Yさんの映画レビュー・感想・評価

Y

Y

映画(246)
ドラマ(6)
アニメ(0)

ZOO(1985年製作の映画)

5.0

白鳥がぶつかってしまった交通事故から始まるオープニング。
飛び散った白い羽根が美しい。

やっぱりグリーナウェイはナイマンの音楽以外にありえない。

シンメトリーに偏執的にこだわる。

現在なら動物愛
>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.2

エンタメとしても映画としても一級だった。

やはり黒沢清なので、撮り方がホラー。
そのフィルムを見てしまうことによって、蒼井優は変化する。

軍国主義の時代に、大義を貫こうとする優作と、彼に惚れこむ妻
>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のシーンが劇中劇だったとわかる瞬間に上手いなぁと感嘆。

フィルムや白黒写真など、手触りのあるモノ自体に刻み込まれる、質感や記憶がテーマになっているようだった。
人と人が共に過した時間や、その人が
>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.7

あまりハマらなかった。

男性が撮った作品だったら、女を馬鹿にしていると感じたかもしれないが、知的な女性が自ら脚本・監督したのだから、これを撮らざるをえない、という何かがあったのかもしれない。
悲劇の
>>続きを読む

ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.8

美しき諍い女の人!
ジャン・レノも出てて豪華。

デ・パルマ的な過剰な演出がよい。

トム・クルーズってかっこいいのだろうか……

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.8

スクエアより面白かったかも。
テンポの良いブラックコメディ。

下克上するアビゲイルも善人ではなく、他の人をコントロールするためなら何でもする。
ハイブランドが何の価値も持たない無人島でさえ、人々の間
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

ランティモス最高。
この規模で、ここまで性的で、クセが強いものを撮ったのがすごい。
ブラックユーモア強すぎ。

美術とか衣装がめちゃくちゃ良いのはもちろん、フェミニズム的な捻りもあり、脚本もうまい。
>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんだかんだ血縁家族主義を礼賛しているように見えなくもないけど、良い作品だった。
女の子が父親を刺しちゃたり、
ホームレスが暴行を受けたり、
流産した女性が狂気に侵されたりと
いろいろダークなエピソー
>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃ哲学的な貝の子ども。
微笑ましいが、それだけにとどまらない余韻もあり良かった。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

ウェンディ&ルーシーが白骨死体を発見するところから始まる物語。

開拓時代のオレゴン。
そのなかでブラザーフッドを築いていく白人と中国人の男。
決して性愛関係にはならず、美しい友情譚。

ミルクを盗む
>>続きを読む

ANIMA(2019年製作の映画)

-

振付はダミアン・ジャレ。
トム・ヨークも意外と踊れる。

妻は写真で見るよりも美しかった。

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

3.8

衣装と美術、照明が素晴らしい。
白いバルーン袖のネグリジェを着たヒロインが血塗れで、ゴシックハウスを彷徨うという、いかにもなホラー。

ストーリーはけっこうもったりしているが、あえて19世紀ホラーをそ
>>続きを読む

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.0

ウェスの中で1番好きかも。
彼の画づくりって、
実写よりアニメ向き、
人間より動物向きだと思う。

同じストップモーションでも、グルミットよりめちゃくちゃ細かくて、これを映画黎明期の人が見たらびっくり
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

流石だった。
映画として抜群に面白い。
北村匡平も言ってるように、
クィアでキッチュな戦国時代劇。

役者陣の演技だけで一見の価値あり。
加瀬亮は代表作になるのでは、というレベルの怪演。
木村祐一が狂
>>続きを読む

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

4.0

驚異的だった。
前半は「数分の長回しでどれだけセンス良く撮れるか」選手権みたいなかんじだったが、全てがかっこいいのは間違いない。
錆びたような赤と緑が基調で、オレンジのライティング。
ウォン・カーウァ
>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

今バービーを実写でやるにあたって、受けそうな批判はすべて織り込み済みでつくられていて、よくできた脚本。
が、主張に意外性は無いと言えば無い。
(この規模の映画でそれをやったのがすごい、というのはもっと
>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.9

キッチュなアメリカ、ってかんじで、インテリアや服がかわいい。

高校出て、大学に行くわけでもなく、働きたくもない。
そこで、こじらせて年上のレコードオタクに惹かれるところがなんとも。
「イモ過ぎてかっ
>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

ライアンマッギンレーのような絵だった。
空の色や自然光、火の使い方が。

中流階級から転落して、ノマドの車上生活になるも、そこにある種のプライドや、格差社会に対する批判意識もある。

伝道師みたいなお
>>続きを読む

パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

3.8

キャロルにおけるレズビアニズムの位置づけは、ほかの犯罪小説における罪の意識と同じ。
ふたりの逃避行は犯罪者のそれ。

ハイスミスが罪や犯罪者の心理にこだわるのはそれなのか。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.9

ジョージ・ミラーめちゃくちゃ上手い。
アラビアンナイトを先に観たけど、
壮大な世界観を破綻させずに描き切れる。
しかも、ビジュアルも凝っていて、
個人的なフェチも時々いれてくる。
(巨体の女性好きとみ
>>続きを読む

ひなぎく(1966年製作の映画)

4.2

これを「女の子映画」と呼ぶ人は、何も見てないに等しい。
国の予算でこんな「無為な」映画を撮ったために、監督は政府から睨まれたとか。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

ものすごいドラマがあるわけではないものの、面白くてあっというまに観てしまうのはスピルバーグのなせる技。

ミシェル・ウィリアムズの演技で、母親が魅力的だった。めちゃくちゃマザコンなのが伝わってくる。
>>続きを読む

栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

4.0

眼福、期待を裏切らない。
40くらいでこれを撮ってしまう監督がすごい。
フェルメールを意識した撮り方、というのがぴったり。

スロベニアは、イタリアやオーストリアといった大国とも近接しているわりに、ま
>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

これを見てしまうと、
過激な性描写よりも
見せないことで語られる色気のほうが饒舌だとわかる。

インディアソングしかり。

オオカミの家(2018年製作の映画)

4.5

この作品が2018年にチリで生まれたというのが衝撃。
シュヴァンクマイエルやクエイ兄弟を彷彿とさせる明らかな狂気とフェティシズム。

コロニアディグニダのことは知らなかったが、ナチの残党がいかにもやり
>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.0

とにかく俳優が良かった。
シャラメの存在感。

屠殺場で2人が話すシーンも
遊園地でキスするシーンも好き。

ルカグダヴィーノの撮るアメリカよかった。

衝撃のクロエ・セヴィニー。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

冒頭30分めちゃくちゃ面白かった。
火事の中で疾走する視点、
アオサギの気味悪さ、
魚や蛙に呑み込まれるイメージ。
一瞬怪物かと思うような老婆たち。
パプリカ的というのもうなずける。
空襲、母の死、疎
>>続きを読む

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

モロッコの街並みが気になって鑑賞したけれど、映画としても一級だった。

カフタンそのものだけでなく、布や糸、部屋のインテリア、街並みまで全てが美しい。

主演女優は少しイザベル・ユペールに似ているのだ
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

坂本脚本が抜群に面白い。
どういう話(ジャンル)なのかも、途中まで全く分からず、2時間飽きさせない。
あえて不穏なミスリードをしてそれをひっくり返すあたり、カルテットっぽいと思ったり。

安藤サクラも
>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

3.9

初めてノーランを面白く観た。
人物の内面描写がしっかりしているからか。

アメリカにおける根拠の無い悪を問う、という意味では、ノーカントリーを思い出したり。

ヒース・レジャーすごい。
ブロークバック
>>続きを読む

>|