たむさんの映画レビュー・感想・評価

たむ

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THE SIN 罪(2024年製作の映画)

3.3

ハイブリッド型の盛り沢山、詰め込み韓国ホラー映画です。
『スリープ』や『パミョ』など意欲的なホラー映画が続々と作られている韓国映画ですが、本作はまさにジャンルとしてのホラーです。
謎の舞踊、廃校、蘇る
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地獄に落ちた者たち(2024年製作の映画)

3.6

今年の東京フィルメックスの締めとして鑑賞の異色の戦争映画です。
南北戦争を舞台にした作品で、宗教的なテーマを追求しつつ、ある北に向かう行軍を描きます。
戦闘シーンもありますが、それ以上に戦っていない時
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無所住(2024年製作の映画)

3.5

ツァイ・ミンリャン監督の行者シリーズ第10作で、スミソニアンからの作品です。
フィルメックスでの連続鑑賞ですが、続けて観ると、見方も分かってくるような気がしてきます。
実写で映画を撮るとはどういうこと
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何処(2022年製作の映画)

3.5

ツァイ・ミンリャン監督の行者シリーズの第9作目です。
リー・カンションさん演じる行者が歩く姿を淡々と描いていきます。
パリのポンピドーセンターからの依頼とのことで、舞台もその周辺になります。
長回しと
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獣兵衛忍風帖(1993年製作の映画)

3.3

伝説のエログロ時代劇アニメです。
初めて鑑賞しましたが、手描きアニメの表現力、テンポに加えて、切ないストーリー展開に目が離せない作品です。
今、ここまでのヴァイオレンス描写はなかなか厳しいものがありま
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スユチョン(2024年製作の映画)

4.0

東京フィルメックスのクロージングはホン・サンス監督作品です。
いつもの感じと言えば感じなのですが、いつも以上に映像が、荒い。
古いデジタル作品を観ているような、学生映画か自主製作のような映像のルックで
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アウトサイダー コンプリート・ノベル ‐4Kレストア版‐(1983年製作の映画)

4.0

フランシス・フォード・コッポラ監督リバイバル。
それより早く『メガロポリス』がみたいと思いつつ、壮絶技巧不良少年青春映画に感動します。
その後の映画スターが総出演、トム・クルーズさんはこの頃から危険な
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ワン・フロム・ザ・ハート リプライズ ‐4Kレストア版‐(1982年製作の映画)

2.5

伝説のカルト映画、リストアで初鑑賞です。
ずっと観たかった。
フランシス・フォード・コッポラ監督が『地獄の黙示録』で膨れ上がった借金が回収できないと予想し、ヒットを狙えるミュージカルを作ったら、『地獄
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四月(2024年製作の映画)

3.5

今年の東京フィルメックスコンペティションの中で、ラインナップをみたときに一番気になった作品です。
ヴェネツィア国際映画祭コンペティションで審査員特別賞を受賞したジョージアを舞台に、脱胎をテーマにしてい
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白衣蒼狗(2024年製作の映画)

3.7

カンヌ国際映画祭監督週間でも上映されたケン・ローチ監督やダルデンヌ兄弟監督を継ぐような作品です。
長回しや見事な構図という映像、沈黙のリズムといえば良いのか音のない独特なリズム感に、終始圧倒されるので
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ハッピー・ホリデーズ(2024年製作の映画)

3.6

ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門脚本賞でフィルメックスコンペティションのオムニバスドラマです。
オムニバスと言っても、4つの繋がった物語を各視点で複合的に描き、1人の見方が偏ってしまう事も表現
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黙視録(2024年製作の映画)

3.5

ヴェネツィア国際映画祭コンペティションにも選出され、フィルメックスのコンペティションにも入ったサスペンス映画です。
監視カメラを主題に展開する物語ですが、観ている間、混乱が続きます。
『ミッシング』的
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サントーシュ(2024年製作の映画)

3.5

インドを舞台にした社会派サスペンス映画です。
フィルメックスコンペティションは毎年力強い作品が多いですが、本作も不条理や理不尽を世界に問う映画に仕上がっています。
亡くなった夫の変わりに警察官になった
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コ死:デスロワイアル(2010年製作の映画)

2.5

学園ホラーが若手俳優の登竜門である事は、世界映画共通のところであります。
本作は当時の韓国の若手俳優注目株が出演していたであろう2010年のごった煮にしたホラー映画です。
私はパク・ウンビンさんからこ
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新世紀ロマンティクス(2024年製作の映画)

4.0

今年も開幕の東京フィルメックス。
オープニングはジャ・ジャンクー監督の新作です。
ものすごく久々、今年のカンヌ国際映画祭コンペに入ってから、きっとフィルメックスで上映してくれるだろうという希望で楽しみ
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ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)

3.4

今やジャンルと呼びたくなる、ニコラス・ケイジさんの主演の新作です。
個人的な好みなのでしょうが、最近の中では最も興味深く、楽しみにしていた作品です。
複数の人の夢に現れるポールのホラーともファンタジー
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沈黙、愛(2017年製作の映画)

3.6

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近の韓国法廷劇です。
法廷劇といえば、名優たちの共演とどんでん返しが期待のジャンルものですが、本作はチェ・ミンシクさんが主演している時点でかなりの期待値がありま
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クリスマスはすぐそこに(2024年製作の映画)

3.6

アルフォンソ・キュアロン監督のストーリーと制作、デイヴィッド・ロウリー監督によるクリスマスを題材にした短編ストップモーションアニメーションです。
なんと豪華な制作体制、と思いながら、フクロウの冒険物語
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オードリー・ローズ(1977年製作の映画)

3.4

ホラーマニアックスから、ロバート・ワイズ監督、アンソニー・ホプキンスさん主演の輪廻転生ものです。
ホラーという怖さよりも人間ドラマの不思議さ、わからない事に触れる事の驚きのようなものが表現されます。
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テラー博士の恐怖(1964年製作の映画)

3.3

ホラーマニアックスシリーズから、イギリスのオムニバスホラーです。
列車で同室となった五人の男が、博士の使うタロットカードで未来を占われるが、それぞれに奇妙な出来事が予言される、という筋です。
5つの物
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野獣の血(2022年製作の映画)

3.2

時間軸的には『悪いやつら』→『対外秘』→本作という流れになる釜山ノワール映画です。
釜山ノワール付いていますが、先に見た2作は大作ですが、本作はスモールサイズ。
国家に広がるというよりも個人的な人間関
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悪いやつら(2012年製作の映画)

3.5

釜山での反社会組織一斉摘発を描く韓国のノワール大作です。
今では実現不可能ではないかと思えるほどの超豪華キャストの共演です。
『対外秘』を観たばかりなので、その前編的な興味でも観ることが出来ます。
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.0

リドリー・スコット監督が前人未到の領域に突入したアカデミー賞作品賞受賞作の続編です。
前作から24年、映画の中でも20年ぐらい経っているようですが、新しい皇帝によってより腐敗が進んだローマ帝国時代を舞
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対外秘(2022年製作の映画)

3.5

なんという豪華キャストが揃った政治韓国ノワールです。
釜山の再開発に揺れる1992年を舞台に、政治と裏社会、再開発をめぐる覇権争いが描かれます。
状況は常に変わり、展開の早さと変化は全く飽きさせない構
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クルージング(1980年製作の映画)

4.0

ウィリアム・フリードキン監督の異様な熱を感じさせる画面と音響のサイコスリラーです。
クリント・イーストウッドさんの『タイトロープ』とも重なるような刑事の欲望が目覚めさせられるような世界に入り込んでいく
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室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

2.5

これほどレビューは難しい映画は久々な室井さんの後編です。
内容になるべく触れないようにすると、『踊る大捜査線』のファンとしては感無量、涙なしには観られらないです。
しかし映画として観たらここまで構成が
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グラディエーター エクステンデッド・エディション(2000年製作の映画)

4.1

いよいよ続編の公開が迫ったアカデミー賞作品賞受賞作をエクステンデッドエディションで鑑賞です。
劇場公開版は何十回と観ましたが、エクステンデッドエディションは初めての鑑賞。
改めて映画らしい映画とは本作
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ランボー3/怒りのアフガン 4Kレストア版(1988年製作の映画)

2.8

ランボートリロジーの4Kレストア版が劇場公開です。
本当は5部作ですが、スタローンさんアクション俳優としての全盛期、ロッキーもランボーもやっていた時の作品です。
当時のワンマンアーミー映画の代表作とも
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.0

アカデミー長編アニメーション賞にノミネートした傑作です。
サイレント映画やニューヨークへのオマージュを込めている作品で、セリフはなし、犬とロボットのドラマを描きます。
物語だけでも楽しめる切ない映画で
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動物界(2023年製作の映画)

3.7

新しい生命体生まれた後の近未来を舞台にした映画です。
不思議な映画で、予告編を観たときの印象とはまた違った作品です。
もっとホラーやスリラー系かと思いましたが、新生命体に対する反応、変化といったリアク
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イマジナリー(2024年製作の映画)

3.0

おなじみブラムハウスの新作ホラーです。
今までどれだけホラー映画の題材になってきたであろう、イマジナリーフレンドものです。
新奇性はほぼないですが、ブラムハウスクオリティは担保されており、クライマック
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レッド・ワン(2024年製作の映画)

3.1

こういう映画が出てくると、クリスマスが近い事を実感させられます。
豪華キャストで、ハリウッド映画得意のアクションもファンタジーもあります。
『素晴らしき哉、人生!』のクリスマス映画の伝統もしっかり守ら
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ヴェノム:ザ・ラストダンス(2024年製作の映画)

3.0

ヴェノム第3作は、タイトル的には3部作完結編な作品です。
もはやエディとヴェノムの掛け合いを楽しむ映画で、地球存亡の危機が描かれているようですが、全く内容が入ってきません。
ヘンに入り組んでいるところ
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The Hut(英題)(1980年製作の映画)

3.7

1980年代の韓国映画でヴェネチア国際映画祭コンペティション招待された作品です。
「韓国映画100年史」によると1970年代のメロドラマの下位ジャンルとしてホステス映画が主流であったそう。
1980年
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トラップ(2024年製作の映画)

2.9

父シャマラン監督の最新作、なんと楽しいスリラー映画でしょう。
ずっとニヤニヤが止まらないほど、上手いんだか下手なんだかわからない、熟練の職人技が全編炸裂します。
ジョシュ・ハートネットさんがとにかく素
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荷馬車(1961年製作の映画)

4.0

韓国映画史上初めて三大国際映画祭で受賞を果たした金字塔的作品です。
1960年代は韓国映画のルネサンスと呼ばれており、多くの名作が生まれ、観客動員も増加した時で、非常に重要な時期です。
少し先輩で怪物
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