あやかさんの映画レビュー・感想・評価

あやか

あやか

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.3

あー、女辞めたい。そう思わせる世の中は大概こんなもん。

自分の身体のどこもかしこも、子供を産むためにこうであると言わんばかりの、女である私。大きな声、抗えない力、支配する側の男。私は“私”でしかない
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ラストマイル(2024年製作の映画)

4.7

便利というものは、私たちを麻痺させる。

世の中はそう簡単に変わらない。それでも声を上げなきゃ始まるもんも始まらない。

ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)

2.3

原作を読まないと内容が理解できないのに、原作と内容が異なるから置いてけぼりにされる感覚。

軽やかに幻想の世界観を届けてくれる吉本ばななの小説が映像化されると、こんなに色鮮やかになるのね。衣服とか空間
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

-

ぼんやりと霧がかったまま映画が始まり、それは最後まで晴れることはなかった。

少女という蛹の殻をやぶり、女性へと羽化していく5人の姉妹。彼女らに魅せられる5人の男の子。蛹へと押し戻そうとする両親。蛹と
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蛇にピアス(2008年製作の映画)

-

酒、タバコ、セックス、加えて身体加工。理性の効かない奴らばっかりで羨ましかった。分かりやすく溺れてどこまでも沈んでいけるんだから。

痛覚だけが、ぼやけた生に輪郭を与えてくれる。地に足つけて生きている
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空気人形(2009年製作の映画)

-

男のためのご都合主義映画って感じ。ただただARATA期の井浦新がカッコいい。

正欲(2023年製作の映画)

3.8

“分からない”と弾き飛ばす人間に、理解してもらおうなんて思わない。それでも“分かるわけない”と弾き飛ばしたら、私たちはどこまでも独りだ。

生きている中で常々思うのだけど、日本人に足りないのは分かり合
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怒り(2016年製作の映画)

1.0

信じたい気持ちはどこかで現実を追い越してしまう。肥大した“それ”を、僕たちは裏切りと呼んでいる。信じ切ることはどうしたって難しい。

2時間ものあいだ繰り広げられる点でバラバラなバイオレンスは、最後の
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時々、私は考える(2023年製作の映画)

4.5

フランを見ていると、15,6の私を思い出す。
人との関係を上手く築けずに、時間と空間を持て余しては空想に浸っていく。

ほんと、すべてがつまらない。
でもつまらなくさせたのは、誰でもない私だ。

バービー(2023年製作の映画)

4.5

男も女も、ただの記号でしかない。そう世の中に伝えてくれてありがとう。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

-

2時間ものあいだ、ただひたすらに吐き気と闘い続けた。それでも吐けなかったのは、絵画的な映像美がそこにあったからで。一体どんな拷問だよ。ふざけんな。

私に理性を手放す勇気と愚かさを選ぶ度胸さえあれば、
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.7

ときどき思う。生まれた瞬間に、人生の半分は決められているのだと。家柄や親の経済力で縁取られて、私たちはその中を走り回ることしかできないのだと。

でもね。残りの半分は、勝手に自分で塀を積み上げてしまっ
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流浪の月(2022年製作の映画)

5.0

本当はもっと立体的なのに。好きな角度から平面的にしか切り取ってくれない。事実は一つしかないけれど、真実は一つとは限らない。

この作品に出会えてよかった。

言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.8

中身よりも、セリフの一つ一つを噛み締めてしまう。何度噛んでも、味が続いていく。スルメイカみたいな言葉たち。

「雨だ」と呟いて気分が上がるのは、私だけじゃない。そう語りかけてくれる。6月が始まった今日
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.3

中身はさておき、画面の構図と色彩の美しさが際立っている。赤、ターコイズブルー、黄みがかった白で構成されるアンサの部屋は、アクセントとバランスの調和が心地いい。

ふたりでいることの良さは、食卓が鮮やか
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undo(1994年製作の映画)

3.5

縛られるって、心地いい。
でも私たち、どこまでも自由なんだ。

縛られたくなくて、留めておいて欲しくて、縛り切れなくて、解かれてしまう。

「もっと、ちゃんと縛ってよ」

追伸.
固結びみたいな愛だっ
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Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

3.8

観るための場所・映画館で、不思議と目を閉じたくなってしまう。そんな2時間だった。

命を削って紡がれる和音と、息を吸って吐くかのようなメロディーが、共存する世界。

「Ars longa vita b
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きみの瞳(め)が問いかけている(2020年製作の映画)

-

三木監督の描写は、柔らかくて、暖かくて、シーグラスみたいだ。あと作中の曲の入りがとてもいい。

横浜流星のダウナー感が刺さりすぎてしまって、あんまり中身入ってこなかったけど、素敵な作品だった。

コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)

-

書き換えられない過去と、真っさらな白い未来。後悔を糧にして、この先を生きていくしかないんだと思う。

映像が自分好みの美しさだった。ポスターが商業的で、ほんと勿体無い。

ある男(2022年製作の映画)

3.0

人生は上書きできるだろうか。

手触りで確かめられるものを、信じて歩んでいきたい。

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.0

「あなたのことを心から愛しているのは、恋人でも家族でもなくて、私でしょ」

こう言える人間関係を築きたい。

怪物(2023年製作の映画)

5.0

誰の目にも触れない世界は、僕らだけのユートピアだった。

ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.0

回想シーンで、幼少期の黒尾さんを見ながら、悶え死んでいました。

君に届け(2010年製作の映画)

3.5

ひっっさびさに見た。やっぱこの作品を超える少女漫画実写化は、もう出てこないと思う。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

ジブリ史上最高傑作だと、もうこれ以上の作品は生まれないのだと、そう思わずにはいられなかった。
アニメーションの異次元な解像度の高さ、しだいに頭角を表すキャラクターたちの内なる強さ、時間と解釈の余白の美
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

画面構成の仕方、色彩感覚、カットの繋ぎ方。全部においてウェスアンダーソンだ、と思わせる彼は本当に凄い。

死の表現が絵画的なのが、個人的に好き。

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.2

海を求める魚の話が、まるで今の自分のようだった。

生きる喜びを感じる瞬間は、実はちょっとした日常の1コマだったりする。

ヘラクレス(1997年製作の映画)

4.0

ツイステの予習。やっぱディズニー映画はこうあるべきだよ……!




物語がゴスペルで進んでいくのも面白いし、神話を題材にしているのも興味深くて全体的に好き!!