itさんの映画レビュー・感想・評価

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ウォルト・ディズニーの約束(2013年製作の映画)

2.8

メリー•ポピンズ誕生の裏側に、こんな魂同士の戦いがあったとは。作家は自分の中だけに誰にも明け渡さない秘密の花園を持っている。孤高の魂は痛々しくも美しい。

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.0

リアルすぎて怖い。高齢化社会への啓蒙作品を依頼されて作ったそうだが、さすがロメロ、人間の内なる持つ暴力性をさらけ出してしまった、しかもこともあろうに遊園地という場所で。
笑いたいけど笑えない、ひきつっ
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.8

怒りと憎悪の連鎖、感情が激化てしてゆく様が怖かった。まるで社会の、戦争の縮図。不条理や怒りを受け入れ、相手を許すのは、ものすごく難しいことだが、それが自分を救う過程でもある。
手打ち、禊ぎの重要性は、
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.2

マーティン•マクドナー監督ならではの、感情がじわじわと沸騰した挙句の、こうするしかなかった的に追い詰められた、独創性あふれる暴力表現に脱帽。特に今作は映像の美しさという点で真骨頂と言える。「社会」や「>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

3.9

こんな誰もついてこれない狂気をエンタメにしたこと自体がすごい。観客に息つくまもなく連続した緊張を強いるとんでもない映画。そして、この狂気をゴージャスでロマンティックなエンターテイメントにした『バビロン>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

ミュージカル映画再評価の火付け役という意味では、素晴らしいエンタメ作品。夢と現実との相剋がテーマで、いつ、どこで、どこまで、自分を信じ続けるか、夢を叶えることが本当の幸せなのか?という人生哲学を問いか>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.5

映画に取り憑かれた夢見人と、生きるための仕事としてそれを支える人たち。ハリウッドというシステムと熱狂に取り込まれた勝ち組と、搾取•差別される側のシステムから弾き出された、だからこそ人間として生きた人々>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.7

アクロバティックな映像はさておき、継承というテーマ、信頼や人との繋がりという失われゆくものに希望を託したくなるところは、中高年なら誰しも共感するだろう。世界観は80年代のままだし、ノスタルジアにもほど>>続きを読む

銀河鉄道999(1979年製作の映画)

4.0

トチローやハーロック、エメラルダスといった放浪者に憧れる気持ちを思い出しながらも、子どもの頃に観た印象とはまったく違った、社会システムの中で生きる大人にとっては二元論では割り切れないテーマだと感じられ>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

2.9

日本の政府が本当に採択しそうなリアリティがあり、沈みゆく船に同乗しているような無常感に包まれた。合理性しか考えないシステムと、合理性だけで生きていない人間。目先の利益だけの粗雑なシステムからはみ出よう>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

4.2

せつなくてもどかしい、いつまで経っても忘れられない『her』の原点。斬新すぎる発想と映像、そしていびつだけど普遍的な愛の物語。

かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

4.2

映像も音楽も立体化されたかいじゅうたちの造型も、何もかも好き。
愛しているのに、感情やエゴによってぐちゃぐちゃに破壊してしまう。家族の寓話のような、せつなくて、暴力的で、美しいファンタジー。

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.4

別の視点や違う世界観を持つものたちが愛し合う美しさ、困難さ、せつなさは、『マルコビッチの穴』も、『かいじゅうたちのいるところ』も同じ。スパイク•ジョーンズ監督の本領発揮だ。
神話や昔話ではよくある異類
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アメリカン・ハッスル(2013年製作の映画)

2.9

豪快キャストによる皮肉の効いたドタバタコメディ。の割に展開が早すぎて集中しないと面白さを十分に楽しめなかった。期待が大きすぎたかも。

荒野の誓い(2017年製作の映画)

3.8

ひたすら重く、緊張感に満ちた2時間。ロードムービー的な魅力、そしてクリスチャン•ベールとロザムンド•パイクの掛け合いが迫力あり。
出番は少ないがティモシー•シャラメ眩しい。

ファーナス/訣別の朝(2013年製作の映画)

3.6

クリスチャン•ベイルにベン•アフレックに、悪役ウディ•ハレルソン! あまりに豪快なメンツ、これは観なきゃと思って行ったが、想像以上に重い作品だった。
クリスチャン•ベイルはバットマンのあと、贖罪のよう
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アバター(2009年製作の映画)

4.0

ここから3Dという新しい映像の歴史が始まった。『ポカホンタス』×『地獄の黙示録』のような、あり得ない物語の世界観だが、それを有無を言わさず物語の中にぐいぐい引っ張っていくキャメロンのオリジナリティはさ>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.9

現行のメタバースと似て非なる、対極の哲学が個人的には好み。ファンタジーの中で、現実世界のひりひりしたリアリティを感じさせるのはさすがだと思う。
映像のダイナミズムと美しさが、本作の魅力の8割、という印
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オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.4

社会の不条理を冷徹かつドラマティックに、そしてロマンティックに描くボランスキーらしさに満足。冒頭の引きの画など本当に美しい。
それにしても、いつの時代にもどの国でもなくならない理不尽さになんとも言えな
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エノーラ・ホームズの事件簿2(2022年製作の映画)

4.2

やっと事件簿が始まった!というわくわく感。前作は序章に過ぎなかったんだ。ホームズお馴染みの登場人物も出揃い、これからが楽しみな展開に。
女性解放運動や経済的格差、階級など社会問題をテーマにしているとこ
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.9

伝統に支えられたトライバルな文化や生活と、最も進んだ科学が両立するという、その世界観がとにかく新鮮でわくわくした。どちらも私たちにとっては未知の世界なので。
ケンドリック•ラマーの音楽も最高だし、チャ
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.4

侵略され続けた民族への文化的なリスペクト、伝統と未来というテーマは前作と変わらず素晴らしい。色々詰め込みすぎ感はあったが、MCUヒーロー第二世代への引き継ぎ作品として観るとうまくエンタメとしてまとめら>>続きを読む

エノーラ・ホームズの事件簿(2020年製作の映画)

3.8

明るくてかわいい、おびえてないミリーが観れるのがとにかく嬉しい! 変装シーンも楽しいし。
謎解きのダイナミックはないが、当時のイギリスの時代背景や女性解放の兆し、青春物語的要素もあって、シャーロックも
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.1

恐怖とは、一寸先がわからないこと。それは白日のもとだとさらに怖しいということ。異文化というテーマで、それを表現したことが画期的。闇や悪が出てこない、ホラーの概念を覆す、おひさまに照らされた白いホラー。>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.5

詩的で、絵画的で、音楽的ーーすべての感覚を研ぎ澄ませて楽しみたい作品。
一瞬一瞬が絵画のような完璧な画角で切り取らる女性たちが、やがて、食べたり、走ったり、笑ったり、泳いだりと生き生きした姿として画角
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アントマン(2015年製作の映画)

3.1

もとはエドガー・ライトが手がける予定だったそうなので、ちょっと残念だが、脚本は彼が手がけているだけあって、きかんしゃトーマスなどの小ネタが効いてる。なんと言ってもキュアーのあの名曲かあんな場面で!!の>>続きを読む

ANIMA(2019年製作の映画)

3.9

白い世界とトム・ヨーク。すべてをゼロに浄化したような、喪失と再生をイメージさせる映像美。
現パートナーとの共演も感慨深いし、このあとスマイルというプリミティブなバンドに向かうひとつの契機のようにも思え
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.8

ホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンの、ひりひりする緊張関係がすさまじかった。疲れるけど凝視し続けたいような、ヘヴィな陶酔感のある作品。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.9

みんなクソったれで、みんなかわいくて愛おしい、なんともポール・トーマス・アンダーソンらしい素敵な青春映画。
ハイム三姉妹がむちゃかわいいし、父母まで総出演。

もちろん見どころは、ショーン・ペン、トム
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リンカーン(2012年製作の映画)

3.0

ダニエル・デイ=ルイスのリンカーン熱演ぶりが見所。大統領選の、根回しに次ぐ根回しがスリリングで面白いかった。アメリカの大統領選の仕組みの原点を知る上で、勉強になりました。

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(2016年製作の映画)

3.0

ファンタジーとして普通に楽しめたが、わざわざスピルバーグでなくとも、、、という気もした。こういうアニメに挑戦したかったんだろうな。
原作の風刺的表現が素敵。そして、イギリスの児童文学ものに出てくる英国
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.7

作者の嫌いな映画、のくだり最高!!
ガンダムなどなど、サブカルファンにとってはそうした細かいアイテムで心くすぐられる。全体的な物語、世界観は個人的にはまあまあだったが、貧富の格差とメタバースというテー
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.6

メディアが従うのは政府か国民か、という原則を明言してくれているがさすがスピルバーグで爽快。子どもの差し込み方がチャーミングで上手い! シリアスなテーマだがエンタメとしてうまくまとめてあり、社主メリル・>>続きを読む

Girl/ガール(2018年製作の映画)

3.6

痛々しいほどリアルで、だけど可憐で美しい。
バレエのレッスンの痛みと、変身への身体的苦痛が相まって、はらはらするほど辛かった。なんとかしてあげたいけど、自分で選んだ夢と現実だから誰も何もできないのだ。
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.1

サイモン・ペッグ×エドガー・ライト×ニック・フロストによる不屈の名作! ゾンビ映画への愛情と、彼らへのイギリス文化的な対応が面白すぎて、、、。
アナログレコードの場面は何度も観たくなる名シーン。

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.0

エドガー・ライトとサイモン・ペッグ脚本、ニック・フロストなど出演による『ショーン・オブ・ザ・デッド』に続く作品。期待が大きかっただけに、全体的にゆるすぎな印象。

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