takatagiriさんの映画レビュー・感想・評価

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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.0

屋内のシーンが多いのに、窓越しに見える景色のおかげもあって、どのカットからも「ああ台北だ」と感じさせてくれる。登場人物の関係性を把握するのに時間がかかってしまったので、はやくもう一度観たい。

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

4.0

主演が菊地凛子でなかったならばけっして説得力をもたなかったであろう、奇跡的なバランスで成立している映画。ラストシーンはストレートながら心を打つ。何もかもが手遅れというわけではなかったのだ。

憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

3.5

台湾ニューシネマの魂は、食事/ドライブへのショット長回しに宿る。青や緑のフィルター(サングラス)を介して登場人物の目とカメラを一致させるカットがよき

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

この作品は出来がよいのかどうか、新海誠のキャリアの中でどういう意味をもつのか、そんなこととは無関係な基準で受け継がれてゆくポテンシャルを『すずめ』は十分にもっている。

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st(2009年製作の映画)

4.0

「フェイトがフェイトである」ことを肯定するには、相手の名前を呼び続けるしかない。それが愛だということを、なのははちゃんとわかっている。

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.9

「紫禁城を出る」ことは難しい。おそらくは、誰にとっても。

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

4.5

コーネリアス『Fantasma』の巨大広告を背景に、パルコ横でコールバック待ちの通話をかける。圧倒的97年渋谷感!

スティング(1973年製作の映画)

4.0

73年製作だからそんな超古いわけじゃないけど、それでも古き良きハリウッド映画のカラッとした明るさが全開で浸れる

セッション(2014年製作の映画)

3.5

めちゃくちゃ面白かったけど、それ以外でも以下でもなかったかな

シャイニング(1980年製作の映画)

4.0

「カメラがイマジナリーラインを意図的に超えることにより、会話中の人物の「どちらがどちらか」が撹乱させられる」とか……そんなん初見でわからん………

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

こんなんタランティーノしか撮れんって!!彼自身がパルプフィクションでトラボルタ再ブレイクさせてるの考えると感慨深い。往年のハリウッド映画に精通してたらもっと小ネタ楽しめるんだろうな〜〜(マルタの鷹は発>>続きを読む

マルタの鷹(1941年製作の映画)

4.0

ボガードは『三つ数えろ』のマーロウよりこちらのスペードの方がしっくりくるように思える。あるいは単に春樹訳のチャンドラーから、線の細いマーロウのイメージがついてしまっただけなのかもしれない

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.5

不気味さが維持されるぎりぎりのラインで意味が与えられている。けっしてナンセンスな映画ではないし、ショット全振りの映画でもない

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.0

前半と後半、画の色彩が大きく変わったのが印象的だった。香港でイメージされる通りのオレンジ/緑が焼き付けられたあと、青で洗われていく

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.0

最後の出来事のあと、まだ終わらない(終われない)のがいい。

PASSION(2008年製作の映画)

4.0

観終わった直後はそうでもなかったのに、ボディブローのように苦しみが増してゆく。とりわけトモヤがもう……

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.0

最高傑作とかいうレベルじゃなくて、三部作はすべてこのための布石だったんだという仕上がり。「二度目のチャンス」をもらった私たちはもうマトリックスを卒業しなきゃ

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

濱口監督これやりたかったんだろうなあ感がすごい。テーマを決めての短編連作映画がこんなに面白いなんて

草の響き(2021年製作の映画)

4.5

未遂のシーンが壮絶。どれほど明るく健康的な毎日を送っていたとしても、いちど壊れてしまった人はすぐそばにある死とずっと並走していかなくちゃいけない

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

トランアンユン監督『ノルウェイの森』で積み残されていたレイコさんの存在は、霧島れいかの声としてサーブに反響する。「鼠」四部作における死と再生の街北海道で、ありえたかもしれない娘とともに、一種の母殺しと>>続きを読む

三つ数えろ(1946年製作の映画)

4.0

原作の孤独なマーロウ像に親しんでいると、最後ちゃんとラブロマンスになるのがびっくりする

マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

3.0

SF映画かと思ったらアクション映画かと思ったらコメディ映画だった

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.0

まあ、ファイトクラブについては口外禁止されてるからな

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

4.0

50年代を舞台にした、90年代撮影のノワール。警官たちは誰も成長せず、単に相互の利害が一致した結果真実が明らかになる構造がグッド。メタフィクション好きとしては、本作全体が「名誉のバッヂ」かのようなラス>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.5

間違っても『電気羊』の実写化だと思ってはいけない。本作にとって重要な、妻との冷めた関係もマーサー教も出てこない。とはいえ映画は別ベクトルでそこそこ楽しめる