HeroMさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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あさがくるまえに(2016年製作の映画)

4.4

巷に溢れる凡百の医療モノ。どこか入り込めないし、しゃらくさい。圧倒的に足りなかったのは徹底したリアリティだったと気付かされた。
CT画像、呼吸器アラーム、外科結び…。そんなところまで!と感嘆するくらい
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ソウル・パワー(2008年製作の映画)

3.6

誰もが音楽を楽しみ、奏で、感じる。
そんなアフリカの空気感の伝わってくる良ドキュメント。
言葉で伝え、ビートで伝え、拳で伝える。黒人、アフリカのリアル。最高の音楽と共に、文字通り響いてくる。

トリを
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

2.8

安直で下品でサムい。

叫べばいいってもんじゃないだろ。汚えしうるせえ。音量のミックス狂ってんだろ。ボソボソが聞こえねえんだよ。
音量上げて観ろってことか?弱い奴ほどよく吠えるってか?端からスベってる
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アス(2019年製作の映画)

3.8

初っ端から飛ばし気味に怖い。
1歩間違えばコメディになりかねないドッペルゲンガーの存在をシリアスに、そしてホラーに成立させるセンス。

人と人ならざるもの。その間という新感覚ホラー。双方の怖さを併せ持
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サラブレッド(2017年製作の映画)

3.3

毎シーン変わるアニヤたその衣装と髪型。可愛すぎるんだが。そのためだけに観たと言っても…

ハイティーンの反抗期を描きたいのか。いたいけな少女に眠る狂気をあぶり出したいのか。はたまたその成長物語なのか。
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ドッグマン(2018年製作の映画)

3.7

弱くて、臆病で、怖くて、不安で。こうするしか無かった、こうなるしか無かった。

主人公のクロースショットがほとんど。画角の狭さがこの鬱屈とした世界観の檻に見る者を誘う。
主演の深い感情表現がなせる技か
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.8

アビゲイルブレスリンの劣化以外は最高の続編。

ストーリーとか捻りとかどうでもいい。
予算とスケールが数段上がった最高のゾンビコメディ。

前作のテンポ、キャラはそのままにアットホーム感が加わる。
1
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.4

風呂敷を広げすぎた感。
もう良い加減にしといた方が…

今作も所々アイディアの光るアクションは健在。
それだけに着地点を見失い、とっ散らかるストーリーがとても邪魔。

とはいえ終始殺陣の連続。いくらア
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アシュラ(2016年製作の映画)

4.0

全員黒の最凶韓国バイオレンス。

アクションのアイディアとしてはそうでもないか。
しかしキャラの作り方、見せ方、殺し方が素晴らしい。
クズだらけワルだらけ、やりたい放題のとんでも無法地帯がストレスをぶ
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セールスマン(2016年製作の映画)

3.9

より排他的に、閉じていく現代社会。
その昔、アメリカの現状を批判した戯曲「セールスマンの死」のイラン的解釈。

毎度のことながら、すべての登場人物に関して善悪つけ難い。
誰が悪い、これが悪い、社会が悪
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.7

息止めるし、目を凝らす。体感型サスペンススリラー。できる限り暗い静かな部屋で観ましょう。

冗長な前置きも無いし、ノンストップなテンポでお手軽。

お手本通りの3人組に、いい感じに狂った無敵爺。ちょい
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パラダイス・ナウ(2005年製作の映画)

3.9

対称的な2人の若者。
鏡に祈りを唱えるとき2人の決意は入れ替わる。
自爆テロに向かう決意、葛藤、その人間を描いた唯一無二の作品。

ラストのフェードは素晴らしいアイディアであり、物悲しい余韻を叩きつけ
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マジカル・ガール(2014年製作の映画)

4.0

すれ違う愛が交錯し絡まり、不条理の渦に呑まれていく。
冒頭の数分でこのぶっ飛んだ物語を予感させる。秀逸な導入。
マジックが1つのモチーフではある。しかしポップなマジカルガール要素は皆無。

鏡像関係の
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MERU/メルー(2014年製作の映画)

3.8

「フリーソロ」の後に鑑賞。
ジミー・チンも登場しておりどうしても比較してしまう。

全く性質の異なる登山だとは思う。
しかしどちらも極限に焦点をあてている。
撮影環境が圧倒的に過酷であることや上映時間
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.9

ただ淡々と、過剰な演出は皆無。
それでいてか、それでこそか、このメッセージは切れ味を増す。

観客のフラストレーションを見事にコントロールしカタルシスへ持っていく。
社会批判としてシンプルな技法を用い
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.0

これこれ。
この何故か笑えてくるバイオレンスに謎に冗長なガールズトーク。
説明不要。

前半後半がはっきりと別れて立場が入れ替わり映像が変わる。
キャラの付け方、音楽の効かせ方。唯一無二なんだよな。
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

3.8

スコセッシ×デニーロの間違いなさ。
時代を感じさせるチープな演出はあるが、サイコスリラーとしてのアイディアに溢れている。

エネルギッシュなデニーロの演説と余りにも有名なタトゥーだけで観る価値あり。
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

3.5

夢、妄想、現実。全てが入り交じる不思議の国に迷い込む。
解釈の懐が深く、シンプルなテーマとは裏腹な奥深さを内包する。

音や色などにキューブリック節を観られるが物足りない。やっぱりもっと一目で分かるよ
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.9

キリスト教、土着信仰、悪魔、呪詛、キノコ、嫌日…
無限の解釈を可能にする。本当に懐の深い作品である。
観客にとって真実はそれぞれが信じるもの。それで良い。真実はただ1つ!なんてつまらないじゃん。
それ
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

4.2

「いらっしゃい」
感情に素直になって、気を合わせる。
そんな贅沢な時間がご飯の時間なのかもしれない。

やりたい事をやるのは簡単。やりたくない事をやらないのが難しい。
なるようになる。良いようになれば
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メイジーの瞳(2012年製作の映画)

3.7

メイジーが見たもの、聞いたこと、繋いだ手、流した涙。
子供は全部分かってるし感じてる。

メイジーにとってはみんな大好きな人。唯一流す涙が悲しくて切ない。

子供の目線に合わせたローアングルは美しい。
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FASTEST(2011年製作の映画)

3.3

ロッシがメイン。
肝心のロッシをイマイチ描き込めていない。
それでも彼のご存知レジェンド具合で成立している。

広く浅くmotoGPの魅力を伝えたかったのか。それならレース1本観たほうが早いかも。
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殺人者の記憶法:新しい記憶(2017年製作の映画)

4.2

韓国版メメント。
スカした雰囲気ではなく韓国映画の冷たい空気と泥臭さを纏う。

このオリジナル版とパラレルストーリーの「新しい記憶」がある。
オリジナル版だけでも十分楽しめる。細かい点が気になってくる
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殺人者の記憶法(2017年製作の映画)

4.2

韓国版メメント。
スカした雰囲気ではなく韓国映画の冷たい空気と泥臭さを纏う。

このオリジナル版とパラレルストーリーの「新しい記憶」がある。
オリジナル版だけでも十分楽しめる。細かい点が気になってくる
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.8

いつも通り宗教モチーフがバッキバキ。

キリスト教徒の視点からこの三者の絡まっていく対立構造を読み解く。
複雑だがモチーフとそれぞれが何を象徴するのか。丁寧に追っていけば分かりやすい安心設計。

自分
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.9

ホラーなのか?ケルティックカルトフェスティバルスリラームービーとでも言うべきか。
のっけからアホみたいな事を言ったがそのテーマは根深い。

世界からこぼれ落ちた時、人はどこを目指すのか。
人は枠組みの
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.4

なるほど。これが世界の北野か。

アウトレイジみたいに下品なバイオレンスも好き。でも本領はこういう繊細でアーティスティックなバイオレンスにある。

美しい夫婦の時間を彩る久石サウンドと、それを打ち破る
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LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て(2018年製作の映画)

3.7

安いけど完成度の高い舞台を見せられた感覚。ラストを考えてもそれが狙いなんだろう。

パワーバランスがコロコロ変わるのは楽しいが、「ああ、どうせこうなるんだろ」の時間が間延びしていまいちテンポが乗り切ら
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魂のゆくえ(2017年製作の映画)

3.6

スクエアのアス比にシンメトリー、アシンメトリー、奥行き、平面など。趣向を凝らした構図の連続が良い。

主人公の背景に色々盛り過ぎていてテーマがいまいちぼやける。
自分の体とか子供とか絡めてなんか上手い
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.7

アレンジを変え、言葉を変えて歌われる。それは、2つの心を繋ぐ1つの歌であり、1つの愛を象徴する。

音楽ジャンルの幅広いチョイスが東西の対比を思わせる。白黒スクエアの画角とそれ故に独特な構図が美しい。
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隣の影(2017年製作の映画)

3.8

エスカレートしていく隣人トラブル。
短めの尺ながらエネルギーの厚みが凄い。
隣人の問題、家族の問題は表裏一体。
しかし捌け口になるのはいつも他人ということか。

これ以外ないよなっていう思い通りのラス
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ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

3.3

スベってるんだよなあ。短編なら良いんだけど2時間見せられるとキツい。
「あんなこともこんなこともできるよ!みて!」「どや!奇抜で面白いやろ!」ってグイグイ来る感じ。
三谷幸喜にも通じるとこはあるかな。
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アップグレード(2018年製作の映画)

3.9

近未来×AI×復讐×B級。
そこのあなたのご想像通りです。
ストーリーは最後まで既視感。

初めと終わりはオリジナリティが見えて良い。
悪役のキャラ立ち、あべこべな時代感、アクションや動きのアイディア
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.2

くっだらねえ。好き。
「埼玉にも医者くらいいるだろう!」「祈祷師なら!」のくだり。草。

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

3.8

福音書の物語を現代に当てはめる。

持てる者持たざる者、搾取する者される者、狼と農民。これらの間にあるラザロの純真無垢な眼差し。
示唆に富むモチーフ使いと対比。

後半にかけてどんどん説教臭く説法臭く
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未来を乗り換えた男(2018年製作の映画)

4.0

とても奇妙で曖昧な、それぞれのtransitが迎える結末。
明るい港町のマルセイユと物語のアンマッチ。
場所が、時間が、人が、愛が。そして運命がズレていく。
ループを思わせるラストも良い。

人はみな
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