コバヤシさんの映画レビュー・感想・評価

コバヤシ

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紅の豚(1992年製作の映画)

4.8

台詞回しとか、セル画のあたたかみとか、描かれる人々のやわらかさとか。
物心つく前に見たから、完全に初見だったけれどもっと早く見るべきだったなあと思う作品。
この歳になって見出せる言葉選びの素晴らしさも
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怪物(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 怪物は全員。
 大人も子どもも、全員どこか歪んでいる。初見の印象として、これだけは正しいと思っている。子役の演技がとんでもなくて、画面に惹きつける力が凄まじかった。




あとは探りの鑑賞と解釈。
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ライト/オフ(2016年製作の映画)

3.9

撮り方もキャスティングも演技も大変良い。
設定もよく作り込まれていて、B級のつもりだったが、裏切られた気分。よくできている。

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.6

良くも悪くも邦画の範疇に収まる作品。佳作。
永野芽郁の演技は中々良かった。
窪田正孝かっこいいと初めて思わされる作品だったなあ。

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

5.0

数は多くないが、人生見た邦画で抜きん出て良かった。
何のために今を生きて、何を残すのか。
何を失って、どこへ進むのか。
働くとは何か。
生きるとは何か。
想いを届けるとは、どういうことか。

最高です
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

コルネット三部作に次いで集大成を冠して然るべき『ベイビー・ドライバー』を世に送り出したエドガーライト。
好きなものを詰め込んだ宝箱のような作品だった前作とは一線を画し、本作は氏の強い挑戦意欲を感じた。
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.5

 思い出補正がとても強い。自分の生まれる前に既にデザイン化されていたΞとペーネロペー。20年ほど前にガンダムシリーズと出会い、ちょうど15年前の今頃に出会った両機がこうして劇場のスクリーンを縦横無尽に>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

 高校時代に相部屋になった彼のせいでそいつごと嫌いになってしまったエヴァ、最終作の公開に合わせ、アニメ第一話から見始めた。
 漫画、旧劇、新劇。切り取られた知識を別にゼロから触れ、今日の観劇をもって二
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 気持ちを伝えるって、なかなか難しい。
 主題にあるのはそうしたいじらしさ、そして手紙が気持ちを紡いでくれることの素晴らしさだろう。

 クライマックス。ヴァイオレットはギルベルトから「愛してる」の言
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#生きている(2020年製作の映画)

3.8

 特段家を出るイベントがなく真面目に進めたゾンビランド。主人公は引きこもりのオタクらしい思考回路の持ち主で、アホか?って行動をしたかと思えば雑に賢いムーブをしてみる。
 プロット自体は良いが作り込みは
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.1

 書き忘れていたので再試聴。
 ゾンビ映画というものは単なるグロ映画ではない。特殊な環境に置かれた人間が見せる姿に世相を描き出そうとするという手段の一つであるというのが私の持論だ。よって「描き出そうと
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ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.5

 ネタバレも何も、怖い人間はこんなアプリ開くな。

 筋は単調。言おうと思えば20文字にも満たない内容。その分映像にとても時間をかけているのが見える作品だった。
 例えばスウェーデンに行く行かないでダ
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.6

ホラー映画見たつもりがまさかの恋愛ドラマだった。
映像が美しくて、なぜか初めに思い出したのはフローズンタイム。ゆっくり時間が流れていく様に「瞬間」の切り出しを共通項として見出したのかもしれない。

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ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)

4.0

この映画とても怖い。
特段ゴア要素があるわけでもないのにこの仕上がり。監督は凄まじいセンスの持ち主だと思う。

ネタバレにならないように評するなれば、この映画は「母親のための」映画だろう。

残念なが
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テリファイド(2017年製作の映画)

3.7

今まで見た洋画の中で一番ジャパホラを感じた映画。何が良いって超常現象に対する答えが全くないこと。そして理不尽なこと。
地域そのものを汚染して近寄るものをじわじわと殺していく所に呪怨やリング、残穢を想起
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

そういえば月頭に見たのを思い出した。

6月に見るのが大正解のアニメ映画。新海誠作品でこれが最高傑作をずっと提唱しているが、間違いないと再び確信した。

そもそもで風景描写の美しさに嘆息が漏れる。都会
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ボディ・ハント(2012年製作の映画)

3.5

一番怖いのって人間だよね系ホラー。

登場人物に一人として「聖人」を置いていない。
物語では役割を持たせるためにクズはクズらしく、正義漢は正義漢らしく、必要に枝葉を付けず描かれることが多い。この短い映
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ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

3.4

終始グロいがマグロ丼食べながら観ても問題なく完食できる程度のライトなグロ。


正直ラストは少し納得いかないとは思った。風呂敷を無理矢理納めたような印象。
バチバチの現代医学と魔術が交差する感じ、ホラ
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パージ(2013年製作の映画)

2.7

たまたまイーサン・ホークを同日に二度見るという面白さ。

「パージ」の設定自体は面白い。ただ、登場人物に感情移入が難しいところ。
お前なんでそこにいるの?とか、なんでそんな歩き回ってんの?とかツッコミ
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グッドナイト・マミー(2014年製作の映画)

1.0

出落ちとはこのこと。
開始5分でラストがわかる。

想定の範囲内でしか話が進まない割に、冗長的でひたすら苦痛だった。胸糞悪いだけのグロ映画。

展開がベタベタすぎるので普段ホラーを見慣れていない人には
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フッテージ(2012年製作の映画)

1.6

イーサン・ホークの演技がとても良い。あと前半までは面白い。箱は残念ながらNG。

出だしのクライム系を匂わす感じで進んでくれればとても面白かったのに、途中から訳のわからない展開に進んでいくのがとても残
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

4.2

久々にゆっくり映画を観れる時間が出来たので早速これを鑑賞。丸一年ろくに映画を見ていないことが判明してしまった。

爺さんも若者もお互い仕方ないでしょ、となるような絶対的善悪とは描かれ切っていない。実は
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.8

イーストウッドらしい秀作といったところか。テロを阻止するところにヒロイズムの重きを置いていないので、予告だけ見ていた身としてはかなり印象を違えた映画。運命とか、信心の強さが肯定的に描かれていてアメリカ>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

5.0

196年台前半のアメリカを舞台に描いたマイノリティの為の映画。

声の出せない女性の主人公にピアノレッスンを想起させられた。「話すことのできない女」ではなく自分そのものを見てくれる、普通の人間のように
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ロボコップ(1987年製作の映画)

4.6

知ってたけど古いし楽しめないだろうなあと思い、今まで視聴しなかった。

超いい。超良かった。
80年代アメリカの雑多な姿をそのままに近未来化させた社会。男女平等に働き、嫌味なく同じ場所で服を着替える。
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サイコ(1960年製作の映画)

4.4

クライムとサイコホラーを一度に詰め込んだ映画。60年近く前の映画なのに本当にオチがわからない。
観る前に中身知ってたら絶対に後悔する映画だよ。

ジオストーム(2017年製作の映画)

4.1

ジェラルドバトラーとジムスタージェスがいい。ジムスタージェス全然老けない。
金を沢山使ったパニック映画。CGの抜きどころと入れどころをしっかり分けてるので迫力も良し。アメリカ臭いユーモアも嫌味なく効い
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舟を編む(2013年製作の映画)

4.3

脚本が良い。余計が無く、それでいて優しい言葉が台詞に溢れている。日本人の風情を一身に詰めたようである。

衣装もまた良い。首だけ合わせたブカブカのシャツに肩のはみ出るジレ、袖丈の長すぎるスーツが「いか
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完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)

3.5

天才と呼ばれる人間は古来から伝記や口伝によってあらゆる人格の肯定がなされるが、真なるところは人と違う世界を生き、やがて崩壊していく者が殆どに違いない。
この作品は冷淡にもそのままを描いてみせたという点
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リピーテッド(2014年製作の映画)

3.7

わかりやすくて面白い。
じわじわと広がっていく恐怖を爆発させるようなプロットだっただけに最後が尻すぼみな印象が強い。もう一声あれば化けたんだろうなあって映画。

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