muraさんの映画レビュー・感想・評価

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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.0

尾野真千子のこの「カラダを張った」感じは久しぶり。『もがりの森』以来のような。映画の内容はなかなか不思議。ファンタジック。この主人公の心情が今ひとつ飲み込めない感じは、『町田くんの世界』に通じるように>>続きを読む

明日の食卓(2021年製作の映画)

4.3

いわゆる「毒親」ではない、普通の母親が「虐待」へと向かうメカニズムを、「思考停止」といった今の世をおおう空気と結びつけて描きだす。なかなかよくできた話で面白いと思った。

静岡、神奈川、大阪…まったく
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14歳の栞(2021年製作の映画)

4.3

35人すべてを実名で登場させたことに驚く。生徒はもちろん、学校や保護者の信用を得るための苦労を考えると。

中学2年生、14歳の実像を探るドキュメンタリー。埼玉県のとある中学校の2年6組。生徒は35人
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街の上で(2019年製作の映画)

4.2

役者をやるのか、音楽をやるのか、小説を書くのか、いやいや、いったい何をやりたいのか…

ゆっくりした空気と時間が流れているように見える下北沢にも、実は見栄と虚飾、葛藤と失望に満ち満ちているんだろう。
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トキワ荘の青春 デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

4.3

館内が暗くなり、久しぶりに映画を見る喜びのようなものがこみ上げてきた。なぜだか。四半世紀前のこの作品は、古臭くもあるがどこか新鮮でもあって。

漫画家の聖地・トキワ荘の住人を描く。主人公は漫画家・寺田
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バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画をつくったら~(2021年製作の映画)

4.2

日本映画のファンを自認するうえでこの映画は見逃すわけにはいかないだろうと。ドラマも見てきたことではあるし。

各放送局がドラマ制作に利用する撮影所「バイプレウッドの森」。ここに集う役者たち、とくに「バ
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コントラ KONTORA(2019年製作の映画)

4.0

これは日本映画ではないよね。監督は確かにインド人。だが舞台は日本、登場するのは日本人のみ。それでも「日本映画」を感じさせないというか…

老人が押入れから取り出した古い箱。なかにはゴーグルや日記など。
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狼をさがして(2020年製作の映画)

4.0

日本人による反日運動。それを韓国人監督がふり返る。

1974年、三菱重工東京本社ビルが爆破される。事件を起こしたのは東アジア反日武装戦線「狼」。以後、「大地の牙」「さそり」といった組織も加わり、企業
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.0

出版社版、半沢直樹か。斜陽の出版社内における「保守vs改革」の権力闘争。それは間違いなく見入るよね。

文学界を支えてきた老舗出版社・薫風社。社長が急逝し、創業者一族ではない社長がはじめて誕生。新社長
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きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

3.8

タイトルが素晴らしいなと。訴えたいことが明確で、それでいて興味もわく。予告編を見たとき、これは見逃せないと思った。

津平町で兵役に従事する露木。同僚の藤間とともに、毎日敵となる川向こうの太原町へと銃
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れいこいるか(2019年製作の映画)

4.5

最後の最後にぶち壊される。涙腺が。20年以上にわたり募らせてきた思いが一気にあふれ、こちらの思いも一気に高まる。

この小品が『映画芸術』の昨年の年間ベストワン。監督はいまおかしんじ、企画は朝倉大介、
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心の傷を癒すということ《劇場版》(2021年製作の映画)

3.8

嫌なひとがまったく出てこない映画を見るのは久しぶりかと。そういえば要らないことをいうおばちゃんが出てきたが、それもこの映画のなかで浄化されるし。

安田和隆、それは通名で、本名は安和隆。在日韓国人。実
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

「すばらしき世界」…皮肉か、それとも、わずかながらも希望を見るのか…

13年の刑期を終えた三上。罪状は殺人、これで「十犯六入(前科10、収監6)」。出所後は極道から足を洗い、カタギとして生きていくこ
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劇場版 殺意の道程(2021年製作の映画)

4.0

脚本・バカリズム、監督・住田崇。ミステリー仕立ての『架空OL日記』。笑いのテイストが同じ。でもバカリズムの笑いのセンスは嫌いじゃない。ニヤつきが止まらず 笑

父がビルから飛び降りた。地道に工場を経営
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ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)

4.4

年末の東京で見ようかと迷いながらスルー。見ておけばよかった。面白い。確実に年間マイベストテンに入れていたなと。

途中、「1か月前」からの展開に唸らされる。ものごとを多面的に見ることができず、寛容性を
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.3

往年のヤクザ映画を想起させるオープニングは確信的な演出か。後半の様変わりが驚きでしかない。斬新なヤクザ映画。面白い。

いわゆるヤンキーのケンジ。父は覚醒剤に溺れて死んでいき、ひそかに覚醒剤を売りさば
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VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)

4.3

宮崎大祐監督作品を特集上映。1週間のうちに3作。この作品だけを見ることができた。この監督、よく知らなかったんだけど…驚き。いつの映画かと。60年代のピンク映画のような。嫌いじゃない。いや、むしろ好きだ>>続きを読む

脳天パラダイス(2019年製作の映画)

3.5

カルト映画ってことで後世に名を刻んだりして…笑

大豪邸で暮らしてきた家族。しかし父は借金を重ね、家を手放すことに。父と息子と娘、3人が家を離れる日、娘はツイッターでホームパーティを呼びかける。すると
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夏、至るころ(2020年製作の映画)

4.0

毎週欠かさず聴いているラジオ番組がある。リリー・フランキーの『スナックラジオ』。ここに池田エライザが出演し、みずからが監督した映画について、ときおり向けられる下ネタ話をかわしながら話していた。それでこ>>続きを読む

無頼(2020年製作の映画)

4.3

新年はじめての映画。昨年は気持ちがのらず、映画から少し遠ざかった。スクリーンで見たのは50作ぐらいか。ってことで、そのなかから日本映画のマイ・ベストテンを。

1 朝が来る
2 滑走路
3 ラストレタ
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滑走路(2020年製作の映画)

4.6

2020年最後の映画。映画への思いが減退した1年だったが、最後にこれが待っていたか…

逃げるな。向き合え。主人公に向けられたこの言葉は、すべての日本人に向けられたもののようで。

幼なじみのユウトを
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タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

4.0

監督の思いがほとばしる。それを代弁するのが主演の伊藤沙莉。このキャスティングがいい。

デリヘル嬢として働こうとしたが働けず、裏方をつとめることになったカノウ。デリヘルには個性的な女たち、そして男たち
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ばるぼら(2019年製作の映画)

3.8

二階堂ふみの裸体が人形のような、いうなら生物的ではない美しさ。こういった映像がこの映画の魅力。撮影はクリストファー・ドイル。

手塚治虫の原作。それを子の手塚眞が映画に作りあげた。「都会が垂れ流した排
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チィファの手紙(2018年製作の映画)

4.2

『ラストレター』の中国版。中国であろうとどこであろうと、死者を悼む気持ちに違いはないということを示そうとしたのか。

岩井俊二が同じ原作・脚本をもって、舞台を中国に移して作った映画。ストーリーは…『ラ
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ホテルローヤル(2020年製作の映画)

4.4

廃墟のラブホテルでのヌード撮影っていう強烈シーンから始まる映画が、あれほどの素晴らしいラブシーンへと展開していくとは。いやぁ、これはいいなと。

舞台は釧路。今は廃墟となったラブホテル・ローヤル。しか
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罪の声(2020年製作の映画)

4.0

怪人21面相、キツネ目の男…もう40年が経とうとしているのかと…

昭和59年におこった「劇場型犯罪」グリコ・森永事件に基づく。ここでは「ギンガ・萬堂事件」とされるが、事件の流れはおおよそ踏襲、犯人像
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痛くない死に方(2019年製作の映画)

4.3

湯布院映画祭。今年は夏ではなく規模を縮小して秋に開催。ゲストは、最近は「イケメン」として人気の柄本佑。義父の奥田瑛二とともに。

在宅医療に従事する医師・河田。深夜に呼びだされることも多く、嫌気がさし
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おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

3.0

コロナ不安まっただ中にあった今春以来の劇場ひとり観賞。でも…ひとりというのもわからなくもない。哲学が理解しがたいというか、心に届いてこないというか…

夫に先立たれ、ひとり暮らしの日高桃子。年老いて、
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.6

映画が優しい。思うに、この作品の制作に関わった人たちはみんな本当に優しいんだろうなと。

東京都内のタワーマンションで暮らす栗原夫妻。ふたりは6歳の男の子・朝斗とともに、幸せな生活を送っていた。でも実
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本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

4.2

不思議な世界。奇妙な人間関係。それに引きずり込まれた4時間。

仕事は真面目にこなすツジ。だが、どこか優柔不断で、会社では「先輩」と「みっちゃん」に二股をかける。ある夜、コンビニでウキヨという女と出会
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浅田家!(2020年製作の映画)

3.5

ハロウィンの夜、コスプレイヤーであふれる街を抜けて映画館へ。すると映画もコスプレイヤーの話で 笑

専業「主夫」の父、看護師の母のもとで育った兄弟。父は幼い頃からふたりの姿をずっと写真におさめてきた。
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

黒沢清の手にかかればこういったテーマでもホラーとなるか。「狂っていない」人間が「狂っている」とされる「狂っている」社会には確かに恐怖を覚えるが。

対米戦が近づく日本。神戸で商社を営むユウサクは、妻の
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星の子(2020年製作の映画)

4.2

僕にとっての永遠のミューズ・原田知世に緑色のジャージを着せ、頭から水を浴びさせたか…しかしこのバカバカしい宗教にハマる原田知世は妙にリアルだなと 笑

父・母、そして姉と暮らすちひろ。父母も姉も優しく
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ソワレ(2020年製作の映画)

3.8

豊原功補と小泉今日子のプロデュース。ふたりが裏方に徹したと聞き、これは見てみないとなと。

役者を目指すショウタ。だがやることは中途半端で、詐欺の片棒を担ぐことも。あるとき役者仲間と故郷でもある和歌山
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生きちゃった(2020年製作の映画)

4.3

太賀と若葉竜也と大島優子と。3人がぶつけてくる思いを受けとめられるのかどうか…それがこの映画にノレるかどうかの分岐かと。

僕は、あの最後のシーンに確かに心が震えた。「動揺した」といえるかもしれないが
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(2020年製作の映画)

4.3

小松菜奈がご飯を食べる(頬ばる)2度のシーンで2度とも泣いた 笑

あらためて…食べることは人間の体だけじゃなく心も健やかにしてくれるんだなと。

舞台は北海道・美瑛。平成改元とともに産声をあげた蓮。
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