Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Inagaquilala

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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.9

「婚前特急」の前田弘二監督らしい、ほのぼのとした味わいのラブコメディ。イケメンではあるがコミュニケーションが苦手で、彼女のできない数学ひと筋の予備校教師の役を、成田凌がリアリティ豊かに演じている。成田>>続きを読む

メイキング・オブ・モータウン(2019年製作の映画)

3.9

自動車産業の都であったデトロイトの一角に生まれたレコード会社が、その後のアメリカの音楽史を塗り替えるアーティストたちを次々に送り出していった。スティービー・ワンダー、マービン・ゲイ、ダイアナ・ロス、マ>>続きを読む

異邦人(1967年製作の映画)

3.8

かつて観賞したことはあったが、デジタル復元版が劇場で公開されるということで、ひさしぶりに観る。アルベール・カミュが1942年に発表した小説を、巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督が映画化、「太陽が眩しかった>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.1

突然、聴覚を失ったドラマーが主人公の物語。歌手である恋人とともに、トレラーハウスに暮らしながら、アメリカ各地をまわりライブをしていた主人公。聴力を失ったことで、ろう者の支援コミュニティに入るが、そこで>>続きを読む

ヘアピン・サーカス(1972年製作の映画)

4.0

確か監督の西村潔は、石原慎太郎と一橋大学では同級生で、同じ年に東宝に入社している(石原はすぐに退社)。東宝では異色の、アクションが得意の監督で、トランペッター日野皓正の手になる挿入曲「スネイク・ヒップ>>続きを読む

きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

3.8

戦争と音楽を対比させながら、不思議な物語が進んでいく。登場人物はいずれも定規で図ったような動きをして、セリフ回しもことさら感情を抑え、全体的にオフビートな感じで、川を挟んで対岸の町と戦争を続けている、>>続きを読む

ビバリウム(2019年製作の映画)

3.3

ベルギー&デンマーク&アイルランドの合作作品。同じようなテーマのハリウッド作品があったように記憶しているが、またそれとは違った不思議な味わいを持った作品だ。家を探していたカップルが、不動産屋に案内され>>続きを読む

バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画をつくったら~(2021年製作の映画)

3.8

テレビ東京で放送されているドラマは残念ながら観てはいないのだが、総勢100人の「バイプレイヤーズ」が出演するこの劇場版は、まさに労作だ。とりあえず努力賞は進呈したい。富士山麓にある「バイプレウッド」と>>続きを読む

オペレーション・フィナーレ(2018年製作の映画)

3.6

どこまで事実に即しているのかはわからないが、ブラジルに逃亡していたナチスのアドルフ・アイヒマンを追跡して、イスラエルに連行して裁判にかけるまでを描いた作品。アメリカでは劇場公開されたようだが、日本では>>続きを読む

テスラ エジソンが恐れた天才(2020年製作の映画)

3.4

去年公開された作品で、「エジソンズ・ゲーム」という発明王トーマス・エジソンと実業家ジョージ・ウェスティングハウスの直流と交流の「闘い」を描いたものがあったが、この「テスラ エジソンが恐れた天才」は、そ>>続きを読む

春江水暖~しゅんこうすいだん(2019年製作の映画)

3.9

タイトルにも現れているが、これは富春江という川を描いた作品とも言える。杭州市の富陽地区、新たに開発が進む場所でもあるが、富春江沿いに古い建物も残っており、人々が水浴などにも訪れる憩いの場でもある。この>>続きを読む

おもかげ(2019年製作の映画)

3.8

2017年につくられ、アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされた短編「Madre」を、そのまま冒頭シーンに使って長編作品として完成させた作品。短編は観ていないのだが、たぶん冒頭の6歳の息子からの電話>>続きを読む

グッド・ストライプス(2015年製作の映画)

3.9

「あのこは貴族」を観て、同じ岨手由貴子監督の2015年のこの作品を再観賞。あらためて細部まで目が凝らされた素晴らしい作品であることを確認した。「森崎書店の日々」(2010年)で主演した菊池亜希子が、交>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.1

山内マリコは、映画化に恵まれている小説家だ。デビュー10年余りで、この作品を入れて映画化作品が3本。しかも、過去2作の「アズミ・ハルコは行方不明」(松居大悟監督、2016年)も「ここは退屈迎えに来て」>>続きを読む

サンティネル(2021年製作の映画)

3.2

2008年公開の007シリーズの22作目「007 慰めの報酬」以来、注目しているオルガ・キュリレンコ主演のフランス映画。オルガの作品は、その後、「トゥ・ザ・ワンダー」(テレンス・マリック監督、2012>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.9

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの完結編。前作の「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」(2012年)から9年が経ち、このシリーズ第4作目で「完結編」となるということだ。この壮大な物語にピリオドを打つに当>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.2

2020年に公開された邦画作品のなかで、ベスト3に入る傑作だと思う。草なぎ剛がトランスジェンダーの主人公を演じて話題となったが、確かに彼の演技は主演男優(女優?)賞ものだ。ただ作品を観て驚いたのは、と>>続きを読む

太陽は動かない(2020年製作の映画)

3.2

「海猿」のシリーズなどを手がけてきた羽住英一郎監督なので、ブルガリアにロケをしたアクションシーンは見応え十分なのだが、お話が少しお粗末なので、正直、期待はずれだった。外国のスパイアクションに倣ったのだ>>続きを読む

ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~(2020年製作の映画)

3.9

1998年の長野五輪のスキージャンプ団体で金メダルを獲得したチームの陰で、彼らの活躍を後押ししたテストジャンパーにスポットを当てた物語。前回のリレハンメル五輪の団体戦で金メダルを逃した西方仁也を主人公>>続きを読む

劇場版ポルノグラファー プレイバック(2021年製作の映画)

3.4

コミックを実写化したドラマの劇場版。テレビシリーズは未見だが、この作品に限って言えば、なかなかよくできている。恋愛ものでは定評のある三木康一郎監督のメガホンであることも影響しているのか、趣向を変えて、>>続きを読む

劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班(2021年製作の映画)

3.3

タイムパラドックスなど少しも気にせず、せっせと過去が改変されていく物語にはやや驚きは隠せない。もともとの韓国のドラマも、日本でリメイクされたテレビシリーズも未見だが、どう考えても過去と無線機で繋がり、>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

3.4

今泉力哉監督にしては、やや散漫な内容になってしまったかなと思わせる作品。劔樹人の自伝的コミックエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」を、実写映画化したものだが、登場人物が多く、少し整理が行き届いていない>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.2

この作品は、1度目より、2度目のほうが面白く観られる。知人の結婚式に出席する11月9日が何度もが繰り返されるタイムループもののラブコメディだが、とにかくいろいろな仕掛けが、作品には詰まっている。再観賞>>続きを読む

椿の庭(2020年製作の映画)

3.0

広告の分野で活躍する写真家の上田義彦氏が、監督と脚本を担当した作品。脚本は長年あたためてきたものということだが、それほど魅力的なものとは感じなかった。それよりも写真家が監督を務めて撮った作品ということ>>続きを読む

劇場版 奥様は、取扱い注意(2020年製作の映画)

3.8

2017年に放送されたテレビドラマはまったく観ていなかったが、この映画版、なかなか楽しめた。ドラマもそうだったようだが、原案は金城一紀。いかにも彼らしいスケールの大きな物語の構えだが、見どころは、やは>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.0

実は、さまざまな賞にも輝いた藤井道人監督の前作「新聞記者」には、若干の違和感も感じていたのだが、この作品は、紛れもない傑作。大きく分けて3つの時代の主人公の姿が描かれていく。まずヤクザになる前、そして>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

4.2

ロサンゼルスからアメリカ中西部のアーカンソーに移住してきた韓国人一家の4人。夫はこの地にはいちばん良い土があるからと言って、韓国野菜を育てて暮らしを立てようとする。妻はたどり着いた家がトレーラーハウス>>続きを読む

ターコイズの空の下で(2019年製作の映画)

3.3

残念ながら、自分には向いていない作品だった。柳楽優弥扮する主人公が、成功者である祖父の命に従い、叔母にあたる女性をモンゴルの地で探すという物語だが、ロードムービーにはよくある出会い頭の出来事が多く、そ>>続きを読む

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)

4.0

この作品は素晴らしい拾いものだった。新宿シネマカリテの「カリコレ2019」で上映された作品だったらしいが、まったくその存在さえスルーしてしまっていた。配信で、半ば埋もれかけたこのような作品を、観賞でき>>続きを読む

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

3.4

好きになった男を追いかけて、田舎から出てきた「ドレミファ娘」を演じている洞口依子の存在感はもちろんだが、彼女を研究対象としてセクシーな「実験」を行う伊丹十三の演技が印象的だ。伊丹の演技としては、「日本>>続きを読む

地獄の警備員(1992年製作の映画)

3.6

「スパイの妻 劇場版」でベネチア国際映画祭の監督賞を受賞した黒沢清監督が、1992年につくったホラー作品。今回はデジタルリマスターされてのリバイバル上映で、自分としては初観賞だ。たぶん、「スパイの妻 >>続きを読む

愛と闇の物語(2015年製作の映画)

3.5

イスラエルの作家でジャーナリストでもあるアモス・オズの自伝小説を、女優のナタリー・ポートマンが監督、脚本、主演を務めて映画化。物語では、老境に達したアモスを語り部に、イスラエル建国前夜、ユダヤ人に対す>>続きを読む

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.1

「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督の2017年の作品。日本では劇場公開されず、そのまま配信となったが、これは傑作。観賞中、ロデオ競技で頭に大怪我を負った主人公ブレイディを演じている俳優は誰なのかとず>>続きを読む

キラー・エリート(2011年製作の映画)

3.4

物語の舞台が世界各地に飛ぶ作品が好みだ。この作品もメキシコから始まり、オーストラリア、オマーン、イギリス、フランスと、元殺し屋の主人公ダニー(ジェイソン・ステイサム)は、やむなく巻き込まれたかつての「>>続きを読む

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

3.5

これは壮大な作品のほんの序章なのかもしれない。作品では、旧ソ連の全体主義社会を描くために、合計700時間にも及ぶ映像が撮影されたという。その期間は40カ月、主要キャストだけで400人、衣装も約4万着、>>続きを読む

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

4.1

韓国の映画のレベルが高いのは、「パラサイト 半地下の家族」(2019年)で世界的にも証明されているが、この作品のキム・ヨンフン監督も、これが初めての長編とは思えない、完成度の高い、確かな実力を発揮して>>続きを読む