はつしもさんの映画レビュー・感想・評価

はつしも

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博奕打ち外伝(1972年製作の映画)

4.1

任侠の遺風に殉ずる鶴田浩二や高倉健と渡世の作法を屁とも思わぬ松方弘樹。東映任侠路線最末期にふさわしい映画。

大脱獄(1975年製作の映画)

3.7

潜行する高倉健の暗い情熱が石炭ストーブの炎を通じて伝わってくる。

昭和残侠伝 破れ傘(1972年製作の映画)

4.3

これまでと微妙に構図が逆転している。待田京介、北島三郎、安藤昇、鶴田浩二と侠客が次々と斃れていく一方で、山本麟一がむき出しの欲望を滾らせながらかつてない謀略と殺戮を繰り返す様は任侠路線の終焉と実録路線>>続きを読む

昭和残侠伝 吼えろ唐獅子(1971年製作の映画)

4.3

かなりの大物役者が出演しており、さらに人間関係が錯綜しているのにも関わらず、程良い時間配分で整理し見せ場を盛り上げている。この頃になると、実録路線の萌芽がみられるようになるのは気のせいか。

戦ふ隊商/激斗の河(1931年製作の映画)

3.7

時代遅れとなってしまったガイドの二人の老人にアメリカの精神を感ずる。

昭和残侠伝 死んで貰います(1970年製作の映画)

4.1

山本麟一が珍しく格好いい。話の運びは様式を徹底する。

冬の華(1978年製作の映画)

4.1

やくざの美しさとしょうもなさが表裏一体となって描かれている。

奇傑パンチョ(1934年製作の映画)

4.3

好色及び残虐であると共に信義に一途な、自身に正直である神話的英雄が、世に容れられず破滅する。彼は新聞記事の虚報を事実にする程偉大だったが、その偉大さ故に末期の際に自らの罪を認められなかった。

日本侠客伝(1964年製作の映画)

4.1

時流により変化を余儀なくされながらそれでも各々の侠気を貫いた男女の群像を過不足なく活写する。『日本侠客伝』シリーズの原型は第一作にて既に完成されている。

日本侠客伝 白刃の盃(1967年製作の映画)

4.0

長門裕之の運転手の同僚を殺されて激情と悔恨に迫られつつ、宮園純子に止められながら仇を討とうとする演技が秀逸。

霊幻道士(1985年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ホラーコメディながらかなりアクションに力が入っている。最後のキョンシーが火だるまになるシーンは素晴らしい。

河内山宗俊(1936年製作の映画)

4.1

さりげない会話が自然で心地いい。リズムカルな映画。

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

4.2

台詞とそれに続く場面転換でのユーモアが上手く奏功している。散乱するくず屋の古着や柳生家門前に列を成す町人、山と積まれる壺など、過剰なほどに大袈裟な描写が新鮮。

ナバロンの嵐(1978年製作の映画)

3.6

ロッキーのアポロと007のジョーズが対戦している。ダム爆破の特撮は素晴らしいが、ドイツ軍の戦車がT-34だったのは残念。

現代やくざ 血桜三兄弟(1971年製作の映画)

4.1

非道だが小粋な都会風の小池朝雄が、地味な(確実に童貞である)荒木一郎にあっけなく刺されて死ぬという対比の妙が面白い。巨悪ではなく小心で大組織の顔色を伺う凡庸な中小組織の親分役という河津清三郎も良い。

キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)

3.5

巨大タコ退治など『髑髏島の巨神』に踏襲されたシーンがあり啓発される。ドラマパートに有島一郎が出演しており、どうしても喜劇映画にみえてしまう。

現代やくざ 与太者の掟(1969年製作の映画)

3.6

ラストシーンの菅原文太の台詞は『人生劇場 新・飛車角』の(あの作品にも志村喬が出演していた)オマージュか。

拳銃無宿(1947年製作の映画)

3.7

妻が殺されそうになったのは、ジョン・ウェインが牛を盗んだからだと言えなくもない。

いかすぜ!この恋(1965年製作の映画)

3.5

スター映画と思いきやスクリューボールな喜劇映画で楽しめた。

U-571(2000年製作の映画)

4.0

言わずと知れたアメリカ版Uボート映画。序盤のパーティーや軍港のシーンは西ドイツ版のオマージュか。

大魔神逆襲(1966年製作の映画)

3.8

城壁を破壊して収容所を俯瞰する魔神からの視点のカットが秀逸。

大魔神怒る(1966年製作の映画)

3.6

湖水が割れるシーンや爆破の煙から大魔神の巨影が立ち現れる場面など神々しいカットが前作よりも多いように思える。

プロフェッショナル(1966年製作の映画)

3.8

堅物のリー・マーヴィンと軟派なバート・ランカスターのコントラストが面白い。荒涼たる砂漠にて各人の欲望が渦巻くなか愛を貫くクラウディア・カルディナーレが艶やか。

大魔神(1966年製作の映画)

3.9

魔神の巨体と人間の小躯が違和感なく同じカットに映っている。左馬之助が巫女を斬殺するシーンもおどろおどろしくて良い。

プリースト判事(1934年製作の映画)

3.9

フォード監督の南軍への愛惜の念が大詰で爆発したような作品。

誉の名手(1917年製作の映画)

4.6

入植者の家の奥が屋外に開け放たれておりその先にハリーケリーが立っているシーンは『捜索者』に先立つ構図であり、西部劇を象徴する画題ではないか。

俺は善人だ(1935年製作の映画)

4.0

コメディだと思って観ると、後半ノワールのような慄然とする不気味さを覚えるシーンが多く、起伏にとんだ一作。

栄光何するものぞ(1952年製作の映画)

4.1

冒頭で前線から帰ってきた兵士達が何事もなかったかのようにラストシーンで再び前線へ向かってゆく。

怒りの荒野(1967年製作の映画)

3.9

ジェンマの無双を引き立てる演出が悉く格好良い。師弟対決においてクリーフが老獪な策を弄するのに対して、臆することなく立ち向かう雄々しい背中も決闘後は哀愁ただよう背中に変貌する。

白鯨(1956年製作の映画)

4.1

白鯨や捕鯨船の特撮が精密に仕上がっており、それが実物大に再現した19世紀の港町や船舶と違和なく連続している。船長の狂気が船中に冉冉と伝染してゆく様に畏懼する。

鞍馬天狗 横浜に現る/鞍馬天狗 黄金地獄(1942年製作の映画)

3.6

嵐寛寿郎が見せる殺陣の素晴らしさは言うに及ばず、燭火に照らされた琴糸路の妖しい美しさに魅せられる。

丹下左膳 坤龍の巻(1956年製作の映画)

4.0

丹下左膳と奉行方の殺陣が俯瞰して撮影されており、しかも塀や堀に囲まれている為、大多数に対する孤立が際立っており、絶望と狂気が強調されていて良い。

丹下左膳 乾雲の巻(1956年製作の映画)

4.1

丹下が時折見せる悪魔の如き哄笑が闇夜に響き渡るシーンが印象に残る。

血煙高田の馬場(1937年製作の映画)

4.1

阪妻の軽快で機敏な演技が安兵衛役に適役である。決闘の最中に熱狂する群衆は映画を観る我々に似る。