丸木さんの映画レビュー・感想・評価

丸木

丸木

市子(2023年製作の映画)

3.4

現代の非人

【時期】2000〜2015年

暗く陰鬱なドラマ。
一緒にいるけど一緒にいてはいけないような孤独を表現するのがうまかった。

あと、市子の話し方がすごい「ほたるの墓」の節子っぽいなぁと思
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美しい星(2017年製作の映画)

3.0

吾輩たちは宇宙人である

原作三島由紀夫ということなので、日本文学×SF映画を期待してしまったが、終始反応に困るお話で、どう考えても茶番劇にしか見えないのが正直なところ。

アメリカ映画の『K-PAX
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スクリーム6(2023年製作の映画)

3.6

意外性のループ

メタフィクションホラーのシリーズ総決算的作品。そろそろマンネリが来ると思ったがまだちゃんと面白いところがすごい。
やれることは全部やったのではないかと思うほどほど続きが思いつかない。
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8月の家族たち(2013年製作の映画)

3.4

ばらばらのまま

家族映画でこんなに後味の悪い映画も珍しい。離れて暮らしていた家族が集結するということは物語でよくある展開だが、その後は修羅場に次ぐ修羅場。
はたして知らない方が良かったのか知った方が
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永い言い訳(2016年製作の映画)

3.8

死から始まる生

私たちの生活は自分を正当化する言動を誰かが認めたり拒絶したりすることで成り立っているが、それを無視し続けているとある日そうした営みも成り立たなくなってしまうのだと考えさせられた。
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.7

残酷な親子の物語

【時期】レバノン内戦中(35年前)、現代
【出来事】レバノン内戦(1975〜95年)
【原案】ソポクレス『オイディプス王』

本作の展開は衝撃だが、ギリシャ悲劇として有名な物語がベ
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風に立つライオン(2015年製作の映画)

3.4

日本版シュヴァイツァー

【時期】1985〜90年代、2011年
【原作】さだまさしの歌「風に立つライオン」
【人物】柴田紘一郎
【出来事】第二次スーダン内戦(83〜2005年)

人と人との助け合い
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マン・オン・ザ・ムーン(1999年製作の映画)

3.2

地球には早すぎた笑い

【時期】1975〜84年
【人物】エンターテイナー アンディ・カウフマン

本人曰くコメディアンではないとのこと。
「フェリスはある朝突然に」ネタを冒頭から仕掛けてくる。
奇を
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.9

復讐するは我になし

【時期】1823年
【舞台】ミズーリ川支流グランド川付近(現サウスダコタ州パーキンズ郡)→ミズーリ川沿→ミズーリ川支流イエローストーン川付近(現ノースダコタ州・モンタナ州)
【原
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ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.5

潜水艦バトル映画のアップデート

【舞台】ロシア領バレンツ海、ポリャールヌイ海軍基地など
【原作】ドン・キース、ジョージ・ウォレス"Final Bearing" The Hunter Killer S
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ドッペルゲンガー(2002年製作の映画)

3.4

人工人体現わる

人間の分身が欲しいというSFな人間の欲望と登場してしまった実際の分身が織りなすドタバタホラーコメディ

CUREが傑作と思ったのだが、回路→今作と難しいテーマにチャレンジしてよくわか
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.3

コリアンドリーム・イン・アメリカ

韓国系移民の農業における苦労や、家族問題、子供と祖母の交流などが描かれる。

賞を取った時にアメリカ映画扱いにならなくて揉めたらしい。最近のミス日本の問題もしかり、
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

3.7

試される王の器

【時期】推定13世紀頃
【舞台】古代インド マヒシュマティ(現マディヤ・プラデーシュ州付近

伏線回収と大団円というやるべきことをやり切った完結編。
主題歌が思わずバーフバリ!と叫び
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.6

現代インド神話爆誕

【時期】推定13世紀頃
【舞台】古代インド マヒシュマティ(現マディヤ・プラデーシュ州付近)

古代インドを舞台としながら、少年漫画的面白さでインド映画人気に火をつけた作品。
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式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

3.0

トラウマの克服過程

【原作】藤谷文子『逃避夢』

元々一般向けでなく、東京都写真美術館で公開された作品。アングラ感が強い。
庵野監督の初の実写化作品である『ラブ&ポップ』に続き平成を生きる少女の病的
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ビルマの竪琴(1985年製作の映画)

3.6

戦没者への祈り

【時期】1945年7月〜47年頃
【舞台】ビルマ(現ミャンマー) モン州 ムドン
【出来事】
1941〜45年 ビルマの戦い
 1944年 インパール作戦

元々は日本軍が植民地に侵
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.6

特撮を超えた何か

この質感の短編作品Eテレあたりで見たことがある気がするが、ストップモーションアニメとしての技術と労力がすごい。手作りでこれだけ壮大な物語を展開できることにただただ驚く。

ハードS
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ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

3.6

ランボーにお疲れさまと言いたい

【原案】
ディヴィッド・マレル『一人だけの軍隊』

1作目でベトナム戦争から無事帰還しても戦場から解放されない苦しみを描いたにもかかわらず、2作目以降再び戦場に舞い戻
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.7

普通がいいという病

【時期】1938〜43年
【出来事】ファシスト党(1921〜43)
【舞台】イタリア、フランス:パリ,サヴォア
【原作】アルベルト・モラヴィア『孤独な青年』

原題と原作タイトル
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

3.6

MVPはエホバの証人でした

【時期】1955〜1986年
【人物】マーガレット・キーン
【出来事】1964年 ニューヨーク万博

最近原作者の尊厳が議論となっているが、今作では自身の作品を夫が自分の
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回路(2000年製作の映画)

3.6

終わらないお盆が始まる

B級ホラーとして見るにはもったいない。
インターネットが普及し始めたばかりの頃の繋がってはいけないものと繋がってしまった感を見事に深くて壮大な物語に落とし込んでいる。

設定
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.4

スパイにさせられた男

【時期】1960〜64年
【人物】
電気技師 グレヴィル・ウィン
GRU職員 オレグ・ペンコフスキー
【出来事】
1961年10月30日 ツァーリ・ボンバ水爆実験
1962年1
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座頭市物語(1962年製作の映画)

3.4

記念すべき第一作

現代映画に慣れてしまった自分としては退屈に感じてしまった。
1989年公開の座頭市の方が殺陣シーンが多く、演出も進化していて楽しめた。
北野武版はスタイリッシュだがもはや別映画。
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.5

男が老人に生まれ若返る、それだけだ

【原案】スコット・フィッツジェラルド(1922)"The Curious Case of Benjamin Button"
【時期】1918〜98年頃、2005年
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.4

こういう短編がもっとあって良い

【舞台】フランス、オルリー空港

星新一のショートショートを読んでいる時のような気軽さと程よい奥深さのある映画だった。
全編静止画で展開されるが、動の部分を見る側に委
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犬と私の10の約束(2008年製作の映画)

3.6

ツッコミどころはあるが良作

【舞台】函館、旭山動物園

タイトルや序盤から犬と飼主の感動の物語が展開されるのだろうと思いきや、意外と飼う人間の残酷さが描かれていた。
子供の頃はペットを可愛がるが、大
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ガリーボーイ(2018年製作の映画)

3.6

インド産ラップをご存知か?

ラージャマウリ監督の映画が日本を沸かせる中、実在のインドラッパーをモデルにした映画が公開されていた。
バーフバリやRRRはインド人がとりあえず勢いとダンスで苦難を乗り越え
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.6

こういう映画が見たいんだろ?論争

この映画が公開された当時は、マイケル・キートンがまたバットマンをやるとは思わなかっただろう。
役者のキャリアというのは、ある役者の映画を複数本見ていると自然と気にな
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ライオン・キング(2019年製作の映画)

3.6

ナショジオかと思ったらライオンキングでした

アニメ実写化のお手本。
どうしてもアニメ原作のものを現実寄りにしてしまうとフィクションを現実に持ってくる過程で違和感が勝利してしまう。
元々が実在する動物
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

可愛い子には旅(意味深)をさせよ

ただただ圧倒されたが、これほど人に勧めづらい映画もない。間違っても家族団欒の場では見てはいけない映画だ。
アメイジングスパイダーマンのグウェンのイメージでエマ・スト
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グリーン・ゾーン(2010年製作の映画)

3.4

悪魔の証明

【時期】2003年 イラク米英共同統治下
【出来事】
2003〜2011年 イラク戦争
2003年5月1日 任務完了演説

グリーンゾーンとは、イラク戦争で米軍制圧後の米軍管理領域。イラ
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国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

3.4

時代を駆け抜けた1人の韓国人

【時期】1950〜83年、現代
【出来事】
1950〜53年 朝鮮戦争
1955〜75年 ベトナム戦争

フォレスト・ガンプの韓国版。
導入から男はつらいよ的な感じと思
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.6

死なば諸共

前作より話のテンポ感、演出全てがパワーアップ。シュールなギャグが良い小休憩になっていた。
ようやくマーベル映画と差別化できる本格DC映画が出てきた。

場面が変わった時の説明の仕方が最近
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マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

3.6

となりのワシントン

タイトルと内容のイメージが半分合っていて半分違う。以下が正しい気がする。
前半:マイ・ボディガード
後半:燃える男

デンゼル・ワシントンの主演作、イコライザーとフライトを想起し
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.3

サンタの服が赤いわけ

ホームアローンとダイハードを観て育った大人の子どもたちに向けた映画。

サンタが元ヴァイキングという設定は熱かったが、思い描いていたサンタ像と違いすぎて(主に内面が)本物といい
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日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!(2023年製作の映画)

3.6

映像で見る生き物図鑑

地上波で鑑賞。
ダーウィンが来たは大河ドラマの前の時間にやっていて毎週見ている。しかし、動物ドキュメンタリー番組は映画館で見たいは思わない。テレビで見ながらスマホで動物について
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