Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

Inagaquilala

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エルネスト(2017年製作の映画)

3.3

冒頭はキューバ革命とチェ・ゲバラに関するニュースフィルムで始まる。この時代にチェ・ゲバラに関する作品を送り出すうえでの配慮かもしれないが、歴史的な背景をここで説明しているのだろう。とはいえ、作品の最初>>続きを読む

ソウル・ステーション パンデミック(2016年製作の映画)

3.2

韓国のソウルからプサンに向かう列車内で発生した感染パニックを描いた「新感染 ファイナル・エクスプレス」が、先日、日本で封切られたが、この作品は、その前日譚となるアニメーション作品。ソウル中央駅で、どの>>続きを読む

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

3.7

前編と、2週間後に封切られる後編を合わせて、5時間超の作品となるらしいが、前編を観る限りは無駄なエピソードも多く、この作品を前後編で見せる必然性はまったく感じられなかった。とくに「自殺抑止研究会」まわ>>続きを読む

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.7

「最終章」というだけあって、北野武監督は見事にこの作品で落とし前をつけている。今回が第3作目、深作欣二監督の「仁義なき戦い」のように、手を変え、品を変え続けて欲しいシリーズものだが、とりあえずこの作品>>続きを読む

ドリーム(2016年製作の映画)

4.0

作品の最後に、モデルとなった3人の人物についてのその後が紹介されており、なるほどこれは事実に基づいた物語であるという「後フリ」もなされているが、いろいろ調べていくと、かなり1961年のNASA、あるい>>続きを読む

マラドーナ(2008年製作の映画)

3.8

元ユーゴスラビアの出身で、カンヌ、ベネチア、ベルリンの三大映画祭を総ナメにした鬼才エミール・クストリッツァ監督が、毀誉褒貶相半ばするサッカー選手、ディエゴ・マラドーナの半生に迫ったドキュメンタリー。監>>続きを読む

スクランブル(2017年製作の映画)

3.2

劇場を一歩踏み出した途端、その内容などすっかり忘れてしまう作品がある。たぶんアクションに重きを置いたアトラクション系の類のものなのだが、この作品もそんなひとつ。観賞後すぐでさえそのありさまなのだから、>>続きを読む

プラネタリウム(2016年製作の映画)

3.2

ナタリー・ポートマンとジョニー・デップの娘リリー=ローズ・デップの共演ということで、期待して劇場に出かけたが、ややハズした感じ。死者を呼び出す能力を持つ霊感の強い妹と、彼女と一緒に降霊術を見せて有名に>>続きを読む

ヴェンジェンス(2017年製作の映画)

3.8

冒頭にいきなり射撃練習のシーンが登場する。決して急所を外さない見事な腕前。この人物が誰であるかははっきり示されるわけではないが、のちのち重要な意味を持つシーンになるだろうということは容易に想像できる。>>続きを読む

ブルーム・オブ・イエスタディ(2016年製作の映画)

4.0

祖父がナチスの戦犯だった歴史学者の男性と、祖母がホロコーストの犠牲者だった実習生の女性。互いに特殊な事情と特異な性向を抱えたふたりが織りなす不思議な恋愛模様。

昨年、東京国際映画祭のコンペティション
>>続きを読む

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.3

今回、観たのは、デジタルリマスターされた、上映時間5時間12分の完全版。旧ユーゴスラビア出身の鬼才監督エミール・クストリッツァの代表作だが、これは絶対に5時間12分の完全版を、それも一気に通しで観るこ>>続きを読む

アフターマス(2016年製作の映画)

3.8

日本の配給会社が製作した宣伝ポスターによると、アーノルド・シュワルツェネッガーの顔のアップに重なるように、衝突する飛行機の画像が重ねられている。まるでアクション作品のようなこのポスターに騙されてはいけ>>続きを読む

茅ヶ崎物語 〜MY LITTLE HOMETOWN〜(2017年製作の映画)

3.8

何人か知人も出演しているので、興味深く観賞。綺羅星のごとく優れた音楽家を輩出している湘南の茅ケ崎という町には、もとから憧憬にも似た気持ちを抱いていたが、この作品を観てその理由がわかったような気がした。>>続きを読む

50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

4.1

少し前に観た「キングス・オブ・サマー」に次ぐ、少年時代をテーマにしたボーイフッド作品。あちらは少年たちが家族から自由になりたいということで、森に秘密の家を建てる話だが、こちらは学校では「サイコ」として>>続きを読む

オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.2

とにかくラストシーンにはやられたな。ネタバレしてしまうので、詳細には書かないが、たぶんドローンで撮影されたものだと思うが、カメラが上空に引いて俯瞰になったときのなんとも言えないこみ上げるものが、この作>>続きを読む

夜明けの祈り(2016年製作の映画)

4.0

マイフェバリット映画のひとつでもある「美しい絵の崩壊」のフランス人女性監督、アンヌ・フォンテーヌの作品。「美しい絵の崩壊」はオーストラリアの海辺の町を舞台にしたまさに美しい作品だったが、今回の舞台は、>>続きを読む

蜜の宮殿(2015年製作の映画)

3.1

低予算作品を次々と送り出しているアメリカの製作会社アサイラム・スタジオが、大ベストセラーを映画化した「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」に便乗してつくった作品。物語や演技陣のB級感は半端ないのだが、>>続きを読む

幸せになるための5秒間(2014年製作の映画)

3.6

大晦日の夜、飛び降りの名所であるロンドンのビルの屋上で、偶然出くわした自殺志願の男女4人。自分と同じ志向を抱えた人間を見ると、その気持ちが萎えるのか、お互いバレンタインまでは自殺を思い止まるという誓約>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.2

間違いなく、今年観た邦画の中でNo.1の作品。ラストまで持続する緊張感、巧みに張りめぐらされた伏線、それらをきっちりと回収するのではなく観る側に委ねるという大胆な構造、「三度目」という意味深なタイトル>>続きを読む

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

4.0

宇宙を舞台にした物語のメリットは、言うまでもなく地球上のルールに縛られない、どんな状況を描いてもいい、何を登場させてもよいという点である。当然、観る側もそれを期待する。「エイリアン」シリーズの、胸の鼓>>続きを読む

東京喰種 トーキョーグール(2017年製作の映画)

3.2

たぶん引退前後の彼女の発言から察するに、清水富美加はこの作品に出演したことが引き金となり芸能界からの引退を決意したのではないかと思われる。人を喰うことでしか生きられない「喰種(グール)」を演じた清水だ>>続きを読む

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

4.0

「ワンダーランドの映画作家 大林宣彦映画祭2017」で観賞。個人映画とコマーシャルフィルムの世界で活躍していた大林宣彦監督が、1977年、初めて手がけた劇場用映画で、ポスターにもきちんと丸い東宝マーク>>続きを読む

LUCK-KEY/ラッキー(2016年製作の映画)

3.7

内田けんじ監督の「鍵泥棒のメソッド」をリメイクした韓国映画。例の役者と殺し屋が入れ替わる銭湯の場面は、そのままのシチュエーションで描かれている。韓国にも日本の銭湯にあたる施設があるのには驚いた。

>>続きを読む

西遊記2~妖怪の逆襲~(2017年製作の映画)

3.1

チャウ・シンチー(周星馳)が監督した「西遊記 はじまりのはじまり」の続編。「人魚姫」では奇抜な発想で驚きの作品を世に送り出したが、この第2弾では、製作と脚本に退き、監督は「香港のスピルバーグ」と呼ばれ>>続きを読む

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)

4.0

今年公開された「キングコング 髑髏島の巨神」のジョーダン・ボート=ロバーツ監督がこんな素敵な作品を撮っていたとは。両作品とも「森」が舞台になっているとはいえ、ちょっとびっくり。この作品は2013年にジ>>続きを読む

追想(1975年製作の映画)

4.0

「冒険者たち」と同じフランソワ・ド・ルーベの音楽に乗り、幸せそうな3人家族のサイクリングの映像から作品は始まる。母と娘に後ろから追いついていく父。3人の自転車が揃うとストップモーションがかかり、タイト>>続きを読む

野ゆき山ゆき海べゆき(1986年製作の映画)

4.1

「ワンダーランドの映画作家 大林宣彦映画祭2017」で観賞。大林監督にとっては、「転校生」(1982年)、「時をかける少女」(1983年)、「さびしんぼう」(1985年)の尾道三部作の後の、1986年>>続きを読む

ザ・ウォール(2017年製作の映画)

3.8

太陽照りつける乾いた土地の真ん中でのほとんどワンシチュエーションのドラマ。登場人物も、姿の見えないスナイパーに対するアメリカ兵のアイザックとマシューズふたりだけ。彼らを狙うスナイパーは最後まで、はっき>>続きを読む

ふたり(1991年製作の映画)

3.6

「ワンダーランドの映画作家 大林宣彦映画祭2017」で、「あした」(1995年)とのカップリングで観賞。どうしても「あした」と比較してしまうと、どうもこちらの作品は物足りない。もちろん登場人物が「あし>>続きを読む

あした(1995年製作の映画)

4.1

「新作『花筐/HANAGATAMI』完成記念! ワンダーランドの映画作家 大林宣彦映画祭2017」で観賞。出演者に知人がいたため、確か現地でのロケを見学に、尾道の対岸にある向島まで出かけた記憶があるの>>続きを読む

あしたは最高のはじまり(2016年製作の映画)

3.4

南フランスのコート・ダ・ジュールで女性たちに囲まれて気ままな生活を送っていた主人公サミュエル(オマール・シー)の前に、突然赤ん坊を抱えた女性クリスティンが現れる。彼女は「これはあなたとの子供です」と言>>続きを読む

ナインイレヴン 運命を分けた日(2017年製作の映画)

3.2

タイトルからもわかる通り、2001年9月11日に起きた、ニューヨークのワールド・トレード・センターで起きたテロ事件を題材とした作品。北棟の38階付近のエレベーターの閉じ込められた5人の脱出劇だ。離婚の>>続きを読む

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

4.0

スーパーマーケットで買い物かごを提げる半裸の女性のビジュアルが印象的だった「フローズン・タイム」(2006年)のショーン・エリス監督が手がけた第二次世界大戦を舞台にした映画。元々ファッション誌のフォト>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.2

最近観た、同じくベトナムを舞台にした作品「草原に黄色い花を見つける」に触発され、ひさしぶりに再観賞。なんだろう、この瑞々しさは。とにかく監督のトラン・アン・ユンのつくりだした映像世界にどっぷりと引き込>>続きを読む

ウォー・マシーン:戦争は話術だ!(2017年製作の映画)

4.0

それにしても、ひどい副題だ。ウイットもシャレもかけらもない。かといって内容をストレートに表すタイトルでもない。明らかにこの作品への理解に欠けるタイトルだ。ブラッド・ピットの映画製作会社であるプランBと>>続きを読む

トリガール!(2017年製作の映画)

3.9

この作品は思わぬ収穫だった。マイ観賞リストには入っていなかったが、旅先の佐世保のシネコンで、空いた時間のスケジュールでは唯一この作品だけが未見だったので、観賞。かなりきちんとつくられた作品であることは>>続きを読む