otomisanさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

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合葬(2015年製作の映画)

4.2

 二百年以上続いた統治が急に終わり禄を失って旗本御家人たちもただの武家。さらに部屋住みの次三男らにお目見え前の若輩どもはほんとの穀潰しに。どうせ目通り叶わぬ主君なら臣も君もありはすまいと思ったら、そん>>続きを読む

愛人 ラマン/恋人・ラマン(1992年製作の映画)

4.4

 わたしは十五で年老いたという。当人にとってはその通りなんだろう。しかし、傍からは遠い熱帯の植民地で父親に早くに死なれ、母は事業に失敗し狂乱の末、同胞からも孤立。家族とは名ばかりの有様で兄二人も凡そ頼>>続きを読む

愛情萬歳(1994年製作の映画)

4.2

 不動産嬢に伝手があればとりあえずホームレス回避。そんな宿無し生活でも車を持ってるし、非正規だろうがセールスしたり自営業も名乗れる?外面からは分からない男二人の風まかせに、それでも2時間かけないとこの>>続きを読む

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)

4.4

 タンゴの踊り手を見ていると腰は合わせつつ顔を背け合っていると見える。そんな有様がパッシーのアパルトマンでの二人の交接風景に似てる。レイプ紛いの成り行きが、男の意図で名乗りを拒みつつ、あちらも何より拒>>続きを読む

青春神話(1992年製作の映画)

3.6

 登場人物にいわせりゃ、とんだクソだろ。何が面白―てほめくさるかぼけ
 という感じ。年取ってみてざまあクソな気分しか残らないんだが、あの頃もくそだが今を客観視されたら大グソ、中グソ、小グソどんなっかな
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シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

4.3

 今じゃあ経済の好転のおかげか大規模交番ができて警察と住民が共生状態で社会改良を進めてるそうなスラムの40年前。
 盗みはしても殺めはしないミニギャングを蹴散らす舎弟分リトル・ゼの、殺して厄介払いな愉
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.3

 人の好さげな鉄砲玉コメディアン。お客のウケから察すれば人質なしでも大成功?臭いメシ必至の一発屋、"10分天下"でキングを降りても~ああ本望だ~で済むものか?うちに帰ればトークを待ちかねたライザとジェ>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

4.5

 フェリーニ氏と同い年のマエストロがローマの大渋滞でカンヅメ(映画が作れず進退窮まるの意)になって遂に発狂、空を飛び始める(あー清々したの意)悪夢から制作陣に地上へ引きずり降ろされて(勝手されちゃあ困>>続きを読む

バットマン オリジナル・ムービー(1966年製作の映画)

4.0

 「おことわり」を真に受けてながめれば、いつもニコニコ笑ってヒーロー。爆弾抱えて右往左往だのねこを抱えて乱闘だの国連ダッシュだのとよくやらせたな。そのうえ、お帰りは窓から懸垂降下。そもそもバットマンが>>続きを読む

ニノチカ(1939年製作の映画)

4.0

 まず嫌味の一つも。知られぬはずもあるまい大粛清も末期、独ソ不戦の約定下、大戦も頭。共産党と仲よしになれる何の謂れも無いはずの米国映画でソ連を辛くもなく甘くもなくおいしそうではさらさらなく扱う手並みに>>続きを読む

親バカ子バカ(1960年製作の映画)

3.9

 さすが大阪で、寛美のアホぼん映画でも企業乗っ取りの後始末なんて生臭そうなサブテーマで攻める。とは言え、そこは天外寛美、あんじょうよう収めてます。せやけどこーまでアホぼんやと、わてほんまによーいわんわ>>続きを読む

SHAME シェイム(2011年製作の映画)

4.3

 泣く男というとザンパノを思い出すんだが、ありゃあミーナと姉アンナ、取り返しがつかぬ事で遺されたザンパノ、我が身の一人を嘆くわけだ。ひきかえブランドン、クソ野郎に成り下っても相方一命取り止めりゃ上等だ>>続きを読む

スペースインベーダー(1986年製作の映画)

3.6

 雨漏りの修繕よりも楽しい。やけにB級な感じで押してるのも道理、なーんだ坊主の夢だったのか。覚めたらはじまるA級のインベージョンに寝しょーべんたれよ。

天保水滸伝 大原幽学(1976年製作の映画)

4.3

 知らなくて当然な大原幽学だが、博奕を戒める教えのせいで飯岡の助五郎親分とは反目あり。ついでに十手捕り縄を預かる親分は農政家幽学を取り締まる側にも付いてたか。幽学はともかく座頭市や天保水滸伝で知られた>>続きを読む

大人と子供のあいの子だい(1961年製作の映画)

4.1

 中学生の日記がもとのこの映画、人生沈んで浮いてまた沈む。分かっちゃいるけど中学時分からそんな事に気が回ってしまうのがいい事なのかよくない事なのか。いっそ沈みっぱなしと自棄を起こしてぐれちまうほうが楽>>続きを読む

荒鷲の要塞(1968年製作の映画)

4.2

 ネズミ捕りで大山鳴動。イーストウッドも駆り出されて、最後に次はイギリス人だけでやってくれのクレームが印象的だった。それができるようならもとより同盟などしないだろうが。
 曇天下、雪景色の野山、山あい
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白い記憶の女(1988年製作の映画)

3.9

 "パズドラ教"では東方の親愛神だそうな。カリンの告白の成らざる辺り実にもどかしい。しかし、そこが異教の神の言辞に聞く耳持たぬGodの厳格が表れているのかもしれぬ。永らくキリスト教に席巻され人の記憶が>>続きを読む

もどり川(1983年製作の映画)

4.1

 白秋はじめ大家の歌には毒があるという。だからお前はダメなんだと言われて、当の師匠の細君を手籠めにしての姦通罪。毒の積み初めを天晴れ社会的烙印で刻めばもう後戻りもなるまい。
 果たして、邪恋と死と歌作
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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

4.4

 自分を褒めそやし甘やかしてくれる旧友も、国家機密に関わる重要人物として重用してくれるエージェントも自分にしか見えず、自分としか話もできない、妄想の産物に過ぎないなんて、どうすれば受け入れられるだろう>>続きを読む

トロピック・サンダー/史上最低の作戦(2008年製作の映画)

3.8

 役者じゃのう。ラジー賞の声さえかからないナゾ映画の熱き主演を褒められれば相手が麻薬王でも懐いてしまう。小枝のオスカーを授与されると親子の契りまで結んでしまうという。"息子"をぶん投げてストックホルム>>続きを読む

戦う翼(1962年製作の映画)

4.2

 司令官も見やがれとB-17 "The_Body"で抗議の曲乗り。誉の重爆で降伏ビラ撒きは御免だと?キール爆撃で独り勝ちしてなかったら縛り首だろう。バズ機長、腕のいいのは間違いないが、War_Love>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.1

 そもそもラテン語で張る辺りが外連味たっぷり。ついでに、いやこれこそ直球勝負。宇宙人はいるに決まってるだろと大概の学者らが思っているべぇと思われる今、その逆を張る話をするのにたまげる。
 空飛ぶ円盤が
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ハドソン・ホーク(1990年製作の映画)

4.1

 むかしむかし、LAにマディとデイビッドなる探偵二人組がおって、散々ふざけまくって、早ョくっ付かんかい‼と観客をヤキモキさせ続けた挙句、スポンサーに愛想つかされて消えていった(本当に"劇的に"消えてい>>続きを読む

あゝ声なき友(1972年製作の映画)

4.5

 生きて虜囚の辱めを受くまじと教わって兵になるのだそうだ。そんな日本兵が投降すると米軍尋問官に皇軍の内実、兵備、行動、士気、意外にもよく口外するのだそうだ。生きて売国利敵の恥をさらさぬ教えが無いと、捕>>続きを読む

フェリーニのローマ(1972年製作の映画)

4.1

 戦争さえしなければ。そりゃあ誰だって思うだろう。1939年のローマを見ればな。晩飯食うのでにぎわってる隙間を市電がそろそろ抜けていく。またよく食う。田舎出の下宿人をさらっていくのはどこの家族だ?また>>続きを読む

不意打ち(1964年製作の映画)

4.1

 意地の悪い話があったもんで、弱り目に祟り目、悪い奴らの芋づる式だ。ひとたび弱みを知られてしまうととっかえひっかえ骨までしゃぶられるという。同じころ日本じゃあ、しゃぶりたいくらい憧れてた世界なのにね。>>続きを読む

暗殺(1964年製作の映画)

4.4

 何かと面白げに話の尾ひれが付き勝ちな幕末ものにあって、清河八郎ならでは、観る者に媚びる用のない、面白くない男の評伝を思う存分作れたに違いない。実に才気に富んだ時代の寵児といえ、なんとも鵺のような心底>>続きを読む

みな殺しの霊歌(1968年製作の映画)

4.2

 時効間近というのに何人も殺して。親子のような男同士で道産子、大建設時代で人手なら人殺しのでも欲しい都会にあって、公安ネタでも無ければ監視もないし術もない頃の独り者。
 今なら直ぐLGBTネタと考えそ
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さらば青春の光(1979年製作の映画)

4.1

 馬鹿ぁ死ななきゃ治らんてゆうが、この世の果てでAceのおもちゃを放り出してみせて、奴は馬鹿で生きることにしたのか、実は馬鹿でなかったわけか?
 どっちか知らんが、むしろ見る側の受け取り方でアンタのニ
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.8

 今また娘を嫁がせて、親父はついに何もかも手放してしまった。親父という言葉の軽さはその息子の口から出るからそうなのだが、笠親父は元艦長というほうが似合うと思う。
 敗軍の将、兵を語らずという通り。山本
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無頼漢(1970年製作の映画)

3.5

 権力は交代するとな、水野に言わせてりゃ世話がない。しかし、権力側さえそんな倦怠を覚えたかもしれない長すぎる幕政をなんでなんで、九割以上の庶民が支え切ってきたわけで、その間に割って立った、丹波、斉加年>>続きを読む

キッズ・オールライト(2010年製作の映画)

4.2

 女同士が良くて一緒になったのだろうが、男嫌いでそうなるものとは限らないわけか。妻役ジュリアンとマークがいかにも自然にそうなってしまいました、という感じで面食らった。自然でもないか。やはり飢えがあった>>続きを読む

ニューオーリンズ・トライアル(2003年製作の映画)

4.0

 アメリカの銃規制を巡り、製造元責任についての司法判断が焦点の、というと大ごとなんだが、その大ごとに見合わぬ感じの原告側弁護団の闘争体制に疑問を覚える。メーカーのインサイダーで最重要証人の出廷がドタキ>>続きを読む

新選組(1969年製作の映画)

2.9

 千恵蔵や右太衛門、近藤おじいさんの悪口を言ってた手前、若返って上々と言いたいところだが、なんだ?これは。
 つまらないわけでもなく、役者が当たらぬわけでもなく、芝居が拙いわけでもない気がするのだがつ
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予期せぬ出来事(1963年製作の映画)

4.0

 ロンドンの霧も人殺しばかりが能じゃない、という面目躍如。まあ、八方丸く収め切れない辺りはお愛嬌。お愛嬌ついでに1963年のヒースロー出発カウンターの鶴丸の赤。小さいながら画面真ん中とは安くないだろう>>続きを読む

砲艦サンパブロ(1966年製作の映画)

4.6

 物語を引っ張ってきた人物がみな死んでしまう。機関室を根城に9年、フネに乗らねば不運の凶状持ち。ならばと選んで外の事に我関せずを通しながらも最優秀評価を得て来たジェイク。砲艦に着任し機関科先任を任せた>>続きを読む