晴れない空の降らない雨さんの映画レビュー・感想・評価

晴れない空の降らない雨

晴れない空の降らない雨

映画(411)
ドラマ(2)

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

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 オスカー主要部門を総なめするのも頷けるものの、当時より小賢しくなった人類の一員からみると割と分かりやすすぎるな、という残念さもある。昔は素朴に怖がっていたものだが。トラウマとその克服というドラマ。フ>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

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 大してゲームに詳しくないけど、これくらいの映像ならsteamにいくらでも転がっているのでは。それなら、自分でキャラ動かしてストーリー進められたほうがよくない? ゲームに対する映画の媒体的優位性は、こ>>続きを読む

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

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 1939年はどういうわけか、『オズの魔法使』『駅馬車』『スミス都へ行く』『嵐が丘』『コンドル』『ニノチカ』が一度に公開された、驚くべき年である。そして勝利を収めたのが、南北戦争というアメリカ合衆国最>>続きを読む

オズの魔法使(1939年製作の映画)

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 ジュディ・ガーランドをスターダムにのし上げ、『虹の彼方に』という以後歌い継がれる名曲を生み出した作品。1940~50年代のMGMミュージカルを支えたアーサー・フリードの初プロデュース作品でもある。>>続きを読む

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

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 シャフト(新房)と虚淵玄という苦手なもの同士の組合せだったため、知名度にもかかわらず長らくスルーしていた作品。「ザ・2010年代を代表するアニメ」なわけだが(といっても2011年だが)、そういう観点>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

 格差をテーマにした映画が山ほど創られているなかで、本作はエンタメへの昇華という点できわめて洗練された傑作、ということになると思う。災害時に最下層が一番割を食うとか、下層は上と戦うより足の引っ張り合い>>続きを読む

黄色いリボン(1949年製作の映画)

4.2

 フォードの騎兵隊三部作の真ん中に位置し、初めてモニュメントバレーをカラーで映した作品。最高のロングショットが連続してぞくぞくする。騎兵隊が追い詰められる状況では、嵐をうまく捉えて緊迫感の盛り上げに活>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.6

 全体的に原作のもつ苦みがよく出ている追加版となった。面白いのは、無印版に対して追加版が一種の「どんでん返し」みたく見える点だ。つまり、無印版は「日常のありがたみ」みたいな話に要約されそうなところを、>>続きを読む

ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

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リンチが誕生日にNetflixに公開した短編。本人が警官役で猿を殺人容疑で尋問する。意味不明だったけど、とりあえず喋る猿の口が雑コラでした。

アパッチ砦(1948年製作の映画)

4.2

 インディアンがやたらめったら強い西部劇。これもPC?
 
 
■エピローグが心底気味悪い
 インディアンを豚と呼び、無謀な突撃で自滅した愚将が、愛国心を盛り上げるために英雄に祭り上げられる。もちろん
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逃亡者(1947年製作の映画)

3.4

フォードによる、反共的・宗教的・芸術的な一本。メキシコで撮影され、革命政権に宗教が禁じられた架空の国を舞台にしている。フォード自身がアイルランド移民でカトリック教徒だったわけだが、本作がそうしたフォ>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.6

 主役2人の取っ組み合いがよかった。盾に使ったゴミ箱のフタを殴った相手を「大丈夫か?」と気遣ったり、咄嗟につかんだ缶を手放して代わりにパンで殴ったりという茶番。そういう細かい描写がナイス。明言は野暮か>>続きを読む

カイジ ファイナルゲーム(2020年製作の映画)

1.8

 無惨。
 「17歩は映像化できないからオリジナルで」というのは理解できるのだが、同時に、17歩以降の原作を読んでいれば絶対に福本に脚本書かせるなんて真似せんだろうに。もはやゲーム性ゼロだし、後出しジ
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天井桟敷の人々 第一部:犯罪大通り 第二部:白い男(1945年製作の映画)

3.8

 カルネ監督&プレヴェール脚本の最高傑作であり、いわゆる1930年代の詩的レアリスムの集大成、とされる。3時間に及ぶ大作であることや、実在の役者と犯罪者を取り上げたこと、占領下で製作され戦勝の解放感と>>続きを読む

COWBOY BEBOP 天国の扉(2001年製作の映画)

4.2

 本作のスタッフが再結集した『スペース☆ダンディ』のほうが100倍好きだけど、たまたまNetflixで発見した勢いでテレビシリーズをつい全話観てしまい、そのまま劇場版へ(こっちは初)。お話自体はテレビ>>続きを読む

黄金の馬車(1953年製作の映画)

3.8

 本作も例によって例のごとく四角関係を扱っている。が、前作『河』からうってかわって、本作のルノワールは人工的なセットの世界に戻っていく。自然の色をフィルムに収めた前作に対し、人工的な派手なカラーを試し>>続きを読む

(1951年製作の映画)

3.8

 ルノワールの初カラー作品。インドロケ。サタジット・レイが手伝ったことでも知られている(ルノワール作品はのちの重要人物が関わっていることが多い)。ナレーションを挟みつつ、インドの生活と自然、少女時代の>>続きを読む

ピクニック(1955年製作の映画)

3.0

 レビューを眺めているとやはり被害者多数。自分もルノワール監督作品と勘違いしてレンタルした愚か者だが、物語がいささか強引に暗転し、きわめて強引にカップルが生まれるまでは悪くない映画だった。ウィリアム・>>続きを読む

ゲームの規則(1939年製作の映画)

4.8

 鑑賞中ムカムカすることこの上ないこの映画は、しかし圧巻の完成度である。脚本の完成度がもたらす人工性すら、本作の狙いに適っている。「雰囲気の醸成」という点で実に巧みで、軽佻浮薄な浮気が繰り広げられる喜>>続きを読む

大いなる幻影(1937年製作の映画)

3.6

■ヒューマニズム、反戦
 「ルノワールの映画」としてみると、男女入り混じれる喜劇的で下品な恋愛模様や、自然も人間もいきいきと輝くロケーション撮影がなくて物足りない。のみならず、奇妙なことに、「脱出もの
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フィオナの海(1994年製作の映画)

3.8

 セルキー民話に取材した児童小説が原作のアイルランド映画。母親をなくしたフィオナは、仕事で忙しい父親にあまり面倒をみてもらえないため、町を離れて暮らす祖父母のもとへ送られる。従兄弟の友達もいて、どこと>>続きを読む

コンドル(1939年製作の映画)

3.6


■恋愛が邪魔
 死と隣り合わせで働く郵便飛行士たちの人間模様。何度観ても、因縁の男がカムバックしてきて話が面白くなるにつれ、いよいよ疑問に付されるヒロインの存在価値。やっぱホークス映画のヒロインには
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北ホテル(1938年製作の映画)

3.4

 『霧の波止場』の同年に公開されたマルセル・カルネ監督作品。この時期としては例外的にジャック・プレヴェールが脚本を書いていない。おそらくはそれが理由で、本作は、行き場をなくしたカップルの心中から始まる>>続きを読む

霧の波止場(1938年製作の映画)

3.8

 立ち込める霧の中に表現主義的に歪曲された街路樹のシルエットが不気味に浮かび上がる冒頭のシーンは、映画の救いのない結末を最初から予告している。映画は続いて、いかにも訳ありな主人公を、町の片隅にあるボロ>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.8

1)子どもがムカつく。こんなクソガキに執着するアダム・ドライバーにも共感できない。
2)本作のように演技で魅せる映画があまり好みでない。
3)ミドル~クローズで喋るだけのショットが多すぎる。配信作品の
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羅小黒戦記(2019年製作の映画)

4.0

 ちょっと期待しすぎたものの、小規模なスタジオがつくった作品としてはかなりのクオリティだ。そして自分が今年観てきたほかの海外アニメーションと違うのは、めちゃくちゃ「和製アニメ」に近いこと。「師弟関係を>>続きを読む

涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)

4.2

 終わっちゃったけど、今年のクリスマスはこれを観ると決めていた。監督の武本康弘をはじめ、池田晶子、木上益治、西屋太志と、本作の重要スタッフはみな世を去ってしまった。
 
■シリーズについて
 上記4人
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

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■認知症
 この言葉は一切出てこないが、本作にはサブテーマとして「認知症」がある。監督は最初に、ダゲール街の香水店の老おかみマルセルを紹介し、彼女に惚れ込んだことを制作のきっかけとして説明する。実際は
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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 『5時から7時までのクレオ』鑑賞時も少しだけ感じたのだけど、本作の夫婦パートはいよいよデ・キリコの作品を連想させた。この夫婦パートは、別れる瀬戸際の男女による果てのない実存哲学的な対話とともに映され>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

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 亡くなったばかりのアンナ・カリーナとゴダールが演じるサイレントのスラップスティック映画が挿入されていた。
 本作自体は、クレオという癌の疑いがあるシャンソン歌手が、病院の検査結果に脅えながらパリをさ
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失くした体(2019年製作の映画)

3.8

 アニメーションが動物や昆虫、あるいはオモチャを主人公にすると、空間はとたんにアスレチックになる。そうして優れた作品は、狭いスペースを手に汗握るアクションの現場にし、人間の日常的動作に主人公の生死を左>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.6

 けっこう楽しめたのは、逆にシリーズのファンでないからかもしれない。アクションはあまり冴えないが、空間の同期や物質転送は面白い。レイがチームを無視してレンとバトりに行くのも何だか面白い。行く先々での一>>続きを読む

クロース(2019年製作の映画)

4.2

 とんだ伏兵がいたものだ。今年は素晴らしい海外アニメーションの新作にいくつか出会えた(心底失望させられる作品もあった)が、単に出来がよいだけでなく、新しさを感じさせる年だったと言える。とりわけ『スパイ>>続きを読む

ヒックとドラゴン 聖地への冒険(2019年製作の映画)

3.8

 まず冒頭の闇夜のアクション・シークエンスで1作目をオマージュする。画面の手前と奥で別のアクションが繰り広げられ、それらを極力ワンショットで収めることで見事な臨場感を生み出している。ゴチャゴチャして分>>続きを読む

センコロール コネクト(2019年製作の映画)

3.0

 監督のほぼ一人制作。というと自分みたいなニワカは新海誠がまっさきに浮かぶが、新海みたいに突き抜けた作家性はない。むしろ凄まじい既視感、それも10年以上前のモードでは。と思ったら、前半部分の発表は20>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.8

 初見と2回目で印象がガラリと変わって戸惑った。最初は正直、森に入ってから脚本が迷走を始めたようにしか見えなかった。否定しさるにはあまりに惜しい何かを感じてはいたものの、行き当たりばったりで取っ散らか>>続きを読む

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