いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 27ページ目

いち麦

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バトルヒート(2015年製作の映画)

3.0

人身売買組織とそのボスに死闘を繰り広げる米国とタイの刑事二人のタッグ。長身D.ラングレンとは対照的に軽やかなムエタイ・アクションを披露する優しい面立ちのトニー・ジャーが大健闘。二人の絡んでいく過程も>>続きを読む

人生スイッチ(2014年製作の映画)

3.0

強烈パンチの利いたオチはなく下品な搭載ネタで笑わせる方のアルモドバル製…長短織り交ぜた6話。どれも下品でそこそこ楽しめた。#3『エンスト』爆笑。#4『ヒーローになるために』爽快。#2『おもてなし』が>>続きを読む

東京無国籍少女(2015年製作の映画)

4.0

カメラワークといい台詞回しといい相変わらず監督が本当はアニメで作りたいモノを実写で作っている印象が拭えない。ただ2つの世界の構造で惑わす狙いは上手く成功していて初めは統合失調症的世界観かと騙されそう>>続きを読む

犬どろぼう完全計画(2014年製作の映画)

4.0

子供の視点に立った児童書の様な淡さと韓国映画らしいドラマの濃さ。泥棒計画はあくまで話の牽引役でその奥に見えてくる家族の物語に幼い合理化した捉え方から脱皮して真実を見据える少女への成長が窺われ引き込ま>>続きを読む

奪還者(2014年製作の映画)

5.0

訳ありの愛車奪還に執着し続けるエリックの渋みをどこまでも寡黙にG.ピアースが滲ませる一方、兄に見捨てられた弟レイの憂いをR.パティンソンが狂おしい位に醸す…彼がたまらなく良い。この作品一番の魅力にな>>続きを読む

奇跡の2000マイル(2013年製作の映画)

5.0

砂漠徒歩横断の旅の長さと過酷さをそのまま感じた。他者を拒絶したい心情と相反する激しい人恋しさ。ワイルドな旅に憧れを募らせながら最後まで見入った。カメラマンを通して描かれるナショジオのスタンスも興味深>>続きを読む

チャップリンからの贈りもの(2014年製作の映画)

5.0

墓泥棒の話が愛すべき男二人の友情の物語へと昇華。チャップリン愛に満ちた演出で最後はじわっと胸に込み上げてきた。特にP.コヨーテ演じる強烈な秘書が物語を甘く流さぬ様しっかりと締める辺りも抜かりない。>>続きを読む

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

4.0

奇跡のライブ映像完成。熱唱13曲〜舞台なき教会内での2日間ライブの模様に興味が尽きぬ。夫々が思いのまま刻むハンド・クラップのリズム、父親が語る様子、客席にミック・ジャガーの姿も。何といっても“アメイ>>続きを読む

ストレイ・ドッグ(2018年製作の映画)

5.0

過去の潜入捜査時に起きた事件への悔恨に苛まれ続けた女性刑事の経緯が、断片化された場面によりパズルを組む様に描かれていて引き込まれた。自業自得でも哀し過ぎる。様々な伏線がさり気なく映像によって解かれて>>続きを読む

パージ(2013年製作の映画)

3.0

スリリングで最後まで興奮。法治国家が野蛮なルールを敷くという設定である以上、説得力ある理由とその反論、是非をどう描くのかが見たい。前編はクライム・サスペンスに雪崩れ込み、家族をモラルの程度で裁いただ>>続きを読む

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

5.0

3D吹替。そのまま人間肯定感に通じる“悲しみ”の大切さに深く共感。感情と記憶、思考や決断、人格形成など脳内の精神活動を見事に映像化すると同時に感動的な物語まで紡ぎ出し素晴らしい。“声優”大竹しのぶも>>続きを読む

南の島のラブソング(2015年製作の映画)

2.5

3D吹替。色気のない原題だがこれは邦題にも正しく織り込んで欲しかった。歌もキャラデザインもハワイのイメージ…プレートテクトニクスとホットスポットをディズニーがアニメにするとこんな作品になるのかとニン>>続きを読む

昔々、アナトリアで(2011年製作の映画)

3.0

容疑者らと共に様々なプロが同行し謎に包まれた事件の真相を追う道中。周囲の会話や雄大な草原の景観が異色の味わい。最後の最後まで人間の胡散臭さを漂わす。草原以外でも中央に黄金色を配する統一感ある映像が美>>続きを読む

ゾンビーバー(2014年製作の映画)

4.0

おバカな男女6人に噛みつく化け物…B級臭漂うノリとテンポが抜群。C.ベンダー&J.C.スピンク制作の愛すべきホラー・コメディ。狙い通りのOp曲と主題歌は出色の出来。エンドクレジット後のシーンまでネタ>>続きを読む

飛べないコトリとメリーゴーランド(2015年製作の映画)

2.0

社会人になってコトリが別人のように変わってしまうのが悲しい。チャラン・ポ・ランタンの曲ありきの物語にしても魅力薄い。現実の厳しさから逃避して入る幻想の世界が映像的にインパクト弱いのも残念。

バケモノの子(2015年製作の映画)

4.0

不完全な師弟が化け物界の跡目争いで一体となることで次第に成長していく。“子”を思う尊い“父”の愛は“子”により育くまれていた。青年期の心が求めるサポートを描く力強い物語だった。3D映像の様な悠大な山>>続きを読む

アリのままでいたい(2015年製作の映画)

3.0

昆虫写真家の栗林慧が撮影総監督を務めた子供向け昆虫ドキュメンタリー。カブトムシで惹くがメインはカマキリの一生。アリの目カメラが捉えたアップはかなりグロい。ただし取り上げた生態はマニア度低く昆虫初心者>>続きを読む

イニシエーション・ラブ(2015年製作の映画)

5.0

さすがにこの作品のオチは漏れ知っていたがいやいや劇場で大笑いさせて貰ったよ。80’s図鑑イイね。歌もアイテムも懐かしさいっぱい。A面からB面へリバースする時の演出…転調感が最高。

ボヴァリー夫人とパン屋(2014年製作の映画)

5.0

恋愛は小説よりも凡なり…事実は小説よりも奇なり。パン屋の爺が密かに愛読小説をダブらせながら覗く近隣の若妻不倫の顛末。英国人に対する仏国人の過剰な意識もあちこちに窺われ愉快。ラストで一気に悲喜劇の気分>>続きを読む

林檎と少年(2014年製作の映画)

3.0

TIL&GFF。焦点台湾その3。男性美術教師と男子学生の友だち同士のような関係には違和感。だが自分がゲイであることに気づいていく過程と自分に好意を抱いてくれていた人たちからの距離感が切ない。林檎のよ>>続きを読む

北極で結婚式を(2013年製作の映画)

2.0

TIL&GFF。焦点台湾その2。娘がLであると知った母親の混乱とそれを乗り越えていく姿を台湾映画独特の緩いコメディ・タッチで描く。そこそこ笑えたが性描写も乏しくLGBT映画じゃ良くあるテーマなのでも>>続きを読む

誰が為に生きて(2014年製作の映画)

2.0

TIL&GFF。焦点台湾その1。偽りの結婚を巡る同性愛者たち男女のドロドロとした愛憎劇をスタイリッシュに見せようとした作品か。オチまでをどのように運ぶか、短編だからこそプロットが大切になると思うのだ>>続きを読む

クセニア(2014年製作の映画)

4.0

TIL&GFF。兄弟二人が2つの切ない希望を抱きギリシャのテッサロニキを目指して旅をする。シリアスな物語をコメディタッチの軽い味付けで心地よく見せてくれる人間ドラマだがクライマックスの緊張感は侮れぬ>>続きを読む

ハンパな私じゃダメかしら?(2014年製作の映画)

4.0

TIL&GFF。Lのシリーンが経験した、大きな失恋に至るまでとそこからの奮闘。イラン系の淡麗な面立ちと気さくでオープンな、直ぐ気持ちが表情に現れてしまう彼女の魅力がそのまま作品の魅力になっていた。>>続きを読む

夜間飛行(2014年製作の映画)

5.0

TIL&GFF。Gではないギウンが自分への一途な思いをぶつけ続けるヨンジュを受け入れ共鳴していく。言葉は極めて少ないのにその心の変容と訳…何もかも伝わってきて泣けた。韓国映画ならではの描写力優れた人>>続きを読む

Eat with Me(2014年製作の映画)

3.0

TIL&GFF。なかなかステディな関係が築けない息子に母親の変わろうと思う愛が手料理を通して伝わった?笑いの要素もあり柔らかい。でもあの料理で八方円満はちょっと出来過ぎ。ジョージ・タケイが本人役で出>>続きを読む

ザ・サークル(2014年製作の映画)

3.0

TIL&GFF。ゲイ雑誌『ザ・サークル』の出版活動とその編集部に加わった教師エルンストと美青年ロビーの回顧ドラマ。二人の恋やスイス政府による同性愛者迫害・組織弾圧、家族の様々な反応。廃刊の経緯が呆気>>続きを読む

ボーイ・ミーツ・ガール(2014年製作の映画)

5.0

TIL&GFF。トランスジェンダーの戸惑う恋愛感情に真正面からフォーカス…かなり混乱した。こんなにも苦しい心の世界を擬似体験でき胸がいっぱいになった。“彼女”の魅力も終盤の心揺さぶる演出も素晴らしい>>続きを読む

サイの季節(2012年製作の映画)

3.0

イスラム社会の世界観と変遷が入り組んだ男女の三角関係を紡ぐ。愛憎の果て行き着く終着点まで…壮大な映像美と暗喩的表現、音や台詞による説明に代わり要所要所に挿入された詩が映像を刺し貫く様。新鮮で不思議な>>続きを読む

アフリカの女王(1951年製作の映画)

3.0

新・午前十時の映画祭。粗野だが優しく陽気なチャーリーと生真面目で大胆なローズの意外なコンビが面白い。流れに揉まれながらも思いがけぬ岸に辿り着く運命的な川下り道中。アフリカの大自然の景観も目を楽しませ>>続きを読む

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)

5.0

幸運を授ける祭事が女人禁制である宗教的慣習の理不尽さを題材に、女性差別の世を痛烈に批判するシリアスなドラマへと展開。本音を吐き付ける男達の何とも横暴な姿よ。心地よい着地、私情諸共に食い付き離さぬ女性>>続きを読む

グリーンランドー地球最後の2日間ー(2020年製作の映画)

3.0

地球を掠める彗星やその欠片の軌跡が美しい。壮絶な隕石落下の臨場感も。選ばれし者だけが行ける米国政府シェルター…身内だけ助かれば良いという利己的な家族の行動は到底受け入れ難く、周囲の登場人物の行動や心>>続きを読む

踊るアイラブユー♪(2014年製作の映画)

4.0

姉妹愛にホロリ。ラブストーリーの王道らしい“普通じゃこうは行かない”感がイイ。マディ姉を演じたアナベル・スコーリーの靨とさり気ない表情がチャーミング。むしろマディ&ダグを物語のメインにして欲しかった>>続きを読む

ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年製作の映画)

5.0

2D字幕。キャメロン版ターミネーター・シリーズを上書きする続編の色濃いリブート。T1&T2は是非とも事前に見ておきたい。タイムトラベルものに付いて回る多くの約束事を掠める奇抜な展開が爽快。予告を見た>>続きを読む

ルック・オブ・サイレンス(2014年製作の映画)

3.0

言わば“アクト・オブ・キリング”が産み落とした作品で一層ストレートなアプローチに拍手。兄の殺された状況に迫る弟。余りに生々しい詳細とそれを語る加害者側の論理は恐く心理は醜い。含蓄あるタイトルは見事。

劇場版 進撃の巨人 後編 自由の翼(2015年製作の映画)

4.0

人間捕食のグロさや死闘の激しさが強かった前編のカラーやや弱め。その分新登場キャラの謎でビンビン引っ張られる。やはり生き物系は多型で挙がるなぁ。この続きも早く見たい。公開近い実写版も楽しみ。