風の旅人さんの映画レビュー・感想・評価

風の旅人

風の旅人

映画館主義者。
可能な限り映画館で映画を観ます。
平均点は3.5。
5をつけているのはベストムービーのみ。
過度に難解な芸術作品も大衆に媚びた娯楽作品も評価しません。
評価基準は内的なモチーフをエンターテインメントとして昇華できているかどうか。
映画を「出来事」として捉え、作品に「驚き」を求めています。
好きなジャンルはヒューマン・ドラマとラブ・ロマンスです。
レビューは加筆修正しています。

ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

2.5

正直センスが古過ぎてついていけなかった。
こういうエンタメ作品は当時の空気を知っていなければ楽しめないのかもしれない。
話は至って単純で、連れ去られた昔の恋人を救い出すために帰ってきたヒーローの活躍を
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.7

吸引棒を扱う卸売会社の経営者のバリー(アダム・サンドラー)は、ある朝車の修理工場に来たリナ(エミリー・ワトソン)に一目惚れする。
バリーは情緒不安定で、キレると子どものように物に当たり(ガラスを割った
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.2

娘をレイプされ、焼き殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、事件発覚から7ヶ月経っても犯人が逮捕されないことに憤り、町外れにある三つの看板に、無能な警察組織を批判するメッセージを載せるこ>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.7

「おれの肌の色は?」
「そんな事 関心ないわ」
「肌の色って違うんだぜ」
「緑でも人参のようにブルーでも、色の違いなんか無意味よ。
私は色を感じる」

ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ローマ、ヘル
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.0

「男は女よりロマンティストだ。
結婚する時は1人しか目に入らない。
“この女を逃したら俺はバカだ”と思う。
でも女は男を値踏みし、選り好みする。
結婚相手はいい職の男。
王子様を待ち続けるが、結局選ぶ
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

ホドロフスキー初体験。
これを88歳の老人が作ったという事実は驚愕に値する。
身体の衰えと精神の衰えは必ずしも一致しないのだ。
冒頭から母親の異様に発達した胸と突然のオペラに度肝を抜かれる。
黒子が登
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マジック・イン・ムーンライト(2014年製作の映画)

4.0

マジシャンVS霊能者。
マジシャンのスタンリー(コリン・ファース)は皮肉屋の合理主義者。
ある日スタンリーは幼馴染で同業のハワード(サイモン・マクバーニー)から相談を受ける。
大富豪に取り入っているソ
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アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)

3.7

16歳のレイ(エル・ファニング)は女性として生まれたが、男性になりたいという希望を持っていた。
未成年であることから、ホルモン療法には両親の承諾が必要になる。
しかし両親は別れており、母親のマギー(ナ
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きっと、星のせいじゃない。(2014年製作の映画)

3.7

甲状腺癌を患い、それが肺まで転移したヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は、外出もせず内にこもっていた。
そんな折、母親(ローラ・ダーン)の勧めで参加した癌患者の集会で、ヘイゼルは骨肉腫で片足をなくし
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.7

コインの表と裏、光と闇、善と悪。
人間が抱えるトゥー・フェイス(二面性)。
私はこの映画を観る度に、ニーチェのあの言葉を思い出す。

「怪物と戦う者は、その過程で自らも怪物とならぬよう気をつけねばなら
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

3.7

この映画が2月2日の出来事を描いているとは露知らず、偶然にも同じ日に鑑賞した。
もしかしたら私もフィル(ビル・マーレイ)と同じように、同じ日を繰り返しているのかと、一瞬疑ってしまった。

天気予報士の
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フローズン・タイム(2006年製作の映画)

3.7

恋人のスージー(ミシェル・ライアン)と別れ傷心のベン(ショーン・ビガースタッフ)は、不眠症に陥り、深夜のスーパーマーケットでバイトをしている内に、時を止める能力に目覚める。
美大生であるベンは、その能
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

5.0

若い時分に観たときは、まったくよさがわからなかったが、10年経って観てみると、これほど心に響く映画だったとは!
静かで、別段特別なことが起こるわけではない。
しかしそこはかとない感動に包まれる。

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マンハッタン(1979年製作の映画)

3.7

『アニー・ホール』と並び称されるウディ・アレン監督の初期代表作。
個人的にはこちらの方が好き。
前者と違い、特異な演出は見られず、正攻法で撮られた作品。
モノクロで表現されたニューヨークは、ロマンティ
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

3.5

冒頭から第四の壁を軽々と飛び越え、驚くほど自由な語りが展開される。
字幕での内面描写、通行人との会話、幽体離脱、画面二分割による両者の比較、アニメーションなど、見るべき演出は多い。
アルビー(ウディ・
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巫女っちゃけん。(2017年製作の映画)

3.5

福岡県の福津市にある宮地嶽神社を舞台に、宮司の娘で巫女のバイトをしているしわす(広瀬アリス)と、神社に現れた少年の心の交流を描いたハートウォーミング・コメディ。
この映画での広瀬アリスは全然美しくない
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花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

3.7

冒頭から合成された桜吹雪の舞う不自然な映像が流れ、登場人物は不自然な台詞回しを繰り出す(36歳の窪塚俊介と42歳の長塚圭史を17歳の役に当てる謎のキャスティング)。
その後もわざとらしい演出のオンパレ
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ドリーマーズ(2003年製作の映画)

4.0

1968年、パリ五月革命の前夜、アメリカ人留学生のマシュー(マイケル・ピット)は、謎めいた一卵性双生児イザベル(エヴァ・グリーン)とテオ(ルイ・ガレル)に出逢う(二人の腕には同じ形のアザがある)。
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ダイアナの選択(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ある日高校で同級生による銃乱射事件が起こる。
その時トイレにいたダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)と親友のモーリーン(エヴァ・アムリ)は、犯人から「どちらを殺すか選べ」と究極の選択を迫られる。
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.7

序盤、繰り返されるヨシカ(松岡茉優)の日常風景に、正直退屈さを覚え、失敗したかなと思った。
しかし中盤、今まで見ていた現実が、実はヨシカの脳内ビジョン(妄想)であることがわかってからは、俄然引き込まれ
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否定と肯定(2016年製作の映画)

4.5

ユダヤ人歴史学者のデボラ(レイチェル・ワイズ)は、大学の講義の場で、突如現れたホロコースト否認論者アーヴィング(ティモシー・スポール)から批判される。
彼女は自著『ホロコーストの真実』の中で、アーヴィ
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.7

前作のような「驚き」はないが、安定の面白さだった。
多くの方が指摘されているように、スパイ映画としての要素は少なく、アクション映画になっていた。
冒頭の車内での格闘シーンはスピーディーで、何が起こって
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ソルト(2010年製作の映画)

3.5

二年前、北朝鮮で兵士から拷問を受ける下着姿の女性。
スパイ容疑をかけられ、リンク石油の会社員だと説明するが、信じてもらえない。
彼女を救ったのは、クモの世界的権威であるマイケル(アウグスト・ディール)
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

3.7

高校教師のロランス(メルヴィル・プポー)は35歳の誕生日を機に、恋人のフレッド(スザンヌ・クレマン)に「女になりたい」と告白する。
フレッドはこれまでの二人の時間を否定されたような気がして憤るが、やが
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人生はビギナーズ(2010年製作の映画)

3.5

父が亡くなり、悲しみに暮れるオリヴァー(ユアン・マクレガー)は、新しい一歩を踏み出せないでいた。
仕事も捗らず、犬のアーサーに話しかける毎日。
そんなとき、友達に連れられて行ったパーティで、オリヴァー
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そして、デブノーの森へ(2004年製作の映画)

3.7

覆面作家のダニエル(ダニエル・オートゥイユ)は義理の息子の結婚式に向かう船の中で、絶世の美女ミラ(アナ・ムグラリス)と出逢う。
一目見た瞬間に心を奪われたダニエルは、ミラと一夜限りの関係を持つ。
翌日
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ノルウェイの森(2010年製作の映画)

3.0

一貫した物語を語るのではなく、エピソードの断片を繋ぎ合わせた感じ(原作を読んでいないと、何をやっているのかわからないのではないかしら)。
上下巻ある原作を二時間強の尺に収めるのは無理があったように思う
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THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ(2017年製作の映画)

4.0

「ジン・トニック、ライムじゃなくてオレンジで」

オリアアキ(桜井ユキ)は女優を目指して上京したが、現実はサーカス団でのマジシャンの助手。
最愛の人であるカイト(高橋一生)に自殺され、女優になる夢も叶
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ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

4.0

「すべてを自分の伴侶として想像する、想像された、想像するもの」(ベケット『伴侶』)

私は人生において様々な選択をし、それによって未来を切り開いていると思っている。
しかしもし私が何者かによって想像さ
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

4.2

フロリダで7歳の姪メアリー(マッケンナ・グレイス)と片目のない猫フレッドと暮らす独身のフランク(クリス・エヴァンス)。
メアリーにディズニーのキャラクターのような服を着せ、特別な朝食(ケロッグスペシャ
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.7

ミュージシャンを目指すせいいち(太賀)との同棲生活を支えるため、キャバクラで働き始めたツチダ(臼田あさ美)は、客の安原(光石研)に誘われて愛人契約を結ぶ。
曲も作らず、家にこもっていたせいいちだったが
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.7

パンク好きの童貞少年エン(アレックス・シャープ)は、仲間とライブハウスの打ち上げ会場を探している内に、郊外の売家から流れてくる音楽に誘われ、奇妙なボディスーツを着込んだ集団のパーティに紛れ込む。
そこ
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ザ・サークル(2017年製作の映画)

3.7

水道会社で派遣社員として働いているメイ(エマ・ワトソン)は、自分の居場所を見つけられないでいた。
父親は多発性硬化症(MS)を患い、母親はその看病をしている。
エンストした車を修理してくれた幼馴染のマ
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永遠のジャンゴ(2017年製作の映画)

3.5

ジャズもジャンゴ・ラインハルトも知らない私がこの映画を観たのは、彼が「伝説」のギタリストと呼ばれているからだ。
どの分野でも「伝説」と呼ばれる存在には興味が湧く。
この映画ではミュージシャンとしてのジ
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ブルックリン(2015年製作の映画)

4.0

1950年代のアイルランド。
碌な仕事がなく、自分の居場所を見つけられないでいるエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、ニューヨークにいるフラッド神父の計らいで、アメリカのブルックリンに移住する決意を固
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キャロル(2015年製作の映画)

3.7

1950年代のアメリカ。
同性愛が社会的に認められていなかった時代。
クリスマス・シーズンの玩具売場でアルバイトをしていたテレーズ(ルーニー・マーラ)は、娘へのプレゼントを買いにきた美しい婦人キャロル
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