Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

Inagaquilala

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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.2

「ロブスター」や「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」を撮ったギリシャのヨルゴス・ランティモス監督の最新作。前2作とは異なり、舞台は18世紀のイギリス。それも王室が舞台の歴史物だ。>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.8

原作者のJ・K・ローリングが自ら脚本を担当し、しかも製作者にも名を連ねているシリーズの第2弾。「ハリー・ポッター」の作者は、いまや映画界においても重要な人物となっている。おそらく「ハリー・ポッター」シ>>続きを読む

快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

3.8

シアター・イメージフォーラムの「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」で観賞。日本では劇場初公開らしいが、自分的にも、かつてこの作品の原作を原書で手に入れて以来、観賞を熱望していた作品。特別上映の>>続きを読む

エリック・クラプトン~12小節の人生~(2017年製作の映画)

3.9

クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」の陰に隠れて、ひっそりと封切られたが、自分的にはこちらのほうが好みだった。ドラマとドキュメンタリーという違いもあり、一概に比較対照はできないとは思うが、ほぼ同時期に>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

3.8

ホラー映画の名作を、「君の名前で僕を呼んで」でアカデミー賞作品賞にノミネートされたルカ・グァダニーノ監督がリメイク。ルカ・グァダニーノ監督といえば、「君の名前で僕を呼んで」より、自分的には「胸騒ぎのシ>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.6

熱心なマーベルのファンではないが、この作品はなんとなく惹かれるものがあり、劇場に駆けつけた。理由は予告編で見た、ヴェノムの異形の姿。その変身ぶりの特殊効果も足を運ぶきっかけとなった。その意味で言えば、>>続きを読む

オール・シングス・マスト・パス(2015年製作の映画)

3.8

タイトルがジョージ・ハリソンのアルバムと同じだったので、配信で見かけて観賞することになったが、これは、アメリカの「タワーレコード」の盛衰を追ったドキュメンタリーだった。昔、ハワイに出かけるとアラモアナ>>続きを読む

マイ・サンシャイン(2017年製作の映画)

3.7

旧弊な共同体から脱け出し、自由を手に入れようとする5人姉妹を描いたデビユー作「裸足の季節」が各映画賞で高く評価されたトルコの女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュベンの最新作。「裸足の季節」は彼女の故国であ>>続きを読む

ブラック・ハッカー(2014年製作の映画)

3.7

アメリカの片田舎にいる女性と韓国のソウルに出現した巨大怪獣の動きがなぜかシンクロするという奇想の作品「シンクロナイズドモンスター」を撮ったスペインの鬼才、ナチョ・ビガロンドの2014年の作品。これもふ>>続きを読む

ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲(2018年製作の映画)

3.9

「Mr.ビーン」のローワン・アトキンソン主演のアクションコメディ「ジョニー・イングリッシュ」シリーズの第3作。実は、このシリーズ、これまでノーマークで、今回の最新作が初めての観賞。ローワン・アトキンソ>>続きを読む

いつだってやめられる 闘う名誉教授たち(2017年製作の映画)

4.0

「いつだってやめられる」シリーズの第3作。前作のエピソードを引き継いではいるが、この作品単独でも充分に楽しめるイタリアン・コメディ。自分たちの知識を武器に、合法ドラッグでひと稼ぎしようとした教授たちは>>続きを読む

人魚の眠る家(2018年製作の映画)

3.8

続々と映像化される東野圭吾の小説。残念ながら、この原作は読んではいないが、映像の魔術師・堤幸彦が、斬新な構成で作品にしている。「人魚」とは、プールで溺れ、意識不明の状態に陥った少女・瑞穂のこと。その父>>続きを読む

パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

3.7

「アメリカにはスーパーマンが、スパイダーマンがいる。だが、インドにはパッドマンが」という宣伝コピーには、思わず吹き出した。しかも、自分は「パッドマン」を「バットマン」と読み間違えていた。パッドマンとは>>続きを読む

バグダッド・スキャンダル(2018年製作の映画)

3.7

この作品のテーマとなっている国連のOFFP=石油食料交換プログラムについては、あまり知識がなかったのだが、主人公のマイケルの目を通して、少し理解できたような気がする。この種の政治をめぐるサスペンスドラ>>続きを読む

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)

3.9

原題は「ON THE BASIS OF SEX」、アメリカ史上で初の男女平等裁判に挑んだ女性弁護士の話。彼女、ルース・ギンズバーグは、ユダヤ人の家庭に生まれ、辛苦してハバードの法科大学院に入学する。ま>>続きを読む

ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)

3.6

いまも世界中で読み継がれている「ライ麦畑でつかまえて」のJ・D・サリンジャーだが、1965年の半ば以降、作品を発表することなく、事実上、作家としては引退していた。しかも2010年、91歳でその生涯を閉>>続きを読む

ビブリア古書堂の事件手帖(2018年製作の映画)

3.6

主人公の古書店主・篠川栞子を演じる黒木華がはまり役だった。シリーズ640万部のベストセラーの実写映像化ということだが、残念ながら原作を読んだことはない。とはいえ、原作の雰囲気をそのまま映像に移し替えて>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.4

やはりホラーは自分には向かなかった。前評判がかなり高かったので、少し期待していたのだが、途中から、ついていけなくなってしまった。ひとえにホラーに対する耐性が低い自分の問題であるので、あまり参考にしない>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.6

「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督の待望の新作。主演はやはり「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリング。とはいっても、作品の企画自体は、2003年にクリント・イーストウッドとワーナー・ブラザー>>続きを読む

未来を乗り換えた男(2018年製作の映画)

4.1

原作は1940年代に執筆された小説で、ナチス占領下のパリからマルセイユへと逃れた主人公を描いている。この作品では、その物語の構造をそっくりそのまま「現代」に移し替えている。とは言っても、正確にいつであ>>続きを読む

スマホを落としただけなのに(2018年製作の映画)

3.3

前半は、リアリティ豊かに、スマホのデータを他人に盗まれることの恐怖が描かれていく。タイトル通り、スマホを落とした場合、最悪な場合はどうなるのか、その興味で観客はスクリーンにひきつけられていく。原作は同>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.2

「ゼロ・グラビティ」(2013年)のアルフォンソ・キュアロン監督の5年ぶりの新作。日本では劇場公開はなく、ネットフリックスのオリジナル映画として配信された。キュアロン監督の自伝的作品で、時代は1970>>続きを読む

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.2

自分的には2018年の邦画ナンバーワンに推したい。いわゆる「出口なし」のモラトリアム状態に悩む主人公たちが、なにがしかの突破口を見つけて、前へと駆け出す作品なのだが、そのダメっぷりを演じるヒロイン寧子>>続きを読む

まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人(2018年製作の映画)

3.9

東京国際映画祭のワールド・フォーカス上映作品。それぞれが養子となり、他人として育った3つ子が、数奇な運命に導かれて、出会う。この実際に起こった驚きの奇跡を追ったドキュメンタリー。3人の出会いの経緯から>>続きを読む

トゥー・ダスト(2018年製作の映画)

3.3

東京国際映画祭ワールド・フォーカス上映作品。妻を失った主人公が、埋葬された遺体がどのように土に還っていくのかという疑問を抱き、市民大学の生物の教師に質問する。うまく答えられない教師は、主人公の問いかけ>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.1

東京国際映画祭コンペティション作品。日本からはこの作品と阪本順治監督の「半世界」がコンペティション部門に出品されたが、観客賞は、例年、邦画がとることが多い。去年は大九明子監督の「勝手にふるえてろ」が観>>続きを読む

ヒズ・マスターズ・ヴォイス(2018年製作の映画)

3.4

東京国際映画祭コンペティション作品。ハンガリー、ブダペスト生まれのパールフィ・ジョルジ監督の異色作。ハンガリーで暮らす主人公は、アメリカの起きた事故のドキュメンタリーで、かつて共産主義政権下のハンガリ>>続きを読む

キャラメル(2007年製作の映画)

4.0

「判決、ふたつの希望」に触発され、また、知人からの強力な勧めで観ることになった2007年のレバノン映画。ベイルートにある美容室が舞台のグランドホテル形式の作品。美容室に働く女性たちと店にやってくる人々>>続きを読む

大いなる闇の日々(2018年製作の映画)

3.3

捕東京国際映画祭コンペティション作品。監督のマキシム・ジルーはカナダのフランス語圏であるモントリオールの出身だが、この作品は20世紀前半のアメリカ西部が舞台。徴兵を忌避して、チャツプリンのモノマネをし>>続きを読む

プロジェクト・グーテンベルク 贋札王(2018年製作の映画)

4.2

東京国際映画祭のワールド・フォーカスで上映。おそらく、この映画祭でもいちばん観客の期待を集めた作品だったのではないか。かなり席を確保するのには苦労した。「インファナル・アフェア」シリーズの脚本家として>>続きを読む

氷の季節(2018年製作の映画)

3.6

東京国際映画祭コンペティション作品。19世紀のデンマークの寒村を舞台にした作品。タイトル通り、暗く冷たい世界が描かれていく。監督はデンマーク生まれのマイケル・ノアー。北ヨーロツパを中心に広がったドグマ>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.8

監督のブライアン・シンガーが、完成直前に、キャストやスタッフとの意見の相違から降板したという話は聞いていたが、逆にそれが功を奏したようにも思う。ひねりのないストーリー構成は、もはや「ユージュアル・サス>>続きを読む

シレンズ・コール(2018年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭コンペティション作品。自分的には「テルアビブ・オン・ファイアー」と並ぶベストムービーのひとつ。トルコ映画。イスタンブールの街を、カフカの小説のように抜け出せずにいる主人公の彷徨が描かれる>>続きを読む

カンボジアの失われたロックンロール(2014年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭、CROSSCUT ASIAでの上映。タイトルの通り、クメール・ルージュ以前のカンボジアの音楽事情を描いた作品なのだが、音楽映画というよりも、極めて政治的な作品としても観ることができる。>>続きを読む

テルアビブ・オン・ファイア(2018年製作の映画)

4.1

東京国際映画祭のコンペティション作品。自分が観たコンペティション作品の中では、一、二を争う好きな作品だ。イスラエルのテルアビブに住むパレスチナ人の主人公が、ひょんなことからパレスチナでつくる人気ドラマ>>続きを読む

LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)

4.2

東京国際映画祭の「ワールド・フォーカス」としての上映。パオロ・ソレンティーノ監督の、このところの一連の作品の集大成かと思うような作品。主演はもちろん、ソレンティーノ作品の常連であるトニ・セルヴィッロ。>>続きを読む