昼寝さんの映画レビュー・感想・評価

昼寝

昼寝

ゴンタウ 降頭(2007年製作の映画)

1.0

オカルトが見たい気分だったけど余りに安いVFXと演技で萎え萎え。家で見てたら馬鹿馬鹿しさも笑えたかもしれないけど、映画館で大きな音で驚かせるのは勘弁して。終わり方もなんなんだマジで……。不倫相手の女の>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.5

ちょうど前の日にペドロ・コスタの『血』を見ていたので、そこに色々と引き寄せて考えながら見ていた。息を呑む白黒の(正式にはクロマチックB&Wと呼ぶらしい)画面、擬似家族、破壊と再生、血縁と土地の物語。同>>続きを読む

学校の怪談G(1998年製作の映画)

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黒沢清「木霊」のみ。これも抜群に不穏で素晴らしい。いつから生えているのかわからない木。放課後の学校でひとりになるのが一番怖いこと思い出した。

Kunstkamera(原題)(2022年製作の映画)

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「ヤン・シュヴァンクマイエル『怪談』展」にて、途中約15分間のみ。ホルマリン漬けのトカゲ標本の映像に重ねて、トカゲの鳴き声と水面に何かが落ちる音が編集で流れるのがシュヴァンクマイエルらしくて良かった。

(1989年製作の映画)

5.0

再見。光と影がたまらない、最高。ほとんど真っ暗みたいな画面でも何が起きてるかわかってすごい。画面がキメキメすぎて見てるだけで緊張する。川に死体が上がるあたりまではちょっと眠いけど。ペドロ・コスタこの勢>>続きを読む

ヨーロッパ(1991年製作の映画)

3.0

後景がモノクロで手前の人物だけカラーだったりする画面はかなり面白くて114分間楽しく見たけど性格が悪いので野心的というよりは気を衒っているだけに見えちゃった

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.5

ほとんどジャック・リヴェットみたいな映画で驚いた。世界の正体は説明されないまま東京から田舎へ、家の近くには塔があり、地下には海、インコの国からまた現実へと目まぐるしく場所が変わっていく。台詞も核心に触>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.5

大昔、たぶん小学生の時に見て以来見た。ナウシカが死んで谷が滅んで終わる話だと思ってた。お母さんに金曜ロードショー途中で止められちゃったのかな。

幸せな人生からの拾遺集(2012年製作の映画)

3.5

自分の映画に選ばなかったフィルムを繋ぎ合わせて黙々と映写機を回し続けるメカスの姿は感動的だけど、そういうカットを集めてるからなのか肝心の映像は印象に残らない。『リトアニアへの旅の追憶』ほどの感動はなか>>続きを読む

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

5.0

再見。ようやく劇場で見られたのもあって昔家でブルーレイ見た時よりも相当ヤバかった。動物で溢れかえる家、BGMが中と外で入れ替わり、知らない人がソファに座っているラスト。台詞もずっと良すぎる。「俺は大人>>続きを読む

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.0

イメフォ地下の最前で見たら首ぶっ壊れた。スクリーンが近すぎると人の顔のクローズアップを人の顔としてすぐに認識できず、肌色の何かが蠢いているだけの画面に一瞬見えてしまうことがわかった。あの素晴らしい芝居>>続きを読む

ルナ・パパ 4Kレストア版(1999年製作の映画)

5.0

人生ベスト級の素晴らしさ!陰惨な話を知らないふりして明るく映し、画面は遊び心に満ちている。馬は西部劇のごとく走り、動物は当たり前に空を飛ぶし、劇場で双眼鏡が必要になれば隣の人から奪えばいいし、乗り物が>>続きを読む

追跡(1947年製作の映画)

5.0

死に取り憑かれた孤独なロバート・ミッチャム。陰惨な話で、画面もずっと暗くて、フィルムノワールみたいな西部劇というよりは舞台を20世紀初頭のニューメキシコにしただけのフィルムノワールだと思う。

アクエリアス(1986年製作の映画)

4.5

ミケーレ・ソアヴィはアルジェントの弟子らしいけど、どちらかといえば冒頭の劇中劇がアルジェントっぽくて、師匠を越えてやろうという野心を感じた。実際アルジェントより語りが丁寧で巧い。個人的には地方中規模ホ>>続きを読む

チェリー2000(1986年製作の映画)

4.5

溺愛していたラブドールが壊れてしまい、廃番だったので何が何でも探しに行こう、という導入からもう最高。機械を本気で愛すのはどうなんだみたいな葛藤は全くなし。それでその型がある倉庫は悪の独裁者が支配してい>>続きを読む

ナイン・マンス(1976年製作の映画)

3.5

工場主任の男が悪辣でホント嫌な奴なんだけど、終盤に登場する彼の親も相当ヤバくて、家庭環境を言い訳にできるようにしてるのは監督の優しさだと思った。この男を演じた俳優が後に監督と結婚してるのは笑える。

コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版(1993年製作の映画)

4.0

ロープウェイ曲芸映画。斜面を行き来するゴンドラを使ったアイデアの数々も良いけど、駅舎にあるロープウェイを動かすでっかい機械を使ったアクションはもっと嬉しかった。

チチカット・フォーリーズ(1967年製作の映画)

4.0

やはり悪名高い、鼻にチューブを突っ込まれる男と死化粧を施される死体のモンタージュが悪趣味すぎて苦笑い。最後チューブ男が独房のような個室にぶち込まれるのと、死体が安置所にぶち込まれるのを繋いでいたのも本>>続きを読む

傷だらけの挽歌(1971年製作の映画)

4.0

知恵遅れの監禁男と家庭に問題を抱える女の関係という設定はドワイヨンの『あばずれ女』を思い出す。とにもかくにも犯罪一家のマシンガン母ちゃんが最高。逃げ込んだ屋根裏部屋で呟く「死んではだめよ 私のためなら>>続きを読む

ミラクル・マイル(1988年製作の映画)

5.0

死ぬほど面白いし最後は泣いた。極限の状況でメア・ウィニンガムが「核爆弾が落ちた後、生き残った人類は地球を再建させられるだろうか?」とよくわからないことを言い出して、アンソニー・エドワーズが「昆虫の時代>>続きを読む

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

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画面に映っている人物が突然違う人に変わったように見えて、何もわからなくなり、自分の気が狂ってしまったのかと見ながら本気で疑ったけど、ちゃんと画面がおかしかった、ということで大丈夫みたいで何より。そうい>>続きを読む

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)

3.5

AVみたいな話なのに全くエロさはないしずっと怖い。異常独身女性のサンディ・デニスとのセックスを拒み続けながら、実の姉との間には近親相姦に見える関係性があるマイケル・バーンズ。ずっと黙っていた彼がめちゃ>>続きを読む

ゴースト・ハンターズ(1986年製作の映画)

4.0

カーペンターのオカルト・陰謀論・アクション。子供の頃、ワクワクしながら週末の夜にテレビの前に座って映画を見ていた感覚をちょっと思い出したりして、次は吹き替えでまた見たい。にしてもこの時代のアメリカ人は>>続きを読む

歩道の終わる所(1950年製作の映画)

4.5

「殺すつもりはなかった」系のやつ。感想書くまでかなり日が空いてしまったので記憶が朧げだけど面白かった。現場から逃げるところを近隣住民に見られてしまったダナ・アンドリュースが、自分でその状況の再現をする>>続きを読む

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)

5.0

暴力団と刑事が影になって霧の中に消えていくラストにジョン・ウェインが影になって光の中に消えていく『捜索者』の終わりを思い出した。

リバティ・バランスを射った男(1962年製作の映画)

4.5

対立候補の支持者による「こいつは人殺しだ」の演説に気押され議場を去ったジェームズ・スチュアートが部屋の外でジョン・ウェインと言葉を交わし、再び議場に戻っていく場面がある。部屋に入り、スチュアートが大演>>続きを読む

荒野の女たち(1965年製作の映画)

4.5

だいぶ間が空いてしまったけど。ずっと見たかったフォードの遺作。違法転載動画並みに画質が悪くて驚くけど、何せ感慨深い。信心深いマーガレット・レイトンがことあるごとに呟く聖書っぽい一節が全部創作なの面白い>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

5.0

花の香りがするヘンリー・フォンダ。揺れる椅子と柱でずっと遊んでいるヘンリー・フォンダ。明かりのないトゥームストンの黒い夜、どこまでも続いていく別れの一本道……フォード凄すぎる。この映画Wikipedi>>続きを読む

アパッチ砦(1948年製作の映画)

4.0

ヘンリー・フォンダがダメ上司すぎてつらい。部下を危険に晒す無謀な突撃で戦死したら神格化されるのもつらい。ジョン・ウェインが「軍人の魂は生き続ける」的なことを話している時にガラスに映る軍人の行進が彼の姿>>続きを読む

チェンジリング(2008年製作の映画)

4.5

A TRUE STORYで始まってここで終わるのがほんともう……。知らない子供がなぜ主人公の息子を名乗るのか、が驚くほどあっさり処理されているのが不思議なのと、主人公と死刑囚の関係性も物語の中で不気味>>続きを読む

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

5.0

『葉隠』を愛読し武士道を重んじるゴースト・ドッグ。鳥に好かれるゴースト・ドッグ。全く言葉通じてないけどノリで会話できる不法入国者のフランス人の友達。アニメばっかり見てるマフィアのボス。年頃の娘と気まず>>続きを読む

ハロウィン(1978年製作の映画)

3.5

これはあっさりちょっぴり物足りないカーペンター。全然好きだけどね。いかにもいくらでも続きが作れそうなラストといい元祖って感じがする。

沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年製作の映画)

4.0

死ぬ人間の「色」がガチすぎる。あんなに楽しそうだった渥美清がものの数分で土みたいな顔色に……。血色良すぎの萬屋錦之介が自分が斬って死にかけているこれまた土色のヤクザを抱き抱える。ドライヤー『怒りの日』>>続きを読む

フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

4.0

少し体調回復してきたのでテレビで流してた。ムーラン・ルージュの創設秘話だけど色恋と金銭の話ばっかり下世話なルノワール節。遂に結実するフレンチ・カンカンとのクロスカッティングで葉巻くゆらせるジャン・ギャ>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

3.5

タンクローリー大爆発!ダンカンが沖縄のスナックで中島みゆき「悪女」を歌うシーンが好き。暴力の瞬間にはヒェッとなるが、暴力が振るわれる直前と振るわれた直後はなんだか笑けてしまう。ずっと笑えてすごいと思う>>続きを読む

断絶(1971年製作の映画)

4.5

ガソリンスタンドで女の子に延々セミの生態について講釈垂れて呆れられるところでめちゃくちゃ笑ってしまった、このシーン良すぎる!ゆるいムードだけどずっと謎の深刻さが漂ってる。ヒロインがサティスファクション>>続きを読む

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