はならびさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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ルイジアナ物語(1948年製作の映画)

4.2

杉本博司の撮った終末だか紀元前だかの風景写真(完全にあやふや…)みたいな湿地の風景が美しいだけでなく油田採掘の機械を写す視線が自然へのそれとまた違って面白かった 爆発したり人が死んだりするのではとヒヤ>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.6

「おはよう!念のため、こんにちはとこんばんはを」そう言ってクシャッと笑って一礼をして幕を引く、まさに壮大なトゥルーマンのショーだった。トゥルーマン・ショーに出てくる登場人物たちはいつだって完璧に役者だ>>続きを読む

21世紀の女の子(2018年製作の映画)

4.6

去年のGWに山戸結希監督のトークを聞いた時、「未来で母親になる存在としての現在の女の子が、幸せに自由にこれからを生きられるようになることで世界(未来)はきっと変わる、だから女の子の映画を撮って世界をよ>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.6

パントマイム1つで現実の空気を意味のあるものにピリッと変える手法は魔法みたいだった 好きな女の子がポッと出のハンサムに手相占いしてもらうところを見せつけられるのって精神的NTRじゃないですか? 踊りな>>続きを読む

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

4.2

恋する戦闘狂による戦闘狂のための戦闘狂の映画って感じで映像がひたすら気持ちよかったしアリータの顔の質感がもう生身と同じですよね?ってくらい!毛穴や瞳孔の動きに感動する 心臓を捧げるような愛とバイオレン>>続きを読む

undo(1994年製作の映画)

4.1

はるか昔に見たから記憶が曖昧だけど小学生の波に飲まれながらキスシーンが宇宙好き

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

4.6

ヴァルダとJRのコンビがとてもいい 年齢差はかなりあるのにもかかわらず、お互いに敬意を持って対等な人間として接している感じが心地よかった(特にJR) 坑夫の娘や無職の男、ラストシーンのヴァルダの表情の>>続きを読む

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(2016年製作の映画)

4.0

万全の睡眠時間を確保していったのに半分以上眠ってしまった 目がさめる度に最高のライブシーンでなんていい心地なのだろうと思うも、あんなに熱く情熱的に歌い上げる人々がインタビューのパートでは静けさと孤独を>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.8

試写で『THE GUILTY』奇跡体験アンビリバボーみたいな話かな〜と軽い気持ちだったけど、ものすごい映画体験だった 善を成すことと最善を尽くすこと、「試されるのはあなたの<想像力>」というキャッチコ>>続きを読む

悪い男(2001年製作の映画)

3.9

パンプスで靴擦れした足にバンソーコを貼って美術史の教科書を持ちながらボーイフレンドを待つ男がヤクザ者に一目惚れされて通り魔的なキスをされる、まではまだ昔の少女漫画かな?と思っていたけどそこからの転落が>>続きを読む

迫り来る嵐(2017年製作の映画)

4.5

自分にはある点に関して才能があると思っていた実直で努力家の男が、一歩踏み外して転落していく様が観ていて辛かった 弟分と恋人、誇りに思っていた職業を失い、犯人を捕まえれば全て元に戻るとでもいうような妄執>>続きを読む

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

4.3

シャマラン作品初で見るの躊躇ったけれども友達が「とりあえず劇場で観ろと」勧めていたので観た とんでもない人類へのエールと愛に満ちた映画に感じた(過去作を観てないので受け取り方に自信がない!) 世界を変>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

4.4

カルト集団に無知の子羊が迷い込んだと思ったらヤバイバケモノだったっていう展開すげー好き ダンスが観たいのにダンスになると人がバキバキになるシーンが合間合間に挟まってもっとダンス観せて〜って唸った 当時>>続きを読む

500年の航海(2015年製作の映画)

4.0

タヒミックに500年かけて会いにいく映画だったと思ったらタヒミックが監督挨拶で会いにきてくれた
最初は何を見せられているのかわからなかったけど、500年前のマゼランとエンリケの旅路を現代で再現する、現
>>続きを読む

遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.4

ワンワン可哀想だから銃で撃たないで〜とか呑気に見てたらむしろ剣呑な映画で映画の登場人物なら5秒で死んでた 南極では電波も血液も凍るんだぜ! 血液検査のシーンは人間は己の皮膚一枚外の外界のことなんて滅多>>続きを読む

映画 刀剣乱舞-継承-(2019年製作の映画)

3.6

鈴木拡樹がマジで顔が綺麗なのに表情の作り方がおじいちゃんっぽくて最高だった(褒め言葉)もっといろんなキャラクターが出て戦闘するのかと思っていたけどそうでもなくて、そこだけちょっと残念 秀吉の細かな動作>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.4

主人公だけが使える超能力の描き方がものすごく好き(なぜならそれは現実ではないから、盛り上がる場面で流れるドラムも蓋を開ければ…)、ラストのエマ・ストーンの瞳の澄み切った美しさ ドンドン焦燥していく主人>>続きを読む

黒い罠(1958年製作の映画)

4.6

‪流れるような冒頭のドライブシーンからの「もう1時間もキスをしていない」と言った新婚夫婦のそばで爆発、それなら投げつけられる硫酸!目まぐるしさにものすごく興奮した 目の見えない老婆の執拗な目の動きのク>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

4.0

みんな気性が荒めなのにサッパリしていて常に愉快、小道具と猫と空間の使い方がおもしろい 船室を上から撮ってみたり、霧の立ち込める中に人を立たせたり、あと暗闇の中で花嫁の白いドレスが光るシーンが特にかっこ>>続きを読む

チワワちゃん(2018年製作の映画)

4.8

人の死を扱った話なのにあまりにも軽薄すぎる人物が何人か描かれて、え〜と思ったけど、でもなんかそんなもんなのかもしれないと思った。リミスリの時の色彩の使い方とブチ上がる音楽、最高だった、チワワちゃんの輝>>続きを読む

バンコクナイツ(2016年製作の映画)

4.0

バンコクの派手派手しさと地方の静かな美しさの静と動の激しさにグラグラする、「日本人でよかったな」に透けて見えまくる日本人のいやらしさへの嫌悪と、と「あのこラオ族だよ(モン族?だったかも)」というタイの>>続きを読む

全線~古きものと新しきもの~(1929年製作の映画)

4.0

雨乞いの儀式、牛乳分離器の疑いの眼差しと期待、老婆の見る夢とソフホーズの発展、豚の繁栄と丸焼き、農村と都市の落差、トラクターの群れ!機会と動物と人間の撮り方がそれぞれ違っていて、特にでっぷりと肥えた人>>続きを読む

十月(1928年製作の映画)

4.0

「平和もなく、パンもなく、土地もない」の強烈なフレーズ、可動橋が開くことで人と馬の死体がすべり落ちたりぶら下がったりする、一斉に振り返る人人人、コサックのダンス、正教会の礼拝、顔と顔と顔の間に来る石像>>続きを読む

イングリッシュ・ナショナル・バレエ団 アクラム・カーン版『ジゼル』(2017年製作の映画)

5.0

ずっと観ていたい身体表現 身体は重力や重さを忘れさせたり動物や壁になったり、どうやったらあの動きを計算したり構築したりできるんだろう、トゥシューズを履いた妖精たちのこの世のものではない妖しさ・正確さ!>>続きを読む

囚われの美女(1983年製作の映画)

4.0

一緒にみたドイツ語に明るい友達が登場人物の名前の由来を考察していてそういう見方があるのかーと思った 不滅の女と話の作りが似ていた気がする、霞を掴むような話が癖になる

キャット・ピープル(1942年製作の映画)

3.6

冒頭の動物園で男女が出会うシーンで音楽演奏家が流れるようにカメラの前を通り過ぎるシーンと猫の呪いを持った女性がペットショップに入った瞬間動物たちがいっせいに騒ぐシーンがとてもよかったけど中盤ウトウトし>>続きを読む

月蒼くして(1953年製作の映画)

4.6

マギー・マクナマラの演じる女性が見た目も性格も動作も超キュート、自己愛が強い女と自己顕示欲が強い男の物語だと最初に宣言したりプロ処女の話が出たり、最近撮られた映画なんですか?と勘違いしてしまう とにか>>続きを読む

モルグ街の殺人(1932年製作の映画)

3.9

原作が好きだったので映画にするとどうなるんだろうと思って鑑賞、オカルト映画になっててビックリした 騒めく集団の描き方がフリッツラングのメトロポリスみたいですごく好きだった(一拍おいて人々の限りなく静止>>続きを読む

シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.4

薄々そんな予感がしていたけれど、ラストにジュゼッペがどうなったのかを知った時、結末をどうしてルナに寄せたのか正直わからなかった だけどちょっと経って、本当に生きて死んだ人間の死後を安易に描くことはでき>>続きを読む

トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.8

好きとか愛とかじゃなくてただ「近くにいたから」傷を癒し合う人々の物語、年末に成瀬監督作品を観ていたから一方に都合よく使われるのではなく相互に補完しあう関係ってとってもいいなと思った 父親が死んだ瞬間に>>続きを読む

乱れ雲(1967年製作の映画)

4.8

踊りを披露する手振りからの事故があったことを伝える手振りが繋がる、中盤で「あなたの目がそれを許さない」(うろ覚え)といったときの司葉子の目が序盤のお葬式とまるで一緒の目つきをしている、うおーすげーと思>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

3.8

いつもこたつに入って飲み物を飲むよう勧める女の甲斐甲斐しさと、最後に口紅を塗ってやることで報いたつもりになる男のアンバランスさ… …

嘘をつく男(1968年製作の映画)

3.8

画面の中心に配置されることで館の主人の本物感が増しまくる、肖像画のように撮られる人々、人間のように撮られる肖像画、嘘をつく男が普通に狂気じみててこわかった、ホラーやん

ショックプルーフ(1949年製作の映画)

4.8

あっという間の80分!観に行こうかな〜やめておこうかな〜と迷いつつ、レビューを読んでたらどんな結末か観たくて、観終わった後の満足感がすごい。姿勢良く歩くパトリシア・ナイトのスカートと帽子の後ろ姿の始ま>>続きを読む

過去を逃れて(1947年製作の映画)

4.4

ウイット一味のマヌケさと、なんとしても生き延びたい女の図太さと、必殺仕事人みたいな聾唖のキッドがいい味出してた 特にキャシーのどんどん苦しくなる言い逃れ、生に執着する美女という図がなかなか新鮮に感じた

堕ちた天使(1945年製作の映画)

3.8

冒頭のドライブシーンと音楽、看板の疾走感がよかった 夢見る女性の心を甘言で惑わしす主人公に憎しみが溢れる 幸せな結婚を求める女性がどうして男性の食い物にされなければいけないのか(とくにステラ) 影で輪>>続きを読む