Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 25ページ目

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ロダン カミーユと永遠のアトリエ(2017年製作の映画)

3.2

「考える人」や「地獄の門」で知られるフランスの彫刻家オーギュスト・ロダンを描いた伝記映画。とはいえ、主に描かれているのは、ロダンの弟子であり、恋愛関係にもあったカミーユ・クローデルとの愛憎半ばする激し>>続きを読む

まともな男(2015年製作の映画)

4.1

スイスの映画。彼の国では名だたる映画賞で最優秀脚本賞を受賞した作品で、監督のミヒャ・レビンスキーの作品としては、日本で初めて公開されるものらしい。脚本も監督自身だが、いろいろな賞を受賞しただけあって、>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.2

中世の日本を舞台にしたハリウッド製のアニーション作品。第89回アカデミー賞で「ズートピア」と同じく長編アニメーション部門にノミネートされたということで、ある程度アメリカでも評価されたのであろうが、これ>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.1

なんだろうな、このリアルな空気感。曲づくりをする同棲中の恋人せいいち(太賀)を食べさせるためキャバクラで働くツチダ(臼田あさ美)。もちろん恋人のせいいちには内緒だ。ツチダは店に来る客と愛人関係になり、>>続きを読む

GODZILLA 怪獣惑星(2017年製作の映画)

3.8

なんと「ゴジラ」1匹に、人類は地球から宇宙への脱出を余儀なくされる。英名「GODZILLA」。名前に「神(GOD)」が宿るこの巨大生物は、人類にこの母なる星を捨てさせるほど強大な力を行使するのだ。さな>>続きを読む

最低。(2017年製作の映画)

4.1

原作は未読だが、どうやら4つの短編小説からなるオムニバス作品らしい。映像化にあたっては、そのなかから3つのエピソードを抜き出し、ひとつの物語としてきちんと織りあげている。脚本を担当した瀬々敬久監督本人>>続きを読む

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

3.5

マーベルコミックのヒーロー大集合の「アベンジャーズ」の成功に刺激されたのか、DCコミックもついにヒーローがオールスターで登場する「ジャスティス・リーグ」を製作。「バットマン vs スーパーマン ジャス>>続きを読む

はじまりの街(2016年製作の映画)

4.0

北イタリア、ピエモンテ地方の主要都市トリノを舞台にした作品。夫がふるうDVのため、ローマからトリノへと逃げてきたアンナとヴァレリオの母子が主人公。親友で女優のカルラの家に寄宿したアンナは、自立して新し>>続きを読む

永遠のジャンゴ(2017年製作の映画)

3.6

ジャンゴ・ラインハルトの音楽を初めて耳にしたのは、ルイ・マル監督の「ルシアンの青春」のなかでだ。映像に見事にマッチした、これまで聴いたこともない演奏は、作品とともに深く胸に残った。ジャンゴ・ラインハル>>続きを読む

覆面系ノイズ(2017年製作の映画)

3.7

「セトウツミ」や「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」で気になる演技を見せていた中条あやみの初主演作品ということで、劇場に足を運ぶ。これもいま邦画界に氾濫している人気コミ>>続きを読む

(2016年製作の映画)

4.1

冒頭、ビートの効いた音楽に乗せ、海の中に浮かぶ島の全景が映し出される。何かがこの島を舞台にして起こる予感。一転、牧歌的な少年少女たちの島での生活が描写されていく。しかし、最初に感じた不穏な雰囲気は、映>>続きを読む

嘘を愛する女(2018年製作の映画)

4.0

2011年3月11日の東日本大震災の日に知り合った川原由加利(長澤まさみ)と小出桔平(高橋一生)。混乱の群衆のなかで、ハイヒールで歩いていた由加利に、自分は靴下だけになり、そっとスニーカーを差し出す桔>>続きを読む

未成年だけどコドモじゃない(2017年製作の映画)

3.9

女子高校生の秘密結婚というテーマは、昔なら「おくさまは18歳」という圧倒的な人気テレビドラマがあったが、あちらは女子高校生と教師の秘密結婚。こちらは高校生どうし、しかも同じ学校の上級生と下級生。それで>>続きを読む

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

4.2

冒頭から主人公が葛藤のなかに置かれていることが、隣人から発せられた言葉でわかる。主人公フランクが直面しているのは、天才的な数学の才能を持った7歳のメアリーに対する扱いについてだ。メアリーは生まれてまも>>続きを読む

密偵(2016年製作の映画)

3.7

舞台は1920年代の日本統治下の朝鮮半島と上海。主人公のイ・ジョンチョル(ソン・ガンホ)は、現地の人間でありながら日本の警察に属して、朝鮮独立をめざす武装集団に対する複雑な立場。彼を中心として、スリリ>>続きを読む

ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)

3.8

他人の家に忍び込んで、浴室を利用し、食べ物を漁る。主人公は廃車寸前の車で寝泊まりしている男ドワイトで、ファーストシーンはいきなりそんな彼の法から外れた行動を描写していく。ホームレスの生活を送っているド>>続きを読む

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.1

カルト的な映画作家であるアレハンドロ・ホドロフスキー監督が「砂の惑星」の映像化に挑んだ話が、たっぷりと監督自身の口から披露されているドキュメンタリー。出演者にサルバドール・ダリやミック・ジャガー、オー>>続きを読む

泥棒役者(2017年製作の映画)

3.7

とにかく絵本作家の役を演じた市村正親の怪演が光る作品だ。かつてベストセラーを生んだ絵本作家の豪邸に、強盗に入った主人公たちが、「編集者」に間違えられることから端を発して、次々に現れる登場人物が、またま>>続きを読む

ウィリアムズ(2017年製作の映画)

3.7

F1の名門チーム、ウィリアムズの歴史をたどったドキュメンタリー。チームを創設したフランク・ウィリアムズは、自動車事故で車椅子の生活を余儀なくされながらも、サーキットでは陣頭指揮をとり、「車椅子の闘将」>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.2

古い言葉で言えば「藝術と実生活」、トーマス・マンなら「トーニオ・クレーガー」、日常生活と詩作の間の相克に悩む主人公は、監督のアレハンドロ・ホドロスキー自身。自伝的作品であった「リアリティのダンス」の続>>続きを読む

不都合な真実2:放置された地球(2017年製作の映画)

3.9

前作からもう10年以上も経つのかというのが正直な感想だ。前作の製作は2006年で、第79回のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞と主題歌賞の2部門を受賞し、大きな反響を巻き起こした。今作では前作に対す>>続きを読む

ゆらり(2017年製作の映画)

3.5

物語は現在、未来、過去の3部構成で語られていく。現在から未来への移行がやや唐突なので、戸惑うのだが、小道具やエピソードの重複で割合すぐにその時間関係は判明する。いずれのエピソードも母と娘の関係を描いた>>続きを読む

人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

3.8

まさかクリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」に便乗したわけではないと思うが、この作品のなかで撮られる映画のタイトルは「ダンケルク」だ。とはいえ、時代と舞台は1940年のロンドン、ちょうどダンケル>>続きを読む

ネルーダ 大いなる愛の逃亡者(2016年製作の映画)

4.0

ナタリー・ポートマンがジョン・F・ケネディ元大統領夫人であるジャクリーン・ケネディを演じた作品「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」で初の英語作品のメガホンをとったチリ人監督パブロ・ララインが、>>続きを読む

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ(2017年製作の映画)

3.7

寺山修司の映画「田園に死す」の一場面に似た新宿街頭でのシーンが登場したり、主人公のアキが所属するサーカス団が同じく寺山の劇団「天井桟敷」を彷彿とさせたり、自分としてはかつて享受していた寺山修司的世界が>>続きを読む

ジグソウ:ソウ・レガシー(2017年製作の映画)

3.5

ちょうど本業が忙しかったためか、「Saw」シリーズが立て続けにつくられていた時期、映像作品自体あまり観ることがなかった。それもあって、飛び石的にしかこのシリーズを観てはいないのだが、物語的にはこれまで>>続きを読む

MASTER マスター(2016年製作の映画)

3.9

経済事件が題材ということもあり、前半が少し説明的で重い展開だが、イ・ビョンホン演じる金融犯罪のプロが海外に逃亡してからは、かなりテンポの良い展開となる。舞台もソウルからフイリピンのマニラに移り、スケー>>続きを読む

ザ・サークル(2017年製作の映画)

3.8

なんとも中途半端な幕切れというのが正直な感想だ。SNSがもたらすコミュニケーション社会を描いた作品なのだが、全世界の人がつながることで不安のない理想社会ができるのか、はたまた作中でSNS企業の代表を演>>続きを読む

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

4.0

前編と後編に分かれていて、あまり時を経ずして公開される作品の場合、概ね後編より前編のほうが良い場合が多い。作品の入り口となる前編に力を入れてつくるからかもしれないが、後編のほうが素晴らしかった例をあま>>続きを読む

セントラル・インテリジェンス(2016年製作の映画)

3.7

物語は20年前から始まる。ボルティモアのセントラル・ハイスクール、片や「将来もっとも成功しそうな人間」に選ばれた人気者のカルヴィン、片や肥満児でいじめられっ子のロビー。卒業式の日、「ゴールデン・ジェッ>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.8

作品が始まるとまずカウンセラーと患者の会話が始まる。それがしばらく続くと、患者の兄コニー(ロバート・パティンソン)が乗り込んできて、弟をその場から連れ去ってしまう。いきなりふたりの会話のシーンが続くの>>続きを読む

エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる(2011年製作の映画)

4.0

「シンクロナイズドモンスター」のナチョ・ビガロンド監督が2011年に母国スペインで製作した作品。脚本も同じく彼自身が手がけている。「シンクロナイズドモンスター」では、韓国のソウルに出現した怪獣がアメリ>>続きを読む

DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)

3.4

西岸良平の原作に、監督は山崎貴、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの組み合わせで新たに挑戦したファンタジー作品。「鎌倉ものがたり」とあるので、当然の如く、鎌倉という場所が全面的にフィーチャーされて>>続きを読む

ポーカーの果てに(2017年製作の映画)

4.1

東京国際映画祭「アジアの未来」の1本。トルコの作品だ。週末の夜、主人公は友人たちを集めてポーカーで遊ぼうとしているが、外では反政府のデモが激しさを増している。まずこのポーカーと反政府デモの組み合わせが>>続きを読む

老いた野獣(2017年製作の映画)

3.9

東京国際映画祭「アジアの未来」出品作品。コンペティションでは藤本明緒監督の「僕の帰る場所」と作品賞を争ったが、「スペシャルメンション」が授与された。「スペシャルメンション」というのは、「審査員特別表彰>>続きを読む

ナポリ、輝きの陰で(2017年製作の映画)

3.8

ちょっと驚いたのは、この作品に主演している父親と娘さんは実際の親子で、しかも演技はほとんど初めての素人だということだ。作品の原題は「Il Cratere」、英語表記だと「Crater」で、天体衝突でで>>続きを読む