はるさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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男たちの大和/YAMATO(2005年製作の映画)

3.6

『アルキメデスの大戦』を観たあとの勢いで鑑賞。今作は多くの証言をもとに実際の大和がどのように運用されていたのかがわかるので、両方観ると良いかと。
また今作にはあの当時の呉の別アングルがあり、『この世界
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.9

今作の主要部分は1933年の物語ということで、ちょうど『いだてん』がその前年のロス五輪をやっていた。だから観ながら、日本がどうなっていくのかが頭の中で繋がっていく。良いタイミングで観たなと思うし、どち>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.0

ベテランの名俳優が実在の老いた犯罪者を演じる、という構図は『運び屋』も同様であったが、そうした題材を通して名俳優の経歴とオーバーラップさせていく作品を同じ年に観ることになるとは。やや戸惑いもするが、比>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.0

あのようにキレイに風景や空気感を描くスタイルはこの作家の持ち味なのだなあ。
物語についてはいろいろな見方が出来ると思われるが、個人的には貧困や搾取についてのことがあるなと感じた。そうした今現在の問題を
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僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

4.1

タイトルですでに示されているのでネタバレも無いが、主人公であるユラがどのようにその「存在」と向き合っていくのか、を観ることになる。その過程では絵の優しさとは裏腹の冷徹さも感じられて、この作家の個性がう>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.5

冒頭からグイと引き込まれる。WW2からまだ間も無いポーランド。地方の集落らしきところで2人の男が民族音楽を演奏し、その独特な節回しに郷愁を感じる。場面は変わり今度は客を集めて聴かせるようなレベルのもの>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.8

パリ11区界隈の街の雰囲気が映し出されていてまずそれが良い。おそらくその風景と愛らしい登場人物を観ているだけでも今作は成立しそうだし、そうあっても良かった。
ダヴィッド以外のアマンダ、サンドリーヌ、レ
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新聞記者(2019年製作の映画)

4.0

邦画でこうして政治社会の問題点や時事ネタについて扱いながら、映画としてエンタメ性を伴っている作品は久しぶりに思える。
実際のところ現政権はネタの宝庫だと思うので、このアプローチのレベルでも興行的に成功
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

何を書いてもネタバレになる。避ける方が難しい。

ラザロの幸福とは何であったか。考えさせられる。
しかしその前にラザロは何者であったのか、だろう。作中でも言及があったが「善なるもの」ということになるの
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.2

一つ席を挟んでかなりな巨漢の白人が、大量のジャンクフードとコーラを飲食し続けている、という状況を受け流しながら鑑賞。笑うところが違うのは彼らとの文化の違いだ。わかっている。
ただし細かいネタへの反応は
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町田くんの世界(2019年製作の映画)

4.0

マンガ原作でキラキラ映画の系譜に連なっているように思われるけれど、評判は必ずしもそうではない。実際に観て感じたのは「予告編で感じる雰囲気そのままで観るのか、それとも」ということだろう。
原作は未見だが
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海獣の子供(2018年製作の映画)

4.5

独特な絵のタッチに先入観として抵抗感はあった。けれど、このルックが今作のテーマと雰囲気に見事に貢献しているとも感じた。
今作で感じたことを言葉で表すのは難しい。
とにかく自分の好きな要素が詰まっていて
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主戦場(2018年製作の映画)

4.1

今作を観て『否定と肯定』を思い出した人も多いだろう。歴史修正主義者に対しては、徹底して事実の提示を続けて積み上げていくことが重要。
「慰安婦問題」はまず人権や尊厳の問題が根幹にある。さらにこの「問題」
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ダウンサイズ(2017年製作の映画)

3.9

良い意味で悪い物語。提示してどう感じるか、なのだろうけれども、わかりやすく提示しているのでやはり悪い。その悪さを感じるかどうかで今作の濃度は変わる。

ネタバレになるが、バーで絡む男のセリフや、剃髪す
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

4.0

今作ではゴジラ達がどれだけの迫力で暴れまわるのか、という期待があったが、冒頭で早くも「これは大丈夫だな」と思えた。また力点がそこにあることも示されたので、どれだけのものが観られるのかと期待値は高まった>>続きを読む

小さな恋のうた(2019年製作の映画)

3.8

こうしたルックの作品に「状況」を含ませているので、普通なら届きにくいところに沖縄のことが伝わっているのでは。
そう考えると今作は良い意味で裏切られた印象だ。

ネタバレになるが基地の中の描写なども珍し
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

4.1

犯罪映画であり、伝記でもあるということだが、その撮影や編集によってユニークな仕上がりになった。



早速ネタバレになるが仕方ない。

劇中で語られるが「貴重な本を盗む方法は本で読めない」ということで
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私はヒーローそれともヴィラン?よみがえれ勝連城(2018年製作の映画)

3.9

沖縄に行ってきた後ということもあるが、完全にタイトルに惹かれて鑑賞。
勝連城は未だ行っていないが、中城城や今帰仁城は訪れていたし、今作で語られる阿麻和利の歴史的な背景もわかっていたから、その部分も楽し
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轢き逃げ -最高の最悪な日-(2019年製作の映画)

3.9

まずは交通事故にまつわる題材をこのように作品として公開したことを評価したい。被害側と加害側を描くことで、観る者の心構えに少なからず影響するはずだから。
また今作は知名度はともかくとしても、それなりの経
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シャザム!(2019年製作の映画)

4.0

ある設定を見事に活かした。コレは観ればわかるのだけれど、さて。
個人的には気になって仕方ないところが「ああソレ!」だった。良い意味での驚きがあった。

ネタバレになるが、というかお約束だけれど「DCら
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

-

『IW』を観た後は今作とセットで評価したいなと思っていたけれど、今となってはMCUを網羅しての評価が相応しいなと感じた。今作はおかわりもしたので伏線など「なるほど」と思える箇所もいくつかあり、よく練ら>>続きを読む

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

4.0

いや確かに新味はあまり無いのかもしれないが、ベタを楽しむということでいいのだと思う。プロットは二の次ながら、これまでの潜水艦もの、特殊部隊による潜入ものの要素をテンポ良く盛り込んで、こだわりを感じられ>>続きを読む

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

4.0

ヒュルーニンゲン監督の作品ではタイムラインを巧みに操るのが特徴だと公式にもあるが、確かにそうだと感じた。過去作品よりも今作はそれほどでもないそうだが、実際はフラッシュバックが多く、かつての「ビューティ>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

3.9

今作では、当時の大統領や閣僚が何を行なっていたのかの内幕を晒していて、そうしたドラマでない部分の精緻さにまず圧倒される。そして主要の4人は曲者揃い。そこでエンタメは担保されるが、ただ安易に面白い作品に>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

アカデミー賞の後で気がつけば『グリーン・ブック』と並んで語られることが少なくなかった今作。比較するつもりはないが、それぞれで語られるべきアングルを補っていたようにも思う。ただし、スパイク・リーが今作で>>続きを読む

バハールの涙(2018年製作の映画)

4.2

去年に近所で林典子の写真展があり、そこでは展示数は少なかったものの、その中にはヤズディの女性たちが写されており、銃を持つ女性たちもいた。それから当地の状況を調べるうちに、ちょうど今作が日本でも公開され>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.2

個人的には今まで観てきたMCUの中で上位にくる作品だなと感じた。主人公が魅力的で彼女の体現しているものが好きなのだろう。上映スケジュールで都合が良かったのでDolbyCinema3Dで鑑賞したが、特別>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

4.1

平日昼間の回、鑑賞後に席を立ったらまさにクリントと同世代かと思わせる先輩方が多数いらして、ああいいなと。あの方達はそれこそクリントのキャリアを同時代的に観てきていて、その上での今作なのだから色々と思う>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.8

2D吹き替え版、そしてドルビーシネマ3Dでおかわり。その間にサントラも聞き込んでいたので、アトモス音響で楽曲群の良さを再確認もできた。
個人的には良い順番で観れたなと思う。希望としてはドルビーで2Dが
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ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

4.3

邦題のことは忘れましょう、『ムーンライト』のことは心の中に留め置きつつ。それくらいが良いかと。

早速ネタバレになるが、これは「ティッシュという太陽の物語」であり、印象的なショットでは彼女のヘアスタイ
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.2

基本的に思った通りに展開していくけれど、こうした物語は折にふれて繰り返されるべきなので問題ないかと。
とにかく主演2人(と言って良い)が素晴らしく、特にヴィゴには驚きもあった。

ネタバレになるが、冒
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パディントン 2(2017年製作の映画)

4.5

1を観てないけど傑作でした…。

とは言え、冒頭で何かを汲み取れないと今作の感動は薄くなるだろう。良い絵が多くてそれだけでも最高。

意外と吹き替え版オススメだ。

縄文にハマる人々(2018年製作の映画)

4.0

謎の感動があった。

語りが多く、ある方向にリードする作りなのでドキュメンタリー性は薄れた。それは残念。

でもこうした作り故の気付きもあるわけで、そこは評価したい。
しかし情報量多いわー

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.1

今日観た作品に珍しくもフラッシュな感想を。
アクションのないスリラーをほぼ一人称でまわしながら、観賞する側のリテラシーに委ねてもいる。

ネタバレになるが、このタイトルでこの本は素晴らしい。「罪とは」
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