櫻さんの映画レビュー・感想・評価

櫻

星の数での評価はしません。静かな日常や人間の機微を描いた作品を好みます。

映画(596)
ドラマ(0)

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

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死んでしまったらどこへいくのだろう。幼いころからの永遠の疑問、考えても考えてもわからない。死後の世界について考えられるということは、現在を生きているということだ。生きているうちは"現在"がどんどん更新>>続きを読む

孤独な天使たち(2012年製作の映画)

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普通になりたい、どこへも馴染めないと感じていた少年は、内緒で地下室に自分だけの世界をつくろうとした。突然やってきた孤独をかかえた傷だらけの少女との交流で、彼の閉じきっていた心が開きだす。つたない手でか>>続きを読む

「A」(1998年製作の映画)

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メディアの報道スクラムの闇を見た。内と外での見え方の違い。同じコミュニティに属しているだけで、一様に悪だとみなされてしまう不条理な社会構造。彼ら個々の生き様は 、(信仰のもとに特殊な習慣や文化があるけ>>続きを読む

螢川(1987年製作の映画)

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少年よ、どこへ向かっていくのか。淡い恋に目覚めて頼りなく悩む。その隣で、白い雪があたりを埋めつくす季節がすぎて桜の花びらがはらはら散りゆくころ、消えていった命。おそらく気づいたはずだ、この世はなんて不>>続きを読む

DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

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自然光の下で手持ちカメラで撮影。全編ほとんど即興演技。説明不足であわいの中にあるような物語。私はこういうのに滅法弱いんだ、すこぶる好み。

あんなに近くにいた人でも、同じ答えを出すことはできなかった。
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若草の萌えるころ(1968年製作の映画)

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アニタという少女が、伯母の命がのこりわずかなことを感じとった眠れぬ夜に朝まで街をさまよい歩く話。若さはいつも頼りない。大人と子どもの狭間をゆらゆら。背伸びしたり、怖いもの無しだと過信したり危うかったり>>続きを読む

しあわせな孤独(2002年製作の映画)

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愛の儚さ。どうしようもなさ。これからだった"しあわせ"がいきなり壊れてしまう時。それはいつも思いがけない、突然だ。誰かにあたってしまったり、寂しさから温もりを求めてしまったり、、、それでも、ただただ
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TECHNOLOGY(2016年製作の映画)

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月面。稲妻。明滅する光。轟音。花。水。衝突。さらわれてやってきた彼女は妖しげ。こんなところに来てしまっても、いつも眠っている。揺れる。かと思えば、肩にもたれかかって黄昏る。順応する。ひらく。なびく髪の>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

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宛先のない手紙を、透き通ったきれいな声で朗読するのを、静かな場所で聞いているようだった。あの日から彼女は、白い夢の中にいる。桜の花びらが、雨のように舞う夢の中に、立っている。気づいたら、私も彼女と同じ>>続きを読む

心の香り(1992年製作の映画)

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長年会うことのなかった少年と祖父が心を通わせてゆく。どうしたって誰もが別れや死には抗えない。同じ寂しさを心に持つ彼らが互いを拠り所にしていく様はゆっくりと繊細に描かれる。最後に不遇な少年の境遇に対して>>続きを読む

四川のうた(2008年製作の映画)

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ノンフィクションとフィクションの狭間。その追憶する人の眼差しは、どこを向いているのかはわからない。もうすぐ消えゆくものの中で過ぎた日常を語る言葉は、憂いや哀しみを含んでいる。それぞれが同じ時間軸の中を>>続きを読む

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

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保育園から姿を消した女の子
「わたしのかわいいバニー・レークはどこ?」
どこを探しても、だれに聞いてもいない、だれも見ていない。
「さてはて、バニー・レークは本当にいるの?いないの?」


子どもは空
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オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン(2011年製作の映画)

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映画ではないけれど、セルゲイ・ポルーニンが出演しているということで鑑賞。この公演を生で体感できていたなら、、。ラミン・カリムルー演じるファントムにひどく魅せられた。生まれた時から"人間というより化け物>>続きを読む

蝶の舌(1999年製作の映画)

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子どもたちにとって本当に必要な教育とは何だろう。たくさんの計算ができるようになること?教科書の内容を詰めこんで暗記すること?ううん、グレゴリオ先生はどれも強要していなかった。疑問に思うことを子どもたち>>続きを読む

わが青春のフロレンス(1970年製作の映画)

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19世紀末のイタリア・フィレンツェ。働いて働いて働いて流した汗も、ほんの僅かな賃金にしかならない。アナキストだった父の血は争えず、メテロもまた労働闘争に身を投じた。愛するものとの暮らしをより豊かにした>>続きを読む

川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

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「しょうがない」が口ぐせの溜め込みがちでオドオドして見えた佐和子が、過ぎたことは仕方ないと溜めこんでいたものをさらけ出して開き直った時の変わりようよ。同じ口ぐせでもこんなに違う。ストーリーはこれといっ>>続きを読む

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

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山の羊番で出会ったふたりが囲んだ焚き火は、彼らの心をも燃やした。夜から朝へ焚き火は消えても、互いへの気持ちは消せない。けれども、彼らのような関係を社会は許さなかった。愛に形も決まりもないのなら、こんな>>続きを読む

17歳の肖像(2009年製作の映画)

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少女から大人の女性へ。これから先の人生が退屈なものに感じられたとしても、その退屈から逃れられる甘い蜜も近道も突然現れたりしないし落ちてもこない。それは、健全で平穏な生活から、未知なる世界へ心をときめか>>続きを読む

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)

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「自転車に乗りたい」という言葉がこんなに切実で力強い意味を持つことなんてあるだろうか。イスラム教においてのただひとりの神であり、宇宙の創造主であるアッラーの名の元で、純潔を保ち従順で献身的な嫁となるた>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

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長いなと嫌になってしまうことも、少しのことで逆転してしまう。どうか終わりが来ないでほしい、と願ってしまうほどに。それが、エリオにとってのオリヴァーであり、オリヴァーにとってのエリオであったこと。北イタ>>続きを読む

旅情(1955年製作の映画)

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長期休暇を取ってアメリカからヴェネツィアへ一人旅。彼女がはじめてヴェネツィアへ足を踏み入れた時の表情の高揚感。映し出される街並みの美しさときたら、、。「これから自由の身よ」と楽しそうに街を歩きまわって>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

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友人にお勧めされたので観た。いつも焦燥感と不安に駆られていた彼らは、どこかクラゲに似ていた。何を考えているのか、どこへ向かっていくのか分からない、彼ら自身でもおそらく分かっていない。何をやっても満たさ>>続きを読む

泥の河(1981年製作の映画)

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戦後の大阪、泥の混じる川と橋にかこまれた町。川岸で食堂をいとなむ家の少年と、その向こう岸にうかぶ宿舟にくらす姉弟との交友。

いつもにこやかな少年の父の口から時節溢れおちる、戦地から命からがら逃げてき
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tokyo.sora(2001年製作の映画)

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青い映像と音楽が綺麗

孤独


東京の空の下で繋がる、、人。


何か創りあげては壊して、躓き転んでは泣き笑いする、この繰り返しの日々の中でひとり佇んで居るように感じてしまう。それは痛々しくて切な
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新しい神様(1999年製作の映画)

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気怠い日常の行く先が知りたくて語り合うのは、この国のこと。不安や孤独感から脱却したくて、依存先を探し彷徨う若者たちの生き様を雨宮処凛さんに見た。右か左か思想は違えど、分かり合おうとすること、全てを理解>>続きを読む

ビフォア・ザ・レイン(1994年製作の映画)

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「時は死なず 巡ることなし」
人は時に他者を殺めることを厭わない。たとえば、隣人を愛していたとしても、家族や愛する人を殺されたならば、きっとその隣人を殺すだろう。愛は憎悪に変化することがある。あまりに
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破れ太鼓(1949年製作の映画)

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この家族、そろいもそろって面白すぎるし、愛らしいな。皆でピアノ囲んで歌うところなんか多幸感溢れすぎていてだいすきなシーン。破れ太鼓こと亭主関白な父にもなんだか愛嬌を感じるし、苦労をしてやっと昇りつめた>>続きを読む

ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

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生きながらに死んでいると思っている虚言自殺癖があり関わりのない葬式に参列することが趣味の少年と、葬式に参列するのが日課の破天荒な老女。ふたりを引き寄せたのは死という観念。だが、老女にとって死は新たなは>>続きを読む

にっぽん・ぱらだいす(1964年製作の映画)

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赤線廃止前夜。私たちは生きていくために働いているのだ、と世間体など気にせずに、時に笑い飛ばしてあっけらかんと力強い彼女たち。生活の営みの肯定がつよく関係しているのだと思う。だからこそのこの喜劇。しかし>>続きを読む

PORNOSTAR ポルノスター(1998年製作の映画)

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渋谷の雑踏の中を尖ったナイフのような眼をして立つ千原ジュニアが、だんだん「汚れた血」時のドニ・ラヴァンに見えてくる。ただの若者もヤクザも皆、不満と不安を抱えて生きていて、やり場のなさから痛々しいほどに>>続きを読む

女の園(1954年製作の映画)

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戦後、学問を学び、女性も男性と同等に社会進出しようと動きだしていた時代。それとは裏腹に、再軍備化を進める学校に抑圧された女学生たち。厳しい校則の他に、学問を自由に学ぶこともできず、手紙と電話は検閲され>>続きを読む

わるいやつら(1980年製作の映画)

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皆、題名同様にわるいやつら。医者のくせに不真面目で性と金にだらしない信一に、愛人たちがなぜこれ程までに夢中なのかが全くもって分からない。が、だらしないが故の魅力みたいなものでもあるのかしら。欲にまみれ>>続きを読む

死の棘(1990年製作の映画)

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家の中、となりでは子どもたちが寝ている。お構いなしに浮気を問いただし続ける妻と、精気をなくした顔で頷き続ける夫。無数の糸が絡まっていくように壊れゆくその様から、強烈に匂い立つ狂気は消えることはない。ど>>続きを読む

暗い日曜日(1999年製作の映画)

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ハンガリー・ブタペスト。売れないピアニストが最愛の女におくった曲。その哀しくも美しいしらべは、いつしか多くの人を魅了し、いくらかの人々が謎の死を遂げた。その頃、ナチスドイツが勢力をあげ、多くの人命が犠>>続きを読む

善魔(1951年製作の映画)

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人間はもともと自らを守るのに精一杯で、進んで悪に戦いを挑むようなことはしない。また、善と悪は表裏一体であり、善を貫くためには、悪の本来の姿である、しぶとさ、寡黙さ、たくらみを必要とすることがある。それ>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

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孤独なふたりをひき合せたのは、白銀の森の中で生きる二頭の鹿の夢。動物的本能で親密になっていく鹿より、言葉や身振り手振りで気持ちや考えを伝えられる人間の方が、よっぽど意思疎通が取れていないではないか、と>>続きを読む

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