鮃サブロウ太さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

鮃サブロウ太

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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.8

こういうノリや勢いだけではどうにもならない映画の場合、役者の演技が生命線だと思う。
物語自体捉えどころのない本作はなおさらその印象が強いが、芸達者な3人の若手俳優のお蔭で飽きずに観ることができた。
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映画 ドラえもん のび太と緑の巨人伝(2008年製作の映画)

1.3

ドラえもんがジブリに接近したような内容で恐ろしくつまらなかった。今まで観た映画ドラえもんのなかでこれほど退屈したのは初めてかもしれない。
やはりそれぞれに持ち味のようなものがあるはずで、本作の内容と展
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太秦ライムライト(2013年製作の映画)

3.3

一昔前の時代劇は面白かった。そういう懐かしい気持を抱いている人たちにとっては素敵な贈り物のような作品だと思う。特にラスト30分は作り手の作品愛が滲み出ていて、今は亡き松方弘樹の重厚な殺陣姿も花を添え見>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

2.5

出だしの場面から雰囲気があって期待値を上げすぎたせいか、回想場面を中心に情緒過多で一つ一つのセリフやそこにつけられた音楽が段々鬱陶しくなってきた。
気の毒な話には違いないがそれをあまりにも美化しすぎて
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マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ろくに内容も確かめもせず加賀まりこを髣髴させる女主人のジャケットとほのぼのとしたタイトルだけをみていわゆる奮闘記の類かと思い軽い気持で借りてきたら、ゾッとするような村八分の話でビックリした(よくよく見>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

4.1

昨日観た『レディ・バード』の隣に並んでいた作品で、こちらもいわゆるジャケ借りしたもの。個人的な好みでいうと本作のほうが好きだった。
幻想的な夢と食肉処理場の現実という何ら関連性のない取り合わせから生ま
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.0

ジャケットに惹かれて借りてみたが、正直ピンとこなかった。
部分をみるといいなと思えるところはあるものの、全体をみると同じような場面、似たような会話ばかりが延々と続いてダレる。どちらを優先的に考えるかで
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チャットレディのキセキ(2018年製作の映画)

1.0

観なかったことにしたい映画。
80分を切る時間しかないのに演奏シーンがあまりにも多すぎる。名曲アルバムじゃあるまいし、もっと物語に説得力を持たせる為に時間をつかって欲しかった。加えて脇役陣のあまりに低
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.7

観終わった後に新しい景色が拓けてくるような素晴らしい映画だった。
全篇エネルギーに充ち満ちており、晴々するぐらい未来志向。
世間が変わるのを待つのではなく自分たちが変えていくのだという非常にポジティブ
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みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)

4.0

本作は悖徳の美に浸るための作品だと思う。穿鑿や非難は野暮というもの。
冒頭部分で早くも結末が明かされるので、それに続く森の中での愉しげな場面ですらすでに哀しみに縁取られているように見えてしまう。
その
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美人が婚活してみたら(2018年製作の映画)

1.2

冒頭、主人公(タカコ)とその女友達(ケイコ)の会話の中で、タカコの男遍歴がサラッと語られる場面がある。このあけっぴろげな遣り取りをきいただけで作品に対する期待感が一気に萎んでしまった。
で、この腰の軽
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最初で最後のキス(2016年製作の映画)

4.1

この映画には奇妙なノリがある。それが特に前半部分において顕著で、個人的には大いに集中力を削がれた。ところが、中盤を過ぎたあたりからどんどん濃密になって、そこからはラストまで一気に持っていかれてしまった>>続きを読む

ソローキンの見た桜(2018年製作の映画)

4.0

別の映画サイトでは酷評も目立つ本作だが、単純な人間なので素直に感動してしまった。
エンディングで流れたヴォカリーズの甘い旋律そのままの雰囲気というとちょっと言い過ぎかもしれないが、同じラフマニノフの交
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L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。(2018年製作の映画)

2.6

この歳になってこういう作品に手が伸びる自分が情けないが、ほのぼのとした感じは悪くないと思う。良くも悪くも今この瞬間を楽しんでいる人たちの映画なのだろう。
未遂を含めキスシーンが多すぎるのは気になるが、
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火垂るの墓(1988年製作の映画)

3.7

戦争映画と一括りにするのもどうかと思うが、少し前に観た『この世界の片隅に』が新しいタイプの戦争映画だとすると、本作は旧スタイルの典型ではないだろうか。
どちらが優れているとかそういうことではなく、どち
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.0

ヘンな期待感を持って観たせいか、蓋を開けてみれば限られた登場人物と限られた関係性の中だけで繰り広げられる生産性のない内輪話で参った。
特に前半の空気感は某女性シンガーソングライターの気怠い歌唱を彷彿と
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

3.9

今回ジブリ作品をまとめて(ほぼ初見)みる中で、空はジブリの重要な表現空間なのだと思った。それが一番シンプルに出ているのが本作ではないだろうか。後年のハウルの動く城のコテコテした仰々しさも風立ちぬに見ら>>続きを読む

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

1.8

全体に雑駁。展開としてはずいぶん動的なのに、話にコシがないため印象に残る場面が皆無。同じ監督が手がけたアリエッティやマーニーのキラキラした、それでいて儚さや切なさを丁寧に織り込んだ世界はどこへ行ってし>>続きを読む

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

2.8

主人公のクセのあるキャラ設定だけで乗り切ったような共感とは程遠い内容だった。屁理屈に毛の生えたような言葉遊びもヒドい。
それでも終わりよければなんとやらで、最後はこの奇妙な物語を受け容れたくなってしま
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海がきこえる(1993年製作の映画)

1.8

あまりジブリという感じがしなかった。作品自体も独特で、強いていえば回想型の『おもひでぽろぽろ』に近いが、あちらほどしんねりむっつりはしておらず、辛うじて甘酸っぱさを残している。
まず方言がきつい。勿論
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もののけ姫(1997年製作の映画)

3.9

以前観たときは仰々しくて説教くさい映画だと感じあまりいい印象を受けなかったのだが、改めて観ると本作はジブリのなかでも一番カッコいい作品ではないかと思えてきた。
特に前半は色々な意味でキマっていて惚れ惚
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.6

瞑想的な雰囲気を漂わせた閑かな作品で、シリアスな内容にもかかわらず波乱なく進んでゆく展開が斬新ともいえるが、展開同様観ているこちらの心にも波風ひとつ立たない不思議な映画だった。
別荘のロケーションや室
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コクリコ坂から(2011年製作の映画)

4.5

本編には無関係ながら、ジャケットに関していうと本作のそれはジブリの中でも出色だと思う(フィルマークスでジブリ映画をClipした画像を眺めた個人的感想)。何か非常に心温まる物語が始まりそうな予感がある。>>続きを読む

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

1.0

実際よりもかなり長く感じた。特に作品に慣れるまでの前半1時間は体感的には2時間半ぐらい。とにかく主人公の女性の回想が辛気くさい。
田舎滞在がメインとなる後半はその回想にも拍車がかかり(蛇足ながらここか
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耳をすませば(1995年製作の映画)

2.8

お行儀のいいバランスの取れた物語というとちょっと言い過ぎかもしれないが、全体にきれいに纏まりすぎていて、円満すぎて、そこへきてあのラストで。
私が捻くれているだけなのだろうが正直最後の場面のあのセリフ
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

5.0

数年前に観て感銘を受けた作品だが、改めて観てもその印象は寸分も変わらない。
ナウシカの勁さと優しさ、もの言わぬオームの怒髪天を衝く怒りと濃やかな情愛、神話的とでも言いたくなるような世界観、哀愁を帯びた
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紅の豚(1992年製作の映画)

4.0

あまり期待せずに観たせいか思いの外よかった、というより個人的には直近で観たジブリの中では間違いなく五指に入る。
全体に湿っぽくなく、小粋でビターな味わいがある。出し惜しみ感がないので、主人公が豚になっ
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

1.2


説明しないジブリ。そのため設定は迷子になりセリフは意味を失ってゆく。
「不思議なことがいっぱい起こっているけど今はなぜなのかは分からない。でもそのうち分かるでしょ」
主人公の少年の母親のセリフである
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天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)

4.0

数年前に初めて観たときは正直それほど感動しなかったのだが、2000年代のジブリを何作か観て本作を観直したら、そのひたむきな物語にすっかり魅了されてしまった。
ストーリーもセリフも主人公の振る舞いも全て
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ハウルの動く城(2004年製作の映画)

2.0


ジブリらしい高級なアニメーションはすばらしいと思う。細やかな色使いや繊細な描写など、それだけでも目のご馳走だ。迫力も満点。しかし、話が全く面白くないのである。
ワクワクもドキドキもハラハラもない、た
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

2.2

私事で恐縮だが本作は公開時映画館で2度観た。勿論積極的な気持から出掛けたわけではなく成行きで観に行く羽目になっただけだが、エンディングのユーミンの歌ぐらいしか印象に残らない映画だった。
そして今回レビ
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となりのトトロ(1988年製作の映画)

3.5

素直で厭味がなく長すぎず。これまで敬遠してきたジブリを少しずつ観始めているが、これは世評通りのいい作品だと思った。
サツキとメイ、この姉妹ののびやかな子どもらしさがまず素晴らしい。そして、そんな姉妹を
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借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)

3.8

ドラえもんでいえば『ドンジャラ村のホイ』の世界。
人間と小人、同じ世界でも見え方がまるで違う、その視点の切り取り方が巧みで観ていて飽きない。ジブリ特有の勿体ぶったところもなくて、物語の進行にもクセがな
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

3.0

教訓じみたところがそれほどないので面白くは観ることができたものの、ミステリアスな部分が多すぎてその世界観に始終翻弄され通しだった。
千尋(千)が関わることになるキャラクター(両親を含む)にもそれほど魅
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映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年(2015年製作の映画)

3.7

ちびまる子ちゃんを観るのは10年ぶりぐらい。他のアニメにはみられない独特なキャラクターと皮肉の利いたセリフというイメージが強く、ユニークだがちょっと悪ふざけが過ぎるのではないかというネガティブな印象を>>続きを読む

映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)(2013年製作の映画)

2.6

従来のドラえもん映画とは毛色の違う、面白いというよりは楽しい作品。
鈴にまつわるエピソードはあたたかい。明確な敵が出てくるわけではなく謎解きがベースなので展開としてはやや推進力に欠けるものの、時にはこ
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