ヒノモトさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

プチ・ニコラ パリがくれた幸せ(2022年製作の映画)

3.7

フランスの児童書をベースとしたアニメーションで、原作者のキャラクター造形への想いや創作の秘話を原作者自身の物語とオーバーラップさせながら語る作品。

海外アニメでありながら、比較的大人向けの内容でし
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.6

A24配給作品。
ある理由から家族と離ればなれになった貝のマルセルが、その家に越してきた映像作家のディーンと出会い、やがて家族を探すためにYouTubeに動画をアップするというお話。

家の中にある
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無情の世界(2023年製作の映画)

4.2

今回が映画だけで500レビュー目みたいです。

3つの独立した短編からなるオムニバス作品。
上映後のトークも含めて堪能してきました。

それぞれ違った味わいがあって、大変良かったです。
「真夜中のキ
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.3

日本版リメイク公開前に、オリジナルの台湾映画を初鑑賞しました。
過去作なので短めに。

何をするにもワンテンポ早い郵便局員の女性と人よりワンテンポ遅いバスの運転手の男性の2人のエピソードが紡ぐタイム
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コペンハーゲン・カウボーイ: ナイトコール・ウィズ・ニコラス・ウィンディング・レフン(2023年製作の映画)

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連続投稿失礼します。
ドラマ「コペンハーゲンカウボーイ」のメイキングとインタビューですね。

監督の娘さんの役、最後までどう捉えたらいいか、わからなかったです。

それでも、監督の脳内が垣間見られて、
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テクノブラザーズ(2022年製作の映画)

3.7

フィルマークスに登録されたので投稿します。
1月に鑑賞し、ブログにて掲載済みの内容に加筆修正を行った内容です。

栃木県大田原市を拠点に自主映画制作活動を行う大田原愚豚舎の最新作2作を観てきました。
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遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.6

『カオス・シチリア物語』『グッドモーニング・バビロン!』などのタビアーニ兄弟の弟パオロ・タビアーニが兄の死後、初めて単独で監督した作品。

1934年にノーベル文学賞を受賞した文豪ルイジ・ピランデッ
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

『ドロステのはてで僕ら』に続き、ヨーロッパ企画の上田誠さんの脚本、山口淳太監督の組み合わせによる作品。

※結末のネタバレはしませんが、映画のシステムについての良さは書きますので、ご注意を。

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アシスタント(2019年製作の映画)

3.8

名門大卒業のジェーンが映画プロデューサーを夢見て、有名エンターテインメント企業に就職し、会長のもとでアシスタントとして働き始めるが、事務的作業に終日追われる中、会長のある疑念に対して、行動を起こすとい>>続きを読む

クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立(1970年製作の映画)

3.4

昨日に引き続き、デヴィッド・クローネンバーグ監督の1970年の自主映画作品。
夏公開の新作と同名タイトルですが、直接関係はないらしいです。

口紅などの化粧品を媒介に蔓延した皮膚病「ルージュ病」によ
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ステレオ/均衡の遺失(1969年製作の映画)

3.1

デヴィッド・クローネンバーグ監督の学生時代1969年製作の中編作品。
今月、特集上映もあったようですが、今作と「クライムオブザフューチャー」が観たくて、ボーナストラックとして収録されている「ファイヤー
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ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

4.0

「スキャナーズ」「ザ・フライ」などのデビッド・クローネンバーグ監督の1982年制作作品のディレクターズカット版。

暴力やポルノを放送するケーブルテレビ局を経営するマックスが、「ビデオドローム」とい
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忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

2.6

「呪怨」「輪廻」などの清水崇監督の最新作。

予告編を観ては期待して、本編でがっかりするの繰り返し。
経歴を振り返っても、良かったのは「呪怨」シリーズと「輪廻」くらいで、それ以降、近年の「○○村」シ
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.8

「スパイダーマン:スパイダーバース」の続編をDolbyCinema上映にて観ました。

前作で気になっていた荒唐無稽に感じた近親者の死の意味を物語の主軸に持ってきたのは良かったですし、3DCGであり
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.7

マーベルの実写スーパーヒーロー作品が肌に合わないことは身に染みて分かっているのですが、続編公開を前に、アメコミ風の3DCGアニメのスパイダーマンを遅ればせながら、予習してみました。
(実写版は全く観て
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

俳優としても有名なサラ・ポーリー脚本監督による作品。

ボリビアのメノナイト(18世紀の生活様式を重んじる保守的なプロテスタント)が住むコロニーで実際に起きた連続レイプ事件をベースに書かれた小説を映
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コロニアの子供たち(2021年製作の映画)

3.3

ナチス残党によってチリに設立された拷問施設「コロニア・ディグニタ」を舞台に、施設に入った少年の目を通して隠された負の歴史を描くお話。

隔離された小さな共同体における異質な空気感は存分に感じる事は出
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.4

おもちゃ会社の研究者ジェマが交通事故で両親を亡くした姪ケイディのための友だち=おもちゃとして、AI人形「M3GAN(ミーガン)」を開発するというお話。

ミーガンを演じた俳優のダンスやアクロバチック
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異端の純愛(2023年製作の映画)

4.0

『片腕マシンガール』『惡の華』など井口昇脚本監督による最新作。

衝撃でした。
井口監督の人とずれた感覚から歪んだ形で作品として昇華してきた作品群の中でもかなり純度の高い内容と、自身を投影していく姿
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THE FALLS(1980年製作の映画)

3.6

東京菊川にあるミニシアターStrangerの『1980-2000年イギリス映画特集』から、『英国式庭園殺人事件 』や『コックと泥棒、その妻と愛人』などのピーター・グリーナウェイ監督の1980年の初長編>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

是枝裕和監督最新作。坂元裕二脚本による作品。
カンヌ映画祭脚本賞はともかく、クィア・パルム受賞は、今作が少年同士の友情以上の関係性に踏み込んだお話であることを明言してるようなものだったので、評価が高い
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

一般上映スルーとなった前作「テリファー」の2作目。
前作も事前に予習してから鑑賞しました。

ハロウィンの日に起きた惨劇から1年後の設定で、ピエロの恰好をした連続殺人鬼、アート・ザ・クラウンの復活か
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埋葬(2022年製作の映画)

3.6

国立映画アーカイブにて開催中の「EUフィルムデーズ」より、リトアニアのイグナリナ原子力発電所の廃炉化の恒久な時間の流れを捉えたアートドキュメンタリー作品。

リトアニアのEU加盟のために、(原発事故
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

3.8

主人公ジュリア自身の人生での数ある選択する場面にて、枝分かれした人生の道すがらを辿るお話。
上映終了間際になって、やっと観られました。

大変美しい物語で、人生の分岐点において選んだ選択が、その後の
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食人族4Kリマスター無修正完全版(1980年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

1980年制作のファウンドフッテージ・フェイクドキュメンタリー形式のホラー映画の限りなく元祖に近い作品の4Kリマスター無修正完全版。
上映終了間際になって、やっと観られました。(このフレーズまた明日も
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放課後アングラーライフ(2023年製作の映画)

3.5

「アルプススタンドのはしの方」「ビリーバーズ」などの城定秀夫監督最新作。
上映終了間際になって、やっと観られました。(このフレーズ明日も使用します)

高校でいじめに遭っていた主人公が、転校後、海釣
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波紋(2023年製作の映画)

2.8

「かもめ食堂」「川っぺりムコリッタ」などの荻上直子脚本監督による最新作。

夫が突然失踪し、残された妻・須藤依子は新興宗教に入信し、お金をつぎ込んでいく中、夫の修が突然帰ってきて、その後巻き起こる感
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.5

離れて暮らす31歳の父親とリゾート地にやってきた11歳のソフィが当時撮影したビデオカメラの映像を振り返りつつ、20年後、父親との記憶をよみがえらせるお話。

映画を観る前までは、31歳のソフィが父親
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.3

「THE WITCH/魔女」から5年ぶりの続編。

前作で危惧してた通り、超能力対決みたいになってて、少し興ざめでした。
アクションを前作以上にパワーアップする方法として、個人の持つ力を強大化してい
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.9

続編公開前に、初めて観ました。
旧作なので、鑑賞記録として、短めに感想書きます。

思ってたより、良く出来た物語だったので、大変楽しめました。
前半のオーディション受けるの意味あるのかと思ったら、計
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同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)

3.7

シングルマザーの母親と娘のいがみ合いの上に起きた車による轢き飛ばし事故から、すれ違う親子関係の顛末を描く作品。

単純にどちらが悪いと決めつける訳ではなく、母親が娘にかける思いと娘が母親らしさへの希
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バンクシー 抗うものたちのアート革命(2020年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

匿名アーティスト・バンクシーの足跡を辿るドキュメンタリー映画。

バンクシーを扱った映画の中で、ダントツに退屈な作品でした。
バンクシーというより、ストリートアートの歴史を辿る教科書のような平坦な内
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.9

白人至上主義の女性グループが有色人種や移民に毛嫌いする感情をアジア人姉妹とのあるトラブルから、過激な行動へと向かわせる顛末を描く、全編1カット撮影で展開するサスペンス作品。

大きく好き嫌いの分かれ
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宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.0

『ステップ』『野球部に花束を』などの飯塚健監督の最新作。

家族になりすまして地球の家族の調査をしに土星からやってきた宇宙人が、家族というものを体験し、トラブルを乗り切りながら、土星に帰るまでの日々
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なぎさ(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

親のいない環境で育った兄妹、文直となぎさの現在と過去を心霊スポットとして訪れたトンネルの中でふと邂逅するお話。

ここから先は、ネタバレを含む感想となります。

古き良き日本映画のような重苦しい空
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ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

3.6

東京日仏学院にて開催中の「シャンタル・アケルマンをめぐって」より、2015年製作、アケルマンの遺作となったドキュメンタリー作品。

ポーランド系ユダヤ人であるアケルマンの母親をアケルマン自身が撮影し
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