きゅうでんさんの映画レビュー・感想・評価

きゅうでん

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映画(36)
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TENET テネット(2020年製作の映画)

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珍しくはしゃいじゃって、公開日にIMAXレーザーGTの0時上映回を鑑賞。
初っ端からいつもの低音BGMがお腹に響く。さらに席を揺らすほどの銃撃音。
そしてなんといっても、アス比1:1.43の巨大スクリ
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

5.0

宮崎駿の最高傑作。

私は大学でコンピュータサイエンスを学んでいたとき、四六時中コンピュータのプログラムについて考えている、一見すると二郎のような人たちに囲まれていた。
私の知る限り、彼らは、「AIが
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21世紀の資本(2017年製作の映画)

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経済学者ピケティの有名な著書を原作としたドキュメンタリー映画。
原著と違って定量的なデータや統計はほとんど出てこず、経済格差や行き過ぎた資本主義についての定性的な事実や洞察だけが述べられていく。
映画
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

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この映画、めちゃくちゃずるい。

この映画はハッキリ言って物語が破綻している。
しかし、謎解き映画で謎解きの無意味さを表明しているので、ストーリーラインに関する”真っ当な批判”を全てかわしている。
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ウィッチ(2015年製作の映画)

4.5

話のスジは『ミッドサマー』(主人公の女性が信仰を鞍替えすることで精神を保って生き延びる)で、ホラー要素は『ヘレディタリー』(キリスト教に象徴される普遍的な道徳が侵される恐怖)、さらにそこからギャグ要素>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0

この映画を観終わったとき、この映画が公開される数年前に日本でも大ヒットした書籍『サピエンス全史』を思い出した。
その書籍の前半では、我々ホモ・サピエンスが他の人類種に生存競争で勝利したのは、我々が“虚
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ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

4.0

欲望を捨てて従わなければ襲ってくる「あっち側」「ロボット」「宇宙人」の軍団。
誰がどう見ても、分かりやすすぎるほどに、これらは過度に効率化された資本主義システムの揶揄であり、そこにいるのは画一化された
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アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.5

この主人公、本当に最低の最悪、キモウザである。
こんなに短絡的で無計画な人間、現実では絶対に何があっても関わりたくない。
ところが、この映画では135分ずっと見ていられる。少しでも気を抜くと、魅力的に
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

5.0

個人的オールタイムベストに必ず入れる、大好きな一本。

Jackie Treehorn (なんちゅう名前だ!)という男が電話を手に取り深刻そうな顔でメモ帳に何かを書いている。デュードをさらってこさせた
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はちどり(2018年製作の映画)

4.5

小津を彷彿とさせる窓や扉越しの固定ショット。かと思えば手持ちのクローズアップ。高架下のロングショット。
団地の廊下、母親の割れたかかと、”私たちは死んでも立退かない”。
映画は、一枚の静止画作品の連続
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

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「僕」は不誠実だ。
なにかに執着して嫉妬するようなことはしない。そういう自分を作り出す。ときにわざとらしいくらいに。
これまでもそうやって、傷付かずにのらりくらりと生きてきたのだろう。

「僕」が森口
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.0

私は学生時代、指導教員に「研究者というのは、放っておいても論文を読む。研究を仕事だとは思えない人が強い。」と言われた。
私は、研究者にはなれないと思った。「先行研究を知り、新しい研究をして、論文を書く
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

この映画、異様なまでに深刻に、大仰に、芸術的に撮っているけど、要は
「ペアルックしてるカップルって絶対すぐ別れるよね(笑)」とか
「”仲間の印”付けて喜んでる海賊団しょうもなさすぎだろ(笑)」
みたい
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.5

この映画では、ものごとを良し悪しで判定しない態度が一貫している。
貧困について、ただかわいそうなもの、邪悪なものとして描かない。特に子供から見れば、貧困なんて関係なく世界は輝いている。でも、貧困による
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愛なき森で叫べ(2019年製作の映画)

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自己言及モノが大好きな私にとってはドストライク。
『自殺サークル』『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』などなど、過去の園子温オリジナル脚本の監督作をセルフオマージュしつつ、微妙にずらして
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.5

この映画のキモはやはりキチジローだろう。
彼は観客の心を試す"ロールシャッハ"だ。
彼のことを心底軽蔑できる人は、本当に強い人間だ。そういう人には、たぶん、この映画は必要ない。
だが、そんな人はそう多
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.5

上司から言われたこと、親や先生に教えられたこと、世間の一般常識。
保身と自己正当化。
自分がなんの疑いもなく使っている価値判断の基準は、本当に正しいのか?
誰かを出し抜いてお金を稼ぐ、自分や家族の身を
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.5

これは、時間/空間と人間の関係性を描写することにより、愛、または人間の実存を論じた映画である。

ある物体の構成要素が全て別の要素に変化したとき、その物体は最初の物体と同じであると言えるか。これは、「
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.0

全編16mmフィルムカメラの主観映像の中で、あるシーンだけIMAXカメラで広角で撮られている。そのシーンでアームストロングは、誰もいない、解像度の上がった、映画中初めての広大な世界で、娘の死と対峙する>>続きを読む

エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE(2019年製作の映画)

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ヴィンスギリガンは、ドラマを映画的に撮れるだけではなく、映画そのものを撮れることを証明した。
『ベタコ』が終わったら、2時間の完全新作映画とか作ってくれないかなあ。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.0

監督/脚本/主演のジョン・ファブローが『アイアンマン』などビッグバジェット映画の後に撮った作品であることを思うと、作品の質を超えた感動がある。
こういう個人的な映画にこそ「映画って、いいなあ」と思う瞬
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

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「この作戦が失敗したらおしまいだ!」プレッシャーのなか一人ひとり潰されていく古き良きキャラクターたち。そしてそれらの復活劇。物語自体がシークエル3作品への自己言及なんだと思う。
「スターウォーズ新作の
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母なる証明(2009年製作の映画)

4.0

なんといってもすごいラストシーン。
今見ると、『ジョーカー(2019)』を思い出さずにはいられない。
でも、このお母さんに起きた出来事は、紛うことなき現実なのだ。
この話をエンタメとして成立させられる
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スノーピアサー(2013年製作の映画)

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『パラサイト』の原型のような、構造とテーマの一致からくるエンタメ性が魅力。
ポンジュノ監督のジャンルを超えた不思議な雰囲気は、ディストピア系SFとの相性が抜群!

オクジャ okja(2017年製作の映画)

4.5

便利とモラル。産業と自然。合理性と人間性。複雑に矛盾した世界が、分かりやすくユーモラスに描かれる。
映画終盤、ミジャが資本主義に立ち向かうとき、どんな武器を使うか。その結果、彼女は何を救い、何を救えな
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

映画の「時間的/空間的構造」と「社会的/作家的テーマ」の一致。そこから生まれる奇妙なエンタメ性。そしてそれが2019年という時代に起こったということ。
これが本当に”良い映画”なのは分かる、でも、本当
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