自己啓発的にも刺激を受けそうな映画。人生どん詰まりだったフィルがどんどん変わっていく姿にグッとくる。健康や食生活への意識を通してアメリカ人の死生観が見えてくるのは興味深い。
『キッズ・ストーリー』の写実感と動きの表現が素晴らしい。渡辺信一郎最高。あとは『ビヨンド』が下手な実写よりも画に質感が伴っていてノスタルジーすぎる。日本人なら泣くだろアレは。
『マトリックス』と言えば最先端のイメージだけど、このメイキングは絵コンテ起こしたり、セット作ったり、カンフーの稽古やったり。地道でアナログな作業が多いのが意外で面白かった。
美しい風景以外に何もないド田舎と人々の生活が綴られる。さながらロシア版『鉄オタ道子、2万キロ』ってとこか?ただこっちの方が現実が厳しい…。
ギチギチした音の広がりに頭を焼かれる。「MAD」を参考にしてるというアニメーションも顔の崩壊やモザイクの使い方がバグみたいな感触あってエモさよりも狂気の方が印象強め。
バットマン映画の模範解答という感じ。マジでイメージしてたコミックス通りのバットマン像で歓喜。そうそう…こういうのでいいんだよこういうので…。
SEXと拷問の繰り返しで飽きるかと思いきや意外に画作りが格好いい。第4話ラストの吊られた女が回転するショット超絶。ストーリーは第3話が倒錯的すぎて最高。表情の演技が必見。
記憶を失ったことで記録の意義みたいなものが問われている気がする。事故を経て意義を失ったライブの映像、日記の文字ばかりになる事故後の記録、ホームビデオで自転車漕いでる娘に泣く…。
人混みにギターやカメラがある異物感とそれでも日常が続いていくエモさ、特にラストの「東京の空」は最高。ワンカットなのでウザい口出しする松江哲明がそのまま映ってるのもポイント高い。
花岡じったがキャラ濃くて面白い。流石スター男優。在日がテーマだがあくまで個人をフォーカスした内容、出てる人が在日ってだけで中身はロケしてSEXするだけのいつものドキュメントAV。
AVなのにSEXがすげー嘘くさくてSEX以外のとこでドキュメントとして見せようという感じがいかにも松江哲明だな。それにしても最後の松江哲明のアレは情けなすぎて本当に笑える。
『叔父の呪い』はギャグとしてならまあ優秀。ただ全体的にどれも冗長で松江哲明監督回では一番退屈な感じもする。『下水道』とか『落下する霊』はインパクトあってもそんな怖くないし。
『屋敷』『アパート』の展開は完全に笑わせにきてるが、『学芸会』『女の声』は直球に怖い。豊田道倫の音楽も主張強すぎて浮いてる場面はあれど、まあ上手い具合に不安を煽ってると思う。
尻ばかり映る『運動会』のビデオだったり出てくる女の子の撮り方も妙にフェチ的。怖くないし雑だけどテンポは良いからかなり観れる。ラストでスタッフがキレられる件は普通に面白い。
もしもテレビ番組が全部ポルノになったら…というクソバカなネタがひたすら続くが、その根底にあるのは理不尽な検閲へのアンチテーゼ。突然銃を突きつけられる衝撃のラストシーンが切実。
オナニーシーンがドエロい。望遠レンズや物越しの構図、環境音に喘ぎ声だけが響き渡る。開放的な海辺の日常に隠された性を隠されたカメラが盗撮的に捉えるという隠密フェチシズムの極地。
トルコ風呂においてSEXの主体は男性ではなく女性、この逆転こそが性の革命であるという締め方が印象的。紹介されてるテクニックは多様化の末にトンデモ化していて何かもう無茶苦茶だが。
ホラーっぽいんだよな、コタツから手が出てくる妄想も地下鉄の鬼ごっこも死姦シーンも。撮影に迫力あるし泉じゅんは真っ当にエロいから『教室』より『淫画』の方が断然好き。
どうしようもなく堕ちていく、その切なさや無力感が鏡面の歪みや水面の揺らぎといった技巧的なショットに集約されている。卓越したセンス、どこに出しても恥ずかしくない傑作ロマンポルノ。
時間が過去⇄現在と頻繁に飛びまくるせいで話が短くて単純な割に構成が厄介。アニメの表現自体は面白いけど、表現に注視しすぎるとどういう話なのかよく分からなくなりそうで危ない。
つまんな…。腐女子あるあるネタも原作ブログと別ベクトルのイタさでキツいし、イチャイチャSEXゼロで後半は腐女子関係なしの陳腐なラブストーリーに突入するからもはや観るのが苦痛。
映画とお笑いが高次元で融合してる。芝居、劇中劇、本筋に関係ないアドリブ、背景の芸人のネタ、スタッフの笑い声…と多重にレイヤーが敷かれた複雑なメタ構造なのに見せ方が上手すぎ。
状況の面白さと裏腹に膨れ上がる罪悪感、コメディチックな展開の中で描かれる心の機微が繊細すぎるわ。荒唐無稽な内容でもそこに描かれている感情や葛藤に嘘がないから誠実で素晴らしい。
ヴィレヴァンからサブカル抜くだけでディストピアっぽい世界観作れてるの凄いな。しかし低予算な作品のスケール感に対して話があまりにも長ったらしいから途中で観てて飽きてしまった。
傑作。飲み込まれる。コレが111分という凄まじさ。最初から最後まで無駄なシーンが何一つなくてヤバい。
グロ描写がパワーアップしてるのだけは見所。ストーリーは茶番すぎる。せっかく運営側メインなのに目的は意味不明だし、おっさんがサムい演技でスベってるとこ見せられて面白くない。
ただ意味が分からないだけのものを意味が分からないまま見せて1時間半使い切るのヤバすぎ。四次元への理解が放棄されてるからこそできるラストが至高。だだっ広い空間と液体の見せ方よ。
立方体部屋が連続してるって意味の分からんシチュエーション思いついたのはマジで天才。脚本も良い。キューブが何故作られたかという作中の問いは割と社会の本質に迫ってる気がする。
超絶超絶超絶超絶超絶超絶超絶。ゲリラ撮影神オブ神。あれだけエキストラの人生云々やってても藤丸千と黒河内りくが結局ラストで主役になって絶叫してるの観るとやっぱり泣いてしまう。
山下敦弘と枝優花が流石の安定感。9本もあると作家性の強い作品が目立つ。『INSIDE』とか好きだけどパンチ足りないしな…。『無題』に関しては舐めた映画作ってんじゃねーよボケの一言。
暴力!暴力!暴力!暴力!人間のエゴによってあらゆるモノが殺されまくる!!!風刺としての嫌悪感とアニメの爽快感を両立してるから偉い。
バナナの皮で押っ死ぬのがセンス効いてて好き。風刺と言えども人生こんな簡単に割り切れる程に実際は単純じゃないよね?って意味でむしろ過去を美化しがちなとこにリアルが見える。
コレめっちゃサイバーパンク。もっと言うと現実がサイバーパンクに近付いてる。
子供が犯罪者の餌食になってホラーな目に遭うのはやはり恐ろしい…。子供に対する犯罪者の大きさが異様にデフォルメされてるのも含め、実写じゃ出来ない表現に見せ場があって良かった。
トラウマ必至の印象深い短編。一瞬で内臓全部吐き出すインパクトがとにかく絶大。キャッチーなクレイアニメに不釣り合いな生々しさがあるが最後までキャッチーさも忘れていないのが良い。