Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

Inagaquilala

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ロング,ロングバケーション(2017年製作の映画)

4.1

いきなりキャロル・キングの「イッツ・トゥー・レイト」に乗せて、走る車の映像が映される。何が遅すぎたのかは、車を運転する男性が家にもどってわかるのだが、このオープニングといい、自分には馴染み深い60年代>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

3.9

2008年、イラクの地雷除去を題材とした作品「ハート・ロッカー」で、女性としては初めてアカデミー賞監督賞に輝いたキャスリン・ビグロー待望の最新作品。1967年の「デトロイト暴動」を舞台にしたもので、5>>続きを読む

ジャコメッティ 最後の肖像(2017年製作の映画)

3.7

ジャコメッティと言えば、あのやせ細った針金のような人間の彫刻で有名だが、実は画家としても数々の作品を残している。この作品は、そのジャコメッティが描いた最後の肖像画にまつわるエピソードを映画化したもので>>続きを読む

ベロニカとの記憶(2017年製作の映画)

4.0

この作品の監督は、インド映画「めぐり逢わせのお弁当」で長編デビューしたリテーシュ・バトラ監督なのだが、実は、この第2作目の「ベロニカの記憶」の後にNetflixオリジナル作品としてつくられた「夜が明け>>続きを読む

ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)

3.8

9年で9回、死にかけた少年の物語だが、はっきり言って、難病ものなどではなく、歴としたミステリーだ。実は、観ていくうちに、少年の「謎」の在り処に気づいてしまったのだが、それは、作品のヒロインでもある少年>>続きを読む

ジオストーム(2017年製作の映画)

3.6

作品を紹介するキャッチで、「ディザスターの幕の内弁当」というものがあったが、まさに局地的寒気あり、地面を焦がす熱波あり、岩石のような雹あり、街を呑み込む大津波ありと、天変地異の場面はバリエーションを変>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

3.5

第1作でアマゾンの奥地からロンドンにやってきたパディントン。今回はその故郷での話も少し登場するのだが、ほとんどがロンドンにすっかり馴染んだパディントンの話。前回とは違ってすっかりプラウン一家とも馴染ん>>続きを読む

目撃者 闇の中の瞳(2017年製作の映画)

3.8

なかなかよく練られた台湾発のサスペンスミステリー。主人公の新聞記者が、中古で買った車の元の持ち主が、9年前に自分も現場を目撃したかつての交通事故の被害者であったことから、因縁に満ちた事件に巻き込まれて>>続きを読む

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生(2017年製作の映画)

3.0

とにかく登場する人物は誰もがよい人ばかりだ。作品では、開始早々、主人公に困難が降りかかる。それは先天性の病により、視力が5%までに落ちてしまうというものだ。そのため、作品のなかでは主人公視点のぼやけた>>続きを読む

悪と仮面のルール(2017年製作の映画)

3.3

海外でも高い評価を得た芥川賞作家・中村文則の同名サスペンス小説の映像化だ。原作の流れを汲んでか、冒頭からやや哲学問答的な会話劇が展開される。この傾向は、その後も随所に見られ、純文学出身の作家が書いたサ>>続きを読む

女の一生(2016年製作の映画)

3.7

なかなか野心的な作品だ。但し、その実現しようとしていることが、この原作に合致しているかどうかは、正直、判断を留保したい。原作は、フランスのギイ・ド・モーパッサンが1883年に発表した小説で、原題が「U>>続きを読む

伊藤くん A to E(2017年製作の映画)

3.4

廣木隆一監督はワンショットの長回しを得意としているが、この作品でもそれは健在で、伊藤くんが付き合う4人の女性との逢瀬には、それぞれ印象的な長回しのシーンが用意されている。Bの女性の場合は坂道を上って公>>続きを読む

ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!(2017年製作の映画)

3.8

リュック・ベッソンの原案、脚本、製作のアクションアドベンチャーということで、実にエンタテインメントとして良くできた作品となっている。とくに前半部分のバトル部分のショット切り替わりのリズム感の良さ、意外>>続きを読む

ザ・ビートルズ: 50年後のサージェント・ペパーズ(2017年製作の映画)

4.0

「世界初のコンセプト・アルバム」と呼ばれるロック史を代表する金字塔「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の発売50周年を記念して、2017年に製作されたドキュメンタリー作品。原題>>続きを読む

ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド(2011年製作の映画)

3.8

2001年に58歳で他界したザ・ビートルズのジョージ・ハリスンの生涯を追った、マーティン・スコセッシ監督2011年のドキュメンタリー。スコセッシ監督はザ・バンドの解散ライブを記録した「ラスト・ワルツ」>>続きを読む

レディ・ガイ(2016年製作の映画)

3.2

タイトルと宣伝ビジュアルではまったく観る気が起きなかったのだが、信用できる知人に勧められたので劇場へ。男性から女性へと性転換させられた殺し屋の話、なるほど設定は何やら面白そう。監督の名前を確認したら、>>続きを読む

嘘八百(2017年製作の映画)

3.8

監督・武正晴、脚本・足立紳、「百円の恋」のコンビがどんな作品をつくったのだろうと興味津々で劇場に足を運んだが、期待にたがわぬ、映画の面白さが隅々にまで生かされた、かなり楽しめるコメディだった。とくに中>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.1

好きだな「キングスマン」。たぶんこのシリーズは同じイギリス製のスパイアクションである「007」をめざしている。シリーズ第2作目であるこの作品にはとくにそれを感じた。前作にあった主人公の成長物語的要素は>>続きを読む

オール・アイズ・オン・ミー(2017年製作の映画)

3.4

25歳でこの世を去ったヒップホップ界のスーパースター、2PACの反骨の人生を描いた伝記的作品。あくまでもドラマ仕立てではあるが、ほとんど事実に基づいてつくれられているとは思われる。気になったのは、中盤>>続きを読む

謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス(2016年製作の映画)

3.7

ヒエロニムス・ボスは1450年頃に生まれ、1516年に没したオランダのフランドル派の画家だが、その生年が明らかになっていないように、とにかく謎に包まれた人物らしい。このドキュメンタリー作品では、そのヒ>>続きを読む

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

3.5

新しい年の1本目は、この気分も上がりそうなインドのアクション巨編。確かに、これでもかというくらいに盛り上げる歌と踊りは圧倒的なのだが、何故かそれゆえにイマイチ物語には没入できなかった。それはたぶん回想>>続きを読む

映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活(2017年製作の映画)

3.5

観るべき作品がなくなってしまったのと、上映スケジュールとの関係で、記念すべき年間映画鑑賞500本目は普段はあまり観ることのないアニメーションになってしまった。年末年始のラインナップは子供や家族向けが多>>続きを読む

でーれーガールズ(2015年製作の映画)

4.0

「勝手にふるえてろ」の大九明子監督の2015年の作品。原作は原田マハさんの同名小説。「勝手にふるえてろ」と同じく、登場人物が生き生きと作品のなかを動き回る。「勝手にふるえてろ」と同じく、大九監督は登場>>続きを読む

はじまりのボーイミーツガール(2016年製作の映画)

3.5

いかにもミスリードな邦題と落書き風なヴイジュアルで、てっきりアメリカからの作品かと思い込んでいたが、これがわが愛するフランス生まれの作品。これも年間観賞500本のラストスパートのなかで、観る作品がなく>>続きを読む

猫が教えてくれたこと(2016年製作の映画)

3.6

本来、動物が主役となる作品は苦手なのだが、2017年は年間映画鑑賞500本を目指したため、観る作品に事欠き、やむなくこの静かにロングランしている作品を観ることとなった。トルコの首都イスタンブールに生き>>続きを読む

コレリ大尉のマンドリン(2001年製作の映画)

3.8

最近の作品だと思っていたのだが、もう15年以上も前の2001年の作品だったのでびっくり。監督は「女神の見えざる手」のジョン・マッデン。アカデミー賞作品賞に輝いた「恋におちたシェイクスピア」(1998年>>続きを読む

わたしは、幸福(フェリシテ)(2017年製作の映画)

3.3

いきなりキンシャサのバーで歌う主人公の描写が続く。キンシャサはアフリカのコンゴ民主共和国の首都。その街の場末ともいえるバーで聴衆に向かう主人公フェリシテ(「幸福」を意味する名前)の歌声は力強い。冒頭で>>続きを読む

ダンシング・ベートーヴェン(2016年製作の映画)

3.7

これは得難いドキュメンタリーだ。2014年東京で行われた奇跡のステージを、そのスタート段階からスイスのローザンヌと東京を結びながら、追い続けた作品。バレエ界に革新をもたらした振付家モーリス・ベジャール>>続きを読む

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

4.1

去年の夏、池袋の新文芸坐の大林宣彦監督作品連続上映で、ひさしぶりに「HOUSE ハウス」(1977年)を観たが、この作品の脚本は、その劇場映画デビュー作より前に書き上げられていたという。本来ならば、大>>続きを読む

カンフー・ヨガ(2017年製作の映画)

3.3

「カンフーとヨガ」とは、つまり中国とインドの合作を意味するのかもしれない。約1000年前ある高貴な人物がインドから中国に逃げ延びようとする際に失われてしまった財宝を、ジャッキー・チェンがヨガの達人であ>>続きを読む

マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年(2016年製作の映画)

4.0

これは素敵なドキュメンタリーだ。ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」でサラ・ジェシカ・パーカー演ずる主人公キャリーが履いて一躍有名になった靴のブランド「マノロブラニク」。それを手がけるデザイナー、マ>>続きを読む

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)

4.1

「女神の見えざる手」のジョン・マッデン監督の出世作。1998年の第71回アカデミー賞で、作品賞、主演女優賞、オリジナル脚本賞をはじめとする6部門で受賞に輝いた作品。もちろん封切り時に観ていたのだが、「>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.3

極私的には、本年度いちばん面白かった日本映画だ。脚本も手がける大九明子監督の巧みな映像づくりにとにかくハマった。ヴィヴィッドな言葉が炸裂する(綿矢りさの原作小説をも凌ぐ)脚本を、これまた見事なリズムで>>続きを読む

リベンジgirl(2017年製作の映画)

2.8

「覆面系ノイズ」ではなかなか冴えた演出力を見せていた三木康一郎監督だが、本作品では題材とマッチしないのか、やや雑な感じが目立ち、正直残念だった。それはたぶん政治あるいは選挙というものに関しての描写だと>>続きを読む

彼女が目覚めるその日まで(2016年製作の映画)

3.1

アメリカ作品には珍しく、実話による難病ものだ。日本でつくるとお涙ちょうだいの感動作品となるのが関の山だが、さすがにあちらではそれでは観客は満足しないのか、かなりハードな闘病記となっている。とくに病気を>>続きを読む

フラットライナーズ(2017年製作の映画)

3.2

タイトルの「フラットナイナーズ(flatliners)」とは、「フラットライン(flatline)」から来ており、心拍が停止して、心電図の波形が平らになる状態を指して言うらしい。本作品は、「フラットラ>>続きを読む