けんいちさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

けんいち

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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.5

前半は、子供達による氷上の『shall we ダンス?』。

それが後半になると意外な展開に。

作り手としては色々伝えたいことがあるのだろうが、私はこの“転調”を大いに楽しんだ。

雪の北海道の遠景
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ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

5.0

皆の本音を描いている

あくまで1人の青年がアイデンティティを確立するまでに焦点を当てている

言葉にならない感情をサイレントで表現している点が秀逸

それぞれの時代の空気を上手く再現できていた

ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

4.0

『オズの魔法使い』の前日譚。

往年のディズニー映画を観ているような“健全な”明るさ。

実写かCGか区別がつかない程の映像美は眼福で、歌やダンスも申し分なし。

ただ、肝心な場面で展開の根拠に乏しい
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

5.0

若き日のボブ・ディランを描いた伝記ドラマ。

人物紹介をエピソードと共に手際良く行う導入が秀逸。

話はテンポ良く進め、歌はジックリ聴かせる。

明確な悪役を作らず、終始優しい眼差しで見つめる演出。
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タンポポ(1985年製作の映画)

5.0

さびれたラーメン屋を街一番の店にする話。

テレビ放送やDVDでは何度も見ているが、劇場での鑑賞はおそらく今回が初めて。

ストーリー展開と共に語られる食の蘊蓄。

主軸とは直接関係の無いサブストーリ
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ブルータリスト(2024年製作の映画)

5.0

ホロコーストを生き延びてアメリカへ渡った建築家の半生。

『生きるとは?』を重厚に描いた歴史ドラマ。

構図、音楽の使い方が極めて秀逸。

建築に込められた意味が明かされる終盤と、ファーストショットと
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ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.0

若きストリップダンサーの生き様を描く。

前半は、体当たりの演技と編集によるテンポの良さを堪能。

予想とは違ったが、終盤にかけての本音のぶつけ合いも迫力があって楽しめた。

加えて、ずっと強がる姿勢
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ドライブ・イン・マンハッタン(2023年製作の映画)

4.5

タクシードライバーと女性客の会話劇。

キャスティングが全てと言っても過言ではない作品。

ワンシチュエーションでも退屈せず、下衆い会話でも嫌悪感を抱かないのは、全てこのおかげだと思う。
(車内の構図
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聖なるイチジクの種(2024年製作の映画)

5.0

家の中で消えた銃を巡るサスペンススリラー。

スマホで撮った実際の暴力映像の挿入をはじめ、あらゆるジャンルを統括したような内容と、斜め上をいく展開、そしてスゴい終わり方笑。

それでいて、キチンと万国
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ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー(2022年製作の映画)

4.0

映画における「男性のまなざし」に触れたドキュメンタリー。

待遇だけでなく、撮られ方でも性差があるという指摘は、まさに女性ならではの視点。

既存の作品を例にした説明は、確かに説得力がある。

そうい
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クイーン・オブ・ダイヤモンド(1991年製作の映画)

3.5

カジノのディーラーとして働く女性の日常を描く。

退屈な日々を、退屈なままに撮ったという印象。

断片的に切り取ったようなストーリー進行、意味不明なカメラワーク。

仁王立ちしている人を、後ろから長回
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マグダレーナ・ヴィラガ(1986年製作の映画)

3.5

殺人の容疑をかけられて逮捕された娼婦の話。

演技も演出も、何から何まで淡白。

ただ、時折カメラ目線で行われる独白は、抽象的なセリフと共に印象に残る。

時系列を素直にしたバージョンを観てみたい気も
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怪獣ヤロウ!(2024年製作の映画)

4.5

ご当地映画の製作を命じられた怪獣映画好きの地方公務員の話。

各俳優の個性が活かされたキャスティングが良く、本作自体が“ご当地映画”になっていく展開も面白い。

オチも意外性があり、「行政だけに頼らず
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ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

4.0

“補習”のために学校に呼び出された5人の高校生の話。

名前は知っていたけれど、今回が初見。

思っていたのとは大分違ったが、若者の苦悩というものを、当時の雰囲気そのままに伝えているという印象。

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愛を耕すひと(2023年製作の映画)

5.0

デンマーク開拓史の英雄を描いた歴史ドラマ。

まさに【正攻法】という表現が似つかわしい映画。

シンプルな話だが、分かりやすいキャラクターと確かな演技、そして堅実な演出。

特筆すべき点は無くとも、非
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セプテンバー5(2024年製作の映画)

5.0

ミュンヘン五輪でのテロ事件を、テレビクルーの視点で描く。

オリンピック会場と放送局との位置関係、ならびに当時のドイツの社会的背景を簡潔に示した導入部が秀逸。

敢えて伝聞のみで事件の状況を語り、我々
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キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2025年製作の映画)

4.0

シリーズ第4弾は、新たなキャプテンアメリカの話。

キャップと大統領以外、「アンタ、誰?」と思うことの連続。
(リヴ・タイラーは辛うじて覚えていた笑)

それ故か、話にもイマイチ入り込めず。

アクシ
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

3.0

タイムトラベルで夫の死を阻止しようとする妻の話。

BTTF?世にも奇妙な物語?

セリフはウィットに富んでいるし、“結ばれるまでが楽しい”という恋愛の本質を見事に突いてもいる。

ただ、話が絶望的に
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ハイパーボリア人(2024年製作の映画)

3.5

チリ現代史の暗部やナチスドイツをモチーフにした実験映画。

前衛的な舞台芸術を鑑賞しているような感じ。

今ならCGで表現するものを、人形や手書きの絵などとことんアナログな演出で再現。

実在する俳優
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野生の島のロズ(2024年製作の映画)

4.0

野生の島で起動した最新型ロボットの話。

ビジュアルに『天空の城ラピュタ』、ストーリー展開に『もののけ姫』など、宮崎アニメの影響が随所に見られる。

キャラクターや設定などをアクションで見せていく演出
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

-

ある村の出来事を描いた話だと思うが、正直全くもって意味不明。

1カットが異常に長く、セリフは殆ど無く。

牛や豚などの動物が印象に残っている他は…。

配信だったら最後まで見られないと思う。

故に
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映画を愛する君へ(2024年製作の映画)

5.0

監督の自伝的シネマエッセイ。

一言で言えば、映画オタクのための映画。

好きな映画や劇場での座席の好みなどを、近しい友人と語らっているような感じ。

全編を通して、淡い光に包まれたような映像の雰囲気
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セブン 4K版(1995年製作の映画)

4.5

7つの大罪を巡る殺人事件を描く。

約29年ぶりの劇場鑑賞。

ストーリーもオチも全て記憶しているのに、OPからゾクゾクさせられる不思議。

スクリーンを通すとヒリヒリした不快感、雨の陰鬱な雰囲気がハ
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ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

4.5

病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友の話。

どんなに過酷な人生を耐え忍んできた者でも、死への恐怖や不安からは逃れられない。

何がこの世を去るキッカケになるかは分からないし、まして他人に
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リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

4.5

従兄弟同士がポーランドツアーに参加する話。

観ていてイライラする言動を、既存のクラシック音楽が上手く中和。

痛みは人それぞれで、旅によって心が浄化される人もいれば、そうでない人もいる。

自分でも
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ドラえもん のび太と銀河超特急(1996年製作の映画)

3.5

初めて観る作品。

やっぱりこの声で、この主題歌で。
(思わず涙が出そうになった😢)

内容は過去作の総集編といった趣。

この年、藤子・F・不二雄先生が他界されたことを想うと、色々感慨深い。

にし
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.5

元映画監督と失踪した人気俳優の記憶を巡って繰り広げられる物語。

失踪を未解決事件として、テレビ番組で取り上げるというアイデアは面白い。

ただ、謎を追う過程が冗長で盛り上がらず、且つ長すぎ。

劇中
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.5

少女の目を通して暗いスペインの歴史を見つめた作品。

振り子、初聖体拝受、父と女優との関係など、不思議なエピソードを交えて、思春期に差し掛かった少女の心情を描く。

淡々としたモノローグ、全編に渡って
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.5

少女の現実と空想の世界が交錯した体験を描く。

鑑賞した映画や現実に起きた悲劇から受けたショックを反映した、幼い子供の精神世界を表現したものと解釈。

激しいストーリー展開があるわけでもなく、説明も希
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ストップモーション(2023年製作の映画)

4.0

病に倒れた母に代わり、ストップモーションアニメを完成させようとする娘の話。

実写とストップモーションアニメの融合により、現実と虚構が曖昧になっていく展開(演出)。

全般的に、“怖い”というよりも“
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(2025年製作の映画)

5.0

穏やかな生活を送っていた独居老人の前に、ある日「敵」が現れる話。

“老い”を外見以外の要素で視覚的に表現することを試みたと解釈。

恐ろしくコントラストの強いモノクロ映像が、時に普遍性を、時にホラー
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レッド・サン 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

4.0

奪われた大金と宝刀を取り戻す為共闘することになる、強盗団の男と武士の話。

現代からすると、内容を楽しむというよりは、雰囲気を楽しむ映画という感じ。

当時の観客はコレを観て熱狂したのだろう。

3大
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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

5.0

黒社会が覇権を争う九龍城砦で男達が繰り広げる人間ドラマ。

現在と過去を結ぶ因縁を描いたストーリーが、超絶アクションを引き立てる。

荒唐無稽な部分も含めて、人間の持つパワーが白熱。

新旧スターが皆
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メイクアガール(2025年製作の映画)

3.5

天才科学少年と彼が創りだした人造人間の少女が織りなす物語。

作画から映画『メトロポリス』、ストーリーから映画『告白』を想起させられた。

行動学習をしていく日常パートは興味深く観れたが、自我を持ち始
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Welcome Back(2024年製作の映画)

4.5

ボクシングを通して幼馴染の関係を描いた話。

ボクシング映画が、復讐心をキッカケにロードムービーに転調する展開が面白い。

抱えたハンディを、決して卑屈に捉えない演出に好感。

どこか北野武監督作『キ
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

4.0

古ぼけたベンチを舞台に、人々の何気ない日常を切り取ったオムニバス長編映画。

殆どベンチを中心とした構図の撮影であるにも拘らず、会話の面白さと俳優の演技で引っ張る。

ある意味、舞台を観ているのに近い
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