浮気相手を尾行しながらもあちこち視線が逸れていくような物語の求心性のなさ。物語を開始するお約束的な偶然かもしれないが、映画自体はショットの連鎖においてそれ以前に始まっている。楽しい。
花火の前に女の子がいきなり即興ダンスしはじめるシーン、本当にそれそのもののためだけに身体を動かしてて泣ける。晴れた日に散歩するような、ふと過去を思い出すときのような自己目的性。
焦点がズレた花火のシ>>続きを読む
色々と表現全般について考えることが多いのだが、例えばこの作品のなかでは、無機質な機械仕掛け世界のなかに、肉や内臓といった有機的モチーフや、溶けた氷といった液体的なモチーフがほとんど異物のように挿入され>>続きを読む
監督が小津のファンとのことで題材的にも晩春みたいな感じかなと思って観てたらなかなか一筋縄ではいかないラスト。登場人物の内面がハッキリ描かれないので若干ホラーみもある。
解釈が別れるラストとはいえ、こ>>続きを読む
映画への愛を静かに歌いあげるような作品で、冬の日に暖かい部屋で観るにはサイコーだった。
これ観て映画館から出てTwitter開いたら能登半島で地震が起きてるの、完璧な日々が暴力的にバッドエンドを迎えたみたいで最悪。
父と娘についての平凡なファミリードラマに視線の交錯にまつわる異様なドラマがときどき潜りこんでくるようだ。旅館で枕を並べて眠る場面がとてもいい。
旅館のシーンで挿入される壺が何の象徴なのかといったこと>>続きを読む
ナショナリズムと結びついた武士道はなかなかに滑稽だ。花を食うシーンがいい。
列車という舞台を活かしたポップなショットの連続。音楽もヴィジュアルセンスも楽しい。
シンプルで王道な話の割にはそれなりに味わい深いラストでもあるが、テーマ性がハッキリしすぎてるだけ思考に広がりがないとは思う。ぬるっとしたナイフの刺さり方はいい。
他者との交流で意識が発生するという社>>続きを読む
アイデアの詰め込み方、アクションがないのに緊迫感溢れるラストバトルがめちゃくちゃ面白い。
敵役ジャック・ニコルソンだと思ってたんだけど違うのかよ。