三条狼さんの映画レビュー・感想・評価

三条狼

三条狼

とんぼの眼(2017年製作の映画)

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全くバラバラな監視カメラ映像をつなぎ合わせて紡ぎ出される物語。
展示「遠距離現在」で鑑賞、衝撃だった。映画ってこんな作り方があったのかと思ったし、見終わったあとに徐冰のインタビューとかを漁って読んだけ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

初恋って呪いだ、と言ってしまうと禍々しいけれど、その後何歳になってもつきまとう感情があるってことはやっぱり呪いだと思う。現にこのひとたち、こんなに大人になってもこんなドラマを作り出してしまったじゃない>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.5

ダニエル・デイ=ルイスがあまりにも素敵で、見終わったあと恋人に「ファントム・スレッドのダニエル・デイ=ルイスみたいになってほしい」と連絡した記憶がある。もちろん私は少しずつ殺してあげたいなんて思ってな>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.8

とにかく素晴らしい音と映像美だった。19世紀末のフランスに私も逃避したい。ジュリエット・ビノシュとブノワ・マジメルがこれをやるということにでかい意味がありすぎてもう……もう……! ってなった(オタク)>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

4ヶ月前の記憶を引っ張り出すのがもう困難な映画もあれば、強烈にカットが脳裏に焼き付いたままの映画もある。

この映画は完全に後者で水汲み、うどん屋、説明会、車中での会話、薪割り、いなくなった娘を探す人
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.5

映画館でチラシを見かけただけで全く予備知識なく見たら、全然想像と違う話でビックリ。もっとファンタジーちっくなというかカールじいさん的なやつかと思っていたら、まさかのモキュメンタリーではないか。

いき
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.8

みんな大好き冴羽獠、鈴木亮平が演じるなら文句なし。
とかいいつつ私はシティーハンターはあまりよく知らず、原作1-2巻分を読んだことがあるくらいでGet Wildにも思い入れなく。なので完全に初心者目線
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異人たち(2023年製作の映画)

3.8

大変、もう5月が終わってしまうじゃないの。

この春一番楽しみにしていた「異人たち」、アンドリュー・ヘイの新作を日本の劇場で目撃できる喜び。同行した編集さんは直近山田太一づいており、お誘いしたら即ノッ
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ティファニーで朝食を 4K(1961年製作の映画)

4.5

高校生くらいのときにカポーティの原作を読んで、ホリーが分からなさすぎてなんだかそのままになっていた。倍くらい歳を重ねた今初めて映画館で見て、ホリーに共感しすぎてずっと苦しかった。この変化は映画版だから>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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あまり思考まとまらずですが、とりとめもなく書いておきます。
公開以降いろんな人がいろんな感想を述べていて迷ったけれど、ノーランの新作は見たいし、グランドシネマサンシャインの12番シアターで見られるなら
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.0

もともとカイリー・ミノーグの Come Into My World のMVが大好きで、この「エターナル・サンシャイン」も大好きでDVDも持ってたというのに、なぜかいつも私の記憶から消えてしまうのである>>続きを読む

鴨川ホルモー(2009年製作の映画)

3.0

「鴨川ホルモー、ワンスモア」を見に行くにあたり本当は原作を読み直しておきたかったのだけれど、まあそんな計画的なことはなかなかできないもので。急いでAmazonで映画版をレンタルして凌いだというわけ。映>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.5

はにゃにゃフワーッ!!
はじめましてTOHO日比谷13番シアター、見やすくていい劇場でした。

浅野いにお先生ワールドがアニメになるなんていや大丈夫か、と思ってたけど再現度がすごい。ていうか作画陣の中
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

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ずっと見たかった映画なのになんだか全然集中して見られず、血が出るところと粗野なセリフの応酬ばかりが目についてしまい。気持ちに余裕があるときに映画館で拝見したいです、ごめんよタラちゃん。あんた顔面がパン>>続きを読む

ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.5

研磨……クロ……あんた達最高だよ……

TVシリーズは実は未見(ごめん)、原作は読んでおります。

烏野も音駒も本当に素晴らしいチームだなあと何回も思った。映像で見てみて改めて泥臭い描写にビックリ。拮
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.8

ホン・サンスの会話劇が楽しめる時代に生まれてよかった。この作品はなにより宣美がすてきでとても好き。「逃げた女」、原題そのまま邦題パターンなんだねえ。

夫のいぬ間に女友だちに次々会いに行く女性のはなし
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レナードの朝(1990年製作の映画)

5.0

しばらく映画が見られない日々でした。友人に「最近どう」と問われもう2週間くらい映画が見られてない、と答えると「感覚が違いすぎる」と驚愕されたけれど、映画からしか摂取できない養分があるんだよ。と私は大真>>続きを読む

ひなぎく(1966年製作の映画)

4.3

ずっと見たいと思っていた、でもこんな映画だとは思ってなかった。あまりにもかわいくて醜くて毒々しくて皮肉っぽくてビックリした。まさかそんなラストだとは思わないじゃないの。映画館で見て良かったです。

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ノット・ア・ガール(2002年製作の映画)

3.6

中学のとき、学校の目の前にTSUTAYAがあって、「洋楽が聴きたい!」と思ってなんとなく借りたのが "Britney"。発売から数年経ってたけど、それまでヒップホップばっかりでポップは全然知らなかった>>続きを読む

バーレスク(2010年製作の映画)

5.0

毎年誕生日にはバーレスクが見たいと思っていたが、昨年は見られなかったので2年間隔が空いてしまった。
同じ映画を繰り返し見るってもうあんまりやらないのだけれど、この映画のクリスティーナ・アギレラとシェー
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Here(2023年製作の映画)

4.5

大好きなル・シネマ渋谷宮下でこんな素敵な映画に出会える贅沢。私はアピチャッポン×コゴナダだなーと思ったけど少数派の感覚かしら。ときどき思い出したように映画館で見たい作品のひとつになりました。監督、日本>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.8

ダンスホールでのカットが使用されたポスターの情報だけで見に行った。ベストオブ「ポスターからなにも分からない映画」受賞です。

とにかく映像がかっこいい。ここそんなこだわる? というシーンも無駄にかっこ
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男と女(1966年製作の映画)

3.6

喜び勇んで見に行ったわりにけっこう寝てしまったのでスコアつけるのも申し訳ないんだけども。
親がこの作品が好きで、小さい頃から意味は分からんなりに断片的に見ていたのでパズルのピースがハマった感。こんな話
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

こんなにゆたかなエンドロールを作れる監督が日本にいて嬉しい。

気持ちと天気は比例しない。あなたのおだやかさも激しさも関係なく光も雨も降り注ぐ。夜は来る、そしていつか明ける。誰かはそれを待ち望むし、明
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.5

大混雑の目黒シネマで。姉と慕うひとからのお誘いで一緒に鑑賞しました。これまで知らなかった姉の新しい一面も知ることができてよかった。お兄とはこれからもうまくやっていってほしい。

列車の中で出会ったアメ
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.3

今さら見てしまいました名作シリーズ。確かマット・デイモンはこの映画がすべてのきっかけだったはず。本当によくできてる。。すごいな。。

思ったよりウィルがヤンチャで下品な会話も暴力も平気で飛び交う系だっ
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.8

ポスタービジュアルのあまりの良さにふらっと申し込んだら当選した試写会@ユーロライブにて鑑賞、filmarks様いつもありがとうございます。
韓国語どれだけ読めるか聞き取れるか、挑戦してみたけどまだ全然
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フォーカス(2015年製作の映画)

3.7

ウィル・スミスがマーゴット・ロビーをめちゃくちゃ振り回すペテン師ギャンブルムービー。はやくも今年の「絶対に付き合いたくない男」オブザイヤー受賞候補です。


とだけ書いて終わろうかとも思ったけれども、
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.5

リズムにただただ運ばれて身体揺らして、音に没頭するだけ。そんな時間にエグゼクティブシートで浸れて最高に幸せでした。

なるほどこれを経ての「アメリカン・ユートピア」だったのかと今更合点がいくなど。
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目の見えない白鳥さん、アートを見にいく(2022年製作の映画)

3.8

白鳥さんのことは「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」の書評で初めて知った。興味を持って本を読んでみて、アート鑑賞者という活動を初めて知ったし、目の見える方とも見えない方ともアートを見ようというこ>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

あまりにもアートでプリミティブで大変なものを見て、まだ足がいささか震えています。ヨルゴス・ランティモスの映画は今まで好みじゃないと思ってたけど、ちょっともっかい見直してきていいですか。

美貌の幼女が
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ラブストーリー(2003年製作の映画)

3.0

長いよー

時を超えて手紙の代筆でつながる母娘それぞれの恋の話。「光る君へ」視聴者的にはタイムリー。なんか流行ってんのかと思ったけどこの映画は20年前だし光る君へは平安時代ですね。

いいなあって思う
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.5

大ショックです。全っっっっ然知らなかったウルリケ・オッティンガー、教えていただかなければきっともっと出会うのが遅れてしまっていた。watabow様に本当に感謝です。

ファスビンダーみあるなあと思った
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.2

単行本持ってるタイプの原作ファンとしては見に行くべきかどうかとりあえず一回葛藤したものの、実写狂児が見たすぎて結果安易に劇場へ。最近ドラマ版「コウノドリ」を見ているところなので、綾野剛さんの振り幅にビ>>続きを読む

蛇イチゴ(2003年製作の映画)

4.0

西川美和さんのデビュー作。本当に素晴らしい……センスまるごと欲しい。

認知症の父親と暮らす夫婦、その娘の一家の話。介護がちょっと大変だけど一見なんの問題もなさそうな家族の嘘が、お葬式と勘当されていた
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グロリア(1980年製作の映画)

3.8

I love you, Gloria. I love you to death.

カサヴェテスが撮る映画ってこんなかっこいいの! 最初から不穏で胸がざわめき通しで全然落ち着けなかった2時間、でもわる
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