喃々さんの映画レビュー・感想・評価

喃々

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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.5

邦画だったらジョーカーが好きなら「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」や「ヒミズ」などを観ればその暴力性、理不尽な世界観、復讐、それに繋がるカタルシスが得られるんじゃないかと思う。
私はジョーカーを観て何
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

3.5

アニメーションの映像美もすごいし、構成の仕方も圧巻だった。でもなんだろう当時テレビアニメ?で観た時の衝撃が薄れているなあと思った。物足りなさを感じてしまい、観たあとの余韻に浸ることもなかった。

メメント(2000年製作の映画)

4.0

この映画は3度目だと思う。でも最後の最後までドキドキしながら観た。
正直フィクションとしてあまり観れずに私はよく忘れるから他人事ではなかった、よくよく考えてこの主人公よりも極端ではないにしても10秒前
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早熟のアイオワ(2008年製作の映画)

4.0

絶望よりも速くかけていかなければならないと悟った少女を描いた作品。恵まれない環境のなか、神様を信じながらも、絶対的な孤独を感じている14歳のアグネスは妹たちを醜悪な大人たちから守りながらも必死に生きて>>続きを読む

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

4.2

サリンジャー好きからしたらたまらない映画だが、世に出た本以上にサリンジャーのことは描かれてなかったので、あくまでもフィクションとしての物語というのは当たり前だが感じた。
書くことについてのこだわりが描
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愛を読むひと(2008年製作の映画)

4.0

最初は卑猥なシーンが多かったので観てる側からして苦手かもしれない、と思ったけど、中盤から最後にかけて徐々に切なさに拍車をかけているようで惹きこまれるように観終わった。
主演の女優の表情がなんともいえな
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

4.0

単純に良作だと思いました。
2人がすれ違う場面は観ていて心が苦しかったが、それはその映画の世界に魅了されているということでサウンドトラックである音楽も背景として素晴らしかった。
所々で語られる言葉も聞
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ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

3.5

ラストの登場人物たちの表情がなにを意味するのか思い描けなかった。彼女らの青春が失われたことだろうか。劇中歌としてフジファブリックが歌われていたのは心に刺さる。志村さんはまだ生きていた。

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.5

娯楽映画としては面白いのだけど、後に残ったのは空白だった。決してこの映画が悪いとは言わない、起承転結もしっかりしてるし、現代的であり、どんでん返しはないにしても楽しめた。ただ残るものがない。それだけの>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.5

バス運転手でもあり詩を書いているパターソンと個性的でアグレッシブなローラの7日間の物語。物語上のパターソンの詩は一体誰が書いたのだろうと調べるとニューヨーク派の詩人、ロン・パジェットだった。とても密度>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.0

3度目だと思う、観たのだ。東京に住んでた頃に2回、そうして故郷に帰ってから1回、観た。情景が相変わらず美しい。万葉集の「雷神の 少し響みて さし曇り雨も降らぬか 君を留めむ」の場面もひとつのキーとして>>続きを読む

パリ、混沌と未来(2019年製作の映画)

2.5

夢と空想と現実が重ね合わさり、交差し、偽物と本物の区別がわからない。主人公はそんな世界で戸惑いながらも懸命にもがく。映像美が綺麗で、それだけでも楽しめるかもしれない。私は観ていて特に感慨を持つことはな>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.5

これは夫婦の離婚から始まる喪失の物語だ。互いに相手を傷つけながら、でも何処かでは相手を愛しているし、尊重している。双方の価値観の違いは誰しもが当たり前のようにあり、それを埋めるのは妥協や違和感を補うそ>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.7

特に可もなく不可もなく、淡々と物語が進んでいった。唯一の救いはセックスシーンがなかったところだろうか。最後にせいちゃんが歌った音楽でこの映画も観てる人も救えたのではないか。はぎおの役を演じたオダギリジ>>続きを読む

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.5

映画の解説にあった、誰もが恋をしたくなる、というのは疑問に思えた。サマーの言いたいこともわかるし、トムの言いたいこともわかる。サマーは結局最後に見つけたものがあったが、トムのやるせなさ、仕事の会議中に>>続きを読む

カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

最後、ここで終わってしまうのか、というエンドロールでの切なさが滲んできた。ここで終わって正解だったのか、それとももっと観たかったように思うのか、私は後者かもしれない、あまりにも虚しさが溢れてきたから。>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.0

最初はただの恋愛映画かな、と思っていたら、中盤辺りから徐々に惹き込まれた。これは、私達はという外部の人間である、テルコと仲原君によるヒューマンドラマだという見方もあると思う。守はどちらかと言えば自分は>>続きを読む

夢売るふたり(2012年製作の映画)

3.0

同監督の前回観た、永い言い訳とどうしても比べてしまって低評価になった。松たか子は顔つきで演ずることが出来るように、監督、スタッフ含めて意識して撮影したのだと思う。松たか子のなんともいえない表情が印象的>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

2.5

正直最初から最後までうんざりだった。強いて言えば、女性の身勝手さのその先の許されるべき行為の在り方を観たかった。でも結局女性は許されずエンドロールが鳴った。俳優も特に注目する点はなかったと思われる。

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.5

寧子演じる趣里の怪演が素晴らしかった。生活という面での両者の危うさ、そうして両者の分かり合えないことの苦痛。一瞬でも分かり合えたら。そう、その一瞬がとても大事でそれだけでは生きていけないけれど、一瞬を>>続きを読む

さよならくちびる(2019年製作の映画)

4.3


門脇麦の可憐さと力強さ、小松菜奈の身勝手な言動でありながら切ない感じが良い。ハルとレオ両者共にアンニュイさを醸し出している。これは音楽家を志す人、音楽を愛する人達による青春群像劇だ。

これはバン
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.0

是枝裕和監督の作品は何作か見たことあるような気がするが、いつも、観ているものの解釈にお任せします、というか、投げやりとは勿論違って、ご自由に御考察してくださいと言った、あとは察しろみたいな半端内心的な>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

5.0

個人的にとても好きな映画だった。これは他者の不在から、死から始まる映画だ。主人公の幸生は小説家である。妬みっぽく、その上感情的になると手が終えない。精神年齢はまだ子どもように感じる。そんな幸生にとって>>続きを読む

Love,サイモン 17歳の告白(2018年製作の映画)

4.0

17歳のサイモンはごく普通の家庭に生まれ、家族には愛され、友達もいる、幸せな青年だ。ただ彼にはひとつの重要な秘密があったーー
学校の掲示板サイトであるひとつの投稿をサイモンは見つける。ブルーという人だ
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ユリゴコロ(2017年製作の映画)

4.5

最後まで期待を裏切らせてくれた物語だった。ユリゴコロがないミサコにとっての運命的な出会いである男。そして山奥のカフェテラスでオーナーであるリョウスケの父の危篤。父の部屋にはユリゴコロと書かれたノートが>>続きを読む

ケンタとジュンとカヨちゃんの国(2009年製作の映画)

4.5


彼らの破壊衝動は何処まで行くのか、そうして何処に辿り着いたのか。
『ぶっ壊してここから抜け出すんだよ』
ケンタとジュンは光る海の先へと行った。カヨちゃんの顔は死んでなかった。生きていた。
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17歳のカルテ(1999年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

精神障害者として私も精神病棟に入院していた頃があるので、私にとってはとても大切な作品。所々の台詞に棘があり、物語が進む度に自分の事のように思えてきて、泥沼に嵌りそうになる。自殺する人は尊い、だが一旦自>>続きを読む