「キャシャーン」以来の紀里谷和明監督作。世界系終末ファンタジーとでもいうような内容だけど、これは結構好きだわ。やりたいことに尖りすぎて見る人を置いてきぼりにしていた「キャシャーン」に対して、随分と飲>>続きを読む
「X」のサイコ婆さんパール(ミア・ゴス)の若かりし頃を描くホラー。怖さはたいしたことないが、静かに狂っていくパールがなんとも痛々しく哀れ。「X」同様かなり昔風の演出が味があるが、古臭さが勝っていた「>>続きを読む
紛れもなく、オッペンハイマーの伝記なんだけれど、偉人としてよりも非常に人間臭くありのままが描かれていると感じたし、むしろオッペンハイマーと周りの人々を通して当時の時代を描き、それとの比較で現在の社会>>続きを読む
次はいつかな。
意外と早くにサンドワームを乗りこなし、そこからはデヴィッド・リンチ版で描き切れなかったところをしっかりと描いていく。英雄譚はただ運命に従っているだけになりがちなところだけど、ラスト>>続きを読む
格差社会、介護、尊厳死、社会保障など、背景となっているテーマは重いが、作品としてはあまり好きになれなかった。ストーリーは終始想定内で、長澤まさみ演じる検事と松山ケンイチ演じる犯人のパーソナルな話から>>続きを読む
オカルトというより、アクションホラー。怖さより、ケレン味。ポンポンとテンポよく進むストーリーと、ラッセル・クロウ演じる洒落っ気ある神父のキャラが小気味いい。
ロザムンド・パイクをはじめとする登場人物みんなが揃いも揃って曲者。そのなかでも、オリバーを演じるバリー・キオガン無双なわけだけど、風呂の残り湯を啜るシーン、墓での自慰シーン、そしてラストの全裸ダンス>>続きを読む
とにかく生き続けて、桜を何回でも見よう。プロデューサーでもあり、これが遺作となった宝田明自身の終活として、若い世代に伝えたいメッセージということだったのかな。
主演の岩本蓮加は、演技は拙い部分も>>続きを読む
人種差別がエンタメとして消費される風潮を軽妙な語り口で皮肉ったコメディ。図らずも、アカデミー賞授賞式の騒動と過剰な報道が、それを証明してしまった感じだよね。
黒木華の顔芸を堪能した
TVドラマも見てないし、見るつもりもなかったんだけど、レンタルしたDVDについてる予告編でやたらと流れるので、まんまと術中にハマってみてしまった。いかにもTVドラマの映画化>>続きを読む
久々のクローネンバーグ作品はどんなおぞましいものを見せられるかと思っていたら、CGをあまり使わないアナログな特撮が生々しいが、意外とおとなしめ。しかも意外にも、環境問題と人間の進化を絡めた、しっかり>>続きを読む
途中からストーリーも主人公も暴走気味で、これじゃあ確かに止まれないな。青春っちゃあ青春だけど、う〜ん、結局何が言いたかったんだろう?
でも、その暴走気味の主人公役池田朱那の存在感はなかなか。話し>>続きを読む
「ある男」が自分のアイデンティティを消してしまいたい男の話ならば、これは自分のアイデンティティを取り戻したい女の話ってことなのかな。
とにかく杉咲花が圧巻。これまで、杉咲花の演技をすごいと思った>>続きを読む
ロバの視点から、人間社会の滑稽さを描き出すブラックな風刺劇。だけど、やっぱりロバの視点なので、多分に観念的・断片的で、難解というか取り留めないというか...結局よくわからなかった。
これまでのほんわかとした荻上直子作品とは一線を画して、震災やら新興宗教やらの社会と人間のダークサイドに切り込んだヒューマンコメディ。ちょっと吉田恵輔味も感じるけど、脱力させるような音づかいや間合いの取>>続きを読む
CD-ROM時代のゲームかのようなシンプルだけど美しい画のCGアニメ。セリフがないので明確にはわからないが、生と死の狭間の世界を観念的に描いたのかな。一種の異世界ものとも言えるか。
デレク・ツァン監督のオリジナルのインパクトが強かったし、ストーリーを知っているから分が悪いけれど、これは見事なリメイク。
キム・ダミとチョン・ソニのキャスティングが素晴らしい。キム・ダミがミソ役>>続きを読む
やさぐれたサンタが、プレゼントを届けに入った大富豪の家で強盗と鉢合わせして大乱闘を繰り広げる、良い子は見ちゃダメな、血飛沫飛びまくりのクリスマスアクションコメディ。
ツッコミどころは満載だけど、>>続きを読む
不死身の老兵が、金塊を奪ったドイツ兵に復讐する、アクションエンターテイメント。やられてもやられてもめげずに立ち向かう老兵の姿に、なんだか勇気が湧いてくる。リアリティは置いといて、ケレン味重視で畳み掛>>続きを読む
「アデル、ブルーは熱い色」を思い起こさせるショートカットのレア・セドゥ演じるシングルマザーの日常を淡々と描くドラマ。自身の不倫と、難病の父の介護が主に描かれるが、明確な起承転結はなく、ただ時間経過と>>続きを読む
いや、流石にその人数じゃ無理があるでしょ。信(山崎賢人)の成長も描かれはするが、肝心のところは結局勢いだけだしね。邦画の中では群を抜いてスペクタクルな作品であることは認めるが、回を重ねるごとに荒唐無>>続きを読む
出演者がやたらと豪華。映像はオシャレ。でも、話は中身がない。ウェス・アンダーソンはNetflixで配信されている短編ぐらいがちょうどいいな。
不眠症をどう物語に取り入れているんだろうと思ってたけど、話のきっかけだけだったね。でも、青春モノとして普通にいい作品だったと思う。森七菜は、やっぱりこういう子供っぽい感情の動きのある役が合ってるよね>>続きを読む
邦題はなんか大袈裟な感じになっているけど、ホロコーストを生き延びながらも心に傷を負った少女と中年医師の関係を描くパーソナルな作品。当初はお互いに癒しとなる疑似家族的な関係だったのが、少女の成長ととも>>続きを読む
「イカ・ゲーム」のイ・ジョンジェ初監督作はなかなかの力作。韓国ならではの史実を背景にして、見事なエンターテイメントへと昇華させたスパイサスペンス。それぞれに秘めた思いを持つイ・ジョンジェとチョン・ウ>>続きを読む
優し過ぎて言いたいことが言えなくて病んでしまう人が、ぬいぐるみに気持ちを吐露する、現代版「王様の耳はロバの耳」ってところかな(ちょっと違うか)。ペットに話しかけて癒されるのも同じだよね。
テーマ>>続きを読む
その寓話性に富んだ世界観で魅了するヨルゴス・ランティモス監督だけど、その特異な世界観ゆえに話が飲み込みづらかったり、陰湿な雰囲気が重苦しかったりしていた。けれど、本作は時代不詳ながらフランケンシュタ>>続きを読む
雰囲気は同じくポール・シュレイダー監督作「魂のゆくえ」にかなり近い感じ。精神がちょっと壊れかけている主人公が、むりやり自身の過去と向き合わされることになる。その過去が、アメリカの暗部を浮き彫にする。>>続きを読む
「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督の優しいファンタジー。個人的には、本作の方が好き。
娘ネリーと祖母を亡くして悲観に暮れる母マリオンの、母が娘になり娘が母になる時間を超えた不思議な交流と癒し>>続きを読む
人間一筋縄ではいかないというか、ある局面では理性が勝つけど違う局面では感情に流されてしまったり、感情的な人が周りにいると妙に理性的なったり、あるいはその逆だったり。そんなこんなで折り合いをつけなが>>続きを読む
のんの監督デビュー作。コロナ禍で創作の場を奪われた美大生の葛藤を描く。のんの持ち味を活かした淡い色調の緩いコメディだけど、空間を舞うリボンで心情を表しているのがいいアクセント。
山下リオさん、最>>続きを読む
決戦編というだけあって、ほぼほぼバトルシーンだけという印象。とにかく、運命編と合わせて一本の作品にしてほしかった。
でも、一作目はちゃんとタケミチが活躍していたが、本作では見得は切るものの、実質>>続きを読む
作品の出来自体は悪くないが、もうこれは前後編の二作に分けたマーケティングが許せない。前後編90+96分で、振り返りとかを削って上手く編集すれば充分2時間半ぐらいにまとめられるだろう。前後編に分けるに>>続きを読む
LGBTQの作品っていろいろあるけど、レズかゲイが題材のことがほとんどでアセクシャルを扱った作品って、ほとんど見たことない気がする。
本作の主人公はアセクシャルなんだけど、主人公を含めた世の典型>>続きを読む
評判通りの良作。テーマは思いが、演出は決して重過ぎず、身構えなくても見られる絶妙な塩梅に仕上げてある。
正義感あふれるドキュメンタリー監督が、身内のトラブルによってその正義を揺さぶられる。こっち>>続きを読む
これまで幾度となく映像化されてきたミュータント・タートルズは見たことなかったけど、これは面白い。「スパイダーマン:スパイダーバース」以降の系譜に連なる革新的映像表現と、ファンキーでヒップホップな高密>>続きを読む