鉄骨くじらさんの映画レビュー・感想・評価

鉄骨くじら

鉄骨くじら

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A Panicky Picnic(英題)(1909年製作の映画)

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井戸

病的、悪夢的。影絵とアニメーションを連動させた視覚効果は今見ても斬新。鍋は顔に、顔は家に変形する。ヤン・シュヴァンクマイエルとかマックス・フライシャー作品が好きな人は好き。

進めオリンピック(1932年製作の映画)

5.0

ヤシの木

超楽しい映画。ションベン・ライダーの元祖みたいなシーンがある。相米はダダだった。やばいディゾルブあり。杖と車輪、帽子の戯れ。くしゃみ。どこからともなく出てくるギター。窓。汽車より爆速で走る
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

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ホームビデオ

まじで半導体がピーク。あのまま団地のおばちゃんの日常に侵入していったら最高だったのに...そのミスリード的なショットが、もはやおばちゃんの生活に価値なしと言わんばかりの残酷性を孕んでい
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MY LIFE IN THE BUSH OF GHOSTS(2022年製作の映画)

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グリコ

喫茶店で二人二組の客が互いに雑談しているシーンの一番上手側にいる男のマスクの付け方が良かった。『夜明けのすべて』のメイキングで三宅唱のマスクの付け方がキモすぎて最高なんだけど、マスクの付け方
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御冗談でショ(1932年製作の映画)

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アシカ

質より量と言わんばかりの小ボケラッシュ。ラストのアメフト試合が何でもありで最高。それはゲームにルールがあるからで、ルールを破ることでギャクの質が爆発的に向上する。大反対。犬。

ル・バル(1984年製作の映画)

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スパゲッティ

1930-1980年、パリの半地下のダンスホールで踊る人々を描いた映画。こういう映画を優しい映画と言うんだよ。この場所には人々の思い出がたくさん詰まっている。ディスコ最高。

ポーター 鷲の巣から救われて(1908年製作の映画)

5.0

崖下

『ドリーの冒険』と同じ赤ん坊誘拐のモチーフ。父親を見送る際に、赤ん坊の手を降ってやる母親。上から下、垂直の運動。空飛ぶ赤ん坊。

ラ・シオタ駅への列車の到着(1895年製作の映画)

5.0

映画の本質2

《奥行き》の誕生。これ当たり前だけどみんな衣装ではない。

アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1967年製作の映画)

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鳥籠

ショットの強度は確かにある。ただフィックスで長回し、その間ずっと演奏してるだけ。最初の数秒だけ見れば、あとは目を半開きにして、バッハの心地よい旋律だけに集中しよう...と思い、自らの意思で眠ろ
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男女の戦(1928年製作の映画)

5.0

ブルブル

魅力的で最高の俳優たち。お馬鹿だけど愛らしい男女の戦。予想と期待を簡単に超えてくる展開、芝居、ショット。誕生日のロウソク、ピアノシーン...等々お気に入りのシーンを上げたらキリがない。人間
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ニューヨーク・ハット(1912年製作の映画)

5.0

へそくり

夢の中で、帽子のツバを撫でるように触るメアリー・ピックフォードの愛らしさ。2Sになるための余白。固定された人物配置による自然な映画的動線。

ドリーの冒険(1908年製作の映画)

5.0



桃太郎ならぬ樽少女。勝手に大冒険と勘違いしてたせいか、ラストの大げさな劇伴で笑う。デビュー作で、フレーム内の上下を余すことなく運動とドラマで満たす。映画の父すぎる。中間字幕なし。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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追い焚き

商業映画の中で三宅唱の細やかな抵抗みたいなものが垣間見れて良かった。雨の中のコート、この映画観た?等の世間話、職場の高低差、ヨガ教室の鏡等に抵抗を強く感じた。

人物の動きにすべて分かり易
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プロスペローの本(1991年製作の映画)

5.0

水滴

映画を観ていて凄すぎて笑うのは結構あるんだけど、凄すぎて怖いと感じたのはこの映画が初めて。畏怖。

コロッサル・ユース(2006年製作の映画)

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くしゃみ

構図、光への称賛は言うまでもなく。有機物が写ると超安心。人物相関全く理解できない。後半出てきたニット帽被った人は盲だろうか?それだと手を握る行為の辻褄が合うが。聞き耳。ガチ咳。

EMOTION 伝説の午後 いつか見たドラキュラ(1967年製作の映画)

5.0

破滅の淵

前代未聞の切り返しがある。中盤ぐらいまで月並みな実験映画なんだけど、ラスト10分、ショット、運動、編集すべての要素が異次元に突入する。美と鮮血の乱れ咲き。ツィゴの13年前。クラった。

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

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T.P

普通に撮って欲しい。木を正面にカメラが行き来するダンスシーンとか観たくない。でも女の背中をスッと撫でる仕草や、自転車餌やり、蛇行などの人物の手触りはあって面白い。「転」の編集...。

これで三度目(1952年製作の映画)

5.0

....

81分とは思えない密度の寝取られコメディ。想像力を働かせるの最高。過去と現在を華麗に最短で行き来する台詞。復讐のために犯される罪は許される。スッタフ紹介愛しかない。

彼らは9人の独身男だった(1939年製作の映画)

5.0

独身老人ホーム

老人達が勘違いせずに偽装結婚であることを、現実を受け入れて楽しんでいる。それ以上に現場を楽しんでいて良い...。年相応の余裕と優しさ、前半と後半のギャップにグッと来る。ラストの畳み掛
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罪と罰(1983年製作の映画)

5.0

コインロッカーの鍵

主役のマルック・トイカが素晴らしい。特に尋問される時、人中に汗をかく意図してできない演技。ペロンパーのスープのかぶりつき方。行動と思考が一致がした時、救済される。8年。埃。

仁義(1970年製作の映画)

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ビリヤード

ドロンに女がいない、女と寝る、誘う、誘われるシーンが全く無い故に、ドロンのかっこいいの整合性が弱い印象。銅像シーンが、この禁欲的な作品に対する俳優の唯一の抵抗だとしたら面白い。

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

5.0

扇風機

広場の決起会の人物とカメラの距離、天才。暴動、空間満たされすぎ。モノローグ的なシーン以外破壊的に面白い。それは、ただ大人数が歩いてるシーンが映画になるような、本質的な面白さ。

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

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耽美系かと思いきや、デブ、車移動シーン。ハゲ親父の後頭部から始まるカット(しかも入浴シーン)等々あらすじからは想像できない謎シーンが多くて面白い。ラストカット超印象的。

Ladybug Ladybug(原題)(1963年製作の映画)

5.0

冷蔵庫

集団下校映画。ある田舎の小学校で核警報が鳴り響く。訓練か現実か?道中の会話、防空壕の定員オーバーなど見てて辛い。直接戦争を描かず子ども達の想像力と不安のみで描いた反戦映画。傑作。

見えない恐怖(1971年製作の映画)

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ダンディースター

ミア・ファロー虐めすぎ。家の中を一人で歩き回るシーンの静寂は時間が流れてて凄い。カップルが乗馬する束の間の幸せシーンの雑さ。撮るの嫌だったんだろうな。

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

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ジンジャーエール

スクリーンから飛び出した役そのものが、俺だって何回かリハしたら実在になれる!って言ってて最高だった。ラストは一瞬、は?ってなったけど、映画好きだからこそだと気づいて悲しくなった。

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

5.0

タニス草

面白すぎて、観てる途中に地震来たけど、ガン無視で見いてしまった。揺り籠を止める包丁。ミア・ファローの表情、ファッション最高。電話シーン。夫役カサヴェテスだった。

ねらわれた学園(1981年製作の映画)

5.0

麦茶

『守ってあげたい』がもったいないぐらいのお馬鹿映画。ここまでお馬鹿だと楽しめる。部活動の新入生歓迎パフォーマンスや、電話線の細かい演出も良い。ラストほぼ未知への挑戦。

ラブホテル(1985年製作の映画)

5.0

電話

本作、特にそうなんだけど、相米慎二が物語を語ろうと強く意識している作品は、全シーン芝居も長回しも覚醒しちゃってて本当にやばい。『赤いアンブレラ』も最高すぎ。天才。傑作。

風花 kaza-hana(2000年製作の映画)

5.0

ぴよぴよ

相米が世界を描いてる時点で泣くよね。本作は登場人物たちが閉鎖的な映画的世界で生きているのではなくて、同時並行で起こる様々な生活と密接に関係し合いながら生きている。優しいよね。

光る女(1987年製作の映画)

5.0

バス

ケン・ラッセル味溢れる地下格闘技場。振り子運動するカメラ。相米映画でおそらく激レアであろう切り返しが見れる。プールの底。痛いよ。車フル活用した頭おかしい芝居演出。

雪の断章 情熱(1985年製作の映画)

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ブランコ

引き続き、相米映画メタ的に見てしまう病気に罹ったまま、本作鑑賞。映画を終始メタ的に観てしまうというのは、生まれて初めてのことなので、かなり戸惑っている。

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)

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ハンバーガー

スキャット、バイトシーンは良い。ただ恐ろしいことに、相米映画をメタ的に観てしまう病気に罹ってしまった。『台風クラブ』の没入感は凄まじかったのだが、この違いは何なのか考察の余地あり。

ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

5.0

散髪

とにかく面白いことしたやつが勝ち。本作の長回しは、物語的な機能よりも、ただ役者、スッタフが監督の無茶振りに精一杯応えようとしている瞬間を捉える、ドキュメンタリー的要素が強い。