ichitaさんの映画レビュー・感想・評価

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私の20世紀(1989年製作の映画)

4.1

エジソンが発明した電球の灯によって新しい時代が到来した19世紀末のブダペスト。双子の姉妹は運命の悪戯で別々の人生を歩むことになる。

ぶつ切りなストーリーながら、ファンタスティックに描かれる彼女たちの
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コロンバス(2017年製作の映画)

4.0

サーリネンの建築物をじっくり観れただけでも喜ばしき作品なうえに、構図の小津みに痺れ、静かな映像と、ゆっくりと影響し合う二人の様子が染み入る。

次作も楽しみな監督さん。

麗しのサブリナ(1954年製作の映画)

3.6

兄弟で一人の女性を奪い合う30歳差のラブストーリーですよ。でもそこはロマンチック・コメディの傑作と称される要素満載で、軽やかで清々しい。弟デビッドの机上でんぐり返りも軽やかに。

内臓はどうなってるの
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民衆の敵(1978年製作の映画)

3.5

“多数派は間違うのだ”

多数派に身を置いているときには全体が見えていない。信じたいものを信じる愚かで哀れなな民衆。一人闘うことを決意したのはマックィーン演じる医師。それは「民衆の敵」とまで言われてし
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.1

感情表現豊かなレネットとクールなミラベル。
偶然知り合ったふたりの少女の日常の些細な出来事を綴ったオムニバス4作品。

育った環境も性格も違う2人が交わす会話が、まぁこれがフランス的(私感)。お互い意
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フェアウェル(2019年製作の映画)

3.7

猫背の背中に背負った人生の重み。

アメリカと中国それぞれの価値観。狭間で揺れるビリーをオークワフィナが好演していましたね。

そしてラストの「ハッ!」に脱力。

モキシー ~私たちのムーブメント~(2021年製作の映画)

3.7

劇判がエネルギッシュで良かった!

あんなラベリングは嫌だわ。日本の若者もあんな憂き目にあってるの?

スケートボーダーのニコ・ヒラガは鈴木福くん似。

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

4.2

リアリティと緊張感に息をのむ。

ニュース映画などの記録をまったく使わず、数々の証言や記録をもとにすべて再現したのだとか。
8万人のアルジェ市民が協力したという逸話からも、くすぶる怒りを感じますね。
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.0

序盤を忘れていた問題勃発で後半戸惑いましたが、たっぷり見せられた主人公の半生のおかげで、しっかり感情移入できましたね。
終盤、人生の素晴らしさを感じる彼の幸せそうな様子に胸いっぱい。

またクリスマス
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こころに剣士を(2015年製作の映画)

4.1

重く哀しい戦争の傷痕と運命。エストニアを舞台に過度な演出はなく静かに淡々と描かれる実話。
背後に映り込むスターリンの肖像画がその時代の恐怖をこれまた静かに演出する。

子供が苦手な主人公エンデルの心の
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(2007年製作の映画)

3.3

性の目覚めと戸惑いを初々しく演じるはグザヴィエ・ドラン。美しき天才、15歳のデビュー作品。

サイヤ人風爆発ヘアが可愛い。

ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.8

子供の幸せを思ってのホモフォビアってこと?それがPTA全体の意見として影響するってところは違和感あったな。

ジェームス・コーデンが今作でもかわいかった。

とにかく歌い踊る大御所メリル・ストリープの
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.2

“老人専門の精神科医に公判を見てもうべきだな。あの判事には医学的診断が必要だ。”

劇中のこの言葉にブンブンと頷いてしまうほどジュリアス判事には怒り心頭。

政治的みせしめのための裁判に屈することなく
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.0

シーンにピタッとハマる劇判、「銃なら飛びかかれ ナイフなら逃げろ」痺れるセリフ。
「映画を動かす力はキャラクターだ」と語るスコセッシの言葉通り、名優達が演じるキャラクターの魅力が溢れまくっていましたね
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

4.8

カッコいい!
ステージが膨張していく感じ。

極め付けはデカいスーツで登場のデイヴィッド。
能装束をイメージしたらしいですね。どうかしてる。笑。


大根切るみたいに腕をタンタンタン!ってやる振り付け
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ブレッドウィナー/生きのびるために(2017年製作の映画)

4.0

アフガニスタンのカブールが舞台のアニメーション。

タリバン支配下の暮らしはあまりに過酷で理不尽だ。女性は男性を伴っていないと外を歩くこともままならず、物も売ってくれない。
米軍の撤退により再びタリバ
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Resurface: 波に包まれて(2017年製作の映画)

3.8

戦地での過酷な体験によってPTSDをおった退役軍人。「オペレーション・サーフ」という心理療法が心の傷を癒していく様子を追ったドキュメンタリー。

波に乗るという身体的な快感はもちろん、次はいい波に乗り
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

3.6

今村昌平の影響か。漂うエロスにむせ返る。
ぶっきらぼうなセリフが青臭い主人公2人。
「おたんこなす!」
…人生で一度も発したことないな。

若き原田美枝子の豊満な裸体にも驚いたが、市原悦子演じる母親の
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はなしかわって(2011年製作の映画)

4.0

「金がないのか?」
会う人会う人にそう聞かれるジョセフ。

金が無いのに金を貸し、パソコンを修理し、掃除機をかけ、道案内をする強面器用貧乏。あぁ、ジョセフ。

マンハッタンの切り取り方も好み。音楽もも
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野いちご(1957年製作の映画)

4.5

現実と回想と悪夢のなかで描かれるイサク教授の人生。
厭世的に生きるイサクの愛と憎しみの過去を巡るある種のロードムービー。

人付き合いを避けて生きてきた頑固者という登場の仕方で、作品内でも「冷酷で自己
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ラスト・オブ・モヒカン(1992年製作の映画)

3.8

走る走る走る。走るダニエル・デイ=ルイス!

18世紀半ば、英仏植民地戦争に巻き込まれるモヒカン族とヒューロン族。
インディアンの死生観や生き様に痺れる。

そして登場人物達のそれぞれの純愛も胸に迫る
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ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

3.9

夢か現か。
こんな奇怪な映画だったとはね。

眼球舐めのシーンも強烈だけど、それも霞むほどにインパクトある映像の連続。

原田芳雄、大谷直子、大楠道代、藤田敏八の主演4人の個性が最大限の魅力を放ち長尺
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

3.9

造り酒屋の主人小早川万兵衛は昔懇ろになった女性とその娘のところに通い詰める。
家族は面白くない。そりゃそうか。手厳しい長女の態度も意に介さず、御満悦な様子の小早川万兵衛。

「性格やったら何にしてもか
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生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

3.9

小津安二郎サイレント期の代表作。
1932年公開。道は舗装されておらず、車もほとんど走っていない。
子供達の世界は、体の大きなジャイアンタイプの子から小さな子まで一緒につるんで遊ぶ縦割り社会。
都会か
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ローマの休日(1953年製作の映画)

4.5

すごく久しぶりに再鑑賞。
映画の面白さがぎゅっと詰まった王道のラブコメであり、切なさが深い余韻を残す傑作。ま、今更何も言うことないですね。

軽蔑(1963年製作の映画)

3.2

全裸で寝そべるブリジット・バルドー(B.B.)の美しさ。カプリ島の青い海にマラパルテ邸のテラコッタレッドが映える。
その美しさと同時に描かれる映画作りの現場のままならなさ、そこから波及する夫婦の不破。
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美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

4.2

オーストラリアの原野で、父親突然のご乱心。
その状況でも冷静な姉と、その状況でも無邪気な弟の2人は徒歩で家路へ。
そこで出会ったアボリジニの少年。少年は民族の風習で1年間の一人旅の途中だった。
言葉は
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ステップ(2020年製作の映画)

3.7

お父さん、よく頑張ってた。
娘もよく育って、、、と目を細めてしまう。

山田孝之の等身大の父親も違和感なく、子役、脇役、カメオまで、ガッチリ手堅いキャスト陣。

ナレーションのせいかな、テレビドラマっ
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未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

3.8

進化してるんだか退化してるんだかわからなくなる不思議な未来感。
何もかもずっと不思議。
秩序ある世の中を目指すとがんじがらめになっていく。そして逃げ場を無くした魂は翼をつけ妄想の世界を浮遊する。
ラス
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ブルース・ブラザース エクステンデッド版(1980年製作の映画)

3.9

借りて気づいた、エクステンデッド版。
劇場公開版を観てないので15分足されたところはわかりません。

凄いですね、破壊。歌って踊って破壊。
カーチェイスも大迫力。
豪華キャストの中でもアレサ・フランク
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第七の封印(1956年製作の映画)

3.9

ペストの流行によって終末的世相を呈する中世。
十字軍の遠征に失敗した騎士は、そんな世の中を彷徨い、神に答えを求める。

神は黙して語らず姿も見えないのに、死神はちょくちょく現れてチェスにも応じる。木も
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ナイロビの蜂(2005年製作の映画)

4.0

アフリカの現実と見捨てられる命がずっしりと重い。

製薬会社、治験、陰謀、癒着。

ワクチン開発、待たれる新薬。
こんな時期ですからね、特にゾッとしますね。

レイチェル・ワイズが美しくも強い信念の女
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突入せよ!「あさま山荘」事件(2002年製作の映画)

3.3

「あさま山荘事件」を警察側からのみ描いた肩透かし作品。

最終的に連行される場面で永田洋子っぽい人物さえいないという、とことん連合赤軍サイドのことを切った潔さ、と取れなくもない。
(永田は先に逮捕され
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影武者(1980年製作の映画)

3.8

いきなりのそっくりスリーショットにグッと引き込まれる。

武田信玄、影武者、影武者が武田になりきるときと本人に戻ったとき、それぞれ纏う空気感さえ変わる仲代達也の一人二役の凄み。

姫路城に熊本城、壮大
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7月4日に生まれて(1989年製作の映画)

3.7

今日は8月4日ですけど。
もう30年以上前の映画なんですね。
同じくオリバー・ストーンの『プラトーン』は一度観てますがあまり覚えていない。こちらは初めて観ました。
もう一つの傷ついたアメリカ。

愛国
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八月の鯨(1987年製作の映画)

3.8

8月ですね。8月と言えばこの映画。
二十歳そこそこの頃に一度観てこの度再鑑賞。
歳を重ねてなおの感銘を期待していたが、若い頃の方が深く沁みた気がする。何故。
老いに対する恐れのようなものを感じてしまっ
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