三条狼さんの映画レビュー・感想・評価

三条狼

三条狼

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

4.0

自己中クズ男ばっかり、自己管理の甘い女性ばっかりの群像劇。
という総括だとちょっとひどいのだけれど、サラッとおしゃれに進んでゆくのがこの時代のウディ・アレン作品なんだろうなと思った。見事だわあ。

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シチリア・サマー(2022年製作の映画)

4.5

画面作り天才すぎる、私は花火に弱い。バス停のシーンも最高でした。

あまりひとの感想や公式サイトなどの情報は入れず、とりあえず映画館に足を運ぶことをすすめます。私はそうして正解だった。あとは買ったパン
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.0

ブラックジャックも真っ青のセルフ手術が見たければどうぞこちらへ。

かつてロシア兵を何百人と殺ったという伝説のおじい (金塊掘り) が、ナチス軍相手にたったひとりで立ち向かう話。雰囲気はゴールデンカム
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.6

原作の記憶を頭のむこうにしまいこんでいたため、いい感じに「こうあってほしい」というワガママを押し付けずに見ることができた。今泉監督の間をたくさん取る演出とは相性が良かったのではと思う。それなりに尺があ>>続きを読む

グッド・ナース(2022年製作の映画)

3.6

感じの良さで自分のテリトリーにスッと溶け込んできた同僚の新人看護士が実は、病院で毎日起こるようになった医療事故の犯人なのではないか? という話。

実話かつ、犯人の動機がまったく見えないというのがめち
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.9

長いなーと思ってずーっと見てなかったけど、見始めたらあっという間だった。NETFLIXってたまに謎なキャプチャをその映画のトップ画面にしませんか。さぞ象徴的なシーンかと思ってたらだいぶバカだった、また>>続きを読む

83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)

3.5

ワクワクしてしまう新聞求人、採用されたおじいちゃんスパイが潜入するさきは老人ホーム。途中からあ、これワクワク面白コメディじゃないのか、と気がついてめちゃくちゃびっくりした。

正直私も親の介護どうしよ
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.8

とっても素敵で、とくにラストは何度でも見たくなるお話。努力すること、ひとに親切にすること、約束は守ること。ひとを大事に、自分の気持ちに誠実に生きていれば人生は何度だって輝くんだなー。

戦争から20年
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空のハシゴ: ツァイ・グオチャンの夜空のアート(2016年製作の映画)

3.6

「宇宙遊——〈原初火球〉から始まる」展の予習として。

アーティストの制作過程を見られることはとても貴重で楽しいし、政治的干渉による葛藤はこちらも見ていてもどかしい。何も考えなければ「オリンピックすげ
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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

3.8

ぬるいホラーよりよっぽどこわい。

なんか知らんがたまたまツイキャス放送があることを知り、小さい画面ならあんまり怖くないかもと思って夜中に一人で見たらけっこう怖くて泣いた。だからさ、怖いやつは一人で見
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NTLive『フリーバッグ』(2019年製作の映画)

-

超楽しみにしてたし超超超面白かったんだが、午前中の沐浴実習で力を使いすぎたのかこれも鑑賞中に寝てしまい。また見られる日は果たしてくるのか。

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

3.0

ずっと悪い夢の中にいるような。
ストロボ演出と色がやややりすぎで、これに関しては正直映画館で見なくて良かったと思った。
ギャスパー・ノエは観客を不快にしてナンボと思ってそうなので、これはこれでいいのか
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サントメール ある被告(2022年製作の映画)

-

光と静寂が美しい映画。今思えば「遠いところ」の主人公とどこかリンクする被告だったかもしれない。

この頃からしばらく映画の長さ分起きていられなくなってしまい、これも沈没したのでちょっとまた後日出会い直
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.8

ディカプリオの顔面と話術があればそら詐欺師になれるわな。

15年ぶりくらいに見たけどやっぱり面白かった。流れるように人をだます天才になってゆく青年の、嘘にまみれた幸福と孤独。もしも人を欺かずに行きて
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遠いところ(2022年製作の映画)

4.0

しんどい話と覚悟はしていたし最初の演技を見て「あ、はずしたかもな」と思ったけれど、芝居も演出も大変よかったです。

前職時代に勉強していて気になった、貧困・沖縄の若い子たちの話。沖縄の子曰くこの映画は
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To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

4.0

そらアカデミー賞にノミネートもされるわ、というアンドレア・ライズボローのとてつもない演技力。本当にすごかった、見てよかった。

個人的に男女の仲にはならんでもと思ったのでそこだけ不満だけれど、他に文句
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.6

飛行機が遅れまくり、帰りの電車に間に合うかハラハラしながらもついつい見てしまった1本。アクション苦手な私ですが、これは見られました。こんなの見てるとチキンが食べたくなっちゃうよね。

正直期待しすぎて
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.5

私もこの映画を見るまでグリーンブック自体を知らなかったよ。無知が罪になることもある、と自戒をこめて胸に刻む。

肌の色だけで差別しまくっていた男性が、運転手という仕事を通じて人間そのものに触れてゆく話
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.5

予想の100倍静かで暗い映画だったな、という印象。かっこよさが優先しておりストーリーはあまりピンとこなかったです。でも最終的な展開は好みでした。
自分の出自が揺らぐっていうのはなにも人間だけじゃないん
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.0

最初にやられる療法士の女性がかわいそうすぎてあとの展開が全然頭に入ってこなかったぜ。

今回は全員サイコパスで面白かった。いい続編でした。

禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.8

なんつー悲しい話なんや……。ポーレットがかわいすぎたし、大人の都合が炸裂するラストが余計にかなしかった。原作とは違うんですね。

母にこの映画を見たと連絡したら、なぜかラストが悲しいというメッセージの
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

-

宮崎駿の新作を封切り直後に映画館に観に行けるという体験自体がプライスレスなんよ。事前情報ゼロで浴びるジブリの波状攻撃、私は最高にフィーリング・グッドでした。

ただ小ちゃいおばあちゃんの人形に囲まれて
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.9

これもずっと見たかったやつ。ヒリヒリどころではない思春期の胸の痛みが完璧に表現されていて見事でした。ほんと、こんな思いリアルでは二度としたくないんだけど……あと何回繰り返すんだろうね……。

スイミン
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バーバー吉野(2003年製作の映画)

3.5

革命はどのようにして起こるのか。個性と規律の対立に、ひとびとはどう戦うのか。

というテーマだとは思うのだが、そもそも床屋のおばちゃんVS小学生男子という構図なのでゆるいのと、冒頭のハレルヤが面白すぎ
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.0

ずっと見たかった作品が満員御礼の目黒シネマで見られるなんて感無量でした。はじめてサイドの補助席も全部埋まって、立ち見が出ている状態の目黒シネマを見たぜ。装飾もとってもよかったな。

実はずっと見たかっ
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千年女優(2001年製作の映画)

3.5

目黒シネマがお祭りみたいになっていて、見るつもりだった朝イチの二本立てを見送り、さらにチケット購入に1時間近く並ぶなどした。今敏さんの奥さまもその光景を目にしていらしたようで、なんだか嬉しかった。>>続きを読む

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.0

ずっと見てみたかったファスビンダー作品をまさか映画館で見られるとは思わず、本当に嬉しかった。美しくて仕方なくてため息。

人間って最強に面倒くさすぎる生き物なのに、なぜかもっともっとこの世界を知りたい
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ヤング≒アダルト(2011年製作の映画)

3.0

シャーリーズ・セロン級のダメ女という破壊力。見栄っ張りで性格が悪すぎる主人公なんだが、「理解できない」と突き放そうにも自分と重なる部分を少なからず見出してしまい、自己嫌悪に陥りながら最後まで見るひとが>>続きを読む

私の少女(2014年製作の映画)

3.0

なんという硬質さ。ずーっと息苦しい画面で、作り手も演じ手も相当消耗しただろうなと思わされました。

ある田舎に都会から赴任してきた警官が、いじめられっ子の少女と出会うお話。なぜ一緒に暮らす……? 法的
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.5

ヨロキカパイセンの映画作品の中ではダントツ大好きでした。たくさん笑ったし謎に泣いたし雪の中のランデブーが本当に良すぎた。

もう散々こすったやろ、なタイムループものに「2分間」という大変な制限のかかっ
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.3

これぞ浅野いにおという空気感の再現が見事。めちゃくちゃ生ぬるくてきもちわるかった。主役のふたりは本当にいにおさんが描いたみたいだった。

原作は読んでいたはずだったけれどどんな話だったっけ? という感
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.5

いつか恋人と見たい! と思ってずーっと見るのを我慢していたが、もうしばらくこんなの一緒に見てくれる人はおらんやろと思い直してひとりで見ました。ボロ泣きしました、あーあ。

もちろん恋愛の話も良かったけ
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

3.5

インスタ映え地獄って日本ではLINEマンガとかで表現されがちなイメージなんだが、スペインではこんなにおしゃれに昇華されるのか……と思うなど。監督は現代美術家と聞いて納得。まあでも見栄というものは世界共>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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すんごい楽しみにしててわざわざグランドシネマサンシャイン12番シアターまで行ったんだが、前作を覚えてなかったのと疲労とで寝てしまった。絶対もう一回見る。

マーダー・ミステリー2(2023年製作の映画)

3.0

3ヶ月経つとだいたい全部忘れてしまった。ながら見推奨。
ドラマチックでも抱腹絶倒系でもなくて面白さは1とどっこいどっこいかなとは思うけれど、なんとなく最後まで見てしまって悔しい。なんだかんだ愛し合って
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