕の彼女は魔法使い(2019年製作の映画)

1.0

 幸福の科学のしょうもなラブコメ映画を観ていると思ったら、いつの間にかパルパティーンが赤いビームを放っていた……。
 芸能界をやめて入信して話題になった清水富美加の主演作。この清水富美加あらため千眼美
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オペラハット(1936年製作の映画)

3.4

 原題をみれば分かるように後からみると『スミス都へ行く』の習作めいているが、クライマックスの逆転裁判はなかなか見事だった。といっても、スター俳優と脚本のために作られた典型的な所謂「古典的ハリウッド映画>>続きを読む

一日だけの淑女(1933年製作の映画)

3.0

 『或る夜の出来事』が借りられなかったので、代わりに前作にしてキャプラ&リスキンの出世作であるこちらを鑑賞したけど、あえて観るほどのもんでもなかったなというのが正直なところ。設定は面白かったんだけどね>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.4

 タイトルバックとエンドロールの左右均等割り付けに象徴されるように、最初から最後まで窮屈な映画だった。そもそも宮廷なのに部屋が狭く、壁や柱や調度品の装飾は盛りに盛っていて(とくに寝室の壁が観客の印象に>>続きを読む

独裁者(1940年製作の映画)

4.2

 序盤の第一世界大戦のくだりと、後半がとくに面白い。銀貨の押しつけ合いも楽しいし、ナパロニ(ムッソリーニ)が来てからのギャグは全般的に笑えた。最初の不発弾とか対空砲とか、椅子とか積み藁から出てくる戦車>>続きを読む

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.0

 終盤のインチキ外国語歌唱で、「放浪者チャーリー」というペルソナに対する、チャップリン本人の自己意識が現れていて興味深い。チャップリン喜劇において彼自身が演じる主人公は毎回別人である。しかし、どの映画>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.4

 長くないですか。中盤の、狼の群れに投げ込まれた子羊みたいなジョンス君をいつまでも見ているのが、途中からとてもつらかったのですが。
 ただ引き延ばせば例の「リアリズム」とやらが生まれるというものではな
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ウォルト・ディズニーの約束(2013年製作の映画)

3.4

 『メリー・ポピンズ』シリーズの著者パメラ・トラヴァースが、映画版のシナリオにダメ出ししながら、自分の過去としだいに向き合っていく、という話。
 どれくらい実話か分からないが、内容はほとんどセラピーだ
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メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

3.8

 エンドロールで、ケン・ダンカンとかジェイムス・バクスターとかグレン・キーンの名前を見かけた時がいちばん感動した。とはいえアニメーション・パートそのものは、やっぱり期待していたものとは違った。前作のレ>>続きを読む

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)

4.0

 ウォルト・ディズニーは『ジャングルブック』の完成を待たずしてこの世を去り、生前最後のアニメーション作品が『王様の剣』という酷い駄作となってしまったが、本作のおかげで救われたに違いない。ウォルトのそも>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

4.2

 強迫神経症的なシンメトリーの廊下とかナイフで鍵壊そうとするくだりとか『シャイニング』じゃんと思ったらこっちのほうが先だった。リメイク版に比べると俗悪趣味のこだわりやホラー演出、その他諸々分かりやすく>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

4.2

 正直自分みたいな映画偏差値の低い人間には難しい映画だったが、とりあえずはインテリなフェミ映画と言っても差し支えないと思うので、まずはこの側面についてざっくばらんに思いついたことを書き散らしてみよう。>>続きを読む

十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

2.6

自発的に行くことは100%ない映画だが、友人に誘われて鑑賞。正直なぜこんな見えている地雷を意気揚々と踏みに行くのか、しかも「絶対お前向けの作品」などと俺を自信満々に巻き込むのか、俺を一体なんだと思って>>続きを読む

あした世界が終わるとしても(2019年製作の映画)

1.8

新年初、新作。
初、アニメ映画。
で、初、駄作。
 それも、幸福の科学のアニメ映画のラインナップに紛れ込ませても違和感ないクラスだった。監督は、宮崎駿の『毛虫のボロ』制作のドキュメンタリー番組に出演し
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ゴルゴダの丘(1935年製作の映画)

3.8

 スタイルやジャンルに余りこだわらない量産ぶりが逆に災いしてか、今では忘れられた感のあるジュリアン・デュヴィヴィエ監督のなかでも、さらに忘れ去られた感のある宗教映画の1つ。イエス・キリストのエルサレム>>続きを読む

巴里の屋根の下(1930年製作の映画)

3.4

 ルネ・クレールによる最初のトーキー。軽い女を軽い男たちが取り合うだけのロマンティック・コメディで、洒落た雰囲気を楽しむもの。ふふっとなる場面も随所にある。
 どこまでいっても遊戯的な男女の恋愛模様と
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意志の勝利(1935年製作の映画)

-

 リーフェンシュタールによる采配、つまりカメラマンの配置と角度・動きの指示、そして絶妙なリズムをきざむカッティングは天才的と言うほかない。
 
■オープニング
 雲海を優雅におよぐ飛行機のオープニング
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レニ(1993年製作の映画)

4.6

 ナチスプロパガンダ映画の金字塔『意志の勝利』で有名なレニ・リーフェンシュタールを取材したドキュメンタリー映画。そんなに生真面目で堅苦しい感じではなく、意外なほど面白かった。そもそもリーフェンシュター>>続きを読む

裁かるるジャンヌ(1928年製作の映画)

4.6

■顔から精神を抽出する
 ほとんどクロースアップやバストショットの応酬でジャンヌダルク裁判を映画にした実験的な映画。フランスの英雄ジャンヌダルクの活躍をまったく描かず、捕縛後のほとんどアクションのない
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ナショナル・シアター・ライヴ 2016「ハムレット」(2015年製作の映画)

-

 映画ではなく、舞台を撮影したもの。いきなり現代のカジュアルな服装で現れるハムレット(カンバーバッチ)に面食らう。続いて登場するホレイショウはチェックシャツ(ナードな研究者のイメージ?)。その後もスー>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

4.6

 隙だらけに見えて全く隙がない、そんな映画だと思った。セーヌ川、並木通りを前景に、後景に煙たちのぼる煙突を映したショットで、似たような構図の絵がモネにあったことをふと思い出した。モネに限らず、印象派は>>続きを読む

シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

4.0

 見所は多く、本シリーズの変化球としての部分はかなり笑わせてくれたし、個々のアイディアにも光るものはあるのだが……佳境にさしかかるにつれ、「1つの作品に練り上げられていない」ことが気になった。
 そも
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くるみ割り人形と秘密の王国(2018年製作の映画)

2.6

 とにかく色が濃い。単に2時間のあいだ人を幻惑させて、その後クリスマスチキンとシャンパンにありつく頃には忘れられるために作られた製品。疑似的なテーマパーク巡りのような趣もあり、4つの国から成る王国とや>>続きを読む

宇宙の法―黎明編―(2018年製作の映画)

1.0

 礼拝堂と化した映画館で2時間の拷問に耐えてきた。たとえば冒頭で主人公と親友が言い争い、それが後で親友が悪落ちする前振りなのだが、流れが不自然すぎて「ためにする」感ありまくり。『神秘の法』あたりから強>>続きを読む

青春神話(1992年製作の映画)

3.6

 先行する台湾映画たちと多くの共通点をもつ。何より、出口のない若者の諸相が描かれる。崩壊した家族の絆。新興宗教。受験戦争。テレクラからかけた電話は誰にもつながらない(コミュニケーションの希薄化の象徴と>>続きを読む

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