退役軍人特有の自意識。老人特有の図々しさ。特有の図々しさはときに人を遠ざける、そして大金が引き寄せる。悲しい話だと思った。花に引き寄せられる虫と同じかも。枯れると散るし。
神のみこころ。転がり落ちた、湿った床に。偶然じゃ済まされない何か。神よりも、信頼できるもの。それでも居るもの。運命を蔑んだ目で睨んでいる。なんとなくジョーカーが過ぎったが、彼には愛を返してくれる存在、>>続きを読む
いや狂児が狂児すぎる。綾野剛じゃなくてもっとヤクザ寄りのひと……と思っていたけどフッと寄って行ってしまいそうな狂児は綾野剛しかないのかも
呪いはいつになっても残るもの。柔いセメントに落ちたそれは消せるうちに消したほうが良い。整くん、たんぽぽみたいだった。
なんかモチーフになってるんだろうな、死に近い人間しかはいることができない塔。世界の均衡なんて指先ひとつで変えられること。問題提起って感じの作品だった。
極彩色。汚い中年に抱かれても、なにかに奪われたものを取り返そうともがいても。全部美しさのためだし、全部あげたわけじゃない。プライド、欠けた硝子よりも光る。見たいものを見せる覚悟だけがきらめいている。
幸せに生きて幸せに死ね!と叫べる関係性。彩度高くてびっくりした。家族愛っていままでぴんとこなかったけど、こういうことなのかなあ。面白かったし、なんか大切なこと思い出せたような。
川上弘美ワールド。靄がかったような色がとても良かった。小ネタが良い。たまにわざとらしいけど、まあそれが良いんだろうな。でも最後のシーンは必要性を感じなかったかも。
人生の色がどんどん変わっていく。ハッピーにもバットにもどちらにも読み取れる。
武装したそれが剥がれていくとき、なにを見たらいいのか分からない。何を持って自分を「エゴイスト」を呼ぶのかとか、光に透ける瞳とか。良い映画だった。
色んな奇跡が積み重なっては光って、形になったり光のまま遠くへ行ってしまったりする。やるせなさも涙も努力も報われるとは限らないけど、奇跡だもん仕方がない。
劇中歌が思いの外良かった。薄暗い、薄く切れるようになった玉ねぎ。パセリ。
今は煩わしくても、きっと。音楽も良かった。サントラ欲しい。
10代の葛藤、というか。人間の葛藤。決定的な言葉も態度も日常の中に混ざり込んで、針みたいに刺さって抜けない。「許されぬ恋と知りながらきみは走る」。
想ってもらえるなら、ひとりでも孤独じゃない。たべものが食べられない、抱きしめられない、その断絶が恐ろしいけれど。越えられないそれを少しだけ跨げたら。前を向いて生きてみよう、と思えた。
ふてくされた映画。人生にはたぶんみんなこういう時期があって、それをしっかり見れるのは、良いなと思った。あっちゃんこういう役似合う。
離れても、色褪せないもの。あややの「ちゃんと自分の人生は自分で幸せにしておいてくださいね。」という言葉を思い出した。
愛は、どんなものか。切なくて美しかった。リリーを前にしたときのゲルダの表情、レースが肌に当たる、感覚。リリーの「すべて」だった。
「こい」も「あい」もやわらかい。みんなで家族になるっていうのがあったかくて良いな〜、と思った。
このレビューはネタバレを含みます
全ては「偶然」。偶然でしかない。みたいな。芽衣子があそこで自分は勝てると少しでも思って勝負をかけた それが一番腹立たしかった。つー、一番かわいいよ。
途方もない映画だった。ランバラル、クラムボン、カムパネルラ。角の無い物体は坂を転がり続ける。藍色、グレー。何度も観たい。そう、思う。
「まともじゃないのは君も一緒」。怒ってくれて良かった。先生が。なんだか、真っ直ぐ受け止めてしまった。「普通」はなにかを諦めるための口実。そうやって、すり替えていたことを思い出す。怒ってくれて、良かった>>続きを読む
記録映画だった。華奢、華やかさ 柔らかさ 甘さっていうのは、天性のものなのだ、そう思う。『彼女は天からの贈り物だった』、その言葉に尽きる。青い目は、光が入らないと限りなく黒に映る。現実と完全に切り離さ>>続きを読む
好きなあなたと、世界が違うって思いたくない。しらない言葉で話さないで。「言葉は大切にしたい。傷つけることも幸せにすることもあなたの一言で、私は人生を棒に振ることもできる」。「ララはひとりで大丈夫だよカ>>続きを読む