muraさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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西成ゴローの四億円(2021年製作の映画)

4.0

湯布院映画祭。夏から秋へと延期となったものの無事に開催。会場も新しくなって。

ゲストには奥田瑛二。昨年の湯布院映画祭で監督に出演のオファーを受けたらしい。その監督が上西雄大。監督・脚本だけでなく主演
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

4.5

この映画はずるい笑。主人公と自分がどうしても重なり、歩んできた人生を映画で再現されている気持ちにおちいる。そうなると感動を覚えないはずがなくて。

佐藤は放送業界で働いてきた。とりあえず長く続けてはき
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草の響き(2021年製作の映画)

4.2

観客を惹きつける演技をして、映画をいいものに仕上げてくれるのなら、俳優のスキャンダルなんてどうでもいい。…と僕は思うけれど。

心を病み、実家にもどってきたカズオ。東京生まれの妻・ジュンコとともに。自
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

4.2

家族を震災で失ったとしても、誰かを憎むことはできない。でも、貧困で失ったとしたら、誰かを憎むべきか…

東日本大震災の直後、避難所となった学校で一緒となった3人。身寄りがなく、ひとりで生きてきた青年・
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空白(2021年製作の映画)

4.3

傷ついた自分を癒すためのいちばんの方法は他人をを傷つけること…。となると誰もが傷つくことになる。この不幸の連鎖をどこで終わらせるか…

小さな船で漁業を営む添田。妻とは別れ、中学生の花音と二人暮らし。
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浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

4.3

高畑充希はいつものテンション。となるとテレビドラマのあの感じか…と少しネガティブにとらえていると、そこに救世主。大久保佳代子。演技はともあれ、大久保さんの存在が映画をおもしろくする。意外にも。

浜野
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.4

手嶌葵『ただいま』のミュージックビデオを見ていたら、ひとり出てくる女子の演技に魅了されて、思わず「これは誰?」と検索した。それか河合優実だった。で、ここでも目をを奪われた。素晴らしい存在感。

作品の
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くじらびと(2021年製作の映画)

4.5

『ザ・コーヴ』という日本の捕鯨に注目した映画があったが…。この映画は次元がまったく違う。ヒトへの、そしてクジラへの寄り添い具合が。

日本人カメラマンの手によるドキュメンタリー映像。インドネシア・ラマ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

原作は村上春樹か。なるほどと思う。そこに濱口竜介のいつもの演出が加わってこの世界観…好きだなと。面白いというよりも、単純に好きだなと。

家福(かふく)は演出家も兼ねる俳優。妻の音は脚本家。決まってセ
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.8

もう忘れられなくなった。『猿楽町で会いましょう』のあの子、石川瑠華。「イタい」感じの女子を演じさせたら天下一品かと。

中学3年生の佐藤小梅。海辺の小さな街に暮らす。あこがれの先輩にふられ、同級生の磯
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.0

毒をもって毒を制す…といったものではなくなったな。クール・ヒーロー対サイコ・キラーのアクション映画へと様変わり。それでも、最初から最後まで目は離せないんだけれど。それは面白いということか。

昭和の終
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シュシュシュの娘(2021年製作の映画)

4.2

入江悠が原点回帰。『サイタマノラッパー』をもう一度ということか。こういうの、嫌いではない。時々はこうであってほしいなと。

北関東、福谷(やはり深谷か)の市役所に勤める鴉丸未宇。寝たきりの祖父の面倒を
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.0

『キネマの神様』の次がこれか…。映画愛を、方や巨匠は撮影所と映画館を舞台に語り、方や新人は映画部と文化祭を舞台に語る。比較してみると面白いなと。

映画部に所属するハダシ。だが文化祭に向け、「好き」を
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キネマの神様(2021年製作の映画)

3.5

あの頃の撮影所と映画館。ドラマはスクリーンの中だけでなく、その外、撮影所や映画館にもあって。みんなで笑って、みんなで泣いて…

映画への思いがあふれる。言わんとすることはわかる。でも、突き動かされるほ
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少年の君(2019年製作の映画)

4.3

こういった受験戦争(受験騒動か)は韓国だけのものではないんだ。科挙の名残りともいえるか。日本もそうだったし…

2011年のこと、高校3年生のチェンニャンは進学校に通い、受験を目前にひかえる。家は貧し
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昭和残侠伝 死んで貰います(1970年製作の映画)

4.5

背中(せな)で泣いてる唐獅子牡丹〜♪

「唐獅子牡丹」が流れるなか、池部良とともに歩みを進める高倉健の姿に、背筋が震えるほどの感動をおぼえた。ホント、かっこいいわ。

深川の料亭に生まれながら、家を出
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網走番外地(1965年製作の映画)

3.8

高倉健特集上映。生誕90年を記念して。

零下20度となる網走刑務所に収監された橘真一。曲がったことが嫌いで、周囲とも衝突をくり返す。ただ母の余命がわずかだと聞き、刑期短縮のために模範囚となることを誓
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いとみち(2020年製作の映画)

4.3

47都道府県のうち唯一足を踏み入れたことがないのが青森県。ずっと行きたいと思っていたところにこの災禍。この映画を見て、あらためて行きたいと思った。

高校生のイト。民俗学者の父、母の母となる祖母と暮ら
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グッドバイ(2020年製作の映画)

4.0

3日限定の上映。初日は満席で入れず。なんと3日目も満席。ギリギリで入る。地元出身の若手監督の舞台挨拶があり、応援団がかけつけたかと。

話を聞いてみると、監督はなかなかの才女。選ぶ言葉もどこか文学的。
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のさりの島(2020年製作の映画)

3.7

「のさり」とは…熊本・天草の言葉で、天からの授かりものだと。

天草の商店街にたどり着いた男。オレオレ詐欺をくり返しながら各地をめぐる。商店街で詐欺のターゲットとしたのは、ひとりで楽器店を営む「おばあ
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

4.3

面白い。話がよくできている。驚いた。そしてこのタイトルでこの内容かと。そのギャップにも驚いた。

猿楽町で暮らすカメラマン・小山田。出版社に作品を持ち込むも、反応は今ひとつ。何を撮りたいのかわからない
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.0

尾野真千子のこの「カラダを張った」感じは久しぶり。『もがりの森』以来のような。映画の内容はなかなか不思議。ファンタジック。この主人公の心情が今ひとつ飲み込めない感じは、『町田くんの世界』に通じるように>>続きを読む

明日の食卓(2021年製作の映画)

4.3

いわゆる「毒親」ではない、普通の母親が「虐待」へと向かうメカニズムを、「思考停止」といった今の世をおおう空気と結びつけて描きだす。なかなかよくできた話で面白いと思った。

静岡、神奈川、大阪…まったく
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14歳の栞(2021年製作の映画)

4.3

35人すべてを実名で登場させたことに驚く。生徒はもちろん、学校や保護者の信用を得るための苦労を考えると。

中学2年生、14歳の実像を探るドキュメンタリー。埼玉県のとある中学校の2年6組。生徒は35人
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街の上で(2019年製作の映画)

4.2

役者をやるのか、音楽をやるのか、小説を書くのか、いやいや、いったい何をやりたいのか…

ゆっくりした空気と時間が流れているように見える下北沢にも、実は見栄と虚飾、葛藤と失望に満ち満ちているんだろう。
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トキワ荘の青春 デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

4.3

館内が暗くなり、久しぶりに映画を見る喜びのようなものがこみ上げてきた。なぜだか。四半世紀前のこの作品は、古臭くもあるがどこか新鮮でもあって。

漫画家の聖地・トキワ荘の住人を描く。主人公は漫画家・寺田
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バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画をつくったら~(2021年製作の映画)

4.2

日本映画のファンを自認するうえでこの映画は見逃すわけにはいかないだろうと。ドラマも見てきたことではあるし。

各放送局がドラマ制作に利用する撮影所「バイプレウッドの森」。ここに集う役者たち、とくに「バ
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コントラ KONTORA(2019年製作の映画)

4.0

これは日本映画ではないよね。監督は確かにインド人。だが舞台は日本、登場するのは日本人のみ。それでも「日本映画」を感じさせないというか…

老人が押入れから取り出した古い箱。なかにはゴーグルや日記など。
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狼をさがして(2020年製作の映画)

4.0

日本人による反日運動。それを韓国人監督がふり返る。

1974年、三菱重工東京本社ビルが爆破される。事件を起こしたのは東アジア反日武装戦線「狼」。以後、「大地の牙」「さそり」といった組織も加わり、企業
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.0

出版社版、半沢直樹か。斜陽の出版社内における「保守vs改革」の権力闘争。それは間違いなく見入るよね。

文学界を支えてきた老舗出版社・薫風社。社長が急逝し、創業者一族ではない社長がはじめて誕生。新社長
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きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

3.8

タイトルが素晴らしいなと。訴えたいことが明確で、それでいて興味もわく。予告編を見たとき、これは見逃せないと思った。

津平町で兵役に従事する露木。同僚の藤間とともに、毎日敵となる川向こうの太原町へと銃
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れいこいるか(2019年製作の映画)

4.5

最後の最後にぶち壊される。涙腺が。20年以上にわたり募らせてきた思いが一気にあふれ、こちらの思いも一気に高まる。

この小品が『映画芸術』の昨年の年間ベストワン。監督はいまおかしんじ、企画は朝倉大介、
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心の傷を癒すということ《劇場版》(2021年製作の映画)

3.8

嫌なひとがまったく出てこない映画を見るのは久しぶりかと。そういえば要らないことをいうおばちゃんが出てきたが、それもこの映画のなかで浄化されるし。

安田和隆、それは通名で、本名は安和隆。在日韓国人。実
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

「すばらしき世界」…皮肉か、それとも、わずかながらも希望を見るのか…

13年の刑期を終えた三上。罪状は殺人、これで「十犯六入(前科10、収監6)」。出所後は極道から足を洗い、カタギとして生きていくこ
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劇場版 殺意の道程(2021年製作の映画)

4.0

脚本・バカリズム、監督・住田崇。ミステリー仕立ての『架空OL日記』。笑いのテイストが同じ。でもバカリズムの笑いのセンスは嫌いじゃない。ニヤつきが止まらず 笑

父がビルから飛び降りた。地道に工場を経営
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ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)

4.4

年末の東京で見ようかと迷いながらスルー。見ておけばよかった。面白い。確実に年間マイベストテンに入れていたなと。

途中、「1か月前」からの展開に唸らされる。ものごとを多面的に見ることができず、寛容性を
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