このレビューはネタバレを含みます
内容はてんこ盛り。何段階も重なっているミッションが複雑で、フルフルで頭を働かせてないとついていけなくなってしまいそう。前作を思い出しながら、いそいそと繋ぎ合わせる。
まさかのダンロー登場に、立ち上が>>続きを読む
あでやかにシーンが移り変わる。その度にハッとさせられ、我に返る。一見、想像と現実で行き交っているように思うけど、それが大切なのではない気がしている。ジットリ湿った動物を撫でるような何とも言えない触感が>>続きを読む
チャーミングで憎たらしいアンドレに、泣きながらすがりつきたい気持ちと、愛する人の生き方を汲みたい気持ちが交互にやって来る。正しいも間違いも、すべきもしないべきも、そんなの人生に存在しない。正義なんて人>>続きを読む
え…?あれ?今のって…?
小さな違和感に気づかないふりしても、必ず確信の瞬間は訪れる。どんどん酷くなる居心地の悪さに、体は硬直し眉間に皺がよる。心を壊死させないとやり切れないシーンもいくつか来る。吐き>>続きを読む
ところどころ欠けた、人間ぽくて愛らしい人たち。各々が背中に持っている様々なことが、全編通して軽いタッチで描かれる。相手の好きなところや苦手な部分を受け入れながら、労ったり労われたりしつつ人間関係ができ>>続きを読む
愛しさと切なさと可愛らしさをロマンでラッピング。
こちらまで擦り減るくらいトゲトゲした心をむき出しにする千葉雄大と、それを丸ごと汲もうとする伊藤沙莉。痛々しくて涙が出たし、骨が折れるくらい強く抱きし>>続きを読む
日曜夜に定期的に摂取しているドーパミン全開アクション。イカしたおじさんがキレ散らかす様に、笑いが止まらない90分。
こんなにもクラシックな映画が手元に届くところにあってくれて感謝している。毎回手を叩>>続きを読む
例えばこれを10代の子が観たら、もしかすると嫌悪感しか感じないかもしれない。というか、できればそうあってほしい。でもわたしは人生をそこそこ進めて薄汚れてしまったのか、胃ごと出そうなため息しか出なかった>>続きを読む
滑らかな生地に一針一針丁寧に縫われた刺繍。褐色肌にしっとりと沿うニット。手の平に感じる重みや店内に漂うシンとした空気、大衆浴場に立ち込める湿気。
穏やかな声色でゆっくりと漏れる言葉たちに癒されたと思>>続きを読む
冷蔵庫の残り野菜をしこたま入れて煮込まれるトマト色のスープ。グツグツと音を立てるターコイズブルーの背の高い鍋。それだけで満ち足りた気持ちになる。
むせた男の背中をそっと撫でる同僚との関係、肩が当たっ>>続きを読む
あなたが分かった。世の痛みに耐えられない少年よ。
娼婦であることは男の所有欲を危うくするの?
ベラの投げかける全ての質問は純度が高く、本質を直視する瞳も潔くて、わたしの毛羽だった気持ちをストンと落ち>>続きを読む
数学者モノというだけで心底ゾクゾク前のめりになってしまう。だけど、短剣で突き刺すような韓国の情が絡んでくるのか…と怖気付いてなかなか観られなかった本作。
渋い王道なおじさんにシンプルなストーリー。何>>続きを読む
重みを感じるページを1枚ずつめくるように、ゆったりとした語り手の声で進められていく。まるで絵本を堪能しているような穏やかさに、甘いため息が出る。『恋に落ちるとは心配することだ』という冗談みたいな言葉に>>続きを読む
ダニエルを包む赤いタートルネック、インディゴでもウォッシュでもないスタンダードなブルーのデニム、柔らかそうな肌と丸い瞳を覆うマッシュルームカット。どこから見ても地下鉄のザジなのに、死ぬほど心が踊らない>>続きを読む
胸の中がチリチリと焼ける。光の一粒一粒が眩しくて、両手でそっと包み込み瓶に入れて保存したくなる。できるわけがないから儚く、よけいに美しい。
ぎっしりと並べられた本にカセット。この人の皮膚の中にはそれ>>続きを読む
何の気なしに観た予告。お酒のくだりで胸を撃ち抜かれ、一瞬で目がハート。ときめきを受け止められず、震える指で一時停止。あぶね、あやうく結婚するとこだった。
着倒したコート、温めに失敗したグラタン。等身>>続きを読む
キュートな音楽の中、小気味良いリズムで浅瀬を跳ねていく。あまりにも軽く心に何も引っかからないので序盤はソファに溶け込みそうになったが、途中から少しワクッと身を乗り出す。が、その先に期待したものは見当た>>続きを読む
潔いうなじ。それだけでまるっとサンドラの味方になる。昔からショートカットに弱いんだ。
父親の介護、子供の世話、友達だった人との恋愛。全部が仕事や生活と絡み合って日常となっていく。クリスマスだって皆平>>続きを読む
あなたが幸せだと嬉しくて涙が出る。これは愛だと思っていいですか?マッコールさん。
シンプルなストーリー。何も変わらないロバート・マッコール。善意で満たされた世界は、今にも崩れてしまいそうで酷く不安に>>続きを読む
予告で興奮した崖からのダイブに加え、ドアのない車で振り回されて、垂直な電車の車両を乗り継いで…弱めな三半規管をブン回してくるこの映画。トム様に恋しない方が無理な3時間。「どうせなら限界まで振り回された>>続きを読む
2ヶ月ほどバタバタとしていて、なかなか映画館に行けず。再開記念はコレと決めていた本作。
どうしてもスクリーンで観たかったけど、大画面だからこそ目立つCG感。ブッ飛んでいる内容かと思いきや、意外と入り>>続きを読む
ミンユンギと書いて愛と読む。
こんなにも音楽に取り憑かれて、生きるために必死な青年を見たのは初めてなんだ。
この人の言っていることは昔から今まで何一つ変わっていない。現実をそれと腹に落とし、弱さを>>続きを読む
誠実であることの美しさを教えてくれた人。
なめらかな身のこなしと建設的な考え方。いつだって明るく慎ましく真っ直ぐに生きているホビ。後ろに隠していたものがこんなにも熱いものだったのかと、このアルバムを>>続きを読む
オスカーアイザックの灰色の目…これだけでまずごちそうさまですと言いたいけど、それだけだった。闇を抱えている割にすんなりと青年に肩入れし、すんなりとファンキーセクシーさんと恋へ発展。あれ?闇薄くね?謎?>>続きを読む
シルキーな話し方で穴ぼこ系眼球なんてホラー系のドストライクだし、青少年への執拗な拷問は目も当てられないし(でも見た)、視覚的に収まりが悪い拘置所面会での映像もゾミゾミする。血の中に流れる闇の部分を拾い>>続きを読む
ソフィの視線が、自分の幼少期の感覚に繋がっていく。子供の頃、大人になると違うものに変化するんだと思っていた。持て余していた幼少期や思春期の多感さは、早いとこ手放したかった。
年齢を重ねて振り返ると子>>続きを読む
スモーキーな色のシャツに長く伸びたストレートパンツ、ゴッという設置面の大きい革靴の音。髪の毛の先まで構成する要素全て直線的なケイト・ブランジェットは凛々しくて、獲物を見据えるキツネのような目にグラリと>>続きを読む
暑すぎる夏。頭がのぼせて自分と世界の境界線が分からなくなる。素肌と擦れるシーツだったり、突然頬に受けた雨粒だったり、駅でぶつかった道行く人の肩だったり、境界線がハッキリとするのは一瞬だけ。そんな時に実>>続きを読む
別れ際のアンバランスな会話。側だけセーフと握り合った浮気。ちっとも満たされない顔した女性が欲望のままに生きている。満ち足りては足りなくなっての繰り返し。年ごと、いや極端に言えば秒ごとにそんなものが繰り>>続きを読む
手出しのできない壮大な景色に息を呑む。今わたしはどこに居たんだっけ? 膝に掛けた上着を剥ぎ取って1歩前に踏み出したら自然の中に混ざり合ってしまいそうだ。
全てがドラマチックに繋がることばかりが人生で>>続きを読む
テレワークの残業中にプシュしたい衝動に駆られたことはある身としては他人事ではない作品。(就業報告した直後にプシュした自分を褒めてあげたい)
お酒がないと話ができないということは経験がないけど、あれば>>続きを読む
想いが込められた音楽や物語、絵画が時代を越えて受け継がれるように、何かに落とし込まずとも人の想いに形があったのなら。
強い気持ちが形となって残り、その想いとは別次元で徐々に変化していく。溢れんばかり>>続きを読む
ノルウェーの田舎町。サスペンダーの爺さんとレトロスーツのおじさん。色数と音数の少なさが想像できるあらすじ。金土と仕事で華やかな場所にお邪魔していたので、ようやく1人でホッと一息つけた日曜午後。これだ、>>続きを読む
待ってました。おフランスのおじさま×マダム×ロードムービー。昨夜の宴の片付けもせずにお昼に起きたけど、ダッシュで掃除洗濯化粧して滑り込み。
美しいよ。喜びも悲しみも怒りも。
余裕のない生活でギスギ>>続きを読む
ぎゅむっと太い指から置かれるサイの目切りのリンゴに胸が締めつけられる。
わたしは、神や宗教が人間の支えになることはあっても、足かせになるべきではないと強く思っている。自らを蝕む呪いのような思想に触れ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
エスターが…エスターが…昔のままのエスターだ!(感激)
終始ザックザクにブッ刺される人間、だいたい血まみれのエスター。今回は最初からトップギアだ。
狂ったお強めのマミーにおバカなチャラ息子、何から>>続きを読む