こうさんの映画レビュー・感想・評価

こう

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逢魔ヶパレヱド(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『クラユカバ』『クラメルカガリ』の余韻に誘われて。

緻密で奇妙なレトロファンタジー。
他にもいくつか短編を観たけど世界観が一貫していて好き。

『端ノ向フ』

『ペスカドヲル』

『押絵ト旅スル男』
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クラメルカガリ(2024年製作の映画)

3.5

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『クラユカバ』からのハシゴ。
どちらも1時間だからできたこと。
こちらの方がストーリーが好み。

貸本屋や少し変わった公園…こんな場所があったらなと想像せずにはいられない。

栄和島と伊勢屋が『デュラ
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クラユカバ(2023年製作の映画)

3.5

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映像と音を楽しむアートワーク。
ストーリーには没入せずともレトロな世界観と音楽で楽しめる。

「クラガリに 曳かれるな」

暗いからこそ光が際立つ。色が映える。

「曳く」は見慣れない字だから"引っ張
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夢追いウサギ(2020年製作の映画)

3.5

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『ソウルフル・ワールド』の同時上映にて。

ひとりで生きているつもりでも知らず知らずのうちに助けられてるし、誰かを助けているかもしれない。

原題「Burrow」=潜る。

ひとりで自由気ままな理想の
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.5

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筆の走る音が心地良い。

「自分の線は自分で選ぶ
 その線が自分自身を描く」

生命を描く。
心を描く。
人生を描く。

高校生の頃の美術の時間に描いた菖蒲を思い出した。描き直しの効かない分、ひと筆ひ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.5

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配信したら観ようと思っていたけどこんなに早く観れるとは。

まったりした関西弁の綾野剛がたまらない。人たらしの本領発揮。喉潰れるんじゃないかと心配になるくらい「紅」歌ってたな。いつの間にか狂児と聡実く
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.0

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人と映画と映画館が好きなひとたちの話。

"前作『止められるか、俺たちを』を観ていなくても楽しめる"というレビューに背中を押されて鑑賞したけど、その通りだった。門脇麦の写真が何度も出てきたから前作を
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時の支配者(1982年製作の映画)

3.0

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蓮の妖精かわいい。
汚い心は臭いらしい。

「植民地にする星の時間を60年過去に戻す」

60年前のピエールと現在のピエールが同時に存在した?パラレルワールド?

クー!キン・ザ・ザ(2013年製作の映画)

3.5

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『不思議惑星キン・ザ・ザ』の余韻が消えない間に。

アニメーションならではの"歪み"とデフォルメされた登場人物たちのおかげで不思議すぎる世界観がより深くなった。建築家のおじさんは有名なチェロ弾きの叔父
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.5

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メイン画のデザインに惹かれて鑑賞。

郷に入っては郷に従え。
故郷に帰るために。

パッツ人<チャトル人<エツィロップ
ツァーク=パッツ人がチャトル人の前でつける鼻の鈴
チャトル=プリュク星の硬貨
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くもりときどきミートボール(2009年製作の映画)

3.0

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空から降ってくるハンバーガーやステーキ。アイスクリームのゲレンデにチーズのプール。夢は束の間、巨大化する食品は人の生活を壊していく。

消費しきれない程の食品を生産し続ける人間の身勝手さは現実と変わら
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寫眞館(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます


笑顔にしたい写真家と絶対笑わない女性。

今は亡き家族の笑顔の写真に救われたことに気がついた時、女性は笑顔で写真を撮った。彼女なりの感謝の伝え方だったのか、写真家にとってこの上ない贈り物になっただろ
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ドーナツもり(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます


お節介としか思えない公子の言動は側から見ていて気分の良いものではないが、そういうお節介に救われるひともいるのかもしれない。ドーナツではなく"ドーナツの穴"が食べたい時があるのかもしれない。
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.5

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天才は孤独だ。今日は味方でも明日は敵になっている世界。

頭の回転が速すぎたり論理的に物事を考えすきるせいで他者との会話にズレがあるのかリアル。

敵対する相手が嫌いな訳じゃない。
何が利益に繋がるか
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レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語(2004年製作の映画)

3.0


ジム・キャリー強化月間。
悪役でも嫌いになれない。オラフ伯爵がオラフ伯爵にならざるを得ない過去がありそう。

最初の晩餐(2019年製作の映画)

4.0

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父親の葬式の通夜で振る舞われたのは家族との思い出だった。

・チーズ目玉焼き
・合わせ味噌の味噌汁
・焼き魚
・しめじのピザ
・チーチキン入りの餃子
・ソーキそば
・すき焼き

きのこ類も魚も嫌いな
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天外者(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます


「天外者」

【てんがらもん】鹿児島の方言。意味は「すごい才能の持ち主」「功績をあげた人」など。語源は「天からの子」「典雅な者」「手柄者」など、諸説あり。

「地位か、名誉か、金か
 いや、大切なの
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オリオンと暗闇(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

恐怖の正体は未知。
オリオンは想像力が豊かすぎるが故に世の中に対して臆病になる。でもそれを克服するのもまた、彼の想像力であり創造力。

「大人は簡単な話が好きよね」
「実話じゃないと役に立たない」
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます


衝動的で情緒不安定な女。
平凡で退屈な男。

嫌いになって記憶から消し去ってもまた出会って好きになる。

頭の中の記憶が消されながら逃げ惑う様子をここまで細かく映像化できるのが凄い。目まぐるしく変わ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます


心の奥をくすぐられている様な、締め付けられている様な不思議な感覚。叫び出しそうになりながら両手で強く頬を押さえていた。

「Past Lives」=「前世」
「인연(イニョン)」=「縁」

メリーゴ
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.0

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公開当初から気になっていた。脱力系コメディかと思いきや…命を考える話だった。

【ムコリッタ(牟呼栗多)】
『仏教の時間の単位のひとつ(1/30日=48分)を表す仏教用語』

「小さな幸せを見つけれ
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シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で観た予告が面白そうだったけど、ここまでドキュメンタリー調だとは思わなかった。

登場人物が多い上にシーンがコロコロ変わってついていけない。
最後の舞台本番のシーンは良かったけど24時間であの仕
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空飛ぶペンギン(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「愛か魚か」

予想より遥かに面白かった。ジム・キャリーのコミカルな仕草や表情がたまらない。大仏のTシャツが妙にジワる。

6頭のペンギンそれぞれに個性があって観ているうちに愛着が湧いてくる。チャップ
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「楽しく生きるって決めたんだ」

一生懸命なマルセルが愛らしい。
字幕で観たけど声も良かった。子供かと思ったら成人女性で驚いた。

テニスボールの車、食パンのベッド、マカロニのラッパ、人が暮らすための
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心をつむいで(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

男性社会で働く女性をピンクの毛玉として表現している。毛糸とかけたのはわかるけど"心をつむぐ"ような繊細さは感じられなかった。

『マイ・エレメント』が起こす奇跡の化学反応:メイキング映像(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

NYで生まれ育った監督が子供の頃、韓国人の母と映画を観に行ったときのエピソードが印象的。洋画は通訳する必要だったけど『ダンボ』はそれが要らなかった。アニメーションは言葉を超えて伝える力がある。

『マ
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

怒りっぽい火と涙もろい水の化学反応。
さすがピクサー。質感の伝わる映像とアニメーションならではのファンタジーな演出にワクワクせざるを得ない。

「癇癪は心が何かを伝えようとしているんだと思うんだ」
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劇場版 名探偵ホームズ デジタルリマスター版(1984年製作の映画)

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短編を続けて観るのって意外と体力がいる。寝不足気味だったのもあるがうとうとしてしまった。勿体ないことした。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

訳分からんくらい面白くて頭痛い。
情報過多で体感3時間。後章楽しみ。

https://youtu.be/TBm473lA5Bk?si=8Y3ZvNFXL7Kneazz

海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版(1998年製作の映画)

4.0

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「人生は壮大だ」

「88個の鍵盤なら無限に奏でられる」
「無限にある鍵盤は手に負えない」

選択肢が無限に広がる世界は夢や希望であり果てしない恐怖や不安でもある。

「面白い話をして聞いてくれるひと
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

凄い…もう凄いとしか言えない。

公開当初、話題になっていたし評価も高いと知っていたが、今まで「ゴジラ」と付く作品は一切観たことがなかったので"好きなひとが好きな作品"だと思っていた。しかし先日、日本
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市子(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

味噌汁が好き。
ケーキが好き。
花火が好き。

好きなものがある。自分が市子だと言う代わりに存在を示している様に思えた。

帰宅した母親がもう息のない月子を見て「ありがとう 市子」と落ち着いて声をかけ
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

2.5

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これは酷い。なんて勿体無いんだろう。

3年前に本屋に並んだ原作を見かけてインパクトのあるタイトルと素敵な表紙に惹かれて手にとった。もう内容はうろ覚えだが、普段本を読まない私でもその世界観にぐっと引き
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私のオオカミ少年(2012年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

『ロ・ギワン』で改めてソン・ジュンギの童顔っぷりを認識した後12年前のソン・ジュンギを見るとまだ体格も華奢でただただ可愛らしい。

狼に育てられた少年かと思ったら人狼だった。想像以上にファンタジー。人
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ロ・ギワン(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます


「欲しいのはこの国に住む権利ではなく
 この国から出る権利だ」

「お母さんに苦しんで欲しくないけどいなくなって欲しいとも思ってた
 両方とも本心よ」

『ボーはおそれている』を思い出す。何かから逃
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