このレビューはネタバレを含みます
寂しさを背負う孤独な魂の邂逅。それをどこかで希求する人々のささやかな日常の物語。
娘は温泉旅行なんて退屈そうだった、その話をする風吹ジュンが、歳を重ねた人特有の達観した優しさを持ちながらも、とても寂>>続きを読む
情報量多くて疲れた。まさにカオス。なのに終盤ちゃんとメッセージを持ってくるあたり『スイス・アーミー・マン』と同じだなと思った。
謎のドビュッシーモチーフの音楽が笑えてくる。
ぶっ飛んでて面白いけど、>>続きを読む
キャラクターの挙動、言動が人間のそれで、とてもリアルに感じたし、こういう邦画が、こういう芝居がもっと撮られていいと思った。
東出昌大は芝居が下手って言われることが多いけど、演出家の腕とキャラクター次第>>続きを読む
まるで荒野を何周も走っているような、虚しさと満たされない孤独感
自分そのものではない何かを見ている人たちからの好奇の目線や、安い好意を貪ることで彼はそのどうしようもない"満たされなさ"を埋めようとす>>続きを読む
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サクセスストーリー!って感じではなく、映画に惹きつけられた時の想い、周囲を取り巻くあらゆる問題、創作の孤独、創る喜び。
そういうものが描かれていて良かった。
カメラの映してしまう真実が、家族の運命を>>続きを読む
前半はコメディかなのか?これは?と思うようなシュールさがあるが、徐々にそれが本気であることがわかり、ドラマは凄みを増していく。
度々出てくる十字架とマリア(?)。
彼らの諍いは、内戦のメタファーか。>>続きを読む
人の欲が人を貶めていく。事態が悪天していく様は、悲惨で、滑稽である。
多くを望まない者が、細やかかもしれないけれど確かな幸せを手にするというラスト。
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いろんな人がいろんな事情と感情を抱えて、そこに居て、まるでそれ自体が料理のようで、ずっと見ていたくなる人間たちの姿だった。
最初に写真を撮るシーンから、厨房とフロアのテンションは全然違く、明らかにそ>>続きを読む
スルメは焼いた方がうまいとコンロを借りてくるシーン。
夏休みなのに息子を学校だと起こしてみたり、それを聞いた妹が「そんなことあったっけ、覚えてない」と言うシーン。特に好きだった。
多分こういうことが>>続きを読む
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良いなと思ったところは原作でちゃんと好きで印象に残っているシーン・シーケンス。
主人公を宮城リョータに置いたのは良いが、展開の仕方がむしろリズムを損ない、映画としてはやや退屈に思える瞬間が多かった。>>続きを読む
"普通でない"ふたりのラブストーリー。
音楽があんまり好きなタイプじゃなかったのもあるけど、なんだろう全体的に好きじゃなかったな。
心の中ではずっと許せなくて、表には現れない形で母を責め、罰している息子。
もちろん母親の行いは許される裏切りではないが、その裏切りが全てではなく、これまで愛情を渡されていたこともまた確かなのだと最後に>>続きを読む
後半の序盤くらいまでは面白かっただけに…少し残念。
感情が繋がらないシーンは飛び石のように並び、それまで惹きつけられていた気持ちがグイッと引き剥がされる。
浜辺のシーンの不協和音を孕む音楽が、シー>>続きを読む
時間的連続性のないシーンの連なりによって展開するのが特徴的だった。
相変わらずうっとりするような映像、そして目を奪われてしまう衣装とそれを纏う女優。それだけで勝ちなのが少しずるい。
配信で観ていると、>>続きを読む
世界のどこかである人との出会いと再会。それを求める雑踏の中の人間の孤独
幼稚にも見えるような恋愛のゴタゴタ
こんな良いのか…!
相変わらずハイセンスな映像に畳み掛けられ、爆音の音楽に圧倒される。
浴びているだけで良いと思えるような心地良さがある。
物語もわりとちゃんとあって、楽しんで観ることができた。>>続きを読む
時間軸の異なる同じモチーフのシーンが彼らの関係性の変化をよりうまく描き出す構成になっており、よかった。
ユーモアの効いた見せ方と、テンポの良いカッティングで古さを感じなかった。
モチーフのリフレイン>>続きを読む
初っ端から広角レンズのハイセンスな映像が畳み掛けるように映し出される。
そのうつくしさにうっとりしている間に引き込まれ、あるんだかないんだかわからない物語に乗りながら観た。
散文詩的な物語は取り止めも>>続きを読む
なるほど。
展開を追う楽しみはあったけど、なんかうまく物語に乗って見られなかった。
歪みの広角の多用。
キム・ミニの芝居が良すぎる。
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「思い出を愛するすべての人へ」という紹介の後に流れたTiny Dancerがよかった。
思い出を愛しいと思いながら過去を眺める眼差しがかんじられる作品だった。
恋する乙女のようなうっとりとした気持ちと>>続きを読む
誰かに恋するということについて、誰かを愛するということのうつくしさについて考えながら観た。
スクリーンの向こうの彼らは、確実に現実離れしたキャラ性の強い人物たちなわけだが、それをすんなりと「愛しい」>>続きを読む
まだ、未来が限定されることを受け入れられず、選択することに責任を負えない彼女。そんな未熟さを抱える彼女は「自由」にも見える。
情景が印象的だった。
フォーカスが人物ではなく景色に合う時、我々は彼ら彼>>続きを読む
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ささやかな楽しさを分かち合うシーンの圧倒的な輝き。洗車場で窓を開けてびしょ濡れになるシーンの、彼らの笑顔の愛おしさは是枝裕和のお家芸。
観覧車での会話。「でも私は捨てたの」と、本当はそうしたくないのに>>続きを読む
作ることの孤独さの共有を通して、良いものを突き詰めることへの勇気をもらう。自分がかつて受け取ったように、誰かの心に、つくった作品が届いた時に、報われ、救われる。だから私たちは、作り続けるのだと、そう改>>続きを読む
悪くはなかった、が、アガり幅がもっともっと欲しかった。広場に呼び出して言い合うシーンのセリフ(YouTuber馬鹿にしてんだろという趣旨)はよかったし、感情の流れとしても本当に丁寧にかつ簡潔に描かれて>>続きを読む
突っ込みどころが多いな…。脚本上では成立していたことも、演出と演技の面で映画的には全く成立していない部分が多く、少し悲しい。音楽が、メロディの展開が多く、使い所も露骨なことに加え、音量的にも大きく前に>>続きを読む
「この仕事(教師)が辛いのは、誰にも感謝されないことだ」
主人公に滲む悲しみがサブリミナルに挟まれる映像によって表現される映像演出がよかった。出来事の"予感"も同じ手法で表現されていて、とても好みで>>続きを読む