いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

いち麦

いち麦

映画(6120)
ドラマ(0)
アニメ(0)

フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

5.0

リゾート気分をも味わせてくれるゲレンデとホテル。雄大な大自然を背景に普段起こりそうだが起こらないハプニングが最後まで起こり続ける妙。定点撮影も取り入れたクールでネチっこく嫌らしい人間観察がイイ。
>>続きを読む

映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~(2015年製作の映画)

4.0

台詞がなく小さな子供でも十分楽しめるアニメ。動物キャラが人間の様な動き方をするときと動物本来の動き方をするときが混在し愛嬌たっぷり。羊カウントの催眠術が輸入済みで良かったワ。

ライアンの娘(1970年製作の映画)

5.0

新・午前十時の映画祭。若妻の不倫話に愛と肉欲の対比や英軍の手中に収まっていくアイルランドの情勢が暗喩の如く巧みに織り込まれていて唸らされる。途中5分の休憩を挟んだ195分。実に見応えのある長編作品だ>>続きを読む

きみはいい子(2014年製作の映画)

3.0

今ドキの学校や家庭の異様な現実とその中でもがき苦しむ個人の姿が淡々と描き出され興味深かった。大らかな気持ちを持てる人間の存在感は大きい。素人目にもダメダメな新任先生っぷりだったがラストには延びしろを>>続きを読む

チャイルド44 森に消えた子供たち(2015年製作の映画)

5.0

真相を追うMGB捜査官自身がより一層大きな権力から追い詰められていく…この不条理な構図がミステリーより際立つ。レオの背景がドラマへ繋がるうねり。スターリン政権下の奇異な情勢も興味深かった。
T.ハ
>>続きを読む

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015年製作の映画)

5.0

2D字幕。予告からイメージした流れとは違う物語に良い意味で期待を裏切られた。ウルトロンの起動までが凝っていて面白い。自己を振り返るヒーローたちも際立っていて奮起に一層力が籠もった。

3D字幕+ドル
>>続きを読む

ハッピーエンドが書けるまで(2012年製作の映画)

5.0

父も娘も息子も文才に恵まれ母も娘も綺麗だし父もモテてあまり憐れむ気にはなれぬ崩壊家族(笑)。軽快な会話はユーモアに富む。オーソドックスながら娘にとって転機となる人物や出来事は抜かりなく好感度大。

悪党に粛清を(2014年製作の映画)

5.0

分かりやすく感情移入しやすいオーソドックスな西部劇。美しく惹きつける景観や凝った構図のショット、それに厚く丁寧な仕上がりの劇伴で見事、大画面大音量の似合う現代のエンターテイメント作品になっていて素晴>>続きを読む

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分(2013年製作の映画)

4.0

方々同時に何とか乗り切ろうという如何にも男らしいエゴ丸出し。複数の人間との通話に独白も交えた一人芝居が広がりある人間ドラマを作れる意外性。ドライブシーンだけ写す映像も凝っていて飽きない。

雪の轍(2014年製作の映画)

5.0

対話による鋭い人間描写…その用意周到さ容赦なさは如何にも文学的だが人物表情や舞台となるカッパドキアの景観が映像の魅力もしっかりと盛っている。初老アイドゥンの嫌らしい性格とそれに抵抗する若き妻のニハル>>続きを読む

バトルフィールド(2015年製作の映画)

3.0

ノルマン・コンクエストを背景にしたシンプルな復讐劇。放浪者シャドウ・ウォーカーは戦闘アクション控え目になかなか狡猾な戦いを見せ終盤それなりに展開もあり。モノクローム調に淡くブロンズ色を残した映像が渋>>続きを読む

ラブ&ピース(2015年製作の映画)

2.0

破天荒なファンタジー…意表突くカメの造形と声の狙いは分かるが一寸…。長谷川博己のあの珍妙演技で何とか引っ張っている。ラブストーリー寄りには寺島のキャラクターにも深入りして欲しかった。決定打となる魅力>>続きを読む

夫婦の危機(2006年製作の映画)

2.0

Viva!イタリアVol.2。原題『カイマン(ワニ)』は作品内に登場する映画にもなっている。家庭や夫婦の間の微妙な空気を会話で醸す一方、悪名高きベルルスコーニを辛辣に叩く。残念ながらコメディ要素には>>続きを読む

フェデリコという不思議な存在(2013年製作の映画)

5.0

Viva!イタリアVol.2。風刺雑誌の編集室で挿絵を描いていた頃からを再現ドラマの形で綴った半生。E.スコーラとの深い関係。コミカルな演出が色々なところに顔を覗かせ全く飽きぬドキュメンタリー。
>>続きを読む

ただひとりの父親(2008年製作の映画)

5.0

Viva!イタリアVol.2。カルロの傷心は亡き妻との事情で複雑。だがそれを癒やし娘の大切さと人を愛する素晴らしさにもう一度気づかせてくれた存在はかけがえない。笑いもしっかり押さえた良質の人間ドラマ>>続きを読む

禁じられた歌声(2014年製作の映画)

4.0

(フランス映画祭) 映画祭公開時「ティンブクトゥ」 歌や踊りを愛する優しい民とイスラム過激派。どちら側も同じ神の名を口にするのが何とも不条理で腹立たしくさえあった。乏しい砂漠で慈悲無き弾圧を受ける悲>>続きを読む

夜、アルベルティーヌ(2014年製作の映画)

3.0

フランス映画祭。出逢う筈ない男女が交差し始まった悲運の恋愛話。激しく熱情的なアルベルティーヌと冷血なジュリアン…二人の対照性際立たせるキャスティング。抑制の効いた描写とモノクロームの世界は自伝的原作>>続きを読む

最高の花婿/ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲(2014年製作の映画)

3.0

フランス映画祭。宗教や人種の違いからくる差別や偏見をネタにしたギリギリのコメディ。結局は愛し合う若い二人のおめでたい話だという安心感が救い。仏国ヒットの笑いを同じ様に堪能できたかと言われれば微妙。

エール!(2014年製作の映画)

4.0

フランス映画祭2015にて鑑賞。自分以外は父も母も弟も聾唖者…家族を守り家族に愛されて生きることしか考えられなかった娘が自分の可能性に気づき新たな世界へと踏み出していく。手話コミュニケーションと叙情>>続きを読む

アイス・ロード(2021年製作の映画)

5.0

氷上輸送の過酷さだけじゃなく次々に襲い来る容赦ない奸計とも闘い続けるドライバー組、閉じ込められた坑夫らのアクション&サバイバルサスペンス。兄弟愛のドラマも織り込まれ熱い物語に。L.ニースンのガッツが>>続きを読む

レフト・ビハインド(2014年製作の映画)

3.0

Opからコッテリした人間ドラマで存分に引っ張っておきながらパニック発生からは一転ホラー調の演出まで飛び出し一体どこに着地するのかと思ったら。B級並みの終盤展開と顰蹙なこのオチ。伏線通り嫌な予感的中(>>続きを読む

アリスのままで(2014年製作の映画)

4.0

病気を知って彼女が真っ先に失う恐怖を感じたものが如何にも研究者らしい。夫婦ともに学者という家族らしい反応。進行の速い若年性アルツハイマー病には現代のテクノロジーをもってしても生活の質減退に抗い難く悲>>続きを読む

モンタナ 最後のカウボーイ(2009年製作の映画)

3.0

羊の無垢で無防備な姿と育舎での世話や放牧、山脈縦走などカウボーイたちの苦労。交わされるユーモラスな会話や疲労困憊ぶりが窺われる独り言などが自然な姿や心情を表す。人間と家畜との、今は無き厳粛な関係。

ニューヨーク ジャンクヤード(2010年製作の映画)

3.0

NYマンハッタン東、開発から取り残されたウィレッツ・ポイント地区。零細スクラップ業者の密集する一帯、中南米系の人々の活気を映す。獣が獲物をバラす様な解体作業など異彩放つ映像も。貴重な映像記録。

ピクニック(1936年製作の映画)

3.0

デジタル・リマスター版。女心を描いた人生ドラマをぎゅっと圧縮した様な短編…日常から抜け出したアバンチュールとその記憶。頬を伝う涙と雨が殆どを物語る威力。対照的な男共2組も川面を滑るボートの勢いも良い>>続きを読む

ギターマダガスカル(2015年製作の映画)

3.0

四角い箱型胴部の2弦3弦ギターが刻む力強いアップテンポの3連リズム。バッタの歌? 赤煉瓦色の土、セブ牛、タクシーブルース、カラフルなシャツ、葬儀の様子…と文化も惹く。各旅の輪郭がぼやけているのは一寸>>続きを読む

虎影(2015年製作の映画)

3.0

“仮面の忍者 赤影”を彷彿させる昔懐かしいTVのヒーロー・ドラマのテイストに下ネタギャグを混ぜた下らなさが楽しい。話には突っ込みどころ満載だが彼方此方に凝った作り込みがあって好感度大。結構笑えた。続>>続きを読む

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

3.0

シュールで冷たい感触のSFだった。所々に受け入れ難く引っ掛かる部分もあるしメインの展開にそれ程斬新さは感じないが良い映像シーンが幾つもあった。また実写での難しさをアニメでカバーする演出が説得力あり独>>続きを読む

皇帝のために(2014年製作の映画)

3.0

刃物連続刺しが過剰なまでの音響で光る。裏切りの渦巻く展開の中、ファンとサンハの絆と深い因縁にBLにも似た匂いを嗅ぐ。イ・ミンギの無表情が薄幸な背景に重なる一方、パク・ソンウンのルックスが一寸優しい印>>続きを読む

約束の地(2014年製作の映画)

3.0

絆の分解と再結合を想起させるテーマを大胆かつダイナミックな場面転換で表現か。娘が父親の前から先細るように次第に形跡をなくしていく過程と父親が彷徨するパタゴニアの景観が次第に厳しくなっていく過程…2つ>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

3D字幕 DOLBY-ATMOS版を鑑賞。過去のトラウマに苦しみつつもやがて己のアイデンティティに再度目覚めるマックスの姿に揚がる。シリーズ最新作品ながら漂う一種のリブート感に酔う。特にコスチューム>>続きを読む

アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生(2014年製作の映画)

3.0

ファッションは芸術とも通じるところがあり彼女たちがオシャレの作り方に夫々一言あってなかなか面白い。人生を謳歌する姿だけではなく老いと戦う現実もきちんと織り込んであり好印象。

グローリー/明日への行進(2014年製作の映画)

5.0

非暴力運動の困難さ。差別や偏見に立ち向かうことは人間誰もが持つ良心の闘いなのだとつくづく実感。大統領に毅然と要求する強い姿の裏側で、キング牧師の見せる迷い悩み挫けそうになる人間らしい姿が胸を打つ。

ターナー、光に愛を求めて(2014年製作の映画)

3.0

世間の酷評を受け斜に構えた物腰…T.スポールの味濃いターナー像。作品の仕上げをする画家の集う展覧会前の様子が興味深かった。ブース夫人と家政婦ハンナ…女性二人の半生にも思い巡らせるドラマもさり気ない。>>続きを読む

極道大戦争(2015年製作の映画)

1.0

堅気な人間がそのままヤクザになったら…という発想は愉快。寄生体対宿主バランスを考えるバカバカしさもイイんだが。極道の捉え方が浅薄過ぎ。条件反射的に殴り蹴り合う武闘アクションも過剰な音響共々単調で次第>>続きを読む

20歳よ、もう一度(2015年製作の映画)

4.0

心にビンビン響く演出とシム・ウンギョンの演技でやはり韓国版オリジナル“怪しい彼女”に分があるとは思う。だがこちら中国版リメイクもヤン・ズーシャンの可愛さ軽さとチェン・ボーリンのムサく濃いマスクは捨て>>続きを読む