どらどらさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

his(2020年製作の映画)

4.8

- 自分が優しくなれば世界も優しくなるかもしれない、って

傷ついて傷つけられてまた傷つけて
人は弱くて不寛容だ
純粋な思いだけでは、生きていけない
自分の傷は深く見える

でも
他人の痛みに気づき
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この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)

4.5

- 戦争にはまだ間に合いますか?

花火と爆弾
使われているものも仕組みも同じ
違うのは込められた思い
人は簡単に全てを破壊することができる
でも同時に、全ての人の平和を願うこともできる
それに必要な
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.7

- 小さいからこそ守ってないで攻めないと、面白くないじゃないですか

騙し騙され
貫くのは目先の利益か、はたまた信念か

新しいもの、古いもの
時代のスピードはいつだって駆け足で”つまらないこと”は置
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凪待ち(2019年製作の映画)

5.0

- 津波のおかげで新しい海になったんだ

絶望と希望の揺り戻し
海は時に荒れ全てを飲み込み
海は時に静かに全てを受け入れてくれる

抱えた絶望も
襲いかかる不条理も
変えられない自分のさがも
破滅へと
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恋人たち(2015年製作の映画)

4.7

- 全部ぶっ壊れてる

被害者遺族、部落差別、同性愛
全部ぶっ壊れてる東京というまち
そのひびは表面だけか、奥まで入っているか
そのまちに、オリンピックがやってくる

排除されるものがさらに別のものを
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そうして私たちはプールに金魚を、(2016年製作の映画)

4.5

- 私たちはいつも”結局”だ

青春の閉塞
果たして生きているのか、生かされているのか
Born to be zombie?
この街で生まれ、この街で生きていく
楽しいことなんて全部つまんないし
人生
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マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

4.5

- 言葉は精神だ

言葉を守る戦い
刻み込まれた歴史
そこに宿るは民族の精神
名もなき市井の人たちの戦いが守った言葉

この映画こそ我々が見据えなければならない加害の歴史だ
加害は直接的な暴力に留まら
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ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

4.1

- 春はくるの?

自然と人間
破壊と創造

自然は人間の手に負えるようなものではない
コントロールしようとしても、
自然から多くを得ようとしても、
結果としては全てを失う

半分もらって、半分返す
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静かな雨(2020年製作の映画)

4.2

- 何の話なんだろう、世界の話、なのかな

絶望と隣り合わせの繰り返す日々
あの日の思い出は、僕にしか残らない

それでも確かに思いは堆積していって
2人の日々は続いていく

僕の世界の中にあなたがい
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ある少年の告白(2018年製作の映画)

4.7

- then I’m sorry, but you’re going to have to be the one to change.

罪があるとしたら、それは誰の罪なのだろうか
変わらなければいけ
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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.1

- I can’t wait to be you!

未来っていっつも輝いてみえて
いつか輝いて見えていた未来って今だけど
今はいつだって思う通りにいかない

でも大丈夫
自分を曲げる必要なんてない
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スキャンダル(2019年製作の映画)

4.5

- Someone has to speak up. Someone has to get mad.

グロテスクなまでの男性至上主義
女は使ってやるもの
女は男の慰みもので当然
女はセクシーであれ、
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

5.0

- ずっとそう言って欲しかった気がするから

東京の”お嬢様”として生きる女性
上京し東京に搾取される女性
同じ町で、同じ空の下で生きているのに
出会うこともなければ見ている景色も違う
そのはずだった
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.8

-Why You Acting Like You Ain't Got Skin In The Game, Brother?

Black powerもWhite powerも
ブラックパンサー党もKK
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37セカンズ(2019年製作の映画)

4.8

- でも、わたしでよかった

残酷なことは残酷なままに
人生は、綺麗事じゃない
人生は、ままならない

でも
温かいものは温かいままに
美しいものは美しいままに
それも、人生の真実だ

運命を知り、自
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.6

- And the title of this performance is ... “Fuckin’ ideology”

北も南も
資本主義も共産主義も
人種も戦争も
全部嘘だ
全部人間の作った詭
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.7

- 君のいう普通は何かを諦めるための口実じゃないのか?

普通ってなんだ?
みんな普通なんてわかんないし
普通なんておかしいところだらけだし
だからみんな、普通で普通じゃない

普通かどうかなんて関係
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

-Hail, Paimon!

ミニチュアハウスの引きからアップでの入り
その意味に気がついた時戦慄する

神性は、家族に超越する
これは継承の物語

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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

4.8

- 悪いことしたことないんですか?

悪、悪、悪
爽快なまでの悪
治安を守るとか市民生活を守るとか言ってるけどそんなの関係ない
ただひたすら、デカいことがしたいだけ
ただひたすら、褒められたいだけ
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バケモノの子(2015年製作の映画)

4.2

- 意味なんててめえでみつけるんだよ!

戦うのはいつだって自分だ
自分の弱さを突きつけられた時
越えられない壁にぶち当たった時
どうしようもない闇に飲み込まれそうになった時

でも、ひとりじゃない
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

5.0

- 嵐が来る前に、切ったんだよ

映画館を一歩出たとき僕は、風の冷たさに震えた
そして、空の青さに慄いた

一歩レールを踏み外しただけで許さない社会
レールから外れないように、逃げながら生きるしかない
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友罪(2017年製作の映画)

5.0

- この場所に、どうしても来なければいけなかった
どうしても死なせたくない友達がいるから

「罪」
贖罪とは、なんだろうか

犯した過ち
消したい過去
許さない世間
消せない、過去

忘れたい遺族
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影裏(2020年製作の映画)

4.2

- 人を見るときは、影の一番濃いところを見るんだよ

相手の見えている部分
見えていない部分

相手に見せている部分
見せていない部分

人間は驚くほど多面的で
水のように捉え所がない
どこからきたの
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.6

- 世話できないなら、産むな

仕事も
愛も
生きる資格も

金がなければ
証明書がなければ
持つことさえできない

不条理に溢れた世界で不条理のまま
ゴミのように吐き捨てられるしかないのか?
人間ら
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

5.0

- 家族だからな、なんでとか、ない

どうしてだろう
ただ一生懸命生きてきた
間違ったこともしたのかもしれない
それでも、自分なりに筋通して懸命に生きてきた
この生き方しか知らなかった

時代が変わっ
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ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.7

- 面白いことしようや

剥き出しの暴力
それはクソみたいな世界への反逆か
クソみたいな自分からの逃走か
自分を守るための武器か
それとも、ただ純粋な衝動か

殴り殴られ
蹴り蹴られ
殺されかけて殺す
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一度死んでみた(2020年製作の映画)

4.0

- ご愁傷様DEATH!

広瀬すずが可愛い
辛い役での存在感が毎回強すぎて忘れがちな、広瀬すずがめちゃめちゃかわいいことを思い出させてくれる映画
そしてコメディエンヌとしての魅力を存分に発揮している
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ひとよ(2019年製作の映画)

4.8

- 俺は何が何でも成功しなきゃなんねぇんだよ

人生は選択の問題だ

家族の問題も
未来も
なにより、消したい過去も
過去に意味を与えるのは現在なのだから

あの日の後悔を
あの日の幸せを
あの日語っ
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

4.0

- Real life is fine for people who can't do any better.

ハイソな暮らしへの自己嫌悪に酔う男
野心に燃え、夢に躍る女

雨の日のすれ違い
すれ違
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

5.0

-“魔法”はいらない

自分を笑うのも
自分を馬鹿にするのも
自分を恥ずかしいと思うのも
全部自分だ

うまく喋れなくたって
うまく歌えなくたって
うまく人と付き合えなくたって
別にそれでいい。

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おいしい家族(2019年製作の映画)

4.1

- いいんだなんでも。生きてればそれでいい。

父が母になる?
父が男と再婚する?
普通に考えておかしくない???

ぜーんぶ取っ払って、愛だけ残る
それが家族で夫婦
そこに性別も恋愛も関係ないんだな
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子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

4.3

-俺、行かなきゃ

ボーイミーツガール、いやガールミーツボーイ?
とりあえずわかんないけど走れ、もじ!
走れ、美波!

誰かからもらって、渡して
渡して、またもらって
そうやって世界ってできてるんだ
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多十郎殉愛記(2019年製作の映画)

4.0

- お前さん、何のためにそんなもんを振り回す羽目になった

行き場を失った二人

天下国家のため?
金のため?
名誉のため?
生きるため?

ただ、愛のために、振るう

———————————————
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楽園(2019年製作の映画)

4.8

- お前は俺たちの”楽園”になれ

どうしてだろう
必死に生きているだけなのに
追い込まれ、罪を犯し、生きていられなくなる
果たして、生きていること自体が罪なのだろうか

罰は誰が背負うのか
誰が、誰
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ほとりの朔子(2013年製作の映画)

4.5

“遠くにいきたい”

現実から逃げる
人生は思った通りにはいかず
世界は複雑で残酷
何かに責められているような
何かに憐れまれているような

働く
恋をする
世界を知る
現実を、歩いていく

____
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愛唄 ―約束のナクヒト―(2019年製作の映画)

4.0

- 毎日に夢中だから
息してることさえ忘れてるんだ

生きるって難しい
人の命は限りがあるのに
自分だけのものではないし
人によって長さも密度も違う
嫌なことも大変なことも、数え切れないくらい
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