風の旅人さんの映画レビュー・感想・評価

風の旅人

風の旅人

映画館主義者。
可能な限り映画館で観ます。
平均点は3.5、おすすめは4以上、ベストムービーは5。
過度に難解な芸術作品も大衆に媚びた娯楽作品も評価しません。
評価基準は内的なモチーフをエンターテインメントとして昇華できているか否か。
映画を「出来事」として捉え、作品に「驚き」を求めています。
好きなジャンルはヒューマン・ドラマとラブ・ロマンス。
レビューは加筆修正しています。since2017

映画(198)
ドラマ(1)

ピーターラビット(2018年製作の映画)

3.7

ピーターラビットというキャラクターはもちろん知っているが、原作は読んだことがないので、この映画が原作にどこまで忠実かはわからない。
「教育的映画ではない」という冒頭の断りが示すように、ブラックで毒入り
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何者(2016年製作の映画)

4.0

就職活動はしたことがないので、その大変さはわからないが、彼らの人間関係に既視感を覚えた。
本音を隠し、上辺だけの会話に終始し、snsで心情を吐露する。
ある人物のツイッターの裏アカウントでのつぶやきを
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孤狼の血(2018年製作の映画)

3.7

壁に貼られた広島カープ優勝のポスターを見て、ある逸話を思い出した。
当時巨人戦を控えたカープの選手たちが東京駅に降り立った。
するとその風貌を見た一般客が、広島のヤクザが東京のヤクザに殴り込みをかけに
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美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

4.0

絵を描くという「行為」をフィルムに焼きつけた傑作。
そのために4時間の長尺が必要だった。
絵画に真実を求める老画家によって暴かれるモデルの見えざる内面。
フレンホーフェル(ミシェル・ピコリ)に無理な体
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アイアンマン2(2010年製作の映画)

3.7

私はトニー・スタークが好きになれない。
自信家で女にもて、金持ちで頭がいい。
「持たざる者」である私は、彼に嫉妬しているのかもしれない。
「衝動性、自己破壊傾向、典型的なナルシスト」というロマノフの評
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キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

4.0

「確かに私たちは世界の危機を招いた。
でも、それを守れるのも私たちだけ」
(ブラック・ウィドウ)

明確な敵の姿が見えず、相対的でしかありえない正義と正義の間で苦悩する現代のヒーロー。
強大過ぎる力は
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殺意の香り(1983年製作の映画)

3.5

患者に逆精神分析された精神分析医が、患者とその愛人の関係に嫉妬し、隠された欲望を発動させるという展開が面白かった。
患者は自分の愛人を「君の彼女」と呼び、精神分析医を挑発する。
しかしそれが物語に深く
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キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)

3.0

ジェシカ・アルバ目当てで観たら、すぐに退場してしまい、その後の展開が退屈に感じられた。
最初ジョイス(ジェシカ・アルバ)に殴られるルー(ケイシー・アフレック)を見て羨ましいと思ったのも束の間、ルーがジ
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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

3.7

この映画はスポーツで言うところのオールスター・ゲームに似ていると思う。
スター選手(ヒーロー)たちが集まり、お祭り騒ぎを繰り広げる。
ファン(観客)は彼らの活躍に熱狂し、一夜の夢に酔い痴れる。
しかし
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

5.0

古代ギリシャ・ローマを想起させ、恋愛とは何かを問うた作品。
人は得てして恋愛に劇的なものを求めがちだけれど、実際の関係性は緩やかに変化していく。
たとえ一目惚れしたとしても、そこから恋愛に発展するため
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.5

水彩絵具で描かれたような繊細なアニメ。
触れれば消えてしまいそうな感情の機微が巧みに表現されていた。
本来、日本の実写映画が目指すべき場所にアニメがたどり着いたことを評価したい。
日本文化でよく語られ
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大統領の陰謀(1976年製作の映画)

3.5

『ペンタゴン・ペーパーズ』を観た関係で、ウォーターゲート事件に興味を持ち、今作にたどり着いた。
非常に地味な映画で、『ペンタゴン・ペーパーズ』のような娯楽作としての演出は皆無だ。
綿密な取材を基に徐々
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トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

4.0

『96時間』でアクションスターとしての道を切り開いたリーアム・ニーソン主演。
監督は『アンノウン』『フライト・ゲーム』『ラン・オールナイト』でタッグを組んだジャウム・コレット=セラ。
このコンビの作品
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.7

登場人物たちといっしょにVRゲームをしているような感覚。
作中に引用される先行テクストの知識量によって評価が変わってくると思う。
私はあまりわからなかった。
おもちゃ箱をひっくり返したような内容で、童
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坂道のアポロン(2017年製作の映画)

3.0

アニメを観て期待していたが、正直がっかりした(原作は未読)。
映画としての出来はそれほど悪くないのかもしれないが、アニメを超える魅力はなかったように思う。
映画は「表現」であって「再現」ではないので、
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名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

4.2

コナン史上最高傑作、ここに誕生!
全部を観たわけではないが、自分の中では『瞳の中の暗殺者』を超えて、一位に躍り出た。
今回は完全に大人向けで、巷で話題の『リメンバー・ミー』に満足できなかった人にもおす
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.7

「報道機関は国民に仕えるものであり、統治者に仕えるものではない」
(ブラック判事)

スピルバーグは本当に器用な映画監督だと思う。
SF、戦争、社会派ドラマ、アクション、パニックetc、どんなジャンル
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マザー!(2017年製作の映画)

3.7

見知らぬ他人を躊躇なく自宅に招き入れる詩人の夫(ハビエル・バルデム)。
自分のパーソナルスペースを侵され怯える妻(ジェニファー・ローレンス)。
訪問客の数は増えていき、その行動はしだいにエスカレートし
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

5.0

「花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに」
(小野小町「百人一首」)

青春映画の金字塔、ここに完結。
「上の句」で多くの映画ファンを虜にし、「下の句」で着地点を見つけら
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ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

3.7

「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に あはむとぞ思ふ」
(崇徳院「百人一首」)

「結び」へと向けた助走。
恐らく初めから続編ありきで製作されたのだと思う。
「上の句」の完成度からす
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ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

4.0

「もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし」
(前大僧正行尊「百人一首」)

これが噂の『ちはやふる』か!
巷で評判になるのも頷けるなかなかの傑作であった。
あと二作つづくというのだ
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レッド・スパロー(2017年製作の映画)

4.0

スパイと俳優は似ている。
どちらも演じることを常態とし、自分以外の何者かにならざるをえない。
当代きっての演技派女優ジェニファー・ローレンスは、これまで様々な難しい役をこなし、その度に「別の人生」を生
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

3.7

「One for all, All for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」

I am Groot→We are Grootへの転換に、この映画の真骨頂を見た。
宇宙のはぐれ者
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ロスト・エモーション(2015年製作の映画)

2.0

遺伝子操作で感情を抑制することに成功した人類は、感情を発症した者を「欠陥者」と見なし隔離していた。
ある日感情が芽生えたサイラス(ニコラス・ホルト)は、ニア(クリステン・スチュワート)の様子を見て、彼
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JOY(2015年製作の映画)

4.0

ジェニファー・ローレンスは不思議な女優だ。
飛び切りの美人というわけでもないのに(失礼!)、一度見たら忘れられない顔をしている。
別にセクシーな服を着ていなくても、身体からフェロモンが溢れ出している(
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.5

巷では傑作と誉れの高い本作。
正直私の苦手なタイプの映画だった。
主題歌の「リメンバー・ミー」もそんなにいい曲とは思えず、心に響いてこなかった。
老若男女問わず、万人が楽しめる無難な作風で、国民的映画
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アナと雪の女王/家族の思い出(2017年製作の映画)

-

家族の伝統を探しに出かけたオラフと、オラフとの思い出が何よりも大切な家族の伝統であることに気づくアナとエルサの物語。

PARKS パークス(2016年製作の映画)

3.7

散々期待させておきながら、遂に不発に終わった花火のような作品。
序盤の展開は傑作を予感させたが、物語が進むに連れて尻すぼみになっていき、最終的に観念的世界に逃げ込んだ。
50年前の未完成の曲のアレンジ
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野球部員、演劇の舞台に立つ!(2018年製作の映画)

3.5

春の選抜に向けた県大会の一回戦で、優勝候補の八女北高は、12安打を放ちながらも1点しか取れず、9回裏にエラーから逆転サヨナラ負けを喫した。
負けを引き摺り、意気消沈する部員たちは、敗因を巡って衝突する
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僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

3.7

自閉症スペクトラムと診断され、唯一慕っていた父親も交通事故で亡くしたネイサン(エイサ・バターフィールド)は、心を閉ざし、数学だけが心の拠り所だった。
ある日母親のジュリー(サリー・ホーキンス)は、そん
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オーバー・ザ・トップ(1987年製作の映画)

3.7

アーム・レスリング(腕相撲)を通じて育まれる親子愛を描いた作品。
シルヴェスター・スタローンの脚本は、マッチョイズムの中に優しさが溢れていて好感が持てる。
単純だが、心が温まる。

病に倒れた元妻から
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ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)

3.7

母の突然の訃報を受け、久しぶりにインディアナ州の実家に帰ってきた弁護士のハンク(ロバート・ダウニー・Jr)は、仲違いしている裁判官の父(ロバート・デュヴァル)が訴えられたひき逃げ事件の弁護を担当するこ>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.7

「記憶の中でずっと二人は生きて行ける」
(My Little Lover「Hello, Again〜昔からある場所〜」)

冒頭のナレーションから明らかなように、『美女と野獣』を意識した作りになってい
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.7

マーベル・シリーズは前作の『マイティ・ソー バトルロイヤル』が個人的に合わなかったので、あまり期待しないで観た。
さすがライアン・クーグラーの脚本だけあって、ドラマ部分の出来が非常によかった。
ティ・
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完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)

4.0

ボビー・フィッシャーという名前は、私のようなチェスに疎い門外漢でも知っている。
「天才」と呼ばれる人たちは、どこか他の人と違っていて、それ故誰にも理解されず、孤独に陥ることが多い。
ボビー・フィッシャ
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.7

どこを切り取っても絵になる美しい映像に魅了される。
女の情念、嫉妬を描きながら、昼ドラのようなどろどろした展開にならず、上品さを失わないところに、ソフィア・コッポラ監督の育ちの良さを感じた。
「欲望の
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